思い出の小学唱歌を舞台に心を癒してくれる「昔」が今よみがえる

 

Ch.9  唱 歌

 

 

Ch.9 唱歌 目録 (五十音順) 

 

一寸法師 うたごえ運動歌 応援歌 歌曲もの 学園ソング 学生歌 学校唱歌 

 

合唱 汽車の旅 教育唱歌 軍艦唱歌 校歌 国民歌謡 シーズンソング 自然賛歌 シンガーソング 青春歌謡 世界漫遊唱歌 世界六大都府 鉄道唱歌 鉄馬唱歌 電車唱歌 楠公の歌 日本歌曲 舶来原曲歌 バンカラ・ソング ホームソング ラジオ歌謡 寮歌 歴史唱歌 レクリエーション・ソング

 

 

一寸法師 いっすんぼうし

幅広く愛唱されている小学唱歌。

いくつか発生した替歌の元になっている人気唱歌でもある。さらにこの唱歌は物語詞が中心で、曲が読物の挿絵のような効果を発揮するのが特徴である。

 【例歌】

YOU TUBE

一寸法師        ひばり児童合唱団

巌谷(いわや)小波(さざなみ)

一 指に足りない 一寸法師

小さい体に 大きな望み

お椀の船に 箸の櫂

京へ はるばる上り行く

 二 京は三条の 大臣殿に

抱えられたる 一寸法師

法師法師と お気に入り

姫のお(とも)で 清水(きよみず)

 三 さても帰りの 清水坂(きよみずさか)

鬼が一匹 現われ()でて

食って掛かれば その口へ

法師たちまち (おど)り込む

 四 針の太刀をば 逆手(さかて)に持って

ちくりちくりと 腹中(はらじゆう)つけば

鬼は 法師をはき出して 

一生懸命 逃げて行く

 五 鬼が忘れた 打出(うちで)の小槌

打てば不思議や一寸法師

ひと打ごとに 背が伸びて

いまは 立派な 大男

──学校唱歌、明治三十八年制定、『尋常小学唱歌』一の中

 

うたごえ運動歌 うたごえうんどうか

「うたごえ運動」とは、戦後に若者らを中心に起きた社会的合唱運動である。その広がりは全国的なもので、各地のうたごえ喫茶、うたごえ酒場を拠点に、戦後混乱期を乗り越え逞しく生きようとする若者たちの息吹がエネルギッシュに発散していた。

 その意味で〈うたごえ運動歌〉は、戦後日本の青春のシンボルといえた。ところが、暗くて重いロシア民謡片寄りの傾向が見られたのは、過酷な戦後体験をも象徴しているといえよう。

【例歌】

カチューシャ         ミハイル・イサコフスキー詞  関 鑑子訳詞

♪りんごの花ほころび 川面に霞たち

 君なき里にも 春はしのびよりぬ

 君なき里にも 春はしのびよりぬ

♪岸辺に立ちて歌う カチューシャの歌

 春風やさしくふき 夢がわくみ空よ

 春風やさしくふき 夢がわくみ空よ 

♪カチューシャの歌声 はるかに丘をこえ

 今なお君をたずねて やさしその歌声

 今なお君をたずねて やさしその歌声

♪りんごの花ほころび 川面に霞たち

 君なき里にも 春はしのびよりぬ

 君なき里にも 春はしのびよりぬ

──原曲はロシア民謡

 

YOU TUBE

 

いつかある日 *昭和34年ごろ歌声喫茶で流行に                          

かあさんの歌 

カチューシャ *ロシア民謡(原語)

原爆許すまじ *アンサンブル・ヴェルソ

ともしび *ロシア民謡

トロイカ *ロシア民謡

母なるヴォルガ *ロシア民謡

山小舎の灯 *近江俊郎

雪の降る町を *高英男

雪山讃歌 *ダーク・ダックス、原曲はアメリカ民謡

りんどうの花咲けば

 うたごえ酒場は今も人気で全国展開

 

応援歌 おうえんか

 スポーツの団体または選手個人を励まし、後援するために作られた歌謡。その範囲や形態はきわめて多岐にわたる。

【例歌】

日大節 

[前節] 東に大利根の清流をそそぎ、西に霊峰富士の仰ぐ ここ大江戸神田三崎の森に、きぜんとそびえ立つは 我が日本大学である
♪青山桜花の元にはせさんじ、明日の日本を
背負いたつ
 我が日本大学の強者共が、ここに集いて日
大節の一節を
 声高らかにいざ歌わんかな 舞わんかな 
いざ狂わんかな
 エッサコリャコリャこの俺は まかり出ま
したこの俺は
 日大一の色男 エッサコリャコリャこの俺
は 

 まかり出ましたこの俺は 日大一の強き者
 エッサ見てくれこの身体 柔道で鍛えしこ
の身体
 エッサ見てくれこの腕(かいな) 空手で
鍛えしこの腕
 エッサコリャコリャ 前から来い  後ろ
から来い
 前からくる奴ワンパンチ 後ろからくる奴
背負い投げ
 エッサコリャコリャ 日大名物数あれど
数々あれど数あれど
 数ある中の日大の 日大節の一節を
 皆が揃うたら日大節だよ 日大節は一拍子

  (ヨー)
♪ここは神田か東京の町か 神田の町なら大
学は日本
 大学日本の学生さんは 度胸一つの男伊達
 度胸一つで神田の町を 歩いて行きます紋
付袴
 紋付袴は日大の印 ぼろは俺等の旗印
 ぼろは纏えど心は錦 どんな者にも恐れは
せぬぞ
 どんな者にも恐れはせぬが 可愛いあの娘
にゃ敵やせぬ
 可愛いあの娘もいつでも捨てる 母校の為
なら生命までも
 生命捨ててもその名は残る 大学日本のそ
の名は残る

 「したらば掲示板」2010

 

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近畿大学応援部 近大節

新聞少年 *山田太郎

かな *慶応義塾ワグネル・ソサイエティーの演奏で、早稲田大学の合宿学生のための応援歌

ぼけたらあかん *杉良太郎

若き血 *慶応大学応援歌

早稲田大学応援歌「紺碧の空」

 

歌曲もの

「歌曲」とはクラシック音楽から派生した声楽曲を指すが、それをさらに一般歌謡向きに編曲したものを〈歌曲もの〉と称している。これには新規に歌曲風に作詞作曲されたものをも含む。

 今では唱歌に同化し、唱歌として定着している作品が少なくない。

【例歌】

荒城の月          土井晩翠詞

1.  春高楼(かうろう・こうろう)の花の宴(えん) 巡る盃(さかづき)影さして
千代の松が枝(え)分け出(い) でし 昔の光今いづこ

2.  秋陣営の霜の色 鳴きゆく雁(かり)の数見せて
植うる剣(つるぎ)に照り沿ひし 昔の光今いづこ

3.  今荒城の夜半(よは・よわ)の月 変はらぬ光誰(た)がためぞ
垣に残るはただ葛(かずら) 松に歌ふ(うとう)はただ嵐

4.  天上影は変はらねど 栄枯(えいこ)は移る世の姿
映さむとてか今も尚 ああ荒城の夜半の月

──歌曲、明治三十四年発表

 

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青葉の笛 *倍賞千恵子

グリーングリーン *合唱曲

白い想い出 *島田祐子

出船の港 *藤原義江

波浮の港 *藤原義江

ブラームスの子守歌  *島田祐子

 

学園ソング がくえんそんぐ

 昭和三十六年ごろから高校生を中心に友情や初恋などを主題に流行しはじめた青春歌謡。

 舟木一夫がソロや合唱でうたった一連の「学園もの」が普及に貢献した。

 

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学園天国

学園広場 *舟木一夫、松原智恵子、1963

高校三年生 *学園ものスター舟木一夫の代表歌 

修学旅行 *舟木一夫

中学三年生 *森 昌子

仲間たち *舟木一夫

ハイスクールララバイ *イモ欽トリオ

花散る校庭 *轟 夕起子

 

学生歌 がくせいか

大学生のために作詞作曲された歌謡の総称。校歌・寮歌など合唱ものが中心である。

 

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亜細亜大学 第一学生歌

國學院大學 数え唄

巡航節 海軍兵学校学生歌

惜別の歌 *中央大学学生歌

中大節(神田節) *中央大学学生歌

日大節                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     

防衛大学生歌 *自衛隊小唄、三島敏夫

 

北帰行 *旧満州国旅順高校の愛唱歌

 学生歌愛唱年代の今…

【例歌】

春は春は はるははる        御手洗(みたらし)文雄詞

♪春は、春は、桜咲く向島、オール持つ手に花が散る。

♪夏は、夏は、緑濃き綾瀬川、オール持つ手に蛍飛ぶ。

♪秋は、秋は、紅葉散る竜田川、オール持つ手に月がさす。

♪冬は、冬は、木枯吹く坂東(ばんどう)太郎(たろう)、オール持つ手に雪が降る。

──学生唱歌明治四十一年頃成『明治流行歌史』

[メモ] 東大ボート部の銚子遠漕を記念して作られた寄贈歌。元歌「四季の春」の作り替えである。

ボートレースの歌 ぼーとれーすのうた    添田啞蝉坊詞

♪波を蹴破るボートの驀進

風に私語くオールの響き

ボートの中には可憐の男の児

或は赤く或は青く

 今日のレースに誉れの花を

手折るは誰が児ぞ誰が為手折

思ひぞ起す去年の春の

ボートレースの其時に

チラリと見染めし御身のスタイル

夢か現に忘れもやらず

夏は涼しき品川沖に

ボート並べて君と二人

人目を避けて語るは夢か

怪しき影は波に砕けて

アレ雲間より月が覗く

今朝の門出に犇と吾手を

握り給ひし御手の温みは

未だ冷めざるにアラ懐かしや

あら勇ましや其御手に今

オールを握りて吾劣らじと

額に汗して茲を先途と

闘ひ給ふ君よ負けな

赤よ青よ競えや競へ

ズドンと一発花火が飛んだ

飛んだ花火は赤の旗

赤は勝ったり赤は勝てり

嬉しや君は赤の組

吾れを忘れて狂気の如く

御名を呼びつゝハンカチ振れば

波を隔てゝ君の笑顔

──流行歌、大正十年作、『ボートレースの歌』(明文館書店、五銭本)

[メモ] 啞蝉坊臭というか演歌調のしない珍しく健康的な歌で、当時女学生間でも愛唱された。

早大校歌替え そうだいおうえんかかえ

♪都の横っちょの早稲田のやぶに/そびゆるトタン屋根は我等が下宿/我等が日頃のまかないを知るや/三銭の煮豆に五厘の豆腐/経済を忘れぬ下宿のおかみ/朝から夜までソロバンはじく/ヤセタ ヤセタ ヤセタ ヤセタ/ ヤセタ ヤセタ 死んだ

──替歌、明治末流行、『日本故事物語』

早稲田遠漕歌 わせだえんそうか

一つと出たわいのよさほいのほい

人も許せば 我もまたホイ許すワセダのボートマン

 ホイノホイ

二つと出たわいのよさほいのほい

 艇は出てゆく白髯をホイ向う十日の腕試し

 ホイノホイ

三つと出たわいのよさほいのほい

都鳥にも暫くのホイ別れ告げよか運河口

 ホイノホイ

四つと出たわいのよさほいのほい

寄るか寄るまいか行徳へホイ橋が見えます市川の 

ホイノホイ

五つと出たわいのよさほいのほい

一気力漕千本でホイ船は過ぎ行く国府台

 ホイノホイ

六つと出たわいのよさほいのほい

むせぶ松戸の朝霧にホイ動く(かいな)が十二本

 ホイノホイ

七つと出たわいのよさほいのほい

涙流すな男ならホイここが名代の流山

 ホイノホイ

八つと出たわいのよさほいのほい

山は筑波に川は利根ホイ漕ぐはワセダのボートマン

 ホイノホイ

九つと出たわいのよさほいのほい

漕ぐ手休めて眺め入るホイ潮来出島の夕景色

 ホイノホイ

十と出たわいのよさほいのほい

遠い波路も恙なくホイ今宵大新飲み明す

 ホイノホイ

──替歌、大正末流行、『時代を生きる替歌・考』

[メモ] この歌詞は「ヨサホイ節」のバレ替え唄とは別に、健康的なほうの替歌として一般にも広くうたわれた。

 

学校唱歌 がっこうしょうか

近代、帝国体制下にあった日本が国策に基づき学校教育過程で生徒・児童にうたわせた唱歌。

文部省発行の教科書つまり国定教科書により、一般の唱歌とは別にグレードの高い扱いをされた。戦中体験のある高齢者にとって、我が意を得たりの懐かしい歌が少なくない。

 

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【例歌】

四季の月             文部省

一 さきにおう、やまのさくらの、

  花のうえに、(かす)みていでし、

  はるのよの月。

二 (あめ)すぎし、(にわ)草葉(くさば)の、

  つゆのうえに、しばしは やどる、

  夏の()の月。

三 みるひとの、こころごころに、

  まかせおきて、高嶺(たかね)にすめる、

  あきのよの月。

四 水鳥(みずとり)の、(こえ)()にしむ、

  いけの(おも)に、さながら こおる、

  冬のよの月。

──学校唱歌、明治十七年『小学唱歌集』三

【例歌】

YOU TUBE

見わたせば みわたせば     ポコ・ア・ポコ合唱        柴田清煕詞

一、見渡せば、あおやなぎ、

花桜、こき混ぜて、

みやこには、みちもせに、

春の錦をぞ。

さおひめの、おりなして、

ふるあめに、そめにける。

 二、みわたせば、やまべには、

おのえにも、ふもとにも、

うすきこき、もみじ葉の、

錦の秋をぞ。

たつたひめ、おりかけて、

つゆ霜に、さらしける。

──学校唱歌、明治十四年制定、『心に残る日本の歌101選』

[メモ] 一節と二節では作詞者が別人なのに呼吸がぴったり合っている。

白虎隊 びやつこたい          稲垣千頴詞

一 霰の如く 乱れくる

敵の弾丸 ひき受けて

命を(ちり)と たたかいし 

三十七の (ゆう)少年(しようねん)

     これぞ会津の 落城に

その名聞えし 白虎隊

 二 味方は少なく 敵多く

日は暮れ果てて雨暗し

はやる勇気はたわまねど

疲れし身をばいかにせん

倒るる(かばね) 流るる血

頼む矢玉も 尽きはてぬ

 三 残るは僅かに 十六士

一度後(ひとたびあと)に 立ちかえり

主君の最後に会わばやと

飯盛山(いいもりやま)に よじ登り

見れば早くも 城落ちて

(ほのお)は天を 焦がしたり

 四 「臣子(しんし)(つとめ)はこれまでぞ

いで(いさぎ)よく死すべし」と

枕並べて いさぎよく

(やいば)に伏しし 物語り

伝えて今に 美談とす

散りたる花の(かんば)しさ

──学校唱歌、明治三十八年制定、『国定小学読本唱歌』高等科二

YOU TUBE

   きしや  

♪一 今は山中 今は浜

今は鉄橋 渡るぞと

思う間もなく トンネルの

闇を通って 広野原

 二 遠くに見える村の屋根

近くに見える 町の軒

盛や林や 田や畑

後へ後へと 飛んで行く

 三 廻り(どう)(ろう)の ゑの様に

変わる景色の おもしろさ

見とれてそれと 知らぬ間に

早くも過ぎる 幾十里

──学校唱歌、明治四十五年制定、『尋常小学唱歌』第三学年用

「汽車の碑」歌詞と建立由来が掲げられている〔福島県JR広野駅〕

 

YOU TUBE

 

いなかの四季 *文部省唱歌、明治43

 *文部省唱歌

  *文部省唱歌、昭和7

朧月夜 *文部省唱歌、大正3

織り成す錦 *中等唱歌

案山子 *本多秋子、明治44

かたつむり *文部省唱歌、明治44

菊の花 *文部省唱歌、明治44

くつがなる *文部省唱歌、大正8

鯉のぼり *文部省唱歌、大正2

こうま *文部省唱歌、明治43

児島高徳 *文部省唱歌

茶 摘 *文部省唱歌、明治45

 *文部省唱歌、明治43

手 紙 *NHKみんなのうた

どこかで春が *文部省唱歌、大正12

とんび *文部省唱歌、大正8

夏は来ぬ *文部省唱歌、明治29

二宮金次郎*文部省唱歌、明治44

野菊 *文部省唱歌、昭和17

のらくろ二等兵 *文部省唱歌

 *文部省唱歌

  *文部省唱歌、昭和16

春が来た *文部省唱歌、明治43

春の小川 *モデルは東京都渋谷区を流れていた宇田川支流(昭和225月発表)

春よこい *文部省唱歌

日の丸の旗 *文部省唱歌、明治44

白虎隊(類歌)  *文部省唱歌

冬の夜 *文部省唱歌、明治45

牧場の朝 *文部省唱歌、昭和7

虫のこえ *文部省唱歌、明治43

村の鍛冶屋 *文部省唱歌、明治45

村 祭 *文部省唱歌、明治45

明治節 *文部省唱歌

めんこい仔馬 *文部省唱歌、昭和16

夜の梅 *文部省唱歌、大正3

わか葉 *文部省唱歌、昭和17

われは海の子 *文部省唱歌、明治43

 

合唱

 大半の唱歌は文字通り合唱のために作られ、情操教育の中核となっている。

【例歌】

うるわし春よ        ドイツ民謡             丹治汪訳詞

♪うるわし春よ
 緑に映えて
 歌声ひびく
 野に山に
♪うるわし春よ            
 緑に映えて
 歌声ひびく
 野に山に
♪ラララ ラララ ララララ     

 

 ララ  ラ ラララ ララララ
 ラララ ラララ ラララ
 ラララ ラララ ララ

[メモ] 三部輪唱形式になっている。

 

YOU TUBE

 

あおげば尊し *原曲はH. N. D

赤い河の谷間 *東京マイスタージンガー

あの素晴らしい愛をもう一度 *合唱団名不

おさななじみ *デューク・エイセス

思い出がいっぱい *エッチツーオー

女は愛に生きるもの *三浦京子&ハニーシックス

女ひとり *デューク・エイセス

 *合唱団名不明

感激の合唱 *伊藤久男・二葉あき子・コロムビア合唱団

乾杯の歌 *ヴェルディ作曲

きずな *混声合唱曲

北風小僧の寒太郎 *混声合唱曲

今日の日はさようなら *合唱団名不明

銀色の道 *ダーク・ダックス

黒猫のタンゴ *Yokohama Thirty Four

権兵衛が種まく *龍ヶ崎市長寿大学

星かげさやかに *原曲はフランス民謡

山賊の歌 *田中星児・ビクター少年合唱団

 夜懐友 *東京音楽学校生徒

そして神戸 *内山田洋とクールファイブ

那須与一 *合唱団名不明、平家物語による混声合唱のためのエチュード

夏は来ぬ *NHK東京放送児童合唱団

ふるさとの四季 *混声合唱のための唱歌メドレー

ヘイワ・オンド *林伊佐夫・岡春夫・徳太郎・都能 

星の界() *デューク・エイセス

  *NHK東京児童合唱団

わらの中の七面鳥

 

汽車の旅 きしゃのたび

明治も三十年ともなると、日本の文明開化は外面的にかなりの進歩を遂げ、鉄道網も長足の進歩を遂げた。国土の大動脈である東海道本線は明治二十二年にすでに全線開通、人々は汽車という文明の利器を使っての旅に楽しみを見出せるまでになった。

演歌師の横江鉄石が作詞した長編歌謡詞〈汽車の旅〉は明治三十一年六月、「欣舞節」の一主題歌としてビラ本で出版されたが、たちまち評判に。後の「鉄道唱歌」の魁となり類歌や盗作まがいが続出した。

【例歌】

欣舞節 きんぶぶし          横江鉄石詞

汽車の旅

百里の山河一睡の、夢を載せ行く汽車の旅

実にや泰西文明の、恵みを受くる吾人は

送迎応接暇なき、窓の景色を楽しまん

汽笛一声新橋を、跡に出で行く芝浜や

左は遠く房総の、沖に行きかふ真帆片帆

あかぬ眺めにあこがれて、右手に名高き泉岳寺

義士の昔を忍びつゝ、行けば程なく御殿山

品川駅も跡に見て、恨みを呑んで罪人の

地下に眠れる鈴ケ森、大森過ぎて行先は

藍を流せる六郷の、川を渡れば川崎や

いつか鶴見も打過ぎて、薩摩隼人が血気の勇に

碧眼者流の心胆を、寒からしめし生麦も

越えて忽ち神奈川や、出船入船賑はしき

横浜港の繁栄を、見るにつけても丘上の

高地を占めし洋館の、広壮巍々たる建築に

一種の感慨起こるらん、程ヶ谷、戸塚、藤沢も

過ぎて忽ち大磯に、錦衣玉食元老が

閑臥栄華の楽園(パラダイス)、空拳蹶起早雲が

覇業五世の基を立てゝ豊太閤の雄略も

持久重囲に辛うじて、陥し入たる小田原城

嶮路峻坂旅人が、艱みし箱根を迂回して

巧みに鑿てる隧道(トンネル)は、昼夜明暗十余ケ所

山北松田御殿場も、過ぎて程なく佐野沼津

紈素の如き白雲は、真に白扇倒まに

懸る姿の芙蓉峰、裾野はこゝぞ父の仇

報いし曾我の兄弟が、誉れは今も尚ほ絶えず

清く流るゝ富士の川、越えて行方は蒲原や

由比に生れし一賎児、満身胆なる英断に

幕府を倒さん陰謀も、折れて果敢なき松の雪

その正雪の故事(ふること)を、思い回らす一刹那

沖津白浪海岸を、走る車はいつしかに

止みて忽ち静岡と、叫ぶ車掌の声につれ

去来出入喧囂の、響に静思を破られて

しばし燻らす巻莨

欣舞、々々、々々 愉快、々々

嚠喨たかく一声の、汽笛響きて静岡を

出づる列車は程もなく、進む焼津は名も高

日本武の尊の遺跡、紫電一閃宝刀の

鞘を払ひて草を薙ぎ、敵を退け給ける

故事は青史に隠れなく、思ひ出すさへ畏け

藤枝過ぎて島田駅、朝顔日記の脚本に

知らぬ者なき大井川、大事の前の小事ぞと

匹夫下郎に頓首して、謝状を記せし忍耐は

流石神崎与五郎と、義士の誉れを欽慕して

轟然長き鉄橋を、越えて金谷や堀の内

虚か実か白浪の、五人男を追想し

掛川袋井中泉、こゝは繁華な浜松市

武田徳川領有が、鋒を交へし古戦場

三形ケ原も程近く、舞坂過ぎて浜名湖は

緑波白帆相映じ、左は蒼海漫々と

水や空なる遠州灘、波上を走る橋梁を

過ぎて鷲津や二川や、吉田通れば二階から

招く昔はいざ知らず、今も東参第一の

都会ときこゆる豊橋を、右手に望みて御油駅や

行けば忽ち蒲郡、遥かに見渡す岡崎は

蹶起天下を風靡して、三百年間徳川の

覇業を創めし家康が、基礎を定めし古蹟の地

烟樹模糊たる間より、屋瓦白壁輝きて

都会の反映氏らるべし

欣舞、々々、々々 愉快、々々

岡崎駅を跡に見て、安城刈谷大府駅

右に連なる一帯の、山路遥かに桶狭間

勝つて傲りし義元が、末路悲しき惨風血雨

大高駅を始めとし、近く見渡す鳴海町

古松存する善松寺、皆これ当年英雄が

風来叱咤の夢の跡、万感坐ろに湧き来り

茫然自失の瞬間に、列車進める熱田駅

老樹陰森神寂し、官幣大社を伏し拝み

車声轣轆轟きて、向ふ彼方は名古屋城 

雲を凌ぎて屹然と、立てる天守の閣上に

燦爛眼を射る黄金の光り、草間僻地の中村に

稀世の英傑現はれて、六十余州を席巻し

震天動地の絶大偉業、余威は溢れて鶏林の

八道山河を蹂躙し、明を戦慄せしめたる

豊臣秀吉其の人が、始めて呱々の産声を

揚げし所はこの地ぞと、過ぎし昔を想起して

再び城頭見上ぐれば、照らす日影も鮮やかに

天に冲せる金鯱の光り

欣舞、々々、々々 愉快、々々

機関の響き囂然と、進む車に山鳥の

名にし尾張の金城も、いつか淡烟一抹の

内に隠れて光りなく、平原十里の其の中に

凸然起れる小丘は、過ぎし天正十二年

茲に稀世の両雄が、鋒を交へし小牧山

一鼓席捲信長が、覇業の基を定めたる

古跡は茲ぞ清洲駅、越えて行向は一ノ宮

音に聞ゆる木曽川も、堅く築きし鉄の

橋に容易く打ち越えて、右手に聳ゆる金華

岐阜を過ぐれば長良川、こゝは名所よ鵜飼

至孝鬼神を感動し、恐れ多くも元正の

帝の幸ありしとて、残る美談の幼な子も

知れる養老公園は、大垣駅に程近く、

垂井過ぐれば関ケ原、いづれ劣らぬ奸雄が

一世を賭せし修羅の跡、鬼哭啾たり古戦場

長岡過ぎて米原は、敦賀線への別れ道

明治維新の革命に、桜田門外果敢なくも

犠牲と倒れし伊井候が、居城を構へし彦根

能登川八幡野州草津、馬場(ばんば)は大津に程近く

今も名高き八景に、眺め見飽かぬ鳰の海

知るも知らぬも逢坂の、関の跡てふ大谷を

跡に見すてゝ山科や、苦心惨憺大石が

花に戯れ月に酔ひ、敵を欺く閑居の遺跡

稲荷過ぐれば程もなく、こゝは七条停車場(すていしよん)

   流石旧都は繁栄に、添へし青山減碧水の

眺め尽きせぬ別天地、いでや探らん名勝古跡

欣舞、々々、愉快、々々、々々

山紫水明風物の、粋を集めし京都府の

中を流るゝ鴨の川、月を吐くてう吐月橋

渡る彼方は嵐山、嵯峨や御室の花盛り

鐘は何処ぞ智恩院、夏の暑さも白珠の

砕く流れの川水に、涼風清き四条河原

秋は通天永観堂、錦染めなす竜田川

冬の眺めは白砂の、雪にまばゆき銀世界

今朝の寒さに布団着て、寝たる姿の東山

四季の眺めに人工の、たえを加へし金閣寺

それに劣らぬギンカクジ、八坂京極清水や

いざや訪はなん南禅寺、無情の花のそれならで

いつも介護の花盛り、糸竹管弦歌吹海

歌舞の菩薩の色競べ、いつも賑はう祇園町

栄枯盛衰源平の、過ぎし昔や足利の

栄華を夢みし室町も、今は桑滄一変の

昔ゆかしき名勝古跡、眺めは更に尽きせねど

急ぐ旅路に気もそゞろ、又も乗り込む汽車の旅

いつか七条跡に見て、向ふ所は向日(むかふ)

過ぎて忽ち山崎や、君を弑せし大逆の

報い覿面光秀が、一敗肝脳地に塗みれ

恨み残せし古戦場、越えて高槻茨木は

鬼を欺く村重が、末路果敢なき夢の跡

吹田過ぎれば浪華津と、流石は名にし大阪の

こゝ派梅田の停車場、花の吾妻と世の中に

誇る京都の繁栄に、劣る色なき大都会

いでや日記の筆染めて、塵を払はん旅衣

欣舞、々々、々々 愉快、々々

昔豊公其の人が、居城を構へし大阪府

今は全国商業の、権を握れる無双の要地

街路八達水陸の、便を備えし其の上に

天満宮や生魂社、桜の宮を始めとし

民の竃の賑ひに、大御心をかけ給ひ

登る烟りを見そなはし、深き恵みを国風に

詠じ賜ひし仁君の、御蹟残れる高津の宮

名所古跡の遊覧に、時を移して逍遥(さまよ)へば

心斎橋の賑ひや、千日前の人の波

夜は万燈輝きて、弦歌声湧く南北新地

客を待つ島遊廓に、桃李海棠美女(たおやめ)が 

色香争う粧ひも、無骨無粋の旅人は

余処にみすてゝ只一人、帰る旅館に一睡の

夢は驚く暁鴉、旅装□卒梅田より

再び乗込む汽車の旅

欣舞、々々、々々 愉快、々々

煙り遺して勇しく、響く汽笛に轣轆の

声は伴ふ一瞬時、いつか神崎跡に見て

行けば程なく西の宮、打出の浜も打越して

神威赫々自ら、人の心も住吉の

駅を過ぐれば三の宮、音に聞ゆる布引の

滝の名所も程近く、生田の森に景季が

猛き心にしおらしき、色も香もある花箙

今も匂れる武士の、在りし昔を想起する

折しも列車留まりて、こゝは五港の一と聞

繁華の神戸の港、大廈高楼洋館の

雲を凌げる居留地や、林と立てる煙筒の

煙り宛ら黒竜の、天に朝する有様に

去来絶えせぬ大艦巨船、通称貿易熱閙の

市街(まち)を離れし諏訪山や、解語花さく福原の

廓の繁華は粋客の、評に任せて忠臣の

跡を弔ふ湊川、義烈忠烈幼な児も

知らぬ者なき正成の、霊を慰め烈公が

立てし不朽の(いしぶみ)に、賽者絶えざる楠公神

数百年後の今日も、碧血悽壮忠臣の

最後を思ひ回らせ馬、懦夫も立つべし我知らず

粛然襟を正しつゝ、袖に時雨るゝ敬慕の涙

欣舞、々々、々々 愉快、々々

──演歌、明治三十一年頃流行、『社会の灯』四

 明治三十年頃の汽車〔交通科学博物館に展示〕

 

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汽 車 *合唱団名不明

汽車の旅 *安藤峰子

 

教育唱歌 きょういくしょうか

学校の教育指導を基とした唱歌。

近代に文部省が制定し、音楽教科書に所収の唱歌をいう。〈学校唱歌〉とほぼ同一である。

【例歌】

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兵隊さんよありがとう          橋本善三郎詞  ひばり児童合唱団

♪肩を並べて兄 さんと

 今日も学校へ 行けるのは

 兵隊さんの おかげです 

 お国のため 

 お国のために 戦った

 兵隊さんの おかげです

♪夕べ楽しい ご飯どき

 家内そろって 語るのも

 兵隊さんの おかげです 

 お国のために

 お国のために 傷ついた

 兵隊さんの おかげです

♪淋しいけれど 母さまと

 今日もまどかに 眠るのも

 兵隊さんの おかげです 

 お国のために

 お国のために 戦死した

 兵隊さんの おかげです

──唱歌、昭和十四年発表

[メモ] 朝日新聞社の企画募集当選歌。

川中島 かわなかじま         旗野()()(ひこ)

一 西条山(さいじようざん)は霧ふかし。筑摩(ちくま)の河は 浪あらし。(はるか)にきこゆる物音は、逆捲く水か。つわものか。昇る朝日に、旗の手の きらめくひまに、くる〳〵〳〵〳〵。 

 二 車がかりの陣ぞなえ。めぐるあいずの(とき)の声、あわせるかいも あらし吹く

敵を()の葉と かきみだす川中島の 戦は、かたるも、聞くも、勇ましや。

──学校唱歌、明治二十制定、『新編教育唱歌集』五

ワシントン  

天はゆるさじ、良民の、

自由をなみする、虐政を、

十三州の、血はほとばしり、

ここにたちたる、ワシントン。

ロツキーおろし、吹荒れて、

ハドソン湾に、浪さわぎ、

剣戟ひびき、軍馬(いなな)く、

すわ(たたかい)の、(とき)の声。

勝利を告ぐる、喇叭(ラツパ)の音、

(くに)の父」ぞと、仰がれて、

ミシガン湖上、秋月高く、

輝く君が、そのいさお。

──教育唱歌、明治三十五年制定『唱歌教科書』四

 

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池の鯉 

一番星みつけた *みみちゃんレコード・児童合唱団 

浦島太郎 (唱歌)

おもいでのアルバム 

風車(かざぐるま) *『保育唱歌』より和歌体の詞

山賊の歌

散歩唱歌 *明治366月、同題の唄本として刊行

スキ 

背くらべ  

田 植 *ほおずき会

夏は来ぬ

ふじの山 

朋 友 *アンティーク盤

 *

ポプラ 

 

 

軍艦唱歌 ぐんかんしょうか

往時、日本海軍の軍艦を主題とした唱歌。

勇壮な海戦描写が目立つ。 

【例歌】

軍艦数へ歌・ダンゼン節 ぐんかかぞえうた/だんぜんぶし

黄海海戦参加某風流大尉詞

♪一つひらめく御旗(みはた)をあげて、旗艦松島ダンゼン乗り(いだ)す、日本(につぽん)海軍ますます万歳。

二つふしぎにやどりし鷹の、名さへ高千穂ダンゼンたから船、日本(につぽん)海軍ますます万歳。

三つ見事にきりぬけかへる、比叡赤城はダンゼン世にほこる、日本(につぽん)海軍ますます万歳。

四つ吉野はまつさきかけかけ、てきをなやますダンゼン速射砲、日本(につぽん)海軍ますます万歳。

五ついさまし秋津州(あきつしう)浪速、くんで敵をばダンゼン攻めやぶる、日本(につぽん)海軍ますます万歳。

六つむくれる敵艦めがけ、うちだす橋立(はしだて)ダンゼン厳島(いつくしま)日本(につぽん)海軍ますます万歳。

七つ名に負ふ扶桑はいつも、うしろ固めてダンゼン敵をまつ、日本(につぽん)海軍ますます万歳。

八つ山なす波をばついて、乗り出す千代田はダンゼン二番艦、日本(につぽん)海軍ますます万歳。

九つこめたる水雷うたれ、あたらぬ北京はダンゼン猶進む、日本(につぽん)海軍ますます万歳。

十でところも黄海沖に、あげし誉れはダンゼン国の花、日本(につぽん)海軍ますます万歳。

──軍歌、明治二十七年頃流行、『明治流行歌史』

 YOU TUBE

軍歌「軍艦行進曲」 村田美代子唄〔新興児童レコード〕 

広島節 ひろしまぶし  

いつてんしかいをしろしめす、きみとくにとにつくさんと、あらたにつくりし、ふじかんは、とんすう一まん二せんとん、じつにとうようだいいちの、せんとじんびのめいよかん、うらじほすとつくさむくとも、しんがぽうるはあつくとも、ばんこくあいても、オヤコラサノサ、なんのそのサ

あまたどうぶつあるなかで、にほんのいぬのいふことにや、ぶどうのめだまのいぬどもが、ないちざつきよとしやれこんで、たねをゆどしてやどされて、おうきなつらでかけまはる、ちん〳〵わん〳〵ごまかして、にほんのくにをくいたがる、おもいばゆくすい、オヤ、コラサノサ、あんじられサ

──流行唄、明治三十一年頃流行、『広島節』

 

校歌 こうか

各学校で建学理念を盛り込んだ歌謡。

小学校から大学・専門学校まで含めると全国津々浦々に校歌があるが、その数はおびただしい数に達しよう。ここでは有名大学のカレッジ・ヴァージョンを紹介するにとどめる。

【例歌】

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早稲田大学校歌  わせだだいがくこうか    相馬御風詞

     一

♪都の西北 早稲田の(もり)

(そび)ゆる(いらか)は われらが母校

われらが日頃の 抱負を知るや

進取の精神 学の独立

現世を忘れぬ 久遠(くおん)の理想

輝くわれらが 行手を見よや 

早稲田 早稲田 早稲田 早稲田

早稲田 早稲田 早稲田

   二

♪古今東西の 文化の(うしお) 

一つに渦巻く 大島国の

大なる使命を 担いて立てる

われらが行手は 窮まり知らず

やがて久遠の 理想のかげは

あまねく天下に 輝き敷かん

早稲田 早稲田 早稲田 早稲田

早稲田 早稲田 早稲田

  三

♪あれ見よかしこの 常磐(ときわ)の杜は

心の故郷(ふるさと) われらが母校

あつまり散じて 人はかわれど

仰ぐは同じき 理想の光

いざ声そろえて 空もとどろに

われらが母校の 名をば(たた)えん

早稲田 早稲田 早稲田 早稲田

早稲田 早稲田 早稲田

──校歌、明治四十一年発表、『校歌集』

 作詞家 相馬御風

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明治大学校歌  めいじだいがくこうか               児玉花外詞

     一

白雲(なび)駿(する)()(だい)

 

眉秀(まゆひい)でたる若人が

撞くや時代の(あけ)の鐘

文化の(うしお)導きて

遂げし維新の(えい)(にな)

「明治」その名ぞ我等が誇り

「明治」その名ぞ我等が母校

    二

権利自由の揺籃(ようらん)

歴史は古く今も尚

強き光に輝けり

独立自治の旗かざし

高き理想の(みち)を行く

我等健児の意気をば知るや

「明治」その名ぞ我等が心

    三

♪霊峰富士を仰ぎつつ

刻苦(こつく)研鑽(けんさん)他念なき

我等に燃ゆる希望あり

いでや東亜の一角に

時代の夢を破るべく

正義の鐘を打ち鳴らさん

「明治」その名ぞ我等が希望           

──校歌、大正九年発表、『校歌集』

 

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関西学院校歌

関西大学学歌

慶応義塾歌

大東文化大学校歌

中央大学校歌

同志社大学歌

白雲なびく *明治大学校歌

法政大学校歌

治大学校歌 

立教大学校歌

陸軍士官学校校歌 *合唱

流通経済大学校歌

 

国民歌謡 こくみんかよう

日中日露戦争・太平洋戦争下で、政府や大政翼賛会が定めた大衆向け歌謡に対する呼称。

国策に基づき、検閲という監視の目を意識させるための手段でもあった。

例歌には「国民歌謡」制定対象のほか、実質的にそれに含まれるものも掲げた。

【例歌】

舟あそび        大和田建樹作詞

♪風と波とに おくられて

 夏ものこらぬ 舟の内

 笑顔すずしき 松島は

 早やわが前に 迎うなり

♪舟には絶えぬ 友の歌

 海には変る 島のさま

 朝日のいろを 興そえて

 たのしきなかに 匂うなり

♪友のひちいに 照り返す

 島のみどりの 波の影

 ああ今日の日は 流れても

 消えぬ記憶は いつまでぞ

──唱歌、明治二十一年発表『明治唱歌』二

海国男子 かいこくだんし        大和田建樹詞

一 さかまく波を蹴破りて

怒れる浪を突き切りて

車輪を万里に進むべし

新に世界も開くべし

わが開国のますらおよ

事業はおおしいざ行けや

 二 波も颶風(ぐふう)も黒潮も

なるれば友よ良き友ぞ

男子生れて海国の

民となるこそ愉快なれ

行けや開けや人のあと

まだ見ぬ国のはてまでも

 三 星は照らして空にあり

()(しん)はしめして船にあり

氷の海の波とても

破るに何か難からん

わが海国のますらおよ

名誉は遠しいざ進め

──唱歌、明治三十四年発表、『新選国民唱歌』改訂版

YOU TUBE 

  となりぐみ          岡本一平詞           

とんとん とんからりと 隣組

格子を開ければ 顔なじみ

回して頂戴 回覧板

知らせられたり 知らせたり(ハイ)

とんとん とんからりと 隣組

格子を開ければ 顔なじみ

回して頂戴 回覧板

知らせられたり 知らせたり(ハイ)

とんとん とんからりと 隣組

あれこれ面倒 味噌醤油

ご飯の炊き方 垣根越し

教えられたり 教えたり

──唱歌、昭和十五年発表『小学館CDブック・昭和の歌』

 [メモ] 「隣組」は、銃後における臨戦思想統一とスパイ活動の相互監視を目的に創設された。この唄、硬派揃いの国民歌謡のなかでは最高傑作といえよう。

 

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愛国の花 *渡辺はま

朝だ元気で *男声合唱

朝日は昇りぬ *文谷千代子

歩くうた *日本ビクター合唱団

海行く日本 *永田絃次郎・長門三保 男声合唱団

使いは自転車に乗って *並木路子

乙女の唄 *結城道子

乙女の春 *江藤美津代

お山の杉の子 *昭和19年「小国民歌」第一席入選作品

くろがねの力 *伊藤久男ほか

興亜 *カラ(字幕入り)

心のふるさと *関 種子

防人のうた *

昭和の子供 *小笠原英雄

早春の物語 *関 種子・加古三枝子

祖国の柱 *坂本博士

太平洋行進曲 *軍歌の国民歌謡

日本よい国 *美ち奴

春の唄 *間庭小枝

兵隊さんよありがとう *小林智子 ひばり児童合唱団

牧場の朝 *NHK東京放送児童合唱団

みたみわれ *伊藤武雄

南から南から *三原純子

みのり *松原操

娘田草船 *上原 敏

めんこい子馬 *二葉あき子 高橋祐子

椰子の実 *嶋崎藤村が愛知県の伊良湖岬で作った

 

シーズンソング *便宜上の和製語

 四季おりおりの歌。大半は児童歌である。

【例歌】

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北風小僧の寒太郎      井出隆夫詞

         ふろっぐえこうず合唱

北風小僧(きたかぜこぞう)の寒太郎(かん

 たろう)
 今年も町までやってきた
 ヒューン ヒューン
 ヒュルルンルンルンルン
 冬でござんす
 ヒュルルルルルルン
♪北風小僧の寒太郎
 口笛(くちぶえ)吹き吹き一人旅(ひとりた
)
 ヒューン ヒューン
 ヒュルルンルンルンルン
 寒(さむ)うござんす
 ヒュルルルルルルン
♪北風小僧の寒太郎
 電信柱(でんしんばしら)も泣いている
 ヒューン ヒューン
 ヒュルルンルンルンルン
 雪(ゆき)でござんす
 ヒュルルルルルルン

 

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赤とんぼ

あわてんぼうのサンタクロース

一月一日

 

うれしいひな祭り

お正月

五月の歌

さくら

小さい秋見つけた

夏は来ぬ

春が来た

春の小川 

虫のこえ

樅の木

もろびとこぞりて

雪の降る町を

われは海の子

 

自然賛歌

 大自然の景観などを素材とした唱歌。

【例歌】

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山は呼ぶ野は呼ぶ海は呼ぶ  大映合唱団

♪いざや起()て 鍛えよ
 高鳴るこの腕
 おそれじ寒暑(かんしょ)
 行()くべし凛々(りり)しく
 山は呼ぶ 野は呼ぶ 海は呼ぶ

♪空に見よ 萌えたつ
 梢(こずえ)のかがやき
 伸びゆく勢(いきお)
 我等も競(きそ)えり
 山は呼ぶ 野は呼ぶ 海は呼ぶ
♪常に持て 光を
 張りきれ我が胸
 力よ湧()け湧け
 あふれよよろこび
 山は呼ぶ 野は呼ぶ 海は呼ぶ
♪いざや起て 鍛えよ
 鋼鉄(はがね)と我が身を
 強かれ朝日に
 ま向かえ人みな
 山は呼ぶ 野は呼ぶ 海は呼ぶ

[メモ] 昭和十四年、国民歌謡に指定

 

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あこがれのタンゴ *藤山一郎

高原の月 *霧島  昇・二葉あき子

緑の朝の唄 *楠木繁夫

ミュージカル「ふたりのロッテ」

 

シンガーソング singer's song

〈自作自演歌〉とも。

 その詞の書き手を「シンガーソング・ライター」という。

【例歌】

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酋長の娘          石田一松詞♪わたしのラバさん 酋長の娘 

 色は黒いが 南洋じゃ美人

♪赤道直下 マーシャル群島 

 ヤシの木陰で テクテク踊る

♪踊れ踊れ どぶろくのんで 

 明日は嬉しい 首の祭り

♪踊れ踊れ 踊らぬものに 

 誰がお嫁に 行くものか

♪昨日浜で見た 酋長の娘 

 今日はバナナの 木陰で眠る

 

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青い魚 *金延幸子

赤色エレジー *あがた森魚

あなた *小坂明子

 *かぐや姫

お嫁においで *加山雄三

飾りじゃないのよ涙は *井上陽水

キャンディ *原田真二

恋路川 *西方裕之

氷の世界 *井上陽水

この広い野原いっぱい *森山良子

運命(さだめ) *五輪真弓

サボテンの花  *財津和夫

SHADOW CITY *寺尾 總

春夏秋冬 *泉谷しげる

受験生ブルース *高石ともや

シンガーソングライターの唄 *清水翔太

人生を語らず *吉田拓郎

空に星があるように *荒木一郎

ダンスパーティの夜 *林伊佐緒

地上の星 *中島みゆき 

始まりに *片平里菜

真夏の夜の夢 *松任谷由実

身も心も *宇崎竜童

ミヨちゃん *平尾昌晃

夢想花 *円 広志

メケ・メケ *三輪明宏

めまい *小椋 桂

森の小径 *灰田勝彦

酔 酒 *吉 幾三

路標ない旅 *永井龍雲

わかれ *因幡 晃

 

青春歌謡 せいしゅんかよう

 青春時代を謳歌した歌謡。〈学校唱歌〉と並んで唱歌分野の双璧をなす。

【例歌】

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青春日記         佐藤惣之助詞

♪初恋の
 涙にしぼむ 花びらを
 水に流して 泣きくらす
 哀れ十九の 春の夢
♪今日もまた
 瞳に燃ゆる 夕映えに
 思い乱れて 紫の
 ペンのインクも にじみがち
♪泣き濡れて
 送る手紙の 恥ずかしさ
 待てば淋しや しみじみと
 街の舗道の 雨の音
♪明日(あした)から
 二度と泣くまい 恋すまい
 いくら泣いても 笑(わろ)うても
 胸の傷手(いたで)は 治りゃせぬ

──青春歌謡、昭和十二年発表

 

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あゝ青春の花の色 *松島アキラ

青い風 *竹内まりや

青い背広で *藤山一郎

あなた *小坂明子

あなたの心に *中山千夏

 *森高千里

雨の中の二人 *橋 幸夫

上を向いて歩こう *坂本 九

丘を越えて *藤山一郎

乙女の青空 *高峰三枝子

輝く青春 *二葉あき子

学生街の喫茶店 *ガロ

かけめぐる青春 *ビューテイ・ペア

肩を並べて *藤山一郎 ミス・コロムビア

歓喜の丘 *藤山一郎

希望の首途 *松平 晃

君といつまでも *加山雄三

草笛を吹こうよ *浜田光夫 三条江梨子

草笛の歌 *カラオケ(岡本敦郎)

さよなら(かりゆし)

さらば涙と言おう *森田健作

サンタモニカの風 *桜田淳子

しあわせ芝居 *桜田淳子

少年時代 *井上陽水

白いブランコ *ビリー・バンバン

真実一路のマーチ *水前寺清子

素敵なランデブー *美空ひばり

青春劇場 *田端義夫

青春時代 *森田 公一とトップギャラン

青春の丘 *北 廉太郎

青春のパラダイス 岡 晴夫

青春は雲の彼方に *白根一夫

青春旅情 *あのねのね

青春讃歌 *藤山一郎

青春の旅路 *藤山一郎

青年の樹 *三浦洸一

世界は二人のために *佐良直美

瀬戸の花嫁 *小柳ルミ子

太陽がくれた季節 *青い三角定規

ちぎれ雲 *高木たかし

月のキャンプ *ミス・コロムビア

時には母のない子のように *カルメンマ

夏にご用心 *桜田淳子

涙そうそう *夏川りみ、「卒業ソング」の別名も

はたちの詩集 *白根一夫

  *村下孝蔵

花咲く乙女たち *舟木一夫

  *坂庭 省悟

春なのに *柏原芳恵 

ひと夏の経験 *山口百恵

ひなげしの花 *アグネス・チャン

陽はまた昇る *高橋 優

ふれあい *中村雅俊

ぼくの妹に *加山雄三

僕の青春 *藤山一郎

芽ばえ *麻丘めぐみ

山蔭の道 *若原一郎

山の吊橋 *春日八郎

山のロザリア *スリー・グレイセス

YOUNG MAN *YMCA

夕の鐘 *松原操

若い季節 *ザ・ピーナッツ

わかって下さい *因幡晃

若者たち *森山直太朗

私の青い鳥 *桜田淳子

 

世界漫遊唱歌 せかいまんゆうしょうか

地理教育用の唱歌。

同じく明治三十三年に発表の『鉄道唱歌』の圧倒的人気の影でさして目立たずに終わってしまったが、世界へ視野を広げさせる啓蒙歌として果たした役割は大きい。

 明治7年製の小型地球儀

【例歌】

世界漫遊唱歌 せかいまんゆうしようか      太田楽海詞

世界唱歌

1 黒烟横たふ海の面 ほばしらならぶ大港

  さけびてひびく笛の音 こゝぞ名に負ふ横浜ぞ

2 波止場に送る友はいふ とく行きてとく帰りこよ

  分つ袂は涙にて はやはなれたり湾頭を

3 行くてのれんはただ二人 いざやこれより世界をば 

一めぐりせんとも〴〵に 地の利さぐらんとも〴〵に

4 轟く汽輪(くるま)のゆくさきは かぎりもはてもあらばこそ 

五大洋中第一の 太平洋とは誰も知る

5 紀州熊野の荒磯を めぐりて先方は西の方

  瀬戸の内海のり出でゝ 遠く眺むる雲霞

6 迎ふ鶏林釜山浦に 上陸(あが)りて北に進みなば 

  豊太閤のその時に あげし勲功(いさをし)今もなほ

7 たゝへられたり彼の国に 蔚山城址碧蹄館

  加藤小西を追慕して 漢江渡らば京城ぞ

8 平壌過ぎて北方の 露領のはての浦塩は

  東洋艦隊いかめしく こゝより起る鉄道は

9 他日露西亜の都城(みやこ)まで つゞけん為の工事なり

  つれの行路(ゆくて)は遠ければ もとりつ過ぐる元山津

10 西に下りて仁川を 打出て渡る黄海は

  こゝぞ名高き我軍の はへある戦したる場所

11 愉絶快絶過ぎゆけば さすがに広き両関門

  威海旅順の其内は 一大湾の渤海ぞ

12 支那に名高き天津府 白河の上流北京城

  東洋一二の大都会 うしろにつゞく万里城

13 長さもながし五百余里 秦の始皇の大業を

  ほめたゝへつゝ南下して 揚子江畔南京の

14 また南なる上海港 寧波厦門広東の

  海なる小島の香港を 西南へと船出して

15 向ふ諸州は後印度 暹羅安南面など

  暹羅の都は磐谷 こゝより南に突出せば

16 馬来半島先端は 新嘉坡の喉口(のんど)

   是より西に向ひなば 右に見ゆるは印度国

17 亜剌比亜海にはほど遠し ベンガル湾に上陸(あがり)ては

  さしも暑き天竺の カルカッタの都をば

18 かよふ汽車に運ばれて ガンジス過ぎて印度河

  河の下流の海岸は 綿花の市の孟買(ぼんべい)

19 マドラス過ぎて錫蘭(せいろん)島 釈迦牟尼仏の遺跡をば

  さぐらばさぐれ亜剌比亜の 海を横切り波斯湾

20 右は古代帝国波斯にて 左に見ゆる大国は

  世界に名あるアラビヤの 馬の産地と知られたり

21 ユーフラチースチグリスの 河畔に沿ふて西の方 

  亜細亜土耳其(とるこ)に入りぬれば 昔にかわるそのけしき

22 文明開化夢のあと 今は古跡の名残のみ

  耶蘇の墳墓(はか)あるエルサレム 見るも一興立ちよらん

23 地中海辺そうてゆき スエズの運河経過して

  欧州諸国に遊ばんか 半島先端の希臘国

24 アゼンス府をば遊覧し 往時(むかし)のさまを思ひやり

  向ふ土耳其の都府(みやこ)こそ 貿易さかんならびなく

25 秀でし光景(けしき)維也納府(ういんな) 時計産地の瑞西(すいつつる)

  山水明媚の名ある国 南に突き出す長靴州

26 伊太利国は気候よく 羅馬王城いやたかし

  海中孤立のコルシカ島 拿翁(なおう)のむかしもしのばるゝ

27 ネーブル出でて地中海 西班牙なるバルセロナ

  国の首府(みやこ)のマドリッド 南端海峡ジブラルタル

28 阿非利加へ立つ一葦水 西に隣れる葡萄牙 

貿易繁盛リスボン府 ビスケイ湾を船出して

29 今年万国博覧会 設けられたる巴里城

  都をかざるその美観 目をも奪はんばかりなり

30 隣る日耳曼(じえるまん)連邦は 文明開化日に月に

  進みて今はたぐひなく 医術は国の大長技

31 国の首府は伯林ぞ 東境すべて露西亜国

  亜細亜境はウラル山 南は裏海黒海に

32 その旧都府はモスコー府 今のみやこは西の方

  のぞめる海はバルチツク 西に控えし瑞典

33 諾威(のーるえー)とは大漁場 海岸あまねく海人の船

  南の小国丁抹 北海湾の和蘭は 

34 古く我とは交易を 開きし国ぞ今もなほ

  都府は知れたる海牙(はーぐ)なり 白耳義国のブラッセル 

35 オートルローはナポレオン 第一世の敗北地

  海中孤独イギリスは 開けしうえに国は富み

36 さすがに文化の陳列場 テームス河畔の倫敦府

  ゆきかふ馬車は絡繹し 人かずしげく五百万

37 都府港は数多く 製鉄最大(さかん)のマンチエスター

  スコットランドに至りては 名高きダムリングラスゴー

38 出づる船にとのりこみて リバープールを出発し

  戻りてくれば亜非利加州 アレキサンドリア港頭に

39 上陸しては埃及の むかしの文明かげもなく

  世界不思議の其一つ 三稜形のピラミッド

40 国の西方広茫の サハラの砂漠ほど近し

  ヌビアスーダン金剛州 共にきこゆる野蛮国

41 かゝる国土の探験は いそぐ我らは後にして

  再びかへる蘇士(すえず)峡 水天髣髴太平洋

42 虚空に渡る八昼夜 英領加奈陀の一大湾

  セントワウレンス間近なり 加奈陀鉄道ゆるぎだし

43 西へとはしるバンクーバ 程もあせらず又発車

  太平鉄道のる道は 合衆国の中央ぞ

44 高楼櫛比のワシントン おとらぬ都ニユーヨーク

  共に文化のしけりなる 黄金市なす大(みやこ)

45 また〳〵汽車に送られて ニユーオルレンズに着きしなば

  ミスシツピーの落口(おちぐち)と しらぬ人なき墨西哥湾

46 此処より船にのり移り カリビヤ海を渡りこし 

  ベネジエラギアナブラジル州 アマゾン大河船わたり

47 ボリビアペリウチリー国 もどりて北のコロンビア

  パナマ地峡は南北の 亜米利加分つ其処

48 中部亜米利加北に行き メキシコ都府を遊覧し

  サンフランシスコにおもむきて 此処解纜の蒸気船 

49 搭じて広し太平洋 ハワイの島に渡る水

  眼界渺茫幾千里 ホノルヽ府へと着きにける

50 海上数多浮きならぶ 島又島を見渡して

  かねてきゝつる珊瑚島 その間を縫ひてウエリントン

51 過ぎては迎ふメルボルン 南洋貿易繁盛地

  東海岸めぐりつゝジヤワスマタラを過ぎ行きて

52 烟の中の呂宋島 マニラ(たばこ)は名あるもの

  船はたゆたふひまもなく はや着きにけり我国に

53 夢まぼろしのその中に 世界のさまのかず〳〵を

  まのあたり見し事どもを 人にもつげん諸共に

──教育唱歌、明治三十三年発表、『地理教育 世界漫遊唱歌』

 

世界六大都府 せかいろくだいとふ

明治中期における世界の六大都市をうたった教育唱歌。

日清戦争の勝利で国民の目が海外へと向けられ、この頃から各種の地理教育唱歌がブームになる。

【例歌】

世界六大都府 せかいろくだいとふ  

 (東京)

1 亜細亜に名ある東京は 今は昔の江戸の城

  徳川幕府の時よりぞ 繁栄し都八百千(やおち)

2 その名をかへて帝都をば (さだ)め給ひていや栄え

  建築(たてもの)多くけしきよき 上野品川隅田川

(倫敦)

1 テームス河畔の倫敦府 世界第一繁盛の

  名も轟けり人数も しげく合せて四百万

2 市中にひびく汽笛の音 大空かすむ黒烟

  市街(まち)は織りなす馬車(うまぐるま) 雷なんど愚なり

(巴里)

1 数奇をきわめし巴里城 錦あやなす街の光景(さま)

  世界の美術をあつめたる 博覧会も設けられ

2 異なる国の珍らしき 物品多くかぎりなく

  道は千万遠きをも いとはでつどふ賑しさ

(伯林)

1 日耳曼(びるまん)連邦其中の ひとり盛りの独逸国

  其都府なる伯林は 人数しげく百余万

2 旧城古墳もいと多く 風景絶佳の山水の

  其間に作る麦葡萄 これより醸す酒名あり

(聖彼得堡(せんとぽーる))

1 烏拉山脈西東 国の広さも果てしなく

  鷲の翼の羽音する 露西亜の国の都こそ

2 彼得(ぴーとる)大帝さためたる 聖彼得堡(せんとぴーたーすぶるぐ)

  大厦広壮並びなく 六大州に名も高し

(新約克)

1 国はひらけて程もなく その開明は日に月に

  進みて早し新約克(にゆうよーく) 合衆国の首府なり

2 こゝは東西両洋の 商う船舶(ふね)のつどひ来て

  さすがに広き港口 錨を下ろす船多し

──教育唱歌、明治二十八年発表、『日本近代歌謡史』下

 

鉄道唱歌 てつどうしょうか

東海道本線を主軸とした官営鉄道の駅次唱歌で、地理唱歌に属する。作曲者は多梅稚(おおのうめわか)、宮内省管楽師という雅楽畑出身者である。

明治三十三年五月、東京開成館(三木書店)主の西野虎吉は無名作家からこれの原稿を買い取り、当時錚々たる作詞者であった大和田建樹(たてき)に補正を依頼したうえで出版。いっぽう西野は自ら東海道五十三次をキャラバン隊を率い、歌い手数人に歌わせながら派手に宣伝して歩いたのである。

すでに鉄道新設計画は全国いたるところに波及していた。そうした鉄道大歓迎世情に便乗し、一冊六銭(当時の物価から見て安くはない)の唱歌集は発売数十万部に達したという。当然のことながら、鉄道唱歌ブームに出版界は沸き立ち、類歌替歌の類もまた氾濫という結果を招いた。

 鉄道唱歌の碑〔東京都港区新橋〕

【例歌】

YOU TUBE

鉄道唱歌・東海道 てつどうしようか/とうかいどう  

作者未詳の詞を大和田建樹が補作

1 汽笛一声新橋を はや(わが)汽車ははなれたり

愛宕(あたご)の山に入り残る 月を旅路の友とし

2 右は高輪(たかなわ)泉岳寺 四十七士の墓どころ

  雪は消えても消え残る 名は千載の後までも 

3 窓より近く品川(しながは)の (だい)()も見えて波白く

  海のあなたにうすがすむ 山は上総(かづさ)か房州か

4 梅に名をえし大森(おほもり)を すぐれば(はや)川崎(かわさき)

  大師(だいし)河原(がはら)は程ちかし 急げや電気の道すぐに

5 (つる)()神奈川あとにして 行けば横浜ステーション

  みなとを見れば(もも)ふねの 煙は空をこがすまで

6 (よこ)()()行は乗換と 呼ばれておりる大船(おほふな)

  つぎは鎌倉鶴が岡 源氏の古跡や尋ね見ん

7 八幡宮(まんぐう)の石だんに 立てる(ひと)()(おほ)いてふ

  別当(べつたう)稿()(げう)のかくれしと 歴史にあるは(この)(かげ)

8 ここに開きし頼朝が 幕府のあとは(いづ)かたぞ

  松風さむく日はくれて こたへぬ石碑は苔あをし

9 北は(えん)(かく)建長寺(けんちやうじ) 南は大仏(だいぶつ)(ほし)月夜(づきよ)

 

  片瀬(かたせ)腰越(こしごえ)()(しま)も ただ半日の道ぞかし

10 汽車より逗子(づし)をながめつゝ はや(よこ)()()につきにけり

  見よやドックに集まりし わが軍艦の壮大を

11 支線をあとに立ちかヘり わたる相模の()(にふ)(がは)

  海水浴に名を得たる 大磯(おおいそ)見えて波すずし

12 国府津(こふづ)おるれば馬車ありて (さか)()小田原とほからず

  箱根八里の山道も あれ見よ雲の(あひだ)より

13 いでてはくぐるトンネルの 前後は山北(やまきた)()(やま)

  今もわすれぬ鉄橋の 下ゆく水のおもしろさ

14 はるかにみえし富士の()は はやわがそばに来りけり

  雪のかんむり雪の帯 いつもけだかき姿にて

15 ここぞ()殿(てん)()夏ならば われも登山をこころみん

  高さは一万数千尺 十三州もただひと目

16 ()(しま)は近年ひらきたる ()(さう)線路のわかれみち

  駅にはこの地の名をひたる 官幣(かんぺい)大社(たいしや)(みや)()あり

17 沼津の梅に聞えたる 里は半伏(はんぷく)()(にふ)(だう)

  春は花咲く桃の頃 夏はすずしき海のそば

18 鳥の羽音(はおと)におどろきし 平家の話はむかしにて

  今は汽車行く富士川を 下るは()(のぶ)の帰り舟

19 世に名も高き(おき)()(だひ) 鐘の音ひびく(きよ)()(でら)

  清水(しみづ)に続く()(じり)より ゆけば程なき()(のう)()

20 三保(みほ)の松原田子(たご)の浦 さかさにうつる富士のねを

  波にながむる舟人(ふなびと)は 夏も冬とや思ふらん 

21 駿州(さんしう)一の大都会 静岡いでて阿部(あべ)(がは)

  わたればここぞ宇都(うつ)()の 山きりぬきし(ほら)の道

22 鞘より抜けておのづから 草なぎはらひし()(つるぎ)

  みゐづは千代を燃ゆる火の (やき)()の原はここなれや

23 春さく花の藤枝(ふじえだ)も すぎて島田の大井川

  むかしは人を肩にのせ わたりし話も夢のあと

24 いつしか又も闇図となる 世界は夜かトンネルか

  小夜(さよ)の中山夜泣石 問へども知らぬよその空

25 掛川(かけがわ)袋井(ふくろい)(なか)(いずみ) いつしかあとに早なりて

  さかまき来たる天龍(てんりゆう)の 川瀬の波に雪ぞちる

26 この水上(みなかみ)にありと聞く 諏訪(すは)の湖水の冬げしき

  雪と氷の懸橋(かけはし)を 渡るは神か里人か

27 琴ひく風の浜松も 菜種に蝶の舞坂(まひさか)

  うしろに走る愉快さを うたふか磯の波のこゑ

28 煙を水によこたへて わたる浜名の橋の上

  たもと涼しく吹く風に 夏ものこらずなりにけり

29 左は入海(いりうみ)しずかにて 空には富士の雪白し

  右は遠州灘ちかく 山なす波は砕けちる

30 豊橋おりて乗る汽車は これぞ豊川(とよかは)稲荷(いなり)()

  東海道にてすぐれたる 海のながめは蒲郡(がまごほり)

31 見よや徳川家康の 起りし土地の岡崎を

  矢矧(やはぎ)の橋に残れるは (とう)吉郎(きちらう)の物語

32 (なる)()しぼりの産地なる 鳴海に近き大高(おほたか)

  下りておよそ一里半 ゆけば昔の(おけ)狭間(はざま)

 

33 めぐみ熱田の御社(みやしろ)は 三種の神器の一つなる 

  その草薙(くさなぎ)の神つるぎ あふげや同胞五千万

34 名だかき金の(しやちほこ)は 名古屋の城の光りなり

   地震のはなしまだ消えぬ 岐阜の()(がひ)も見てゆかん

35 父やしなひし養老の 滝はいまなほ大垣(おほがき)

  三里へだてて流れたり 孝子の名誉ともろともに

36 天下の旗は徳川に 帰せしいくさの関ケ原 

  草むす(かばね)いまもなほ 吹くか()(ぶき)の山おろし

37 山はうしろに立ち去りて 前に来たるは琵琶の海

  ほとりに沿ひし米原(よねはら)は 北陸道の分岐線

38 (ひこ)()に立てる井伊(ゐい)の城 草津にひさぐ(うば)が餅

  かはる名所も名物も 旅の徒然(とぜん)のうさはらし

39 いよいよ近く馴れくるは 近江の海の波の色 

  その八景も居ながらに 見て行く旅の楽しさよ

40 ()()長橋(ながはし)右に見て 行けば石山観世音

  紫式部が筆のあと のこすはここよ月の夜に

41 (あは)()の松にこととへば 答へがほなる風の声

  朝日将軍義仲の 滅びし深田(ふかだ)(いづ)かたぞ

42 比良(びら)の高嶺は雪ならで 花なす雲にかくれたり 

  ()(ばせ)に急ぐ舟の帆も 見えてにぎはふ波の上

43 (かた)()に落つる(かりがね)の たえまに響く三井(みい)の鐘

  夕ぐれさむき唐崎(からさき)の 松にや雨のかかるらん 

44 むかしながらの山桜 にほふところや志賀(しが)の里 

  都のあとは知らねども 逢坂山(あふさかやま)はそのままに

45 大石良雄が山科(やましな)の そのかくれ()はあともなし

  赤き鳥居の(かみ)さびて 立つは伏見の稲荷山

46 東寺の塔を(ひだり)にて とまれば七条ステーシヨン  

 京都京都と呼びたつる 駅夫の声もいさましや

47 ここは(くわん)()(みかど)より 千有余年の都の地 

  今も(くも)()の空高く あふぐ清涼紫晨殿(ししんでん)

48 東にたてる東山 西にそびゆる(あらし)(やま)

  かれとこれとの麓ゆく 水は加茂(かも)(かつら)

49 祇園(ぎおん)清水(きよみず)()恩院(おんいん) 吉田黒谷(くろたに)真如堂(しんによだう)

  ながれも清き水上に 君が世まもる加茂の宮

50 夏は納涼(すずみ)の四条橋 冬は雪見の銀閣寺

  桜は春の嵯峨(さが)()(だう) 紅葉(もみぢ)は秋の高尾山(たかをざん) 

51 琵琶湖に引きて通したる 疎水の工事は南禅寺(なんぜんじ)

  岩切り抜きて舟をやる 知識の進歩も見られたり

52 神社仏閣山水の 外に京都の物産は

  西陣(にしじん)織の綾にしき 友禅染(ゆうぜんぞめ)の花もみぢ

53 扇おしろい京都べに また加茂川の鷺しらず

  みやげを()げていざ立たん あとに名残は残れども 

54 山崎おりて淀川を わたる(むかふ)は男山 

  行幸ありし先帝の かしこきあとぞ忍ばるる 

55 淀の川舟さをさして くだりし旅はむかしにて

  またたくひまに今はゆく 煙たえせぬ陸の道 

56 おくり迎ふる程もなく 茨木(いばらき)吹田(ふきだ)うちすぎて 

  はや大阪につきにけり 梅田は我をむかへたり

57 三府の一に(くらゐ)して 商業繁華の大阪市

  (ほう)太閤(たいかふ)の築きたる 城に師団はおかれたり

58 ここぞむかしの難波(なには)の津 ここぞ高津の宮のあと

  安治(あぢ)川口(かはぐち)()る舟の 煙は日夜たえまなし 

59 鳥もかけらぬ大空に かすむ五重の塔の影

  仏法最初の寺ときく 四天王寺(てんのうじ)はあれかとよ 

60 大阪()でて右ひだり 菜種ならざる(はた)もなし 

  (かん)崎川(ざきがは)の流れのみ 浅黄にゆくぞうつくしき

61 神崎よりはのりかへて ゆあみにのぼる有馬山(ありまやま) 

  池田(いけだ)伊丹(いたみ)と名にききし 酒の産地もとほるなり

62 神戸は五港の一つにて あつまる汽船のかずかずは

  亜米(アメ)()加露西亜支那(カロシアシナ)印度(インド) 瀬戸内(せとない)がよひもまじりたり

63 磯にはながめ晴れわたる 和田(わだ)のみさきを控へつつ

  山には絶えず布引(ぬのびき)の 滝見に人ものぼりゆく

64 七度(ななたび)うまれて君が代を まもるといひし(なん)(こう)

  いしぶみ高きみなと川 ながれて世世(よよ)の人ぞしる

65 おもへば夢か時の間に 五十三次はしりきて

  神戸(かうべ)のやどに身をおくも 人につばさの汽車の恩

66 明けなば更にのりかへて 山陽道をすすままし

  天気は明日も望みあり 柳にかすむ月の影

──唱歌、『地理教育「鉄道唱歌」』第一集

鉄道唱歌・須磨明石 てつどうしょうか/すまあかし

1 夏なほ寒き布引の 滝のひびきをあとにして

  神戸の里をたち出づる 山陽線路の汽車の道

2 兵庫(たか)(とり)須磨(すま)の浦 名所旧跡かずおほし

  平家の和歌武者(あつ)(もり)が 討たれし跡もここときく

3 その最後までたづさへし 青葉の笛は須磨寺に

  今ものこりて宝物の 中にあるこそあはれなり

4 九郎判官(はうぐはん)義経が 敵陣めがけておとしたる

  鵯越(ひよどりごえ)やいちのたに 皆この名所(めいしよ)の内ぞかし

5 舞子の松の()()より まぢかく見ゆる淡路島

  夜は岩屋の灯台も 手に取る如く影あかし

6 明石(あかし)の浦の風景を 歌によみたる人麿の

  (やしろ)はどれか島がくれ こぎ行く舟もおもしろや

──唱歌、『地理教育「鉄道唱歌」』第二集

鉄道唱歌・広島山口 てつどうしようか/ひろしまやまぐち

1 (いとざき)三原(みはら)海田市(かいたいち) すぎて今つく広島は

  城のかたちもそのままに 今は師団をおかれたり

2 日清戦争始まりて かたじけなくも大君の

  御旗をすすめたまひたる 大本営のありし土地

3 北には饒津(にぎつ)の公園地 西は()(じな)新港(しんみなと)

  内海波も静かなリ (くれ)軍港は近くして

4 己斐(こひ)の松原五日市(いつかいち) いつしかすぎて(いつく)(しま)

  鳥居を前にながめやる 宮島駅につきにけり

5 汽笛鳴らして客をまつ 汽船にのれば十五分

  早くもここぞ(いち)杵島(きじま) 姫のまします宮どころ

6 海に出でたる廻廊の 板をうかべてさす汐に

  うつる灯籠の火の影は 星か蛍かいさり火か

7 毛利元就(もうりもとなり)この島に 城をかまへて君のあだ

  (すえ)(はる)(かた)を誅せしは のこす武臣のかがみなり

8 岩国川の水上に かかれる橋は算盤(そろばん)

  玉をならべし如くにて 錦帯橋(きんたいけう)と名づけたり

9 風に糸よる(やな)()()の 港にひびく産物は

  甘露醤油に柳井縞 からき浮世の塩の味 

10 出船入船たえまなき 商業繁華の()()(じり)

  県下に名のある港にて 食塩製造さかんなり

11 少しくあとに立ちかへり 徳山(とくやま)港を船出して

  二十里ゆけば豊前(ぶぜん)なる 門司(もじ)の港につきにけり

12 (むかふ)の岸は馬関(ばくわん)にて 海上わずか二十町

  瀬戸内海ののどくびを しめてあつむる船の数

13 (あした)の帆かげ夕煙(ゆふけむり) 西北さして行く船は

  鳥も飛ばぬと音にきく (げん)海洋(かいなだ)やわたるらん

14 満ち引く汐も早鞆(はやとも)の 瀬戸と呼ばるる(うみ)(ここ)

  源平両氏の古戦場 (だん)(うら)とはこれぞかし

15 世界にその名いと高き 馬関条約結びたる

  (しゆん)帆楼(ぱんろう)のあととひて 昔しのぶもおもしろ

 ──唱歌、『地理教育「鉄道唱歌」』第三集

 鉄道唱歌・九州北部 てつどうしようか/きゆうしゆうほくぶ

1 門司(もじ)よりおこる九州の 鉄道線路をはるばると

  行けば大里(だいり)の里すぎて ここぞ小倉と人はよぶ

2 これより汽車をのりかへて 東の浜に沿ひ行かば

  城野行橋宇島(しろのゆくはしうのしま)を すぎて中津に至るべし

3 中ツは豊前の反歌の地 頼山陽の筆により 

  名だかくなりし()()(けい)を 見るには道も遠からじ

4 白雪かかる彦山(ひこさん)を 右にながめて猶ゆけば

  汽車は宇佐に止まりたり 八(まん)の宮にまうでこん

5 歴史を読みて誰もしる 和気(わけ)(きよ)麿(まろ)が神勅を

  濃い祭たる宇佐野宮 あふがぬ人は世にあらじ

6 小倉にまたも立ちもどり ゆけば折尾(をりお)の右ひだり

  若松線と直方(なほがた)の 道はここにて出合(であひ)たり

7 走る窓よりうちのぞむ 海のけしきのおもしろさ

磯に貝ほるをとめあり 沖に帆かくる小舟(こぶね)あり

8 おとにききたる箱崎(はこざき)の 松かあらぬか一むらの

  みどり霞みて見えたるは 八(まん)の神の宮ならん

9 天の橋立(はしだて)三保の浦 この箱崎をとりそへて

  (さん)松原(まつばら)とよばれたる その名も千代の春の色

10 織物産地と知られたる 博多(はかた)黒田(くろだ)の城の跡

  川をへだてて福岡の 町もまぢかくつづきなり

11 まだ一日とおもひたる 旅路は早も二日市(ふつかいち)

  下りてみてこんなにききし 宰府(さいふ)の宮の(とび)(うめ)

12 千年(ちとせ)のむかし大宰府を おかれしあとはこのところ

  宮に祭れる(くわん)(こう)の 事跡かたらんいざ来たれ

13 醍醐の御代の其はじめ 惜しくも人にそねまれて

  身になき罪をおはせられ つひに左遷と定まりぬ

14 天に泣けども天言はず 地に叫べども地もきかず

  涙をのみて辺土なる ここに月日をおくりけり

15 身は沈めども忘れぬは 海より深き君の恩

  かたみの御衣(ぎよい)を朝毎に ささげてしぼる袂かな

16 あはれ当時の御心(みこころ)を おもひまつればいかならん

  御前(おまへ)の池に鯉を呼ぶ をとめぞ()()よ旅人よ

17 一時栄し()()(ろう)の あとをたづねて別け入れば

  草葉をわたる春風に なびくすみれの三つ五つ

18 鐘の音きくと菅公の 詩につくられし観音寺(くわんおんじ)

  仏も知るや千代までも つきぬ(うらみ)の世がたりは。

──唱歌、『地理教育「鉄道唱歌」』第四集

 

YOU TUBE

 

海の底さへ汽車は行く *混声合唱

 

鉄馬唱歌 てつばしようか

鉄道唱歌ブームに便乗した替歌。「鉄馬」とは鉄道馬車の略語である。

ほかにも数多出回ったが、代表的な亜流作品として掲げる。

【例歌】

鉄馬唱歌           呆山人詞

   鉄道唱歌の真似事

チーンと一声新ばしを浅草行きに上野行き

鉄道馬車ははなれたり一つ〳〵につゞくなり

中にも上と書いたるは一区一せん()がたかし

銀座の町をあとにして行けばほどなく京ばしよ

ひだりへ渡る仮ばしの向ふに見るは大根河岸

時計の台も四つすぎて止まればこゝぞ日本橋

朝な〳〵のうをいちに魚は無くもなまぐさし

清島町のみちながく鮓に天ぷらしる粉もち

見世物または花やしき胃病にわるいもの計り

観音さまへおまいりし今川ばしの手前より

仲店出ればこまかたや右へきれるはあさ艸よ

人形町を通り越し上野へ行くは眼鏡橋

明神坂をながめつゝ五軒町よりひろこう路

くるまは止まるやま下をまはり〳〵てくるま坂

入谷のかたへ向ふなり先は埋め地の口なるぞ

水族館をけんぶつしうしろへ行くは(やめ)にして

蔵前すぎてりやう国やいつしか元の日本ばし

──替歌、『団団珍聞』明治三十三年九月二十九日

[メモ] 副題に「真似事」とあるのは替歌であることを意味している。

 

電車唱歌 でんしゃしょうか

先の鉄道唱歌の亜流唱歌で、東京電車鉄道(明治三十六年開通)東京市内の各停留場巡り風物誌といったところ。当時の東京市内の見聞再現という意味で史料的価値は大きい。

 【例歌】

 YOU TUBE

電車唱歌 でんしやしようか       石原和三郎詞

 一 玉の(みや)()は丸の内

近き日比谷に集まれる

電車の道は十文(じゆうもん)()

    まず上野へと遊ばんか

  二 左に宮城おがみつつ

東京府庁を右に見て

馬場先(ばばさき)門や和田倉(わだくら)

大手町には内務省

  三 渡るも早し神田橋

錦町(にしきちよう)より小川町(おがわまち)

       乗りかえしげき須田町(すだちよう)

昌平(しようへい)(ばし)を渡り行く

  四 神田神社の広前を

過ぎて本郷(ほんごう)大通り

右にまがりて切通し

仰ぐ湯島の天満宮(てんまんぐう)

    五 いつしか上野広小路

さて公園に見るものは

西郷翁の銅像よ

東照宮のみたまやよ

  六 博物館に動物園

パノラマ美術展覧会

不忍(しのばず)池畔(ちはん)弁才天(べんざいてん   )

       四季の眺めもあかぬかな

  七 浅草行きに乗行かば

左に上野ステーション

走るも早し車坂(くるまざか)

 

清島(きよしま)(ちよう)をうちすぎて

  八 はや目の前に十二階

雷門(かみなりもん)より下りたてば

ここ浅草の観世音

詣ずる人は肩を()

  九 五重の塔よ仁王門(におうもん)

       水族館よ花やしき

おどり玉のり珍世界

奥山あたりのにぎやかさ

  十 さて浅草より上野へと

(かえ)る電車の道すがら

(いらか)の空に(そび)ゆるは

名高き東本願寺

 十一 電車は三橋(みはし)のたもとより

行くては昔の御成道(おなりみち)

 

万世(まんせい)(ばし)をうちわたり

内神田(うちかんだ)へと入りぬれば

 十二 須田町(すだちよう)鍛冶(かじ)(ちよう)うち通り

今川橋よ本石町(ほんこくちよう)

 

室町(むろまち)すぎて日本橋

さても都の大通り

 十三 商家は櫛の歯をならべ

ガス灯 電灯夜をてらし

通り三丁 四丁目や

続く中橋(なかばし)広小路

 十四 京橋わたれば更に又

光まばゆき銀座街

路には煉瓦をしきならべ

並木の柳風すずし

 十五 銀行 会社 商館の

並べる大廈(たいか)高楼は

いずれも石造(せきぞう) 煉瓦造(れんがぞう)

       目を驚かすばかりなり

 十六 新橋わたりて左には

同じ名のあるステーション

線路はおなじ大通り

芝の町々走り行く

 十七 大門町の左には

電車鉄道会社あり

ほどなく高輪泉岳寺

四十七士のあとも()

 十八 さて品川につきぬれば

横浜 川崎 羽根田(はねだ)へと

通う電車も開けたり

げにも便利のよき事や

 十九 なお電鉄には日本橋

しろかね町を右に折れ

浅草橋をうち渡り

蔵前(くらまえ)すぎて雷門

 二十 もとの線路を引きかえし

浅草橋より道かえて

横山町を通り過ぎ

本町さして還るあり

 二十一(がい)鉄線(てつせん)三田(みた)よりぞ

芝園(しばぞの)(ばし)をうちわたり

左に見て行く公園は

徳川氏の廟所(びようしよ)にて

 

 二十二松風ずしく園きよく

東宮殿下御慶事の

記念灯あり 丸山に

伊能忠敬の碑も建てり

 二十三愛宕(あたご)の塔を見あげつつ

(さいわい)(ばし)をわたるまに

いつか日比谷につきにけり

いで公園を見てゆかん

 二十四さても日比谷の公園は

池あり 丘あり 広場あり

四季の草木を植えこみて

市民上下(しようか)の遊歩場

 二十五新宿行に乗るやすぐ

桜田門より下りたたば

二重橋より宮城を

ほのかに拝みまつるべし

 二十六桜田門をすぐる頃

左に見ゆる建物は

大審院(だいしんいん)よ司法省

なおもつづける海軍省

 二十七はやも参謀本部前

たてる馬上の銅像は

流れも清き有栖(ありす)(がわ)

 

熾仁(たるひと)殿下の(おもかげ)

 二十八電車はいつか三宅坂(みやけざか)

       陸軍省のそば近く

       右の御濠(おほり)に宮城の

みどりの松の影深し

 二十九青山行は乗りかえて

赤坂(あかさか)見附(みつけ) 一つ木を

過ぎて東宮御所の前

電車はゆくなり四丁目へ

 三十 青山墓地へは三丁目

渋谷(しぶや)氷川(ひかわ)の病院

()わんとならば四丁目に

おりてゆくべし左へと

 三十一新宿行は更になお

衛戍(えいじゆ)病院前をすぎ

半蔵門(はんぞうもん)の前よりぞ

左に折れて麹町(こうじまち)

 

 三十二十町(じつちよう)すぎて四ッ谷門

見附を出でて大横町(おおよこちよう)

 

伝馬(でんま)(ちよう)より塩町よ

新宿さして急ぎ行く

 三十三新宿駅より甲武線

四ッ谷 市ケ谷 牛込(うしごめ)

飯田町をばうち過ぎて

その名も清き御茶の水

 三十四その道すがら右左

目に入るものは青山の

練兵場(れんぺいじよう)や学習院

士官学校八幡宮(はちまんぐう)

  三十五外濠線は四ッ谷より

市ケ谷見附 神楽坂(かぐらざか)

 

砲兵工廠(こうしよう)前を過ぎ

御茶ノ水橋駿河(するが)(だい)

 

 三十六小川町より錦町(にしきちよう)

 

鎌倉河岸より(ときわ)(ばし)

 

左に高き建物は

日本三井(みつい)の両銀行

 三十七呉服(ごふく)(ばし)より鍛冶(かじ)(ばし)

すぎ行く道は八重洲(やえす)河岸

帝国ホテルを対岸に

見つつ土橋(どばし)の停留所

 三十八右に曲がりて程もなく

内幸町(うちさいわいちよう)通りつつ

なお行く先は虎の門

議事堂近く建てるなり

 三十九赤坂区へと入りぬれば

(ため)池田町(いけたまち)たちまちに

弁慶(べんけい)(ばし)もうちすぎて

四ッ谷見附に至るなり

 四十 また日比谷より街鉄は

数寄屋(すきや)(ばし)より尾張(おわり)(ちよう)

       三原橋をば渡りすぎ

木挽町(こびきちよう)には歌舞伎座よ

 四十一新富町(しんとみちよう)には新富座

芝居見物するもよし

ここは築地よ名も高き

西本願寺のあるところ

 四十二北島町や坂本町

茅場町(かやばちよう)より乗りかえて

深川行は霊岸町(れいがんちよう)

       すぐればやがて永代(えいたい)

 四十三橋を渡りて深川区

(かめ)(ずみ)(ちよう)に至るなり

ここに名高き富ケ岡

八幡宮を拝むべし

四十四茅場町より蛎殻町(かきがらちよう)

 

(すい)天宮(てんぐう)の前を過ぎ

人形町よ 住吉町

浜町(はまちよう)河岸の景色よさ

 四十五はや両国の停留所

橋をわたれば本所区

左に折れて総武線

高架鉄道十文字

 四十六又も左に折れ曲がり

(うまや)(ばし)をばわたりすぎ

黒船町よ 小島町

行くや上野の広小路

 四十七両国よりは更になお

柳原(やなぎわら)河岸とおりすぎ

また須田町に来て見れば

          実にや(はっ)(たつ)四通(しつう)の地

 四十八小川町より九段行き

靖国神社に詣でんと

東明館の前を過ぎ

(まないた)(ばし)にいたるなり

 四十九坂をのぼれば左には

西南役の記念碑や

右陸軍の(かい)行社(こうしや)

       見わたし広し景色よし

 五十 靖国神社の広前に

大村 川上両雄の

いさおも高き銅像は

千代も朽ちせぬ世の(かがみ)

 

 五十一遊就館(ゆうしゆうかん)に入り見れば

古今の武器や 戦利品

国につくししますらおの

肖像高く掲げらる

 五十二靖国神社に詣ずれば

大君(おおぎみ)のため国のため

身をつくしたるもののふの

御霊(みたま)代代(よよ)(まも)るなる

(現代表記に改変)

──地理唱歌明治三十八年発表、『電車唱歌』

 

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東京地理教育電車唱歌 

 

楠公の歌 なんこうのうた

楠正成とその子息兄弟をたたえる歌謡。

近代、天皇家忠臣の鑑としてさまざまな分野に登場してきた。

 楠木正成像

【例歌】

楠正行 くすのきまさつら          作詞者未詳

嗚呼(ああ)正成(まさしげ)よ正成よ (きみ)の逝去のこのかたは

黒雲四方(よも)に塞りて 月日(つきひ)も為に光りなく

悪魔は天下を横行し 下を(しいた)げ上をさへ

(あなど)り果てて物とせず 吹き来る風はなまぐさく

絶ゆる間のなき人馬の() 春は来れども花咲かず

芳野(よしの)の山に花見んと ()ひ来る人は絶えてなく

君が御代(みよ)こそ千代千代と (さへ)づる鳥の声聞くは

(いづ)れの時にあるなるや (なげか)はしきの至りなり

嗚呼大君の御為(おんため)に 振ひ起りて汚れたる

この世の塵を払はんと する人とては(あら)ざるか

遠くあなたを見渡せば 金剛山を巍峨(ぎが)として

雲の上まで屹立(きつりつ)し 繁る林の()()より

見ゆる菊水(きくすゐ)の其旗は ()にこそ国の宝なり

父の賜ひしこの刀 (はら)を切れとの為ならず

賊の(かしら)を斬らん為 憎さもにくし()(ぞく)()

  国の仇なり父のあだ 斬つて捨てずに置くべきか

払へば来る夏の(はい) 頃は正平(しやうへい)戌子(ぼし)の春

熟々(つくづく)思ひめぐらせば 元来(もとより)よわき此からだ

()しや(やまひ)(おか)されて (むな)しく失せし事ならば

不忠不孝と(そし)られん 討死にするは此時ぞ

死出のなごりに今一度 (ねがひ)かないてまのあたり

君の御影(みかげ)を伏し拝み 生きて帰れの詔書(みことのり)

  聞いて切なる胸のうち 哀れといふも(おろか)なり

書き残したる(あづさ)(ゆみ) 引きてかへらぬ赤心(まごころ)

誓ひし者は百余人 雲霞(うんか)の如き大群を

ものともせずに斬捲(きりまく)り 君の(かた)をば枕して

討死にせしはいさぎよく 勇ましかりける次第なり

都も遠き村里の 女わらべに至るまで

忠臣孝子の亀鑑(かがみ)ぞと 挙る其名は(かん)ばしく

天地と共に伝はらん 天地と共に伝はらん

──唱歌明治二十四年流行、『明治流行歌史』

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公の歌 なんこうのうた         落合直文詞

桜井の訣別

青葉しげれる桜井の 里のわたりの夕まぐれ

 木の下蔭に駒とめて 世の行末をつくづくと

忍ぶ(よろひ)の袖の()に 散るは涙かはた露か

正成(まさしげ)涙を打払ひ 我子(まさ)(つら)よび寄せて

父は兵庫に赴かむ (んなた)方の浦にて討死せむ

(なんじ)はここまで(きつ)れども とくとく帰れ故郷(ふるさと)

父上いかにのたまふも 見捨てまつりて我ひとり

いかで(かへ)らむ帰られむ この正行は年こそは

いまだ若けれもろともに 御供(みとも)仕えむ死出の旅

汝をここより帰さむは われ(わたくし)の為ならず

(おのれ)討死なさむには 世は尊氏(たかうぢ)(まま)ならん

早く生ひ立ち大君に 仕へまつれよ国の為

この一刀(ひとふり)()にし年 君の賜ひしものなるぞ

この世の別れのかたみにと 汝にこれを贈りてむ

行けよ正行故郷へ 老いたる母の待ちまさむ

共に見送り見かへりて 別れを惜しむ折からに

(また)も降り来る五月雨(さみだれ)の 空にきこゆるほととぎす

誰か哀れと聞げざらむ あはれ血に泣くその声を

敵軍襲来

遠く沖辺を見渡せば 浮べる船のその数は

幾千万とも白波の 此方(こなた)をさしてよせて来

(くが)はいかにと眺むれば 味方ははやも破られて

須磨(すま)明石(あかし)の浦づたひ 敵の旗のみうちなびく

吹く松風か白波か 寄せ来る浪か松風か

ひびきひびきて聞ゆなり 鼓の音に(とき)の声

湊川奮戦

いかに正季われわれの

命捨つべき時は来ぬ 死ぬべき時に死なざらば

死ぬるに勝る恥あらむ 太刀の折れなむそれまでは

敵のことごとかたへより 斬り捨てなむ(ほふ)りてむ

進め進めといひいひて 駆け入る様も勇しや

右より敵のよせ来るは 左の(かた)へと()ぎ払ひ

左の方より寄せくるは 右の方へとなぎはらふ

前よりよするその敵も 後よりよするその敵も

見てはのがさじのがさじと 奮ひ戦ふ右左(みぎひだり)

 飛来る矢数はあめあられ 君の御為(みため)昨日(きのふ)今日(けふ)

 あまたの敵に当りしが 時いたらぬをいかにせむ

心ばかりははやれども (やいば)は折れぬ矢はつきぬ

  馬は(たふ)れぬ兵士(つはもの)も かしこの家にたどり行き

  共に腹をば切らなむと 刀を杖に立ちあがる

  身には数多(あまた)(いた)()(ぐし) 戸を押しあけて内に入り

  かたみに(よろひ)のひもとけば ()おどしならで(くれなゐ)

  血潮したたる小手(こて)の上 心のこりはあらずやと

  兄の言葉に弟は これみなかねての覚悟なり

  なにか嘆かん今更に さはいへくやしねがはくば

七度(ななたび)この世に生れ来て 憎き敵をばほろぼさむ

さなりさなりとうなづきて 水泡(みなわ)と消えし兄弟(はらから)

心もきよき湊川

──唱歌、明治三十四年作、『南朝忠臣の歌』

 

日本歌曲 にほんかきょく

 明治時代、舶来歌の旋律を真似て日本で独自に発達した唱歌を〈日本歌曲〉と称した。なかでも「美しき天然」は、曲詞ともに近代日本を代表する歌曲といってよいであろう。

【例歌】

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美しき天然 うつくしきてんねん      竹島羽衣作詞

空にさえずる鳥の声

峯より落つる滝の音

大波小波鞺々(とうとう)

響き絶えせぬ海の音

聞けや人々面白き

此の天然の音楽を

調べ自在に弾き給う

神の御手の尊しや(以上は第一節、第二~第

 四節は省略)

──歌謡曲明治三十八年作、『日本流行歌史

 「美しき天然」作曲者、田中穂積の歌碑〔山口県岩国市〕

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椰子の実 やしのみ        鮫島有美子唄         島崎藤村詞

♪一、名も知らぬ 遠き島より

流れ寄る 椰子の実一つ

故郷(ふるさと)の 岸を離れて

(なれ)はそも 波に幾月

 二、(もと)の樹は 生いや茂れる

枝はなお 影をやなせる

われもまた 渚を枕

ひとり身の 浮寝の旅ぞ

 三、実をとりて 胸にあつれば 

新たなり 流璃の憂い

海の日の 沈むを見れば

(たぎ)り落つ 異郷の涙

思いやる 八重の汐々

    いずれの日にか 国に帰らん

──唱歌、明治三十一年発表、『心にのこる日本の歌101選』

 「椰子の実」の歌碑〔愛知県田原市〕

 

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青葉茂れる桜井の *旧称は「桜井決別」

青葉の笛 *

あわて床屋 宮下禮子

生きる *混声合唱曲

いつも何度でも *木村 弓

鶯の夢 

うた *柏グリーンハーモニー合唱団

海ゆかば *伊藤久男

お菓子と娘 *萩野綾子

おんがく *野崎由美

かあさんの歌

からたちの花 *森 麻季

川中島 *詩吟の歌謡曲版

北上夜曲 *倍賞千恵子

  

荒城の月 *(歌)小林一男 (合唱)八潮高校合唱部、1901

五月の歌 *ボーイソプラノ

この道 *鮫島有美子

窓に灯を *倍賞千恵子(カバー)

小諸なる古城のほとり *島崎藤村の詩「千曲川旅情の歌」より

里の秋 *原詩は斎藤信夫「星月夜」

サヨナラ模様 *伊藤敏博

叱られて *鮫島有美子

四季の雨 *作詞・作曲者は不明

四条畷 *青い鳥童謡音楽学校児童

城ヶ島の雨 *北原白秋が明治末年、神奈川県三浦三崎に住んでいたころの作品 

死んだ男の残したものは *本田路津子

すかんぽの咲く頃

早春賦 

黄昏ララバイ *小金沢昇司

小さい秋見つけた

ちんちん千鳥 *井原義則

月見草の花

  *藤山一郎

平城山(ならやま) *山崎ハコ

野薔薇(三木露風詞) *間庭小枝

箱根八里 

 

花かげ *鮫島有美子

 *鏡音リン

母の歌 *フォレスタ

浜辺の歌 *青柳佑子

人を恋うる歌 

冬景色 *作曲者・作詞者をめぐり謎に包まれている

故郷(ふるさと) 

ペチカ 

坊がつる讃歌 *芹洋子

待ちぼうけ

見わたせば *東京音楽学校生徒 佐藤千夜子

岬の花 *合唱団京都エコー

水藻の花 *女声合唱とピアノのための「春とおないどし」より 

揺籃のうた *藍川由美

夜明けのうた *岸 洋子

旅 泊 *天羽ソラ

忘れな草 日本女声合唱

 

舶来原曲歌 はくらいげんきょくか

日本以外の主として欧米で作られた歌曲をもとに、日本人に合わせて詞を翻訳した

歌曲。

【例歌】

(うま)し夢        シューベルト作曲                近藤遡風訳詞

一 眠れ眠れ、可愛(めぐ)(わく)()、母君に抱かれつ、ここちよき、歌声に、むすばずや、(うま)し夢。

二 眠れ眠れ、慈愛(めぐみ)あつき、母君の袖のうち、夜もすがら、月さえて、()が夢を、護りなん。

三 眠れ眠れ、()眠りて、朝まだき、覚めて見よ、麗しき、百合の花、微笑まん、枕もと。

──唱歌、明治四十二年発表、『女声唱歌』

*原曲は『シューベルトの子守唄』として知られている作品。

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チリビリビン    ペスタロッツァ作曲 訳詞者未詳

♪なぜに遅いのか いとしいあの人

 月がのぞいている 空の上から

 けれど見ているなら 見さしておこう

 月も恋する 青い色して

 誰が知ろうぞ 今宵のくちづけ あゝ

 チリビリビン…

 チリビリビン あゝ麗しのあの姿よ

 チリビリビン あゝ輝くあの瞳よ

 チリビリビン あゝ麗しあの姿よ

 チリビリビン… 麗し

♪もしもこの庭で 私が会うのを

 母が知ったならば 小言は尽きまい

 けれど叱るなら 叱らせておこう

 時が過ぎゆけば 嘆きも消えゆこう

 チリビリビン…

 チリビリビン あゝ麗しのあの姿よ

 チリビリビン あゝ輝くあの瞳よ

 チリビリビン あゝ麗しあの姿よ

 チリビリビン… 麗し

──オペラ系歌曲

[メモ] 日本語の訳詞はいくつも存在する。

 

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アーニー・ローリー *スコット作曲

アイアイアイ *日本語化しているが、原曲はチリ民謡

愛の喜び *マルティーニ作曲 

アイヨ・ママ *原曲はインドネシア民謡

アイルランドの子守唄 *原曲はアイルランド民 

アヴェ・マリア *シューベルト作曲

秋の夜半(日本語) *ウェーバー作曲

アビニョンの橋の上で *原曲はフランス民

アフトンの流れ *原曲はイギリス民謡

アルプス一万尺 *原曲はアメリカ民謡

あわれの少女 *原曲はフォスター作「故郷の人々」

一週間 *原曲はロシア民謡

ヴァケーション *原曲はアメリカ歌謡

ウォルシング・マチルダ *原曲はオーストラリア民謡

歌声ひびく *原曲はドイツ民謡

歌のつばさ *メンデルスゾーン作曲

海に来たれ *原曲はヴェネチア民謡

大きな古時計 *ワーク作曲

おヽスザンナ *フォスター作曲

オー・ソレ・ミオ *カプア作曲

おヽ・ブレネリ *原曲はスイス民謡

オオ・マイ・パパ *原曲はアメリカ歌謡

おお牧場は緑 *原曲はチェコ民謡

オーラ・リー *プールトン作曲

オールド・ブラック・ジョー *フォスター作曲

乙女の願い *ショパン作曲

思い出のサンフランシスコ *原曲はアメリカ歌謡

ガイ・イズ・ア・ガイ *アメリカ歌謡

帰れソレントへ *クルティス作曲

学生歌 *ドイツ民謡

霞か雲か *原曲はドイツ民謡「春の訪れ」

カプリ島 *原曲はイタリア民謡

カリンカ *ロシア民謡

カロ・ミオ・ベン *ジョルダーニ作曲

希望のささやき *ホーソン作曲

気のいいあひる *ボヘミア民謡

君よ知るや南の国 *トーマ作曲

禁じられた遊び *原曲はスペイン民謡

髪のジェニー *フォスター作曲

クラリネットをこわしちゃった *原曲はフランス民謡

グリーンスリーヴス *イングランド古民謡

車にゆられて *原曲はメキシコ民謡