昭和で消え去った大人の歌謡曲群に限りないノスタルジアをささげよう

 

Ch.6  歌謡曲>昭和以降

 

Ch.6  歌謡曲>昭和以降 目録 (五十音順) 202241


哀歌 哀愁の歌 愛の讃歌 異性うたいあげ 恨み節 英語入り歌謡 詠嘆歌 

演歌〔歌謡曲系〕 お色気歌 大江戸もの 男心の歌 女ごころの歌 懐旧の歌 歌謡曲 愚痴歌 心意気の歌 孤独の歌 コミックソング 四季の歌 詩吟入り 

時代もの 失恋の歌 情歌 情念の歌 抒情歌 人世薄情の唄 スポーツ讃歌 

惜別の歌 船頭小唄 ちあきなおみ追っかけ追憶の歌 追悼歌 ツルレコード〔歌謡〕 デビュー曲 ドリーム歌謡 流し唄 嘆き節 任侠唄 初恋の歌 花嫁の唄 

母もの バラード 春の讃歌 慕情の歌 マドロスもの ムード歌謡 夫婦歌 洋語歌 ラストソング ラブソング 里謡風 恋慕の歌 浪曲歌謡 

 

 

哀歌 あいか

〈悲歌〉〈挽歌〉または〈エレジー〉とも。悲しみやもののあわれの情感を示す曲詞をいう。すなわち悲劇などが起きた場合に、悲しみの心情を聞き手に訴えるために、五七調など音韻美を意図した作詞法が効果的に用いられている。

 人生の喜怒哀楽うち「哀」に相当し、作詞者や歌い手の思い入れが深く、流行歌では格好の主題になっている。〈嘆き節〉とは紙一重の関係にもある。

【例歌】

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七里ケ浜の哀歌 しちりがはまのあいか     三角錫子詞

一 真白き富士の() 緑の江の島

仰ぎ見るも 今は涙

帰らぬ十二の 雄々しきみたまに

捧げまつる 胸と心

♪病院唄            友菊詞

人も知つたる大阪の、処は難波の病院で、両親揃うてありながら、お傍で養生もできませぬ、皆さん私の振を見て、可愛やいとしと申します、よもやこれ程長いとは私も夢さら知らなんだ、何時も治療に上がりても、全快する期は更に無し、無理なお上の仰せには、こんな病院建ち上り、長い廊下も血の涙、こぼし歩くも親のため、山家育ちの私でも、こんな病院恋しうない、辛苦島田に結うた髪を、病院内では乱れ髪 

──哀傷歌、『売られ行く女』所収

[メモ] 源氏名を友菊と称した娼妓は、悪性梅毒にかかり、世をはかなみこの一篇

 の哀詞を残して死んだという●花柳隠語で、娼妓が性病にかかり治療病院などに

 入院することを「ドック入り」という隠語で表現した。そして当時、ドック入りは、一人前の娼妓の勲章のようなもの、とされていたのである●一方で、悪性の梅毒にかかって治癒不可能になると、その末期は哀れなものであった。

 遊女喜遊自害す 〔娼妓喜遊の哀話、年信画、明治十一年〕 横浜・岩亀楼抱えの遊女喜遊は、運命にもてあそばれラシャメンにならざるをえないと知った文久二年、自裁して果てた。その辞世の一首、「つゆをだにいとふやまとのおみなへし ふるあめりかにそではぬらさじ」は貞節婦徳の鑑として賞賛され、辞世のほうもたちまち有名になった。

 

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返らぬ面影 *澤 雅子

北風哀歌 *小林 旭

君知らず *ちあきなおみ

この *島倉千代子

湖畔の哀歌 *田端義夫 菅原都々子

シベリア・エレジー *伊藤久男

昭和えれじい *ちあきなおみ

天国に結ぶ恋 *徳山璉・四屋文子

春の哀歌 *荘司史郎

開かぬパラシュート *小野 巡

琵琶湖哀歌 *東海林太郎・小笠原美都子

  

哀愁の歌 あいしゅうのうた

哀しく愁いの深い歌。〈哀歌〉の姉妹歌で、

流行歌では格好のモチーフになっている。ややもするとメロディよりも歌詞優先のきらいはあるが。

【例歌】

静子の唄         三上於菟吉詞

♪私のあなたと 呼んだ人

 いまは背いて 行った人

 あなたの好きな 白バラは

 今日も淋しく 咲いてます

♪虫とりすみれの 毒の花

 男ごろしと 知りながら

 つい騙された 意気地なし

 だけど私は 恋しいの

♪かよわい女の 心ゆえ

 笑うつもりが なお泣けて

 夜毎にぬれる わが枕

 夢になりとも 逢わせてよ

──流行歌、昭和九年発表

 猛毒のあるジキタリスの花 自ら運命を呪っているような毒々しさが哀れ

 

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哀愁のからまつ林 *島倉千代子

哀愁のブルース *高木たかし

哀愁の街に霧が降る *久保浩

哀愁の夜 *舟木一夫

哀愁波止場 *美空ひばり

哀愁列車 *三橋 美智也

赤いハンカチ *石原裕次郎

あざみの歌 *伊藤久男

おさげと花と地蔵さんと *三橋美智也

女の雨 *ちあきなおみ

風が落とした涙 *小川ローザ

片羽鳥 *河崎一郎 

川は流れる *仲宗根美樹 

霧の降る夜は *松島詩子 

湖畔の宿 *高峰三枝子 

十九の春 *松原 操

こぼれ花 *ちあきなおみ

 赤色エレジー *あがた森魚

たそがれマイ・ラブ *大橋純子

 啼くな小鳩よ *岡晴夫

 涙の小鳩 *岡 晴夫

 波止場のルージュ *山田陽子

 胸に哀しい灯がともる *菅原都々子

 夢に泣く *關 種子

 別れの一本杉 *春日八郎

 

愛の讃歌 あいのさんか

 恋愛はじめ肉親への愛、友愛、人間愛など情感を歌いあげた歌謡。ただ流行歌においてジャンル細分化の仕分けが厄介である。

【例歌】

あなたのあたし      山崎謙太郎詞

♪乙女の夢は ねり絹の

 清くやさしい 色とつや

 広い世界に ただひとり

 君の(かいな)に 実を結ぶ

 あなたのあたし 

 あたしのあなた

 紫の幕を下した 乙女の日

 あの日から あの日から

 あなたのあたしよ

 あの日から あの日から

 あなたのあたしよ

──流行歌、昭和九年発 

 

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愛燦燦 *小椋 佳

 愛の子守唄 *松村久男

 愛の時間 *朝倉由美子

愛のリボン *並木路

青葉城恋唄 *さとう宗幸

聖母(マドンナ)たちのララバイ *岩崎宏

 

異性うたいあげ いせいうたいあげ

 男性が女性として、あるいは女性が男性として、思いのたけをうたう歌謡。明らかに歌詞先行の仕立てとなり、ヘテロ100%人間にとって気色悪さは否めない。

〈異性うたいあげ〉こそ昭和三十年代以降の歌謡曲に目立って増えた悪趣向である。

 ブログ「徳床公太郎の夢日記」より

 

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 あなたのブルース *矢吹 健

 裏通り *清水節子の男唄

 男と女の破片 *前川 清

 男の情話 *坂本冬美

 おはん *五木ひろし

おまえに惚れた *美空ひばり

俺の出番はきっと来る *島津亜矢

おんなの朝 美川憲一 

女のためいき *森 進一

女のみち *宮 史郎

カルムリ *清水節子の男唄

北の蛍 *森 進一

今日でお別れ 菅原洋一

恋あ *勝 彩也

心凍らせて *高山 厳

さそり座の女 *美川憲一

秋 冬 *原 大輔

東京流れもの *竹越ひろ子 

年上の女 *森 進一 

なみだの操 *殿さまキングス

白衣の佳人 *ディック・ミネ

紅(べに) *吉 幾三

べにばな *五木ひろし

みちづれ *牧村三枝子

昔の名前で出ています *小林 旭

野 暮 清水節子の男唄

夢一秒 *前川 清

夜啼き鳥 *角川 博

夜と朝のあいだに  *ピーター

落 日 *清水節子の男唄

忘れてほしい *渥美二郎

 

恨み節 うらみぶし

女の執念が恨みと化してうたわれた歌謡。

その多くが想う男が去った悔しさをうたったもので、古歌謡からの引き継ぎで情念を演出する主題である。

【例歌】

何んにも云うまい     佐藤惣之助詞

♪何もいうまい 云うだけつらい

 今宵限りだ さびしい夢だ

 肩を並べて あるいていても

 月にちるちる 泪の落葉

♪何もきくまい きくだけつらい

 これが最後だ 涙の秋だ

 影もやつれて 心もやせて

 水にちるちる 夜風の落葉

♪何も泣くまい 泣くだけつらい

 明日は他人だ 見知らぬ人だ

 愛も希望も ふみにじられて

 路にちるちる 別れの落葉

──流行歌、昭和九年発表

 女は涙で考える

 

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アカシアの雨がやむとき *西田佐知子

怨み節 *梶 芽衣子

九段の母 *カラオケ(カバー)

圭子の夢は夜開く *藤 圭子

月は無情 *市丸

どうせ拾った恋だもの *立樹みか

流れて津軽 *島津亜矢

星の流れに *菊池章子 

渡り鳥いつ帰る *立樹みか

 

英語入り歌謡 えいごいりかよう

歌詞のなかに目立つほど英語に代表されるカタカナ語が挿入してあるもの。ただし、一般の歌謡曲で英語句が飛び飛びに入っている程度では〈英語入り歌謡〉とはいえない。戦後日本で急激に増えた傾向である。

【例歌】

チャッカリしてるわネ    西岡水朗詞

♪エロと涙は 女の武器よ

 イットを振りまく 仇情け

 そこで男のネ 深情け

 チャッカリ してるわネ

♪恋のドライブ 行く先ゃまゝよ

 心気まかせ 君まかせ

 あとは親父のネ 金まかせ 

チャッカリ してるわネ

♪安いお酒も 嬉しいものよ

 キッス恋しや 酔い心地

 ブルでいるよなネ 夢心地

チャッカリ してるわネ

♪踊れ踊れと 毎日毎晩よ

 恋のルンペン 明日はない

 みそか来たとてネ あてはない

 チャッカリ してるわネ

♪機嫌とるときゃ センチでソロよ

 泣いてやく時ゃ 夜をこめて

 調子はずれにネ ジャズります

 チャッカリ してるわネ

──流行歌、昭和六年発表

 

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カモナマイハウス *うめ吉

監獄ロック *小坂一也・平尾昌晃

テネシーワルツ *江利チエミ

バナナ・ボート *浜村美智子

 

詠嘆歌 えいたんか

恋などの成就がみられず、悲歎する男女の情感を歌った歌謡。たいていは詠嘆や繰り返しの詞が挿入されている。

たとえ詠嘆であっても〈哀歌〉と〈哀愁の歌〉のように、差異が微妙で仕分けが難しい場合が少なくない。

 曼珠沙華またの名は「彼岸花」 花言葉は「みじめな私」

【例歌】

真実一路の歌       佐藤惣之助詞

♪あゝ大空も 大空も

 真実一路の 旅なれど

 なぜにやつれる なぜくもる

 月もひとりか 月もひとりか

 さびしいか

♪あゝあきらめて あきらめて

 真実一路の 旅なれど

 切れば血の出る 母と子が

 一生他人で 一生他人で

 いられよか

♪あゝゆめの世は ゆめの世は

 真実一路の 旅なれど

 愛のひかりが 消えたなら

 泣いて別れよ 泣いて別れよ

 街の空

♪あゝ切なさよ 切なさよ

 真実一路の 旅なれば

 遠い涙の 想い出は

 月にちります 月にちります

 ほろほろり

──流行歌、昭和十二年発表

 

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あゝ影やせて *松平 晃

あゝ新撰組 *三橋美智也

あゝ広島の鐘は鳴る *宇都美清・乙羽信

愛染ながし *霧島 昇

赤いグラス *アイ・ジョージ

雨に咲く花 *井上ひろし

命かれても *森 進一

エリカの花散るとき *西田佐知子

恋の火の鳥 *三条町子 

午前零時に泣く女 *三條町子

歳月河 *ちあきなおみ

咲かぬ花 *ミス・コロムビア

悲恋椿 *菅原都々子

僕は泣いちっち *守屋 浩

港は雨 *北廉太郎

 

演歌〔歌謡曲系〕えんか/かようきょくけい

7.演歌」に収載以外の現代演歌を指す。つまり昭和に入り激増したいわゆる新演歌・艶歌の類で、おおむね歌謡曲レベルにあるものをいう。

 歌謡曲との仕分けが難しく、混在や越境もやむをえない。

【例歌】

妾しゃ死ぬほど好きなのよ 久保田宵二詞

♪恋がめくらと いうのなら

 めくらの杖は あなたなの

 世間の人が 何知ろう

 妾しゃ死ぬほど 好きなの 

♪罪と知りつゝ もだえつゝ

 そむく女の ひとすじが

 どうしてパパに わかりましょう

 妾しゃ死ぬほど 好きなのよ

♪金でハッピーが 買えましょか

 枯れた葉っぱの 葉のかげに

 楽しく唄う 虫もいる

 妾しゃ死ぬほど 好きなのよ

──流行歌、昭和七年発表

 

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アキラのダンチョネ節 *小林 旭

あじさいの宿 *鏡 五郎

あの娘が泣いてる波止場 *三橋美智也

あばれ太鼓 *坂本冬美

雨降る街角 *春日八郎

命預けます *藤 圭子

命くれない *瀬川瑛子

命の花 *大月みやこ

うわさ雨 長保有紀

演歌みち *松原のぶえ

演歌メドレー *長岡市栃尾地区にある秋葉中学校と刈谷田中学校および栃尾高校、3校の吹奏楽部による­合同演奏

おさらば故郷さん *加賀城みゆき

男一代 *北島三郎

男 傘 *伊沢八郎

男と女のお話 *日吉ミミ

男 船 *伊沢八郎

男 船(神野美伽)

男 道 *福田こうへい

朧月夜(*八代亜紀)

おんなの出船 *松原のぶえ

おんなの夢 *八代亜紀

おんな港町 *八代亜紀

海峡氷雨 *市川由紀乃

影法師 *堀内孝雄

風 岬 *神野美伽

カラスの女房 *堀内孝雄

 くれないの雨 *三門忠司

 恋唄綴り *堀内孝雄

 恋挽歌 *伍代夏子

恋 舟 *香西かおり

こころ酒 *藤あや子

大志(こころざし) *坂本冬美

心のこり *石川さゆり

湖 愁 *松島アキラ

ごめんヨかんべんナ *春日八郎

さざんかの宿 *森 昌子

さだめ川 *ちあきなおみ

しのび恋 *華かおり

昭和夢つばめ *石川さゆり

白い海峡 *大月みやこ

人生海峡 *菊地澄子

人生劇場 *村田秀雄

人生桜 *中村美律子

人生しみじみ *天童よしみ

人生峠 *村木賢吉

人生晴れたり曇ったり *瀬川瑛子

大勝負  *森山愛子

 *島津亜矢

竹とんぼ *堀内孝雄

だんな様 *三船和子

月に咲く花 *大月みやこ

天使のジェラシー *清水節子

遠くはなれて子守唄 *白川奈美

どぶろくの辰 *東海林太郎

とまり木 *小林幸子

涙を抱いた渡り鳥 *水前寺清子

涙の連絡船 *都はるみ

なみだ船 *北島三郎

二輪草 *川中みゆき

馬鹿っちょ出船 *都はるみ

流恋(はぐれ) *香西かおり

花のワルツ *藤あや子

花も嵐も *山本譲二

 *北島三郎

ふたり花 *藤あや子

ふたり道 *細川たかし

惚れちゃったんだヨ *都はるみ

 *大泉逸郎

まつり *北島三郎

無言板 *香西かおり

むらさき雨情 *藤 あや子

夜叉海峡 *坂本冬美

 *美空ひばり

雪 国 *吉 幾三

雪 椿 *小林幸子

雪割草 *松原のぶえ

湯の町月夜 *大川栄策

夢芝居 *梅沢富美男

夢ひとすじ *原田悠里

夜汽車の女 *多岐川舞子

与 作 *北島三郎

嫁にこないか *新沼謙治

 

お色気歌謡 おいろけかよう

ここでいう「お色気」とは、男の気をひく女の性的魅力のこと。ただし性別上は男である女形(おやま)についても「色気がこぼれる」などということがある。

ここでの仕分けポイントは、

①男がうたう歌謡は対象にしない。

②「17.花柳唄」に属する類似歌は対象にしない。

③「Ⅱ1.破礼唄」も対象にしない。

 妓女に扮した于娜(女優)〔中国語サイトより〕 

【例歌】

しんとろとろり      佐藤惣之助詞

♪お月さまでも あるまいに

 見れば見るほど 美しい

 女泣かせの 優男(やさおとこ)

  ヤーレ しんとろとろりの のほほい

♪合えてうれしい 一ト時は

 熱いお酒に かこつけて

 色もほんのり おぼろ月

 ヤーレ しんとろとろりの のほほい

♪夢に見るようじゃ まだ浅い

 忘れねばこそ 夢に見ず

 いつかさびしい 明けの月

 ヤーレ しんとろとろりの のほほい

♪いっそこがれて 呼んだとて

 たまに来ながら すぐかえる

 男ごころは 宵の月

 ヤーレ しんとろとろりの のほほい

──流行歌、昭和十年発表

 

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愛してやんない *五月みどり

一週間に十日来い *五月みどり

お月さんが呼ぶから 五月みどり

おひまなら来てね *五月みどり

ごめんね…ジロー *奥村チヨ 

さよならはダンスの後に *倍賞千恵子

はがゆい唇 *高橋真梨子

MUGO・ン…色っぽい *工藤静香

桃色吐息 *高橋真梨子

 

大江戸もの おおえどもの

 現代歌手がうたう江戸時代の江戸を背景とした情景描写の歌謡。

 一般的な旧時代ものは別項〈時代物〉に繰り入れてある。

【例歌】

江戸節めをと姿       湯浅みか詞

♪芝で見染めて 神田で逢うて

 浮名流した 主さんと

 縁を結びに 麻布へ詣りゃ

 縁切り榎でサ 縁切れた

♪切れた縁なら 本所へおじゃれ

 結ぶ神様 不動様

 金比羅様へも (ついで)に詣りゃ

 真ッ平後免とサ はねられた

♪はねて夜更けは 浅草あたり

 誰を待つやら 濡れ小袖

 ひいて寄り添い 音色を聞けば

 とんだ不首尾のサ 三下り

自棄(やけ)八ツ八(やんぱち) よろずの八幡(やわた)

 何の御利益(ごりやく) べらんめえ

 あずま男の 気っぷにかけて

 男ぶりならサ 見てくんな

──流行歌、昭和十一年発表

 

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お江戸投ぶし *若原一郎

大江戸七変化 *竹山逸郎 榎本美佐江

大江戸出世小唄 *高田浩吉

大江戸絵草紙 *東海林太郎ほか 

車屋さん *美空ひばり

白波五人男 *楠木繁夫・美ち奴ほか

 新歌舞伎「江戸歌情節」公演看板絵 大阪・松竹座

 

男心の歌 おとこごころのうた

 男の真心や心情をうたいあげた歌謡。

〈女ごころの歌〉に対応する。

【例歌】

男のまごころ      佐藤惣之助詞

♪つらい浮世に 身をすねて

 誰が涙で 注ぐのやら

 夜の酒場で 酌む酒は

 なぜに今宵も ほろにがい

♪やくざすりゃこそ 今更に

 じっと堪えて いるものを

 さめて果敢ない 秋風に

 熱い血潮が また燃える

♪雨も世風も 聞いてくれ

 恋にゃ泣かねど 真実(まこと)には

 生命(いのち)一つを たゞちらす

 悲し男の まごころを

──流行歌、昭和十年発表

[メモ]同題異曲が数曲ある。

 

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逢いたかったぜ *岡 晴夫 

青いガス灯 *岡本敦郎

雨の裏町 *北山たけし

美しい女 来生たかお

お月さん今晩は *藤島桓夫

男なら *カラオケ(カバー)

男のいのち 筑波高

男のこころ *カラオケ(カバー)

男の純情 *藤山一郎

男の真情 *森 進一

男の人生 *北島三郎

男の素顔 *石原裕次郎

男の魂 *広沢虎造の愛国浪曲

男の誓い *高倉 健

男の涙 *岡 晴夫

男の舞台 *春日八郎

男のブルース *三船 浩

男のまごころ *カラオケ(カバー)

男の行く道 *北 廉太郎

男晴れ姿 *上原 敏

かたむく月影 *北 廉太郎

煌く星座 *灰田勝彦

玄海ブルース *田端義夫

巷の雨に濡れながら *若原一郎

ついて来るかい *小林 旭

東京でだめなら *渥美 清

流れる涙 *春日八郎

なみだ月 *鏡 五郎

涙の夜曲 *田端義夫

港の純情 *立花ひろし

波止場ブルース *田端義夫

 

女ごころの歌 おんなごころのうた

 女の折れやすい心の移ろいをうたいあげ

た歌謡。別項〈恨み節〉〈詠嘆歌〉などとの

越境もありうる。

〈男頃の歌〉に対応。

 『みだれ髪』表紙の一部〔藤島武二画〕

【例歌】

愛は(くれな)        佐藤惣之助詞

♪あいは紅い こころはみどり

 誰にやつれて 夜風の柳

 思い乱れて 泣いてるものを

 悲しい夢には しないでね

 あなたは遠いみそらの 一つ星 いいの

♪憎らしいよに 恨んでいても

 逢えばおろおろ 何にも云えず

 可愛がられて 叱られたさに

 涙しのんで 笑ってよ

 あなたは遠いみそらの 一つ星 いいの

♪いゝえ貴方が 無理ではないのよ

 人に知れない 苦労はしても

 そっと秘めたる うれしい胸を

 みんな貴方に ささげてよ

 あなたは遠いみそらの 一つ星 いいの

──流行歌、昭和七年発表

 

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愛すればこそ *カラオケ(カバー)

 碧いうさぎ *酒井法子

 赤い風車 *三代沙也可

あなたを待って三年三月 *森 昌子

あなたにあげる *西川峰子

あばよ *研ナオコ

雨あがり *坂本冬美

雨が止んだら *朝岡雪路

雨のホームで *藤原千多歌

浮世絵の街 *内田あかり

宇治川哀歌 *香西かおり

裏町人生 *上原 敏・結城道子

噂の女 *内山田洋とクールファイブ

銀幕(エクラン)ぶし *田中絹代

お俊恋唄 *島津亜矢

お新恋い唄 *平野愛子

お月様さえ泣いている *照菊

女泣(おなき) *藤あや子

おもいでの花 *島倉千代子

想い出迷子 *八代亜紀

折 鶴 *千葉紘子

女ごころ誰か知る *小畑  

女心の唄 *バーブ佐竹

女の階級 *楠木繁夫

女の空港 *川野夏美

女の純情 *歌恋

女のブルース *藤 圭子

悲しき夢路 *小林千代子

君待てども *平野 愛子

禁じられた恋 *森山良子

紅の帯 *丸山和歌子

恋のバカンス *ザ・ピーナッツ

こんな夜はせつなくて *岩波理恵

酒場川 *ちあきなおみ

忍ぶ雨 *伍代夏子

忍ぶ川 *石川さゆり

純情の丘 *二葉あき子

シルエット・ロマンス *大橋純子

蒼月(つき) *長山洋子

なほみの唄 *松島詩子

人間模様 *石川さゆり

花と蝶 *藤 圭子

蜩(ひぐらし) *長山洋子

惚(ほ)の字傘 *長保有希

水に咲く花 *

みだれ髪 *美空ひばり

娘十九はまだ純情よ *初代コロムビア・ローズ

若しも男であったなら *小林千代子

夢は夜ひらく *園まり

わたし女ですもの *伊東ゆかり

 

懐旧の歌 かいきゅうのうた

 個人生活を背景に、古き良き時代などの思い出をうたった歌謡。これにはいろいろな情景が描かれるわけで、とくに初恋へのなつかしみなどが目立つ。

【例歌】

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回想譜(カラオケ)      今城靖児詞

♪星みれば はろかにとおく

 雲みれば つきせぬ想い

 去りゆきし 君は()わねど

 御宿(おんじゅく)の ああ海の恋しさ

♪風ふけば 風もさびしや

 虫なけば 虫もわびしや

 ただひとり 山荘(ロッジ)にあれば

 たえがたく ああ涙ながるる

(あした)には あしたの祈り

 (ゆうべ)には ゆうべのねがい

 嫁ぎゆく 妹にのみ

 いまはただ ああ(さち)をこうのみ

──流行歌、昭和十一年発表

 

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古 城 *三橋美智也 

湖上の尺八 *伊藤久男

 

歌謡曲 かようきょく

現代に作られうたわれる大衆歌曲の総称。

〈歌謡曲〉という言葉は昭和四年「東京行進曲」頃から使われはじめた。一般の大衆向け歌謡のほとんどがこれの範疇に入る。

〈歌謡曲〉についての解説は、諸々の書冊に詳しいので説明は省く 

【例歌】

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世界一周大飛行の歌   東日大毎入選歌

♪国をうずめた 日の丸の

 歓呼の中に 羽搏(ははた)いて

 わがニッポンは まっしぐら

 六万キロの 空を飛ぶ

♪広い海原 雲の峰

 越えつゝめぐる 五大州

 わがニッポンは たくましい

 つばさで強く 抱くのだ

♪すさぶ吹雪と 熱風の

 大洋ふたつ 飛び越えて

 わがニッポンの 行くかなた

 大空晴れて 虹を呼ぶ

♪遠く故国を 幾千里

 異郷に暮らす 同胴も

 わがニッポンを 仰ぎ見て

 「君が代」たかく 歌うのだ

♪銀の翼に 陽をうけて

 世界を結ぶ この使命

 わがニッポンは 高らかに

 かちどきあげて 帰るのだ

──流行歌(公募当選作)、昭和十四年発表

 夜のバイオリン      若杉勇三郎詞

♪夜のひととき ひき鳴らす

 恋はかなしいトレモロか

 あなたは あなたは どこにいる

 月が木蔭に 下りる夜は

 そっと取り出す バイオリン 

 

 君は優しい 紅のバラ

 恋ははかない 流れ星

 あなたは あなたは どこにいる

 泣いた別れの 想い出に

 ひとり奏でる バイオリン

 

 糸のしらべも すすり泣く

 恋ははかない トレモロか

 あなたは あなたは どこにいる

 想い出す夜は 面影を

 偲゛さみしい バイオリン

──歌謡曲、昭和三十年発表

 歌謡曲も様々な分野へのジャンル進出が進めれている

 

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赤い風船 *浅田美代子

雨がやんだら *朝丘雪路

アメリカ通いの白い船 *小畑 実

アメリカ橋 *山川 豊

沖のかもめ *松平 晃

おゆき *内藤國雄

女のしぐれ *細川たかし

カタカナ忠義 *鶴田六郎

学校の先生 *坂上二郎

硝子坂 *高田みづえ

枯葉のうた *神戸一郎 

絹の靴下 *夏木マリ

化 粧 *桜田淳子

恋の奴隷 *秦 基博

心の小鳩 *岡晴夫

小島通いの郵便船 *青木光一

こだまは歌うよ *美空ひばり傑作選

咲かぬ花 *ミス・コロムビア

細 雪 *五木ひろし

ジェット最終便 *首里エイコ

叱らないで *青山ミチ

時雨ひととき *渡瀬春枝

島の星月夜 *大宮小夜子、元歌題名は「消えぬ涙」

上海帰りのリル *津村 謙

昭和歌謡メドレー *うち1/3

白薔薇の月 *ディック・ミネ

すきま風 *杉良太郎

タンゴ・ノアール *中森明菜

チエミの唐獅子ボタン *江利チエミ

月のデッキ *霧島昇

天使の誘惑 *黛ジュン

泣き笑いの人生 *藤島桓夫・白根一男

泣くな小島のかもめ鳥 *霧島昇

波路はるか *松平 晃

新月手毬歌 上原敏

野分の唄 *關 種子

白衣の尺八 *塩まさる

バラ色の月 *布施明

美貌の都 *宝田 明

吹けば飛ぶよな *若原一郎 

牡丹の曲 *山田五十鈴

 *松山千春

ほんきかしら *島倉千代子

ちましょう *津村 謙 

港シャンソン *岡晴夫

港ワルツ *神戸一郎

耳をすましてごらん *本田路津子

燃えろよペチカ *淡谷のり子

夕べ仄かに *松島詩子

夕焼け雲 *千 昌夫

雪の密林 *東海林太郎

雪舞橋 *山川 豊

夢の道草 *堀内孝雄

リンゴの花は咲いたけど *コロムビア・ローズ

理由(わけ) *中条きよし

忘れちゃいやよ *美ち奴

私この頃変なのよ *四家文子

 

愚痴歌 ぐちうた

〈こぼし唄〉とも。言ったところでせんないことを感情任せに口にするような唄。古くは〈遊女の情歌〉今では〈失恋の唄〉などに目立つ。

【例歌】

明眸禍の唄          吉井勇詞

♪恋の瞳が 涙にくもりゃ

 胸もちくちく 痛み出す

 痛み出そうと 如何(どう)しようとままよ

 美しい眸に 何罪あろう

 罪は浮世の ひとにある

♪ひとつ(またた)きゃ 心のばらも

 ほろり嘆きの 風に散る

 風に散ろうと 如何しょとままよ

 美しい眸に 何罪あろう

 罪は浮世の ひとにある

♪ふるう睫毛に 吐息がかゝりゃ 

 いっそこのまゝ 命()ちょう

 命棄ちょうと 如何しょとまゝよ

 美しい眸に 何罪あろう

 罪は浮世の ひとにある

♪じっと凝視(みつめ)りゃ この身も燃えて

 やがて果敢(はか)ない 灰となろ

 灰となろうと 如何しょとまゝよ

 美しい眸に 何罪あろう

 罪は浮世の ひとにある

──流行歌、昭和四年発表

 

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愛ちゃんはお嫁に *鈴木三重子

裏町人生 *上原 敏・結城道子

裏町夜曲 *春日八郎

愚 図 *研ナオコ

 嘆きのボイン May J. こんな愚痴唄もあるちゅう、超オモロイ唄やでぇ!

 

心意気の歌 こころいきのうた

人が生きていくうえでの心の決断や粋を託した歌。詞にメリハリの利いた心構えが見て取れるのが特徴である。

ちなみに江戸小唄はこれの宝庫である。

【例歌】

しぐれ旅         佐藤惣之助詞

♪酔わぬ 

 酔わぬ 筈だよ

 別れの酒は

 涙まじりの 水じゃもの

♪つける

 つける 煙草の

 けむりじゃとても

 離れまいとて なびくやら

♪飲んで

 飲んで みたとて

 どうなるものか

 さめりゃ夜明けが 又さびし

♪なけば

 なけば 寒かろ

 なかずにござれ

 どうせ浮世は しぐれ旅

──流行歌、昭和九年発表 

 

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お祭りマンボ *美空ひばり

湯島の白梅 *市丸

 

孤独の歌 こどくのうた

 浮き世の喧騒から離れ、一人淋しく孤独の想いにひたるような歌謡。

気をつけなくてはならないのは、ややもすると〈嘆き節〉に陥りやすいことだ。

【例歌】

夢の女の歌          畑耕一詞

♪くろ髪の

 もつれにかけた 誓いごと

 ひのひと筋を あてにして

 夢の女は 生くという

♪くちびるの

 明日を知らぬ ばらの色

 そのひと時を 希望(のぞみ)とも

 夢の女は 死ぬという

♪いつまでの

 命ゆるさぬ 鏡には

 姿うつすも 無駄なこと

 何の頼みの 身ではあろ

♪すべもなく

 涙ながして たゝずめば

 夢の女に 残された

いばらの囲いは 墓場とも

──流行歌、昭和三年発表 

 

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あの丘越えて *美空ひばり

雨の降る夜 *霧島 昇

孤独のカケラ *アンジェラ・アキ

 

コミックソング comic song

 冗談やギャグをたっぷりと用い、思わず滑稽な笑いへと引き込むような歌謡。ただしコミックと云っても範囲が広く、選択肢もかなり多い。

【例歌】

円タク行進曲        三沢 操詞

♪颯爽と さんぽだネ

 モチ君とアベックよ

 通る円タク ちょいと片手

 「オイ 銀座五十銭」

 オーライ とくりゃ

 その日が 楽しい楽しいネ

♪カルタでも しようかね

 だって 今日は日曜日

 山の ハイキングも 乙だわネ

 「ネ 新宿まで五十銭」

 オーライ とくりゃ

 その日が 楽しい楽しいネ

♪シネマでも 見ようかネ

 でも たまのランデブー

 もっと話が したいわネ

 「ネ 日比谷まで五十銭」

 オーライ とくりゃ

 その日が 楽しい楽しいネ

♪朗らかな 月給日

 サテ 君と飲みたいネ 

 酔えば 天下は俺のもの

 「オイ 浅草五十銭」

 オーライ とくりゃ

 その日が 愉快愉快だね

──流行歌、昭和十一年発表

 昭和初期の円タク

 

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有難や節 *守屋 浩

田舎のバス *中村メイ子

歌入り観音経 *美空ひばり

うちの女房にゃ髭がある *杉狂児・美ち奴

エノケンの月光価千金 *榎本健一

エロ草紙 エノケン・二村定一

おーい中村君 *若原一郎

お花ちゃん *三橋美智也&斎藤京子

河童ブギウギ *美空ひばり

黄色いサクランボ *スリー・キャッツ

恐妻節 *森繁久弥

きよしのズンドコ節 *氷川きよし

恋の山手線 *小林 旭

腰抜け二丁拳銃 *轟夕起子

これが自由というものか *榎本健一

さいざんすマンボ  トニー谷&宮城まり子

新版ダイナ狂想曲 *あきれたぼういず

スタコイ東京 *菊池正夫

そばかす *Judy and mary

大学かぞえうた *守屋 浩、伝承

だまっててね *二葉あき子

地球の上に朝がくる *川田晴久

トカナントカ言っちゃって *榎本健一・澤雅子

とんがらがっちゃ駄目よ *渡辺はま子

ニッポンジャズ水滸伝 天の巻 

パイロット小唄 *美ち奴

武器ウギ *無茶坊弁慶・エノケン

フラメンコかっぽれ *森繁久弥

ホンダラ行進曲 *植木 等

まるで夢なの *荻魚美・藤本勝利

皆んなでハッチャッチャ *中野忠晴

夕焼とんび *三橋美智也

 *二村定一

 

四季の歌 しきのうた

 春夏秋冬の全部または一部を主題とした歌謡。節季の催事なども含まれる。

【例歌】

春じゃもの         西岡水朗詞

♪唄はもゝいろ 夕べはおぼろ

 薫りなまめく ネオンの蔭に

 咲いて(しぼ)んだ 花を見る

 エヽほのかに 涙が湧いてくる

 デモ春じゃもの

♪酒はグラスに 想いはよそに

 踊りさゞめく 夜ふけの窓に

 泣いて別れた 月を見る

 エヽほのかに 涙が湧いてくる

 デモ春じゃもの

♪思い出させて 嘆けと見せて

 来る夜来る夜の 夢まぼろしは

 つきぬ悩みの 種となる

 エヽほのかに 涙が湧いてくる

 デモ春じゃもの

──流行歌、昭和八年発表

 大阪桜島の割烹「見はらし亭」開業ポスター(明治後期)

 

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お月見 *千葉亜由美

お花見チョンキナ *市丸ほか

金魚儚見歌 *和茶屋娘

熊本四季祭り *錦とも子

元禄花見踊り *原田ゆかり

さくら通りの花見唄 *高樹一郎と津山洋子

四季の歌 *芹洋子

高田の四季 *絹江・裕加里

月見をどり *岡晴夫・宮城しのぶ

納涼バスの歌 *宮崎交通

花見便り *花見桜幸樹

八街夏祭り 

 

詩吟入り しぎんいり

〈吟詠歌謡〉とも。詩吟入り歌謡曲という特異なジャンルの歌謡。時代を背景とした硬派歌詞に目立ち、詞の内容を一段と増幅させる効果がある。

【例歌】

月下の吟詠        佐藤惣之助詞

♪戦い止んで 長城はるか

 月は輝く 穂草はなびく

 露営のランプも いつしか消えて

 軍馬の寝息 物かすか

戦友(とも)も寝たか 草木も寝たか

 歩哨ばかりの 静寂天地

 思えば胸も いつしか迫り

 大喝一声 吟ずるは 

 霜 満 軍 営 秋 気 清

 数 行 過 雁 月 三 更

 越 山 併 得 能 州 景

 遮 莫 家 郷 思 遠 征

♪あゝこの天地 この山上に

 明日の屍を さらそとまゝよ

 魂魄永く 武勲をとどめ

 神州男児の 名を挙げん

 

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川中島 *立石 章

古城  詩吟「古城」入り *山田美楓

詩吟 祝い酒<歌謡吟詠> *武島鳳珠

白鷺の城 *歌謡詩吟

 

時代もの じだいもの

 近世(幕末以前)における史実を踏まえ、それに物語性を加味して人物等を描いた歌謡の総称。

 ただし江戸を背景としたものの場合は別項立て〈大江戸もの〉に譲る。

【例歌】

お柳恋しや        佐藤惣之助詞

♪風にもつれて 時雨にぬれて

 散らす柳は 女のいのち

 夢にうつつに 情けはのこる

 お柳こいしや みだれ髪

♪青い眉毛か 涙の櫛か

 ほろりちりくる 柳の一ト葉

 姿慕うて 泣く幼児(おさなご)

 雪もさびしや 暮れの鐘

♪唄い囃して 音頭で曳いて

 声も涙に 枯れゆく柳

 かざす扇も ほのかに明けて

 むかし果敢なや 和歌の浦

──流行歌、昭和十一年発表

 

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小判鮫の唄 *小畑実

白鷺三味線 *高田浩吉

新撰組の唄 *三橋美智也

唐人お吉の唄・黒船篇 *佐藤千夜子

南海の美少年 *橋 幸夫

乃木大将の歌 *三橋美智也

人を恋うる歌 *美空ひばり

広重五十三次 *上原敏

踏 絵 *東海林太郎

弁天小僧 *三浦洸一

明治一代女の唄 *新橋喜代三

弥次喜多行進曲 *東海林太郎

夜桜お七 *坂本冬美

わたしゃ糸屋の器量よし *美空ひばり

 

失恋の歌 しつれんのうた

失恋の痛手を表した歌。無念晴らしや情交の思い出が見え隠れする。

恋情のしがらみが強いだけに、唱歌してさわやか、というわけにはいかないようだ。

 【例歌】

あつき涙         若杉勇三郎詞

♪別れ別れて 来たけれど 

 なんでわたしが (つれ)なかろ

 思い出しては あゝ

 思い出しては あゝ

 今日もひとりで 泣いている

♪熱い涙を ふり捨てゝ

 それが男の 意気地やら

 泣いて泣かした あゝ

 泣いて泣かした あゝ

 罪はいずれの 人にある

♪別れられぬと 泣いた夜の

 いとし恋しの 想い出を

 胸に秘めては あゝ

 胸に秘めては あゝ

 待っているのよ いつまでも

──流行歌、昭和十一年発表

 

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今さらジロー *小柳ルミ子

グッドバイ・マイ・ラブ *森山愛子

小雨の終着駅 *曽根史郎

失恋レストラン *清水健太郎

傷 心 *大友裕子

捨てられて *長山洋子

そんなヒロシに騙されて *高田みづえ

東京ブルース *西田佐知子

東京ワルツ *小柳ルミ子

どうせ拾った恋だもの *初代コロンビア・ローズ

泣かせてネ *新橋みどり

はてなき涙 *三橋美智也

夜 空 *五木ひろし

私はないています リリイ

 

情歌 じょうか

〈情歌〉には術語としてのそれと、通称としてのものがある。前者は〈よしこの〉をめぐる命名論で、どちらかというと専門的である。したがって、ここでは一般的な後者の解釈に基づく。

 その場合の〈情歌〉とは男女間の情緒を表現した歌をさし、卑猥な内容のものも含めての総称である。いってみれば高踏的な〈抒情歌〉にくらべ〈情歌〉はより通俗的で、大衆歌や俗謡のカテゴリーに入る。

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今様オリジナルこなもん屋人情歌天下茶屋小唄

【例歌】 

偽れる未亡人        色部貢吉詞

♪古い掟に しいられて

 心冷たく よそおえど

 喪服さびしい 肌ざわり

 なぜか眠れぬ 夜がつづく

♪残んの花の 悩ましさ

 秘めて交せし 口づけに

 恋の絆の たちがたく

 見も世もあらぬ いばら道

♪あゝ偽れる この喪服

 脱いでしまえば はだか身の

 人よ女よ 愛欲に

 もだえて哭いて しぬばかり

──流行歌、昭和七年発表

 

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赤い唇 *淡谷のり子

海峡の宿 *伍代夏子

小諸情歌 *大川栄策

こんな夜はせつなくて *岩波理恵

純・情歌 *石川さゆり

じんじんさせて *山本リンダ

酔芙蓉 *島津悦子

センチメンタル・キッス *渡邊はま子

泣いてみたとて *渡瀬春枝

泣くな小島のかもめ鳥 *霧島昇

花はおそかった *美樹克彦

不壊の白珠 *四家文子

炎の女 *由美かおる

燃える瞳 *高峰三枝子

 

 

情念の歌 じょうねんのうた

女の情への思い入れの深さを歌ったもの。

「情歌」とではニュアンスが違うのでうまく意味を把握する必要がある。たとえば「男の情歌」という語はあっても「男の情念」という言葉は耳にしない。

【例歌】

夢のあと          南条歌美詞

♪ネオンの花は 七色に

 都の夜に ほゝえめど

 窓にもたれて 見る月は

 なぜに涙を そゝるやら

♪過ぎにし夢は 桃色に

 想いの丘に のこれども

 窓にもたれて 待つ人は

 とわに帰らぬ 流れ雲

♪希望の星は ルリ色に

 夕べの空に きらめけど

 窓にもたれて もの思い

 胸にはかなし 夢のあと

──流行歌、昭和十年発表

 

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天城越え *石川さゆり

カスバの女 *ちあきなおみ

風の盆恋歌 *石川さゆり

恍惚のブルース *青江三奈

人生一路 *美空ひばり

契 り *五木ひろし

ノ ラ *門倉有希

また逢う日まで 尾崎紀世彦

みずいろの雨 *八神純子

夕月峠 *菅原都々子

 

 

抒情歌 じょじょうか

主人公の感情や情緒を表現した歌謡。自然の風物や事変をきっかけに啓発された主題のものが目立つ。

ひとり歌謡曲のみならず、歌曲・演歌・唱歌などにも幅広く〈抒情歌〉が見られる。

 さりげなく、抒情は生まれる

【例歌】

京舞子           長田幹彦詞

♪煙る春雨 傘のうち

 河原柳に ぬれ燕

 四条橋から 円山へ

 (はす)にとびかう 夕まぐれ

 春はほんまに そうどすえ

♪とけた緑は 鴨川に

 晒らす友禅 観世水

 暮れて賑わう 先斗町

 祇園はやしの (かね)の音

 夏葉ほんまに そうどすえ

♪渡る小橋の 夕月夜

 袂すれあう 移り香は

 いとし舞妓の 振袖に

 君が情の 染め模様

 秋はほんまに そうどすえ

♪八阪・清水 下モ川原

 雪はふりつむ 夜の灯よ

 逢えぬつらさを 川水に

 泣いてあかすか 小夜千鳥

 冬はほんまに そうどすえ

──流行歌、昭和六年発表

 

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い芒 *佐藤千夜子

アカシヤの花 *比左志

暁の麗人 *伏見信子

あの橋の畔で *島倉千代子

越冬つばめ *森 昌子

思い出航路 *白根一男

想い出のボレロ *高峰三枝子

おもかげの歌 *伊藤久男 ミス・コロムビア

母子(おやこ)船頭唄 *塩 まさる

硝子のジョニー *アイ・ジョージ

草山に *伊藤久男

恋の絵日傘 *上原 敏

小雨の丘 *小夜福子

白菊の歌 *三橋美智也

小さな木の実 蒲原史子

月がとっても青いから *菅原都々子

月のセレナーデ *松平 晃

月の浜辺 *河原喜久恵

てまり数え唄  *三橋美智也

並木の雨 *松原 操

春の名残り *石田幸松

ふるさとの笛 *三橋美智也

街の灯台 *春日八郎

目ン無い千鳥 *霧島昇とミス・コロムビア

夕月(島倉千代子)

夢の逢瀬 *松島詩子

夜明けの停車場 *石橋正次

リラの花咲く頃 *岡本敦郎

忘られぬ花 *松平 晃

 

人世薄情の唄 じんせいはくじょうのうた

 浮き世がいかにはかなくて、自分の思どおりにいかないかを描いた歌謡 

〈嘆き節〉とは表裏一体の関係にある。

【例歌】

旅は青空          野口雨情詞

♪誰に迷たか 一本桔梗ヨ

 広い裾野の中に咲く

 スットン トロリコ ノーヤイ

♪富士は伊達者(だてしゃ)で 白雪ア積るヨ

 解けてくれぬか 寒いから

 スットン トロリコ ノーヤイ

♪恋は気まぐれ あてにはならぬヨ

 やがて別れる 時が来る

 スットン トロリコ ノーヤイ

♪泣いたからとて 今晩限りヨ

 明日はあの山 越えてゆく

 スットン トロリコ ノーヤイ

♪籠に飼われた 子鳩じや辛いヨ

 わたしゃ気ままな 旅の鳥

 スットン トロリコ ノーヤイ

♪旅は青空 こいしじゃないかヨ

 わたしゃ巣のない 渡り鳥

 スットン トロリコ ノーヤイ

♪今日は東か 明日は西かヨ

 水に浮草 風次第

 スットン トロリコ ノーヤイ

♪風に柳も 吹かれりゃ靡くヨ

 靡く柳に 風も来る

 スットン トロリコ ノーヤイ

♪つまらない時ゃ 青空眺めヨ

 愚痴も言います 青空に

 スットン トロリコ ノーヤイ

──流行歌、昭和七年発表

 特有の「野口節」で名歌詞の数々を生み出した野口雨情 

 

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浮世ぐるま *霧島 昇 

人生航海 *東海林太郎

 

スポーツ讃歌 すぽーつさんか

 スポーツの参加、観覧の楽しみやスポーツ讃歌を主題とした歌謡。歌謡曲よりもむしろ唱歌寄りのジャンルである。

【例歌】

ヒュッテの一夜      佐藤惣之助詞

♪雪に埋もれし 白銀の 

 山のヒュッテに 眠る夜は

 赤い焚火に 頬寄せて

 乙女ごころは ほのぼのと

 懐かしいやら 怖いやら

♪とびらくれば 白樺の

 影にかがやく お月さま

 いっそ上ろよ 上りましょ

 銀のシュプール 美しく

 月を今宵の 思い出に

♪雪に旅する はつ春の

 ヒュッテうれしや なつかしや

 谷の雪崩を きゝながら

 君と愉しき 只一夜

 夢もほのかに 眠りましょ

──流行歌、昭和十年発表 

 

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キャンプ小唄 *藤山一郎

銀嶺に躍る *松平晃

シーハイル *高木麻早

柔道の歌 *林伊佐緒

出世街道 *畠山みどり

スキーの歌 

滑れ銀嶺 *松平晃

青春サイクリング *岩崎宏美

ハイキングの唄 *青山 薫

ヒュッテの一夜 *松原操

山男 *ダークダックス

山は招く *中野忠晴

 

惜別の歌 せきべつのうた

 人物や名所などと離れてはじめて知る懐かしさを名残惜しむ歌謡。

〈懐旧の歌〉とも重ね合うことが少なくない。

【例歌】

別れの握手        久保田宵二詞

♪今宵別れて いつまた逢える

 せめて名残だ 燃えろよペチカ

 春は名ばかり 曠野の果てに

 交すウォッカも 伏目がち

♪君は踊り子 おいらは流浪

 泣くな涙で ()(すそ)が濡れる  

 今度逢うたら 笑って暮らそ

 雲もかゝらぬ 青空で

♪行くか幌馬車 あの丘越えて

 未練出すまい 後見返るな

 月もわびしき 曠野の果てに

 さあさ別れの 手を握ろ

──流行歌、昭和十年発表

 

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明日はお発ちか *二葉百合子

うたかたの恋 *藤あや子

海は日本晴 *小唄 勝太郎

お別れ公衆電話 *松山恵子

おんなの宿 *大下八郎

海峡越えて *三浦洸一

かよい船 *田端義夫

川の流れのように *美空ひばり

北国行きで *朱里エイコ

湖畔の灯り *松平 晃

さよなら波止場 *野村雪子

 白いランプの灯る道 *奈良 光江

たった一言なぜ云えぬ *藤島桓夫

散りゆく花 *菅原都々子

椿の丘 *小林千代子

父さんの詩 *長山洋子

泣くな坊やよ *上原 敏

涙のかわくまで *西田佐知子

波止場気質 *上原敏

星影のワルツ *千昌夫

緑の月 *奥田英子

未練の波止場 *松山恵子

無情の夢 *佐川ミツオ

夜のプラットホーム *二葉あき子

別れの磯千鳥 *近江敏郎

別れの波止場 *春日八郎

別れの花束 *春山一夫

れのブルース *旧題名は「本牧ブルース」

別れの夜汽車 *竹山逸郎

別れ波止場のかもめ鳥 春日八郎

別れ船 *田端義夫

別れても 黒木 憲

別れの燈台 *春日八郎

 

船頭小唄 せんどうこうた

小舟を操る船頭の浮き草稼業の哀歓をうたった歌謡。この現代離れした主題の唄が、なぜか現代でも人気の一角を占めている。

ちなみに「船頭小唄」の題名をもつ歌謡は大正十年発表以来、現在まで数多の歌手がカバーを重ね愛唱され続けている超ロングラン流行歌である。

 もちろん、この人も

【例歌】

娘船頭さん         矢島寵児詞

♪河原真菰は 夜風になびく

 娘船頭さんは 空の雲

 水に映して

 消えてはかない 恋心

丈夫(まめ)でいなよと 別れた人の

 便り恋しや 渡り 

 想いやつれて

 今日も涙の 灯をともす

♪棹の張りまで 西から東

 船は身まゝに なるものを

 赤い(たすき)

 なぜに夜露が 濡らすやら

──流行歌、昭和十二年発表

 

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親子舟唄 *田端義夫、白鳥みづえ

船頭可愛いや *音丸

ひとよ船 *田端義夫

ひとり船頭 *田端義夫

船方さんよ *三波春夫

 

ちあきなおみ追っかけ

 ちあきなおみこそプロ中のプロ歌手として荻生(編著者)は敬愛してやまない。歌唱力、テクニック、器用さ、情感表現の奥行き、レバートリィの広さ、どれをとっても超一流である。美空ひばりのようなウラ声が出せない、という評もあるが、そんな弱点を埋め合わせて余りある歌手である。カナダにダイアナ・バントンあり、米国にブレンダ・リーあり、日本に、なおみあり。

 そこで個人的わがままで特別に「なおみ追っかけコレクション」を試みた。オリジナル、カバーの別は問わずに洗い出し、加えて他項掲出ずみとの重複は避けた。

 彼女のカムバックを心待ちしている。

 

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あいつと私

愛の荒野 *

愛のらし 

朝が来る前に *

雨が空を捨てる日は *

あまぐも *

雨の日にきた別離 *

雨に濡れた慕情 

のそばで殺された夢 *

X+Y=LOVE *

想い出なんてほしくない *

女の旅 *

帰っておいで *

片情け 

かなしい唇 *

かなしみ模様

今日で終わって * 

禁じられた恋の島 *

く せ *

劇 場

恋した女 *

恋の奴隷 

恋のめくら *

最后の電話 *

酒場川 * 

 一杯やりながら大人の歌に聴き惚れるとき「ナオミスト」はどんな肴もいらない

誘い水 *

しのび逢う恋 *

しゃれた生活 *

二年前の秋 *

花吹雪

マニキュアがかわくまで *

都の雨に *ちあきなおみ

モア・モア・ラブ *

もう忘れましょう *

夜間飛行 *

矢切の渡し *

夜は誰にもあげないで *

夜へ急ぐ人

ルージュ *

別れたあとで

私をもう一度 *

私という女

円舞曲(ワルツ)  *

別れの一本杉

 

追憶の歌 ついおくのうた

過去の恋愛などを懐かしみ、思い出の心情をつづった唄。

この歌謡の性格上、詞全体が主観的かつ観念的抒情になりがちである。

【例歌】

霞む水郷         久保田宵二詞

♪鴎群れ飛ぶ 夏が来て

 思い出すよに さやさやと

 青い真菰が 風に鳴る

♪あの娘孤児(みなしご) ただひとり

 小舟浮かべて 雲を見て

 いつも淋しく 泣いていた

♪可愛いあの娘が うなだれて

 遠い都へ 立つ朝も

 好きな間菰が ゆれていた

♪愛の誓いは 忘れても

 青い真菰は 恋しかろ

 見せてやりたや 一目でも

──流行歌、昭和12年発表

 

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逢いたいなァあの人に *島倉千代子

追憶(おもいで)  *カラオケ(カバー)

想い出の丘 *カラオケ(カバー)

思い出の記 *佳山明生

想い出の並木路 *由利あけみ

想い出の白蘭 *山口淑子

想い出まくら *小坂恭子

さいはての *いしだあゆみ

さざん花の歌 *鳴海日出夫

シングル・アゲイン *竹内まりあ

そして…めぐり逢い *五木ひろし

誰か故郷を想わざる *作曲した古賀政男朝鮮半島仁川に暮らした思い出話を作詞

 た西條八十が詞にしたもの

遠き昭和の… *小林 旭

ふるさとの灯台 *田端義夫

窓に凭れて *関種子

霧 氷 *橋幸夫

わたしの城下町 *小柳ルミ子

 

追悼歌 ついとうか

 今は亡き故人をしのび追悼するために作られた歌謡。誰もが知っている人物が対象になるが、歌手自身への〈追悼歌〉も少なくない。

 【例歌】

父よあなたは強かった    *福田節詞

♪父よあなたは 強かった

 兜も焦がす 炎熱を 

 敵の屍と ともに寝て

 泥水すすり 草をかみ

 荒れた山河を 幾千里

 よくこそ撃って 下さった

♪夫よあなたは 強かった

 骨まで凍る 酷寒を

 (せい)もとどかぬ クリークに

 三日もつかって いたとやら

 十日も食べずに いたとやら

 よくこそ勝って 下さった

♪兄よ弟よ ありがとう

 弾丸(たま)も機雷も 濁流も

 夜を日に進む 軍艦旗

 名も荒鷲の 羽ばたきに

 残る敵機の 影もなし

 よくこそ遂げて 下さった

♪友よわが子よ ありがとう

 誉れの傷の ものがたり

 何度聞いても 目がうるむ

 あのひの戦に 散った子 

 今日は九段の 桜花

 よくこそ咲いて 下さった

♪ああ御身らの (いさお)こそ

 一億民の まごころを

 ひとつに結ぶ 大和(だま)

 いま大陸の 青空に

 日の丸高く 映えるとき

 泣いて(かんが)む 鉄兜

──昭和十四年、大阪毎日新聞社公募の入選作品

 

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さくら貝の歌 *倍賞千恵子(カバー)

新宿の女 *八代亜紀(藤圭子への追悼)

追悼 藤沢嵐子集

ツバメのように *ユーミンへ

西岡恭蔵& KURO 追悼コンサート

  

 

ツルレコード〔歌謡〕

 大正末期から昭和初期にかけ、名古屋に本拠を置くアサヒ蓄音機商会が発売したレコードのブランド名。

〈ツルレコード〉の特徴は、旧式アコースティック録音ではなく新式「電気吹込み」を採用したことにある。すなわち、従来は街頭の演歌師の唄などを即席かつ物理的に音盤録音していたものを、アメリカで開発したての電気吹込みに代えた。この新録音方式での音質は優れたもので、わが国ではツルレコードが最初に導入した点で画期的であった。

 ツルレコードのレーベル例

 同時にアサヒ蓄音機商会は、レコード商品の企画から製造販売、さらには宣伝まで一貫して手掛け、国内市場での優位性を保った。当然の結果として、ツルレコード(アサヒレコードを含む)の名は広く知られるようになり、日本の歌謡界にも進取の気風を吹き込んだ。記念すべきその録音第1号商品は鳥取春陽「籠の鳥」である。

 なお「アサヒ」「RUMOND」「KIRIN」は姉妹ブランド。

 昭和7年朝日新聞掲出のツルレコード広告 

 

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愛のキャンプ *川辺葭子・古山静雄

兎のダンス *松浦和子

大阪甚句 *長谷川清・梅子

おやおや節 *山村豊子                       

オリエンタル *黒田 進

酒場の桜 *東 一声

自転車節(端歌) *山村豊子

東京甚句 *長谷川清・梅子

万歳音頭 *東京市松・横田良一

ラインの流れ *東 一声

 

デビュー曲 でびゅーきょく

 歌手がプロとして歌謡界にデビューしたときの持ち歌。この場合、舞台での披露が前提で、セミプロ等が吹き込んだCDなどは対象にならない。

【例歌】

島の娘    長田幹彦詞  小唄勝太郎唄

♪ハアー 島で育てば

 娘十六 恋ごころ

 人目しのんで

 主と一夜の 仇なさけ

♪ハアー 沖は荒海

 吹いた東風(やませ)が 別れ風

 主は船乗り

 今じゃ帰らぬ 波の底

♪ハアー 島の(あかり)

 消えて洗磯(ありそ)の あの千鳥

 泣いてくれるな

 私ゃかなしい (すて)小船(おぶ)

♪ハアー 主は寒かろ

 夜ごと夜ごとの 波まくら

 雪はちらちら

 泣いて夜明かす 磯千鳥

──流行歌、昭和八年発表

 

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あゝ東京へ汽車は行く *藤島桓夫

美しい十代 *三田明

Automatic *宇田ヒカル

踊り子日記 *山中みゆき

おどるポンポコリン *B.Bクィーン

想い出の渚 *ザ・ワイルド・ワンズ

想い出のワルツ *雪村いづみ

女のみち *ぴんからトリオ

ガッツだぜ‼ *ウルフルズ

恋しくて(BEGIN)

恋のハレルヤ *黛ジュン

恋は神代の昔から *畠山みどり

こまっちゃうナ *山本リンダ

ざんげの値打ちもない  北原ミレイ

ジープは走る *鈴村一郎

小楠公 *古賀久子(菅原都々子)

せんせい *森昌子

NAI-NAI-16 *シブガキ隊

長い間 *KIroro

涙のオアシス *紀多 寛

なみだ船 *北島三郎、2作目だが事実上のデビュー曲

氷 雨 *佳山明生

ほんとにそうなら *赤坂小梅

真夜中のギター *千賀かほる

無法松の一生 *村田秀雄のデビュー曲だが、何人もの歌手によりうたいつがれて

きたカバーソング

夢ひとつ *SKY

夜桜哀歌 *山本譲二

 

ドリーム歌謡 どりーむかよう

 現実世界では実現しそうにない事柄を主題にうたった歌謡。〈コミックソング〉の類と重なり合う部分が大きい。

【例歌】

浜の朝虹         鹿山映二郎詞

♪浜の朝虹 岬の空に

 島とかけましょ 桟橋(かけはし)

 聞かや便りに 聞き便り

 無事が知りたや 鴎どり

♪浜の朝虹 消えれば雨よ

 島は霞の 薄衣

 四十九里でも 波越えて

 撞いた鐘の音 とどかぬか

♪浜の朝虹 出船の汽笛(ふえ)

 島が近こなる うれしさよ

 雨のひととき 濡れながら

 ()(けた)鳴らせば 身が躍る

──流行歌、昭和十年発表

 

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愛の園 *布施 明

憧れの住む街 *菅原都々子

花物語 *桜田淳子

百万円 *二村定一

夢去りぬ *霧島 昇

ワシントン広場の夜は更けて *ダニー飯田とパラダイスキング

 [メモ] この種の歌謡は詞でおどけている分、余計に哀切感が迫ってくる。

 

流し唄 ながしうた

夜の街角などでの弾き語り、流し唄を狙いとした歌謡。いわば華やかなステージ歌謡から離れた、マイナーなシチュエーションの唄共である。

【例歌】

悲しき遍路         長田幹彦詞

♪夢の浮世と 旅枕

 忍びしのぶも 父ゆえに

 路は果てなし 行き暮れて

 月の幾夜を 泣き明かす

♪私ゃ浮草 根なし草

 風の情に 誘われて

 遠い故郷を 思い寝の

 夜半の灯影に 鐘が鳴る

♪夕べ御空に 雲落ちて

 野こえ山越え はるばる 

 父を尋ぬる この胸に

 聞くも悲しや 鐘の声

♪闇はあやなし 夜の露

 濡るゝ袂も たゞ一人

 明日はいずこと さすらいの

 私ゃ秋風 旅の空

──流行歌、昭和四年発表

 

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おまえとふたり *五木ひろし

影を慕いて *藤山一郎

ギターを持った渡り鳥 *小林 旭

ギター鷗 *三橋美智也

ギター流し *春日八郎

君恋いギター *津村 謙

恋歌流し *神野美伽

湖畔のギター *霧島昇

山谷ブルース *岡林信康

慈悲心鳥の唄(愛の勝利) *田端義夫

昭和流れうた *祭 小春

トチチリ流し *三橋美智也

流れのギター姉妹 *美空ひばり

涙のキッス *福山雅治

ひとり寝の子守唄 *加藤登紀子

みだれ髪 *船村 徹

港のギター弾き *東海林太郎

別れ出船 *田端義夫

 こんなノウハウ本まで

 

嘆き節 なげきぶし

人生において心に深い傷を負った結果、世間を怨み自分をはかなむ心情をつづった歌謡。

〈恨み節〉〈詠嘆歌〉〈失恋の歌〉などと隣接関係が生じる。

【例歌】

嘆きの夜曲         西岡水朗詞

♪呼んで見たとて

 かえらぬひとよ

 なぜにはかない

 夢じゃやら

♪想いつかれて

 心に秘めて

 暮れりゃ淋しい

 雪ばかり

♪泣いて見たとて

 かえらぬ恋よ

 なぜに尽きせぬ

 泪やら

♪灯影つめたく

 愁いはながく

 絃のすさびも

 ()くばかり 

──流行歌、昭和七年発表 

 

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浮 雲 *香西かおり

俺は淋しいんだ *フランク永井

片割れ月 *菅原都々子

哀しみ本線日本海 *森 昌子

霧にむせぶ夜 *黒木 憲

恋小舟 村上幸子

人生航路 *細川たかし

他人船 *三船和子

嘆きのピエロ *田端義夫

はてなき旅 *松平晃

夜霧の都 *ディック・ミネ

 

任侠唄 にんきょうう 

 任侠の世界に明け暮れる男の意気地をつづった歌謡。題名や歌詞に「○○鴉」と

った穿ち言葉がやたら目につく。

  日本人好みの義理人情を扱った主題のためだろうか、今なお人気が衰えない 

【例歌】

沓掛小唄          長谷川伸詞

♪意地の筋金 度胸のよさも

 人情からめば 涙癖

 渡り鳥かよ 旅人ぐらし

 あれは 沓掛時次郎

♪背のびしたとて 見えぬを知りつ

 せずに居られず まち背伸び

 生まれ故郷は 遥かな空よ

 思う御方も 百里先

♪来るか時節が 時節は来ずに

 今朝も抜け毛が 数を増す

 今度の浮世は 男でおいで

 女とかくに 苦労がち

♪月よもの云え 姿をうつせ

 ただ照るばかりじゃ 罪つくり

 泣いた別れは 忘れもできよ

 なまじ泣かぬが 命とり

♪千両万両に 曲げない意地も

 人情からめば 弱くなる

 浅間三筋の 煙の下で

 男 沓掛時次郎

──流行歌、昭和四年発表

 

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網走番外地 *高倉健

石松ぶし *きみ榮

いろは仁義 *上原 敏

男の一生 *村田英雄

唐獅子牡丹 

傷だらけの人生 *鶴田浩二

兄弟仁義 *北島三郎 美空ひばり

 

初恋の歌 はつこいのうた

 初めての恋に陥った男女の心情を託した歌謡。甘いメロディ、せつなさあふれる詞章が目立つ。

 初恋の味はどこの国でも蜜のよう

【例歌】

愛のつばさ        久保田宵二詞  二葉あき子唄

♪みどり涯なき 青空に

 飛ぶ白雲よ 愛の翼よ

 杜を越えて 丘を越えて

 飛べよ ランランラン

 行けよ ランランラン 君住む街へ

♪おとめ十九の 初恋に

 花恥かしき 愛の翼よ

 便り乗せて 心告げて

 飛べよ ランランラン

 行けよ ランランラン 君住む街へ

♪胸もときめく あこがれに

 夢ほのぼのと 愛の翼よ

 羽音かろく 風を切りて

 飛べよ ランランラン

 行けよ ランランラン 君住む街へ

──流行歌、昭和十一年発表 

 

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愛が生まれた日 *藤谷美和子&大内義昭

あン時ゃどしゃぶり *春日八郎

くちづけが怖い *久美 かおり

白薔薇は咲けど *藤山一郎

初 恋 *村下孝蔵

初恋日記 *松平 晃・伏見信子

初恋の唄 *関種子

初恋の丘 *関種子

初恋の人 *小川知子

初恋ワルツ *野村雪子

夕 笛 *舟木一夫

 

花嫁の唄 はなよめのう 

 花嫁姿や嫁入り模様を伝える歌謡。民謡

からの流れをくむ作品が中心だ。

 嫁に行ってコンコン狐権発揮! 

【例歌】

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ほんとにそうなら     久保田宵二詞  赤坂小梅唄

♪たとえ火の雨 槍の雨

 月が四角に 照ったとて

 好いて好かれて 紅紐の

 解けぬ二人は 縁結び

 ほんとにそうなら うれしいね

♪離ればなれに 西東

 三月三年 逢わずとも

 愛し恋しの 君ゆえに

 夜毎来る来る 夢で来る

 ほんとにそうなら うれしいね

♪さみし恋しの 切なさに

 折って畳んだ 紙鶴の

 一つ一つも 思い出に

 晴れてあなたと 新ホーム

 ほんとにそうなら うれしいね

──流行歌、昭和八年発表

 

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花嫁行進曲 *音丸

花束(ブーケ) *八代亜紀

牧場の花嫁さん *高峰三枝子

 

母もの ははもの

 歌う主人公から見た母親像を描いた歌謡。昭和二十年代、「母もの」と呼ばれる一連のシリーズ映画の主題歌群である。

 母もの映画は満都の紅涙を絞った

【例歌】

母恋し           竹内俊子詞

♪遠い茜の 夕空に

 えがくもわびし 幻よ

 思いはかける 故郷(ふるさと)

 あの山かげの 母恋し

♪歌え涙の 子守唄

 優しき母の 幻よ

 別れて遠き 旅の路

 あの山越えて 川越え 

(ゆず)の木蔭の (ゆり)(かご)

 幼き頃の 幻よ

 いばらの道に 行き暮れて

 今宵も恋し 母恋し

──流行歌、昭和九年発表

 

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朝月夕月 *ミス・コロムビア

おかあさん *森 昌子

おふくろさん *森 進一

花街の母 *石川さゆり

母子草の唄 *菊池章子

無縁坂 *さだまさし

 

バラード ballade

 訳して〈叙事歌〉。詞が物語形式でつづられている。

 バラードもストーリーが先走ると小説になってしまいますぞ!

 

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積木の部屋 *布施 明

時の過ぎゆくままに *沢田研二

泣かないで *舘ひろし

何も云わないで *園 まり

人形の家 *弘田三枝子

メランコリー *梓みちよ

 

春の賛歌 はるのさんか

春のおとづれをたたえた唄。〈四季の歌〉に属する。

【例歌】

春だよ春だ        戸張もりを詞

紺碧(こんじょう)の空に 街の青葉に

 陽はかゞやくよ 希望は燃える

 さあさスクラム()んで ゆこうよ春だ

 君の僕の 春だよ春だ

♪高らかに唄えよ 緑の丘で

 歓びの夢に 浮かれ浮かれて

 さあさスクラム()んで ゆこうよ春だ

 君の僕の 春だよ春だ

♪牧場の小牛も 長閑(のどか)な唄を 

 口笛に踏む みんなのステップ

 さあさ乾盃 力の泉

 君の僕の 春だよ春だ 

──流行歌、昭和十一年発表

 

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大地の春 *東海林太郎

春の唄 *月村光子(cover)

春の大空 *霧島 昇

春の乙女 *メンバー不明による合唱

桃の丘越え *松山映子

若きこの春 *松平晃

 

慕情の歌 ぼじょうのうた

 男女の仲に湧き上がる、甘く切ない慕情をテーマにした歌謡。現代歌謡作品の主柱をなしている。

【例歌】

東京娘          佐藤惣之助詞

♪東京娘の

 東京娘の初恋は

 燃えてほのかな シャンデリア

 狭い銀座の たそがれも

 ふたり歩けば 夢の国

 おお恋の夜 恋の夜

♪胸もあふるる

 胸もあふるるあの唄は

 若い命の 小夜曲(セレナーデ)

 知っているなら 教えてよ

 恋の手管の ABC

  おお恋の夜 恋の夜

♪二羽の燕が

 二羽の燕がとぶように

 いとし貴方に 抱かれて

 紅のドレスで 踊る夜は

 ぬれる素肌の はずかしさ

 おお恋の夜 恋の夜

──流行歌、昭和十一年発表

[メモ]同題異曲がほかにもある。

 

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朝霧の歌 *霧島 昇・奈良光枝

雨の慕情 *八代亜紀

おちょろ船 *田端義夫

男の慕情 *加門 亮

君は心の白椿 *霧島 昇

くちなしの花 *渡 哲也

恋 心 *相川七瀬

恋の流れ星 *山口淑子

高原の慕情 *伊藤久男

知らなかったの *伊東ゆかり

柳おち葉 *二葉あき子

雪降る窓辺 *高峰三枝子

夜霧の慕情 *石原裕次郎

 

マドロスもの

 船乗りの恋がらみ生活を主題にした歌謡。

さすらうマドロス意気地と港の女をめぐるロマンスは格好の題材だ。

 マドロスものは演歌系でも人気

【例歌】

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港の雨          佐藤惣之助詞

♪なつかしの 港の雨よ

 出船も せまれば

 別れの酒だ 涙の唄だ

 せめて唄わにゃ たえらりょか

♪思い出の 港の雨よ

 別れりゃ あの娘も

 パイプの(けむ)だ 一夜の夢だ

  せめて飲まなきゃ たえらりょか

♪更けてゆく 港の雨よ

 グラスの 底まで

 飲み干す酒だ 別れの恋だ

 せめて()さなきゃ たえらりょか

──流行歌、昭和八年発表

 

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海のダンディ *田端義夫

海の匂いのするブルース *平野愛子

男船乗り *上原 敏

おばこマドロス *野村雪子

肩で風きるマドロスさん *田端義夫

恋の船乗り *岡 晴夫

狭霧の月 *田端義夫

島の船唄 *田端義夫

たそがれ岬 *真木不二夫

旅の灯台 *春日八郎

旅の舟唄 *津村 謙

出船の唄 *田端義夫 

とまり船 *田端義夫

主は船乗り *音丸

波止場艶歌 *田端義夫

波止場シャンソン *小畑 実

波止場だよお父つぁん *美空ひばり

北海だより *三浦洸一

マドロス追分 *津村 謙

港に赤い灯がともる *岡晴夫

みれん *田端義夫

夜霧の波止場 *霧島 昇

ロマンス航路 *田端義夫

 

ムード歌謡 むーどかよう

 恋する者同士などの甘い雰囲気を表現した曲詞 

 それなりにまとめればヒットの取りこぼしがないとされている。

 ムード歌謡になぜかリキュール&グラスは付きもの

【例歌】

金のグラス         小野行人詞

♪金のグラスに 花びら入れて

 酒で飛ばして 唇つけりゃ

 (のど)にほんのり 恋の味

 淡いあなたの 恋の味

♪ジャズのリズムに ほろ酔い心

 粋なホットの 娘と踊りゃ

 ヘリオトロープが 目に沁みる

 ほんに淋しや 目に沁みる 

♪晴れた秋空 輝く光り

 風をなゝめに バットを振れば

 球の行方は 恋の謎

 はかり知られぬ 恋の謎

♪フィルム・スターに思いを焦がし

 なまじ彼女の トーキー姿

 恋の甘さが 気にかゝる

 ねたみ心が 気にかゝる

──流行歌、昭和四年発表

 

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赤坂の夜は更けて *西田佐知子

雨の夜あなたは帰る *島 和彦

今は幸せかい *佐川満男

お百度こいさん *和田弘とマヒナスター

おまえに *フランク永井

銀座の恋の物語 *フランク永井 松尾和

恍惚のブルース *青江三奈

再 会 *松尾和子

背中から抱きしめて *北山みつき

誰よりも君を愛す *松尾和子、和田弘とヒナスターズ

東京カチート *フランク永井

東京午前三時 *フランク永井

東京ナイト・クラブ *フランク永井 松尾和子

泣かないで(和田弘とマヒナスターズ)

羽田発7時50 *フランク永井

ひとり泣く夜のワルツ *江利チエミ

ベッドで煙草を吸わないで *沢たまき

ムード歌謡スペシャル *

ムード歌謡メドレー 

夜霧の第二国道 *フランク永井

わたし祈ってます *ハッピー&ブルー

ワン・レイニー・ナイトイン・東京     西田佐知子

 

夫婦歌 めおとうた 

 夫婦愛や絆の結びつきを主題に扱った歌謡。故郷に残した妻子への情愛を描いたものが多く目立つ。

【例歌】 

新妻鏡          佐藤惣之助 霧島昇・二葉あき子唄

♪僕が心の良人なら

 君はこころの花の妻

 遠くさびしく離れても

 泣くな相模のかもめ鳥

♪たとえこの眼は見えずとも

 きよいあなたの面影は

 きっと見えます 見えました

 愛のこころの青空に

♪強くなろうよ 強くなれ

 母となる身は 幼児(おさなご)

 愛の揺籠 花の籠

 なんで嵐にあてらりょう

♪むかし乙女の初島田

 泣いて踊るも生計(くらし)なら

 清い二人の人生を

 熱い泪でうたおうよ

──流行歌、昭和十四年発表

 

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おしどり *五木ひろし

おしどり街道 *松永ひとみ

おしどり笠 *小畑 実

おしどり双紙 *小畑 実

鴛鴦(おしどり)道中 *上原敏

鴛鴦春姿 *上原 敏、青葉笙子

良人の貞操 *江戸川蘭子

君は心の妻だから *鶴岡雅義と東京ロマンチカ

妻恋道中 *上原敏

新妻鏡 *霧島昇・二葉あき子

新妻に捧げる歌 *江利チエミ

夫婦坂 *都はるみ

夫婦しぐれ *小林幸子

夫婦春秋 *村田秀雄

夫婦善哉 *石川さゆり

夫婦(めおと)道中 *瀬川 伸

女をと人形 *豆千代

夫婦舟 *三笠優子

夫婦みち *オーロラ輝子

 夫婦仲の奥ゆかしさはモノクロシーンだからこそ 東宝映画『夫婦善哉』より

 

洋語歌 ようごうた

大半または全部を外国語(カタカナ)でつづった歌詞の唄。中学生でもわかる程度の英語や意味曖昧な外国語の歌がなぜかもてはやされている 

 

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ダブリンベイ *麦酒楽団

夜の銀狐 *斉条史朗

【例歌】

ダブリンベー  

グッドバイ アイアム オンマイ ウエー ツー デアオールド ダブリンベー ザツツ ホワイ アム フエーリンゲー フオア オーアイ ノースト モーリー オンマイ コーリン フエアツー シー イズ ウエート イン ゼア フオアミーハー ハート ウエズ ラツパーダブリン べー

──洋語唄、大正十年流行、『流行歌曲楽譜』第五集

ああそれなのに替え ああそれなのに/かえ 

トゥディ アドバルーン イン ザ スカイ ナウ パーハップス イン ザカンパニィ

 ビジィ ビジィ アイ シンク

 アア ネバー ザ レス ネバー ザ レス(ネエ) 

 アイ アム アングリィ アイ アム アングリィ イズ ナチュラリィ

──替歌、昭和十一年、『時代を生きる替歌・考』

[メモ] 流行の元唄の詞を直訳した滑稽唄。パロディ精神が横溢している。

 

ラストソング last song 

 歌手引退を宣言したり物故した場合の最後のステージでうたった歌。〈さよならの歌〉とも。

【例歌】

 

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逢いたかったぜ *岡 晴夫

圭子の夢は夜ひらく *藤 圭子

高原の駅よ、さようなら *小畑 実

さよならの向こう側 *山口百恵

夢立ちぬ *テレサ・テン

わがいのち暁まで *東海林太郎

 

ラブ・ソング iove son 

 恋愛をメインテーマに据えた歌謡。

 歌謡曲では愛することの切なさを歌ったものが多い。さまざまな複合要素をもち、隣接分野も多様、大雑把に見て現代歌謡曲(狭義)の大半を占めるといわれている。

 【例歌】

紅い唇          久保田宵二詞

♪おぼろおぼろと 花咲く春の

 わけておぼろの 灯ともし頃は

 心なやまし お人がこいし

 赤い唇 ララあげましょか

♪ほがらほがらと ベーブを踏めば

 ジャズは流れる あかりはなごむ

 どこのどなたも なつかしやさし

 赤い唇 ララあげましょか

♪おぼろおぼろと 花咲く春の

 まして静かな夜ふけの頃は

 とても甘えて 泣きたいような

 赤い唇 ララあげましょか

♪うつらうつらと 窓辺の椅子に

 ひとり紅茶の 香りに酔えば

 たれか来るよな 呼びたいような

 赤い唇 ララあげましょか

──流行歌、昭和七年発表 

 

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愛して愛して愛しちゃったのよ *和田弘とマヒナスターズ

  *テレサ・テン

愛すること  *辛島美登里 

愛の小函 *園 まり 

愛のさざなみ *島倉千代子

愛の終着駅 *八代亜紀

愛のつばさ *二葉あき子

相呼ぶ歌 *霧島昇・菊池章子

I LOVE YOU  *尾崎 豊

朝のくちづけ *伊東ゆかり

あなたと共に *津村謙 吉岡妙子

あの鐘を鳴らすのはあなた *和田アキ子                                                                                                                                            

男と女のラブゲーム *田川寿美 北山たけし

お前にゃ俺がついている  *石原裕次郎

風ぐるま・恋唄 *田川寿美

かりそめの恋 *三條町子

君こそわが命 *水原 弘

君だけを *西郷輝彦

君だけに愛を *沢田研二

黒い花びら *水原 弘

恋をするなら *橋 幸夫

恋におちて *小林明子

恋のアマリリス 二葉あき子

恋のしずく *伊東ゆかり 

恋人よ *五輪真弓

砂漠のような東京で  *いしだあゆみ

倖せにしてね *長山洋子

終着駅 *奥村チヨ

終着駅(五木ひろし)

すみれ色の涙 *岩崎宏美

世界は二人のために *佐良直美

セカンド・ラブ *中森明菜

千日草 *五木ひろし

テレサ・テン - 愛人 

同棲時代 *大信田礼子

突然の愛 *あべ静江

涙の太陽 *安西マリア

難破船 *中森明菜

八月の恋 *高森千里

冬の駅 *小柳ルミ子

紅薔薇の唄 *松島詩子

北々列車 *村上幸子

星 娘 *西郷輝彦

骨まで愛して *城卓也

港の恋歌 *鶴田六郎

港の曼珠沙華 *菅原都々子

南の薔薇 *近江俊郎

村の一本橋 *二葉あき子

四つのお願い *ちあきなおみ

流星エアポート *いわなみりえ

  

里謡風 りようふう

 古い民謡の調子を現代風な曲詞にアレンジして作った歌謡。節回しの複雑な作品

目立つ。

 寅さん音頭 *東京都葛飾区柴又での「寅さんまつり」

【例歌】

南の島へ         久保田宵二詞

♪アー浮世はなれてヨー

 しぶきに濡れて

 乙女ヨ 椿の咲くところ

 サアサ行きましょう 南の島へ

♪アー波に夜明けてヨー

 鴎に暮れりゃ

 月のヨ 渚で一踊り

 サアサ行きましょう 南の島へ

♪アー別れ話はヨー

 他国のなさけ

 島にはヨ しぼまぬ恋の花

 サアサ行きましょう 南の島へ

──流行歌、昭和九年発表

 

YOU TUBE

 

会津大津絵 *山内盤水

飯坂小唄 *飯坂音泉

馬っ子先生 *美空ひばり

おいとこそうだよ *仙台封橋楼 芸妓連

乙女舟唄 *松山恵子

四季の新津 *鈴木三重子

島のブルース *三沢あけみ

達者でナ *三橋美智也

波浮の港