4 自然科学(数学、理学、医学)

 

        ヘッケルの植物界系統樹 共通の類にあるグループは「系統樹」と

いう便利な視覚化によって系譜化できる。1866年『Generelle

 Morphologie der OrrganismenGeorg Reimerより。

 

 

40  自然科学

自然科学 natural science      400

 自然に帰属する事物を対象に、それぞれの理論や法則性を明らかにする学域。天文学、物理学、化学、地学、生物学などの古典的領域をはじめ、今日では生命工学やバイオ工学、宇宙生命学など新規参入の分野まで、幅広い領域にわたっている。

〈自然科学〉は、「社会科学」ならびに「人文科学」と合わせ科学部門での三大学域を構成している。

理学 science             400

 古くに〈窮理学〉といった。「理化学」におおむね同じ。自然科学のうち基礎的学域の総称で、なかでも物理学はこれの代表である。

広瀬元恭訳述『理学提要』表紙 広瀬(182170)は蘭医著作は自然科学の入門書で、嘉永5(1852)年成立、安政3(1856)年刊。

洋学 Western learning     400

〈西洋学〉〈蛮学〉〈南蛮学〉とも。明治語で、西洋の学問の意味。安政2年に江戸幕府が「洋学所」を開設して以来、一般に普及した言葉である。

蘭学               400

広義には〈洋学〉に同じ、別して〈オランダ学〉とも。江戸中期に初出の用語で、オランダ渡来の学問全般をさす。当時オランダ語で紹介された西洋の学術および文化などを紹介したもの。嘉永の書物奉行、青木昆陽(16981769)が蘭書を訳読してから知れ渡るようになった。

青木昆陽

理化学 physics and chemistry (400)  

 物理学および化学の併称。自然科学の代表的ニュアンスを含む語である。

科学哲学 philosophy of science 401  

 科学の基礎やその研究方法などに哲学的考察を加えて展開する学問。「経験哲学」が重視され、ときには数理学等も導入してその深層を究める。哲学体系中でも科学的かつ理詰めのアプローチが際立ち、いわゆる「観念論哲学」とは好対照の関係にある。

実験科学 experimental science 401  

実験を研究の主力に据える科学。ことに化学や物理学のように実験が大きく影響する科学分野では重要な分類概念である。これに対し、思考と観察で研究される数学や天文学などは、いわば〈理論科学〉という概念で認識されている。

保存科学 archaeometry      401

〈考古科学〉〈文化財科学〉とも。文化財など重要な遺物を保存するために必要な手段等を研究する「自然科学」の応用技術である。

反科学 anti-science        401

 数量的かつ実証的な探求方法すなわち、科学こそ真理到達への絶対唯一の方法であるとする科学万能思想に反論する思潮を指す。言い換えると、科学に根拠をおく世界観、価値観を否定し、人間の感性や体験あるいは直感などを再認識することで人間性復権を目指す科学への相対思想である。今日では使われることの少ない用語である。

アラビア科学 Arabic science  401

イスラム科学〉とも。 815世紀の中世アラビアで発達した哲学、数学、天文学さらには「錬金術」など諸科学の総称。イスラム統一世界でペルシア人を中心にユダヤ人、トルコ人などが混在して創りあげた学域で、当時としては世界の最高水準に達していた。

アラビアのアストラーベはペルシアにおいて天文学者や占星術師が用いた天体観測器械。アラビアか賀句の承知陽的な科学遺産である。

中世科学 medieval science   402

 一般にヨーロッパにおいて中世に発達した科学を指す。うちラテン語記述の「中世ラテン科学」が中心であった。

中国科学             402.22

 中国の科学技術の総称であるが、ことに近世西欧諸国においてオリエンタリズムの中核をなす中国の科学史観が中心になる。

 

41 数学

数学  mathematics                 410

広義には数量および形状から因果関係まで演繹的に扱う自然科学分野の学問。〈純粋数学〉(数理数学)と〈応用数学〉とに大きく分かれる狭義には「学校数学」と俗称されているものがこれに該当し、算術、代数学、幾何学、解析学等を指す。

数学哲学 mathematical philosophy 410.1  

〈数学の哲学〉とも。数学が成立した根拠や応用への可能性などを研究する論理学寄り哲学の一分野。19世紀にドイツ人数学者ゲオルグ・カントール(18451918)が発見した集合論と深く繋がる。以来、研究や議論がが盛んになった。

ゲオルグ・カントール

数理科学 mathematical science (410.1)    

〈数理学〉とも。数学と理学を包括した呼称で、独立した学問対象ではない。

高等数学 higher mathematics (410.1)   

 これは俗称であり、一般に旧制中学の学習レベルと同等以上の数学をさす。高等代数、微分、積分、解析幾何、関数論などを扱う、初等数学に対比して出来た言葉である。

メタ数学  meta-mathematics      410.1       

〈超数学〉とも。数学の核心といえる「証明」そのものを研究の対象とする数学。理論体系として形式化された証明あるいは定理などを数学上の概念としてとらえる。数学のうち最も哲学寄りの分野である。

離散数学 discrete mathematics (410.1) 

 連続と離散という数学上の対比概念に立ち、整数の集合やビット列の集合、すなわち離散的な現象を扱う数学である。

アラビア数学 Arabic mathematics 410.228    

 古代、アラビアで発達した数学。紀元750年頃、ギリシアの数学とインドの数学がアラビアに渡来し、合体してアラビア独自の数学に発達した。これがヨーロッパに体系的な数学が伝わるルーツとなった。

アラビア古文書の『ピタゴラスの定理』 アラビアは古来数学の盛んな国で、この書(出典未詳)でもピタゴラスの定理を図入りで紹介している。

インド数学 India mathematics (410.9) 

 インドで発達した数学の総称。その歴史は古く、「ガニタ」(算学)に見る古典数学、代数学の顕著な解法、さらに今日の十進記数法などインドの数学先進国を暗示するような事蹟が少なくない。

記号論理学  symbolic logic    410.96

〈現代論理学〉〈数学論理学〉とも。記号体系および数理論理に対し、その使用形式に関して研究する学問。すなわち、論理的な推論を数学的記号法を用いて表現する分野である。アリストテレス以来の「古典論理学」に対応し、現代になって開発された学域である。

数理論理学 mathematical logic 410.96 

数学理論を展開するさい、その骨格となる論理構造を研究対象とする「論理学」の一分科。モデルの理論、機能的関数論、証明論、集合論などにわたる対象がある。「数学哲学」に隣接する。

命題論理学 propositional logic (410.96) 

「命題」とは、ある事象が真か偽かの値をとることができる事実記述を指す。この命題を論理的に不可分な意味要素として把握し、命題相互の論理関係を論ずる「論理学」の一分野である。

代数学  algebra                   411       

 代数とは文字や記号を用いた方程式の記法をいい、〈代数学〉は数学の一分科である。

遠くアラビアの数学者アル=フワリズミー(780?~850)が創始した、と伝えられている。現代の代数学は形式および応用ともかなり完成された形で、さまざまな分野で活用されている。

初等数学 elementary mathematics 411.2 

 数学の基礎的かつ初歩的分野の総称である。

二剰図 江戸時代の和算家、吉田光由が寛永4(1627)年に著した『塵劫記(じんごうき)』より。乗除の法がそろばん算法での図入りで解説してある。

初等代数学 elementary algebra 411.2 

 代数学のうち一次方程式や因数分解など、基礎的部分に関するものをいう。

組合せ数学 combinatorics  (411.22) 

 事物の組み合わせ、配列順などの事象をその性質に応じて規則化し、さらに選び方、配列、組み合わせの方法等を考究する「離散数学」といわれる学問の一分野である。

線形代数学 linear algebra   411.3

 線形空間および線形写像に関する理論を研究する代数学の一分科。20世紀後半から数学の共通基盤をなす学問として注目され、簡明かつ自己完結的な理論体系を整えている。

抽象代数学 abstract algebra  411.3

 群および環、体といった対称が備える性質を引き出して公理上に特徴付け、さらに具体的概念から離れてその性質の抽象性を研究する「代数学」の一分科。20世紀になってから本格的に研究されだした。

現代代数学 modern algebra    411.6

 現代の先端をいく「代数学」すなわち群および環、加群、体などを扱う代数学の分野をいう。

代数幾何学 algebraic geometry 411.8 

 有限個の多項式で共通零点が定める変性図形(いわゆる代数多様体)の性質を解明する研究。「解析学」と「幾何学」の手法を用い図式をもって論理展開する。

中国数学 Chinese arithmetics 412.9 

 春秋戦国時代に四則計算を中心に発展してきた中国における算術。算木や中国そろばんなどが算具に用いられた。

ちなみに中国で近代数学が研究され始めたのは中華民国時代以降のことである。

手指計算法「一掌金(いつしようきん) 中国伝統の算法で、五桁までの暗算を補う目的で創案された。片手の五指に図のような符号を定め、各指を移動して解を得る。

解析学 analysis                  413

 関数の性質を「微分学」「積分学」の分野で解明する学問の総称。常微分方程式論、偏微分方程式論ならびに変分学、複素関数論など幅広い分野での研究が注目されている。

微積分学 infinitesimal calculus 413.3 

〈微分積分学〉とも。微分と積分に関する数学理論を研究する学問。「微分に関する積分学」「積分に関する微分学」ならびに「微分と積分との関連を究める第三の分野」から成る。

微分学 differential calculus 413.3 

 独立した変数が変化するさい、連れて関数値がどのように変化するかを研究する数学の一分野。極大および極小問題や関数のティラー級数展開などの課題がある。積分とならんで「解析学」の基礎をなす。 

積分学 integral calculus      413.4

 関数の積分に関する理論や応用を研究する数学の一分野。①微分の逆演算を定める積分②微小な量の無限個の和を求める定積分、の2系に大別される。

幾何学 geometry                  414

図形や空間の性質を研究する数学の一分野。古代ギリシアで成立した「ユークリッド幾何学」を源流とする。ときとともに研究対象は増加し、現代では方法、対象、公理別などでいくつもの系統が派生している。

総合幾何学 Synthetic geometry 414.1 

〈純粋幾何学〉とも。解析的な手段にたよらず、公理と公準の観点から図形的操作だけを手法として展開する「幾何学」の総称。「解析幾何学」の対応語である。

ユークリッド幾何学 Euclidean geometry 414.1

紀元前300年頃のギリシア時代、ユークリッド(エウクレイデス)の著『原論』における幾何学部分の記述体系をいう。当時、既知の幾何学上の諸理論を少数の公理から演繹し集成したものである。この功績はまさに「幾何学の始祖」との尊称に値する。

初等幾何学 elementary geometry 414.1 

 平面幾何学や三次元幾何学で、ユークリッドの公理系から種々の定理を証明していく幾何学。「総合幾何学」と研究内容は同じ、とする見方もある。

計量幾何学 metrical geometry 414.1 

 曲線や曲面の一般的要素が剛体運動をするさいに生じる不変の性質を、計量的に解明する幾何学である。

円周率を算出する祖冲之(429499) 中国宋代の科学者(天文学・数学)1年の日数365.242814811日まで正確に計算。円周率も近似値を227と定めた。

図形幾何学 descriptive geometry 414.1 

〈画法幾何学〉とも。三次元空間の問題の解法に図形を用いて研究する幾何学である。

ヒルベルト『幾何学基礎論』より ユークリッドが書いた『原論(ストイケア)』を底本とし、1899年にヒルベルトが再構築集成して版行した。これはその見本刷りで、主題にそった図版が挿入してあり、読者の理解を助けている。

平面幾何学 plane geometry    414.12            

 ユークリッド平面内の直線、三角形、多角形など二次元図形に関する研究を行う幾何学である。

立体幾何学 solid geometry    414.13             

 三次元空間図形の性質を研究する幾何学。「平面幾何学」に対応した概念の言葉である。

図法幾何学 descriptive geometry (414.13) 

〈画法幾何学〉〈立体図学〉とも。三次元を構成する点および線ならびに面と、これらの立体を二次元平面に点描しつつ、各図形の相関を定性的あるいは定量的に究明する幾何学の一分野である。

球面幾何学 spherical geometry 414.2

 平坦(曲率0) な空間の幾何学であるユークリッド幾何学に対し、曲率がすべての点で+1を呈する空間の「非ユークリッド幾何学」をいう。今では平面的なユークリッド幾何学の論理の多くは、球面上図形へと翻訳可能である。

アフィン幾何学 affine geometry 414.4

〈擬似幾何学〉とも。アフィン変換、すなわち直線を常に直線に移し、線分を常に線分に移すような変換によって不変となる平行線の性質を、系統的に調べる幾何学である。

射影幾何学 projective geometry 414.4

 射影変換に応じて不変となる図形の性質を研究する幾何学。これの起源は絵画の遠近法を数学的に応用したものとされている。

有限幾何学 finite geometry (414.4) 

 ユークリッド幾何学や射影幾何学の組み合わせにより数学的側面を抽出し、さらに公理として定式化し、その公理上の構造や性質を論じる数学の一分野である。

カルテシアン幾何学 Cartesian geometry (414.5)

〈解析幾何学〉の邦訳通称。フランスの哲学者で数学者ルネ・デ=カル(1596-1650)にちなんで命名された呼称である。

ルネ・デ=カルト

解析幾何学 analytical geometry 414.5

〈座標幾何学〉とも。座標を使い図形式をもって幾何的性質を調べる幾何学。たとえば、円錐曲線は解析幾何学上、二次曲線となるといった命題がこれに該当する。フランスの哲学者で解析幾何学者デ=カルトが創始した。

平面解析幾何学 plane analytical geometry  414.52

 二変数の方程式をグラフ化したり、平面上での軌跡の方程式を求めたりする「解析幾何学」の一分科である。

立体解析幾何学 solid analytical geometry  414.53

 三次元空間での解析幾何学。三変数の方程式のグラフを表したり、空間内での軌跡の方程式を求めたりする幾何学である。

図学 drawing                 414.6           

 三次元的物体を数学的投射法によって二次元平面へと作図する技法の科学をいう。一般的にいわれる製図技法もこのうちに入る。

画法幾何学 descriptive geometry 14.64 

〈図形幾何学〉とも。三次元空間の問題の解決に図形法を適用する幾何学である。

平面図学 plane figure        414.6

 水平投影面上に描かれた正射影図、すなわち平面図について研究する学問である。

球面図学 spherical figure    414.6

 一定点より等距離にある点の集合から成る曲面、すなわち球面図について研究する学問である。

微分幾何学 differential geometry 414.7

 微分を用いて曲線や曲面の定量的性質を調べる幾何学である。「微分位相幾何学」との関連分野が大きい。

積分幾何学 integrated geometry 414.7

 図形の長さ、面積、体積などの構造を積分により明らかにする幾何学である。

接続幾何学 connective     414.75

 ベクトル共変微分を定めるための接続の概念を「微分幾何学」の研究に応用したもの。

非ユークリッド幾何学 non-Euclidian geometry 414.8

 「ユークリッド幾何学」の一つ以上の公理を修正あるいは除去して成立させる幾何学の総称。この手法は19世紀前半、ロシアの数学者ニコライ・ロバチェフスキー(17931856)に続きハンガリーの数学者ヤーノシュ・ボヤイ(18021860)によって確立された。

双曲幾何学 hyperbolic geometry (414.8) 

〈非ユークリッド幾何学〉の別称。ロシア生まれのドイツ人数学者ヘルマン・ミンコフスキー(18641909)が、三次元空間に二葉双曲面上において定点となる、いわゆる「ミンコフスキー計量」を定めたことからこう呼ばれている。

リーマン幾何学 Riemannian geometry 414.81

 いわゆる曲がった空間を研究する幾何学手法の代表といえる。ドイツの数学者ゲオルグ・リーマン(18261896)は座標に示された多様体の局所的な様子を調べることを創案し〈リーマン幾何学〉発展の礎を築いた。

ゲオルグ・リーマン

楕円幾何学 Riemannian geometry (414.81)

〈リーマン幾何学〉にほぼ同じ。ユークリッド幾何学における平行線公理を「定点を通るある直線に平行な直線は存在しない」という公理に置換してとらえる幾何学である。

位相数学 topology                415

 関数の集合である関数空間中に位相空間の構造を組み込み、関数の近似や収束の具合を解明する数学。位相的な見方や方法を採用した「解析学」の研究分野である。同じく「トポロジー」の英名か示すように「位相幾何学」はこの〈位相数学〉の中に組み込まれる。

関数解析学 functional analysis 415.5

 関数空間の方程式に微分方程式、積分方程式などの問題を組み込んで定式化し、関数空間における多様な幾何学的かつ代数学的性質を明らかにする学問である。

位相幾何学 topology           415.7

「トポロジー」とも通称している。図形を構成する要素を連続させ、それらの位置関係の変成を解く幾何学。英国の数学者リスティングは、トポロジーを「空間中の点、線、面およびそれらの位置について、量や大きさとは異なる形状、位置関係を示す法則を研究する学問」であると定義している。

一般位相幾何学 general topology (415.7)

〈集合論的位相幾何学〉とも。位相空間およびその集合の位相性質を解明する学問。20世紀初頭、フランスの数学者で物理学者のポアンカレ(18541912)が初めて唱えた。

位相解析学 topological analysis (415.7)

 幾何学的な概念をもとに相互の位置関係を解析する位相幾何学の一分野。「代数学」が量を扱う学問であるのに対応した概念の言葉である。

微分位相幾何学 differential topology 415.7

 微分積分学の手法を適用し、主として微分可能な多様体を対象に位相の性質を調べる幾何学である。

組合せ位相幾何学 combinational topology 415.7

 多面体をはじめ単体およびそれらの一般化した組合せ論を研究する幾何学である。

数理統計学 mathematical statistics 417

〈理論統計学〉〈推測統計学〉〈推計学〉とも。ある未知の母集団から抽出されたサンプルに関するデータをもとに、その母集団についてのさまざまな数値を推測する学問。社会調査や品質管理などの面で生かされている手法である。

近代統計学 modern statistics   417

 統計学史のうち近代に属する期間の通称。日本では明治維新とともに近代統計制度が導入された。ちなみに1885年という早い時期に、内閣制度とともに内閣統計局がが発足している。

統計数学 statistical  mathematics 417

 狭義には統計用に整備された数学、またその手法創案の研究。広義には、集団に関する統計資料を整理し、その特徴となるさまざまな数値を算出して統計資料の内容を吟味する学問である。

 

42 物理学

物理学 physics                  420

〈窮理学〉をはじめ〈格物学〉〈理科学〉など旧称がいくつかある。自然科学の一部門で、「理論物理学」および「実験物理学」に二大別される。

観測および実験によって自然現象を支配する道理の通有法則を発見し、それらを体系づけて理解を助けるとともに、自然の様相を通じて応用分野への展開方法を研究する学問である。

物理学では古典的物理学の分野以外にも力学、熱力学、電磁力学、量子力学など、今日的派生の縁辺学域が広がっている。

物理学の父アルキメデスの彫像 アルキメデス(287?~前212?)は古代ギリシアの数学者・物理学者。物理学だけでなく、科学の永遠なる父祖で、逸話も多い。

実験物理学 experimental physics 420.75

 実験を主体に、それにより得られた結果から法則を導き出し、原理の正当性を評価する学問。「理論物理学」とあいまって物理学の一翼をになう分野である。今日、原子炉や原子核加速器、電子顕微鏡での観察など、研究対象も広がっている。

測定学 metrology           (420.75)

〈度量衡学〉とも。度量衡法を用い事象や実体について各種対象物の測定を研究する学問。

理論物理学 theoretical physics 421

 実験物理学で得た経験的事実をもとに、現実の背景となる法則性や起源を明らかにし、それらを数学的理論へと組みあげていく物理学。すなわち〈理論物理学〉と「実験物理学」とは車の両輪のような関係にある。

古典物理学 classical physics (421.1)

 巨視的物理系を支配する諸法則を扱う物理学の一分野。「ニュートン力学」の仮定を基盤に、一般相対性理論と量子力学とを除いた物理学の総称である。古典力学、熱力学、電磁力学などが対象である。

量子力 quantum mechanics   421.3

 物質と電磁放射、あるいはそれら相互の作用に関する近代物理学の一分野。原子レベルでの現象を明らかにできなかった古典物理学を修正するために取って代わった研究分野である。

相対的量子力学 relativistic 421.3

「シュレーディンガー方程式」という公式を基盤に、相対性理論の要求を満たすよう論理考究する量子力学。古典物理学の「ニュートン力学」に対応する概念の言葉である。

シュレディンガー方程式

マトリックス力学 matrix mechanics 421.3

和訳して〈行列力学〉とも。すべての物理量をマトリックス方式で表す力学で、波動力学と同等の内容をそなえる。ドイツの理論物理学者ヴェルナー・ハイゼンベルグ(19011976)が考案した。

なお「マトリックス」とは、長方形の数列表(行列)をさす数学用語である。

ヴェルナー・ハイゼンベルグ

波動力学 wave mechanics     421.3

〈非相対論的量子力学〉とも。1926年、オーストリアの物理学者エルヴィン・シュレーディンガー(18871961)が確立した力学理論。偏微分方程式の解となる系がそれを構成するすべての粒子の座標・時間の関数である、すなわち波動関数によって表現しうる、とする。〈波動力学〉は「マトリックス力学」とほぼ同等のものであることが明らかになり、双方とも量子力学に組み込まれ統一されている。

量子物理学 quantum physics (421.3)

「量子力学」を基盤に、微視的物理系をなす分子、原子、原子核、素粒子などを支配する諸法則を研究する学域の総称である。近代物理学では花形的存在となっている。

量子電磁気学 quantum electrodynamics  (421.3)

〈量子電気力学〉とも。電子(電磁放射)と光子の相互作用について、量子力学と相対論を応用し、その性質を一貫した形で記述する物理学理論である。

量子色力学 quantum chromodynamics (421.3)

 素粒子間の強固な相互作用を「クォークの力学」として記述する物理学理論である。 

統計力学 statistical mechanics 421.4

〈統計物理学〉とも。熱平衡状態にある物理系の性質を、その原子や分子の運動法則および証明法則をもとに記述する物理学理論である。古典力学に法則を求めるものを「古典統計力学」、対して量子力学に法則を求めるものを〈量子統計力学〉という。

ギブスの統計力学 Gibbs statistical mechanics  (421.4)

アメリカの物理学者ジョシア・ギブス(18391903)が樹立した「熱力学」における分子運動論。対象とする統計集団から確率的保存則を導き出すことから命名された。

数理物理学 mathematical physics 421.5

〈物理数学〉とも。物理現象を表す記述のために用いる数学系理論物理学で量子力学、統計力学、場の理論などに深くかかわる。

非線形力学 nonlinear mechanics 421.5

 ある事象が一定の法則により時間移動するさい、これを時間の一関数として定量的に記述する力学をいう。

力学 mechanics           423

  物体同士に作用する力と運動との関係を記述する学問。17世紀末、アイザック・ニュートン(1642-1727)が力や質量の概念を確立して力学の基礎を築いた。力の平衡という視点で「静力学」と「動力学」とに分れ、さらに研究対象により剛体力学、弾性体力学、流体力学、熱力学、電磁力学および量子力学などに分けられる。

ニュートンは万有引力の発見者で知られる。

剛体力学 geostatics        423

〈剛体動力学〉とも。剛体の運動について、力とトルクとの相互作用を研究する力学の一分野である。

質点力学 particle dynamics    423

〈質点動力学〉とも物体を質点とみなしそのの運動を扱う力学をいう。

ここでいう「質点」とは、質量だけをもち形のない仮想の点をさす科学術語である。

古典力学 classical mechanics (423.1)

 巨視的物体の運動に関する物理的諸法則の運動を記述する理論体系の一つ。ガリレオ・ガリレイ(15641642)の「地動説」に始まりニュートンの運動の法則を中心とした力の概念の導入により確立された。

ガリレオ・ガリレイ

運動学 kinematics            423.1

 物理学においての語義は、物質の質点から成る系の動きを系自体に働く力学的説明にはふれずに、一般原理だけにより説明する力学である。

運動力学 kinetic dynamics    423.1

 ニュートンの「運動の三大法則」のもと、運動する物体、とくに天体の力学的法則を研究する学問である。

理論的運動学 theoretical kinematics 423.1

 運動力学のうち一般的な法則に焦点を当て、これを理論的に記述する分野をいう。

数理的運動学 mathematical kinematics  423.1

 物理学にかかわる運動学のうち高次の方程式や幾何学関係をもつものについて調べる学問である。

固体物理学 solid-state physics (423.1)

 固体が示す電気的、磁気的、熱的、機械的な諸性質をはじめ、固体内に生じる諸現象などを原子構成といった微視的な対象に向けて研究する物理学の一分野である。

動力学 kinetics              423.1

「古典力学」の一分野で、物体に運動を生じさせる力の作用について調べる学問である。

静力学 statics               423.1

 物体から引き出される力と力系、あるいは平衡状態にある物体への応力を扱う力学の一分野である。

解析力学 analytical dynamics 423.35

「ニュートン力学」を座標系にたよることなく記述する古典力学の分野。フランスの幾何学者ルイ・ラグランジュ(17361813)が創始した。

図式静力学 schematic statics 423.35

〈図式力学〉とも。平衡状態にある剛体に働く力を決定づける力学。その力の程度は、大きさに比例する長さの直線で図式化される。

高速力学 high-speed mechanics (423.4)

 物体が高速運動するさいに生じる力学的な諸問題を扱う学問。たとえば高速回転するコマと遠心力との関係、発射された弾丸の弾道追跡と衝撃強度、天体同士が衝突したときの破壊現象などがこれに当たる。

ニュートン力学 Newtonian mechanics (423.6)

 古典力学の一派をさし、狭義には古典力学そのものをいう。相対論的力学あるいは量子力学に対応して用いる言葉である。

弾性体力学 elastic dynamics 423.7

〈弾性工学〉とも。物体は応力の増加によって変形を生じるが、その応力増加が除去されたときに変形部分は消滅してしまう性質の物体を調べる力学である。

塑性力学 plastic dynamics    423.7

 塑性変形する性質をもつ物質について、その力学作用を調べる研究である。

流体力学 hydromechanics      423.8

〈液体力学〉とも。物質が流れるときの運動状態や、流体と境界との相互干渉、加圧現象などについて研究する力学。船舶工学や航空工学などでの主力研究分野である。

流体力学ゲームによるリアルタイム・シュミレーション映像(MacPongゲーム)

統計流体力学 statistic fluid dynamics (423.8)

 乱流や微粒子の混合体などの分布および活動状況を統計的に処理し解明する流体力学の一分野である。

液体力学 hydrostatics     423.83 

  静止している液体や気体が作用する圧力の大きさを研究する学問。「液体動力学」に対応した概念の言葉である。

高層物理学 aeronomy       (423.83) 

〈超高層大気物理学〉とも。宇宙科学の中心的な物理学で、電離層の現象解明を中心に、ロケットや人工衛星などの開発研究に役立っている。これには惑星大気圏の組成研究といった新分野も含まれる。

液体動力学 hydrodynamics    423.84  

 流体が運動した結果生じる力関係について研究する力学。「流体静力学」に対応する概念の言葉である。

気体力学 gas dynamics       423.88  

 気体の運動とその現象について研究する学問。運動に伴い生じる発熱作用も対象に。

希薄気体力学 rarefied gas dynamics (423.88)

 超高空など真空に近い空中での分子運動現象を解明する「流体力学」の一分野である。

真空物理学 vacuum physics   423.88  

 真空状態の中で生じる諸物理現象について研究する物理学である。

統計流体力学 statistic fluid dynamics           (423.8)

 乱流や微粒子の混合体などの分布および活動状況を統計的に処理し解明する流体力学の一分野である。

液体力学 hydrostatics     423.83 

  静止している液体や気体が作用する圧力の大きさを研究する学問。「液体動力学」に対応した概念の言葉である。

高層物理学 aeronomy       (423.83) 

〈超高層大気物理学〉とも。宇宙科学の中心的な物理学で、電離層の現象解明を中心に、ロケットや人工衛星などの開発研究に役立っている。これには惑星大気圏の組成研究といった新分野も含まれる。

液体動力学 hydrodynamics    423.84  

 流体が運動した結果生じる力関係について研究する力学。「流体静力学」に対応する概念の言葉である。

気体力学 gas dynamics       423.88  

 気体の運動とその現象について研究する学問。運動に伴い生じる発熱作用も対象になる。

希薄気体力学 rarefied gas dynamics (423.88)

 超高空など真空に近い空中での分子運動現象を解明する「流体力学」の一分野である。

真空物理学 vacuum physics   423.88  

 真空状態の中で生じる諸物理現象について研究する物理学である。

ジェームズ・マックスウェル

波動光学 wave optics         425.4   

 光や電磁波の波動的性質を把握するための光学の一分科である。

分光学 spectroscopy          425.4   

 物質が報謝あるいは吸収する電磁波スペクトルを測定、解析することで、分子や原子の構造を明らかにする学問。物理学の一領域である。

レーザー分光学 laser spectroscopy425.5     

「レーザー光エネルギー」(電磁波)を物質に当てその物質の性質等を解明する学問である。

分子線分光学 molecular beam spectroscopy425.5

 分子線中に存在する原子や分子を対象に、流れ、速さ、電子状態などの現象を研究する「分光学」の一分科である。

測色学 colorimetrics    425.7  

 未知の色を標準色との光学的比較により分類、評価する学問。視覚のほか光電法や分光光度法などを用いて測色する。

色彩学 chromatics      425.7  

〈色学〉とも。 色彩を総括的に研究する学問。光学はじめ色彩心理、色彩の類別と表示法、安全色彩、色彩調整など多方面の関連研究に及んでいる。

色相環のモデル

生理光学 physiological optics 425.8         

 生理学で得た理論を光学面に応用する物理学の一分野。色彩心理学、安全カラー、視覚疲労など研究対象は広い。

熱力学 thermodynamics        426.5

  気体の圧力、体積、温度などのマクロ適量と収支する熱量との関係を対象に研究する物理学の一分野。「統計熱力学」に対応する概念の言葉である。

統計熱力学 statistical thermodynamics  426.5

 一般に〈統計力学〉と称される。 力学系のマクロ的性質や現象をミクロ的性質や相互作用に収斂させ、全体を均質なものと予見して扱う物理学の一分野。熱力学の基礎となり、古典力学寄りの分科を「古典統計力学」、量子力学寄りのものを「量子統計力学」という。

熱学 theory of heat        (426.55)   

 物質の熱現象を研究対象とする物理学および化学の一分野。最近では「熱力学および統計力学」の併称に用いられる。

低温物理学 cryophysics       426.7   

 温度がきわめて低く物質の質量的性質が超伝導、超流動体ヘリウムや磁気冷却あるいは核波移行などにより、観測可能な領域の性質を調べる物理学の一分科である。

高温物理学 pyrogenetic physics 426.8

 高温超伝導体など物質の高温領域の物理的性質を研究する物理学の一分野である。

応用熱学 applied theory of heat 426.9

 熱力学の諸法則や理論を実用面(たとえば地球温暖化対策)に応用する応用物理学の一分野である。

電磁気学 electromagnetics   426.7   

〈電気学〉とも。電気的に生じる現象、磁気的に起こる現象、ならびにそれらの相互作用を研究する物理学の一分野である。

地球電磁気学 geomagnetism and geoelectricity427

 地球磁場の観測により、地磁気の諸性質ならびに原因、あるいは地球の電磁気学的な性質を究明する学問。19世紀ドイツの数学者カール・ガウス(17771855)が地磁気理論の先鞭をつけたのに始まる。

カール・ガウス

磁気光学 magneto-optics      427.1   

 物質に磁場を加えたさいに示すさまざまな磁気光学的現象を研究する光学。ゼーマン効果、ファラデー効果、磁気複屈折といった現象を対象とする。

電子光学 electron optics    (427.1)

 電子管はじめ半導体や磁性体などを通信、計測、情報処理などの分野に応用する工学である。

光電子光学 optoelectronics (427.1)

 光電子効果に伴い放出される電子を研究する光学で、物理学の一分野である。

静電気学 electrostatics      427.3    

 マクロ的な電荷の効果にかかわる現象を研究する光学。これには静電荷が物体の接触などで発生するさいの現象、一方から他方へと移動するさいの現象などがある。

静電学 electrostatics      (427.3)

静電気学〉とも。静止している電荷、電界、電位を扱う物理学の一分科である。

電気力学 electrodynamics     427.4   

 電子と電磁場との間に生じる相互作用を研究する物理学の一分野。電磁場内の電子運動やそれに伴う電磁場の放出や吸収などが対象になる。

動電気学 electrokinetics     427.4   

〈動電学〉とも。電荷の運動、とくに電気回路中の定常電流や電解、磁界中の帯電粒子の運動を研究する物理学の一分野である。

超伝導工学 superconduction engineering        (427.45)

 ある種の単体金属および多くの合金や金属化合物において、絶対零度付近の極低温下で電気抵抗が消失する超電導の現象を研究する工学である。

放射線物理学 radiation physics (427. 5)

 放射性元素の崩壊に伴い放出される粒子線または輻射線など各種放射線現象について研究する物理学の一分野である。

電磁流体力学  magnetohydorodynamics (427. 6)

 電気的な伝導性のある流体について、その電磁気現象を研究する物理学の一分野である。高温溶融した金属やプラズマなどが対象になる。

磁気学 magnetics            427. 8

 物質の磁気的性質ならびにその応用を研究する物理学の一分野。強磁性体、フェリ磁性体、常磁性体などが対象になる。

静磁気学 magnetostatics    (427.8)

 時間が経過しても自体は変化しないとされている電磁現象を研究する物理学の一分野である。

物性物理学 solid-state physics 428          

 ミクロ的視野で物質の特性を解明する物理学の一分野。この〈物性物理学〉は汎称であり、最近では固体物理学、化学物理学、統計物理学などのように研究課題に応じた呼称が用いられている。

化学物理学 chemical physics    428         

 物質の分子構造はじめ化学反応の仕組などの諸問題を、化学の理論や実験等をとおして研究する物理学の一分野である。

分子科学 molecular science428.1     

 化学における反応分野と、物理学における物性研究分野とが、分子概念を共有して構成する学域を指す。さらに天文学、生物学、生理学など幅広い分野での分子レベルの研究にも応用を見る。

分子物理学 molecular physics 428.1         

分子の構造や動作について研究する「化学物理学」の一分科。近来、ナノ化学進歩の影響で、いまこれの研究は脚光を浴びている。

高分子物理学 polymer physics 428.1          

 高分子化合物の分子について、その構造や物性を中心に研究する物理学の一分野である。

分子動力 molecular dynamics 428.1         

 分子の反応速度に関与する分子力学研究で、物理学の一分野である。

表面物理学 surface physics   428.4

 固体表面近くで低密度気体との境界における原子と電子について、その構造や動作等を研究する物理学の一分野(表面科学)である。

原子物理学 atomic physics     429

 原子の構造、原子を構成する素粒子の特徴、あるいは物質放射エネルギーなどに関する研究を行う物理学の一分野である。

原子物理学のシンボルマーク

高エネルギー物理学  high-energy physics (429)

 素粒子の高エネルギー現象を手がかりに、素粒子の構造や相互作用等を解明する物理学の一分野である。

原子核物理 nuclear physics 429.5

〈核物理学〉とも。原子核を専門的に研究する物理学。現在すでに多くの核子を含む原子核の構造が明らかにされているが、未発見かつ未知の物体も少なくない。

物性化学  solid-state chemistry (429.5)

  化学の領域のうち、固体と液体の凝縮系の物理化学的性質の解明など、物性研究に重きを置いて研究する学問である。

核化学 nuclear chemistry     429.5

 ここでいう〈核化学〉は、核物理学と同じく核反応を取り扱う物理学で、すなわち〈核化学〉こそ広義の「原子核化学」をさす。

素粒子物理学  particle physics (429.6)

 物質の最小体である素粒子の性質や相互作用等を研究する理論物理学の一分野である。「高エネルギー物理学」とのかかわりが深い。

宇宙放射線年代学  nuclear cosmo chronology (429.65)

 宇宙線の放射によって岩石中に生成する核種を利用し、その放射年代を推測し解明する学問である。

 

43 化学

化学  chemistry           430

  近代語で「舎密(せいみ)」とも。また、「科学」との呼称上の混同を避けるため俗にバケガクとも発する。物理学とならんで「自然科学」の一大分野を占める。物質の組成、構造、性質、化合による変化のほか、化学製品等の製法や応用に至る一連の学域を研究する学問である。この化学体系は物理化学、有機化学、無機化学、分析化学などのほか最近開発された分野も少なくない。

総合化学  synthetic chemistry (430.)

 化学の学域を分科することなく、巨視的視野に立ちすべての化学を一つにまとめ総括して研究する学問。したがって、これに関連する縁辺学問や隣接学問も多岐にわたる。

化学と錬金術 近世ヨーロッパでの錬金術は1617世紀にピークを迎える。図はその余韻を駆って1780年刊『百科全書』にも化学の「親和力表」を併載、錬金術に憑かれた人たちの様子を伝える。錬金術こそ現代総合科学の母体であったといえよう。

純粋化学  pure chemistry  (430.)

 本質的な化学理論について研究する学問。結果を実用面に応用することを意識せずに、純学問的に研究される化学をいう。

精密化学  fine chemistry   (430.)

 対象とする研究材料の数量的関係を厳密に測定し、そこから得られる結果をもとに研究内容を評価する化学の一分科である。

計算化  computational chemistry (430.1)

〈計算機化学〉〈コンピュータ化学〉とも。電子計算機による科学上のデータ処理のため、その最適な科学的方法を研究する「理論化学」の一分野である。

物理化学 physical chemistry    431         

〈物理学的化学〉〈一般化学〉とも。物理学で得られる理論を基礎におき、物理学的手法を活用しながら物質の構造、性質や化学変化など化学現象を研究する学問。「理論化学」と重なり合う部分が大きい。

理論化学 theoretical chemistry 431

 化学実験等により得られる経験的事実に基づき、それらを統一的に理解し、数学的に定式化することを目的とした化学の学域をいう。

構造化学 structural chemistry 431.1

 物質の構造を調べその物理的、化学的性質との関係を明らかにする化学の一分野。たとえば分光学、磁気共鳴、スピン共鳴といったものが研究対象になる。

原子分子の構造化学モザイク

分子系統学  molecular phylogeny (431.1)

 分子軌道法によって計算した電子密度、結合次数、自由原子価などを分子骨格図上に系統だてて整理、記入する学問である。

分子進化工学  evolutionary molecular engineering (431.1)

 生化学の進化のうち分子生成後の段階に焦点を当てて研究する化学の一分科。進化のさい生成されるDNAヌクレオチド配列や蛋白質のアミノ酸配列といった遺伝子情報の解明に利用される。

錯体化学 coordination chemistry 431.13             

〈錯化学〉〈錯塩化学〉ときには〈キレート化学〉あるいは〈配位化学〉とも。配位結合を形づくる「錯体」(配位化合物)の構造、合成、反応、物性などを扱う化学の一分野である。

立体化学 stereo-chemistry   431.14

 分子内の原子配列を立体的に把握し、さまざまな現象を解明する化学の一分野。1861年にフランスの科学者で細菌学者のルイ・パスツール(18221895)は、酒石酸研究のさいこの方法を着想した。

ルイ・パスツール

電子化学 electronic chemistry 431.18

 物質を構成する基本的な素粒子の一つ、すなわち電子を対象に研究する化学の一分科である。

量子化学 quantum chemistry  431.19

 量子論を応用して化学的現象や化学上の諸問題を研究する理論化学の一分野。分子構造論、化学結合論、反応速度論などの研究が注目されている。

トポ化学  topochemistry     (431.3)

 トポ化学変化を扱う化学の一分野である「トポ化学変化」とは、結晶構造自体は変わることなく、表面内部の原子やイオンが入れ替わる化学現象をさす。

化学力学 chemical dynamics  431.31

〈化学動力学〉とも。エネルギー移動や化学反応など、系を構成する核や電子の移動を対象に、時間依存現象を研究課題とする化学の一分野である。

反応力学 thermodynamics of reaction 431.31            

〈反応熱力学〉とも。化学反応を引き起こす力、すなわち化学親和力を研究対象とする「化学熱力学」の一分科である。

触媒化学 chemistry of catalysis 431.35            

 触媒作用がいかなる科学的機構のもとに生じるかを明らかにする化学の一分野である。

光化学 photochemistry        431.5

コウカガクまたはヒカリカガクと両方に発音。〈光電気化学〉とも。光によって生じる化学変化や、化学変化に伴う発光現象を専門的に研究する化学の一分野である。

放射化学 radiochemistry      431.5

〈輻射化学〉とも。放射性物質を扱い、そこから発生する放射線の性質などを解明する化学の一分野。中性子放射化学分析などに応用される。

有機光化学  organic synthesis (431.5)

 有機化合物の一である有機光導電体を取り扱う化学の一分野。電子写真用感光体の製造などに応用される。

光電気化学  photo-electrochemistry (431.5)

「光化学」と「電気化学」双方の応用で各種電極表面に対し可視光等を照射し、その応答反応などを計測する研究を指す。1970年代から研究され始めた新分野である。

分光学 spectroscopy         431.51

 光のスペクトルに関し専門的に研究する化学の一分野。原子や分子の構造を調べるうえで欠かせない。

分光化学 spectrochemistry   431.51

 分光学の技法を用いて物質の構造や電子状態などを研究する化学の一分野。スペクトルの測定が中心である。

分子分光学  molecular spectroscopy (431.51)

 光と分子との複雑な相互作用を研究する化学の一分野。対象となるスペクトルには軟X線、紫外線、赤外線、核磁気共鳴など多種類に及ぶ。

核磁気共鳴 プロトン共鳴周波数300MHzの超伝導マグネット(Wikipediaより)

遠赤外化学 infrared chemistry 431.56

 赤外分光法を主軸とした化学的測定を行う分野である。

紫外線化学 ultraviolet chemistry 431.57

 紫外照射電子分光法を中心とする化学測定の研究分野である。

X線化学 radiology          431.58

 Ⅹ線放射を扱う化学的研究の一分野。Ⅹ線分析法、Ⅹ線解析法、Ⅹ線分子分光法などの手法が用いられる。

放射線化学 radiochemistry   431.59

 放射線放射のときに生じる化学反応やその生成物等について研究する化学の一分野。「輻射線化学」ならびに「Ⅹ線化学」との差異はわずかで、これらと同一視する専門家もいる。

熱化学 thermo chemistry      431.6

 化学反応や状態変化に伴う発熱現象を測定・解釈・分析する化学の一分野である。

化学熱力学 chemical thermodynamics 431.6

 気体や液体などの性質、あるいは相平衡や化学平衡などの現象を扱う「熱力学」の一分野である。

低温化学 cryogenics         431.67

〈低温学〉とも。非常に低い温度での化合物の生成と保持、およびこれら低温に伴う諸現象を研究する学問である。

高温化学 high temperature chemistry 431.68

 約500度K以上で物質に生じる諸化学現象を対象に研究する化学の一分野である。

電気化学 electrochemistry    431.7

  化学変化によってもたらされる電気的現象あるいは電気が関与する化学変化などをとらえて研究する科学の一分野。電池工業はこれの代表的な応用産業である。

磁気化学 magnetochemistry   431.79

 物質にそなわっている磁気的性質と原子もしくは分子構造との相関を研究する化学の一分野である。

膠質化学 colloid chemistry   431.8

〈コロイド化学〉とも。1010000オングストロームのサイズで液状、固状、気体状の物質中に懸濁体として存在する連続媒体を研究する「理論化学」の一分野である。

固体化学  solid-state chemistry (431.84)

  ガラスやダイヤモンドなど、固体状物質の性状や構造を化学的に研究する学問である。

正八面体のダイヤモンド結晶

表面科学  surface science (431.86)

 気相と液相、液相と固相といった二つの異なる相の境界面における物理的、化学的現象(たとえぱ表面張力、吸着、薄膜など)を対象に研究する理化学の一分野である。

高分子化学 polymer chemistry 431.9

 高分子化合物の合成、反応、構造あるいは物性などを研究する化学の一分野。分子生物学と深くかかわりのある学問である。

無機高分子化学 ignorganic polymer chemistry 431.9

 無機化合物すなわち、直鎖状または分枝状の巨大分子をもつ高分子化合物を扱う研究で、「無機化学」の一分野を占める。

実験化学 experimental chemistry 432 

 実験法を研究の軸とする科学上の分類概念の一つ。実証成果主義を旨とする化学である。

音響化学  son chemistry  (432.2)

〈音化学〉とも。超音波(振動数2Hz以上)が引き起こす弾性波の化学作用を研究する学問。強い超音波を物質に印加することで発熱、空洞発生、レーザー光の回折などの効果が得られ、工業分野での応用が広がっている。 

生体模倣化学  biomimetic chemistry (432.3)

〈生物機能化学〉とも。生物体の諸機能を科学的かつ合成的になぞらえて近似のものを創り出す化学の新領域。人工酵素や人工細胞など先端技術に生かされている。

分析化学  analytical chemistry (433)

 物質を分析するさいの基礎理論および技術の確立を研究する化学の分類概念である。

微量化学 microchemistry       433 

〈顕微化学〉とも。110㎎程度の物質を扱う化学。取り扱う秤量器具や顕微鏡等の発達で進歩が目立つ分野である。

超微量化学 ultra-microchemistry 433        

 秤量1㎎より2g程度、読み取り目盛り0.10.5μgの秤量器で扱うような「微量化学」の一分科である。

生化学自動分析装置の外観 日本電子製JCA-BM6010 1μL検体サンプリングと最少反応液量80μLで超微量分析が可能に(同社HPカタログより)

分光電気化学  spectroelectro chemistry (433.57)

 電気化学的測定法の一で、分光光度計を用い電極と溶液界面における電解反応過程を化学的に観察、応用する技術を指す。 

合成化学 synthetic chemistry  434 

 人工的に合成しうる化学物質を対象に研究する化学の一分野。有機化合物を利用した超伝導で低次元化合物がもたらす定方向性伝導など、応用面が高まっている。

レッペ化学 Rappel chemistry   434 

「アセチレン合成法」とも。高圧化で触媒を用いアセチレン反応に導く研究の化学をいう。

有機合成化学 organic systematic chemistry  434

  合成化学のうち有機化合物を扱う分野の研究である。

無機化学 inorganic chemistry  435

〈無機構造化学〉とも。有機化合物を除く周期律表すべての元素とその化合物を研究対象とする科学である。「有機化学」に対応する言葉である。

フッ素化学  fluorine chemistry (435.33)

  フッ素ならびにフッ素化合物を取り扱う化学である。

有機金属化学  organometallic chemistry  (436)

 有機金属化合物、金属と炭素との直接結合をもつ化合物を取り扱う化学の一分野である。

有機化学 organic chemistry   437

  化学のうち主として炭素を含む化合物すなわち有機化合物を扱う研究である。

実験有機化学 experimental organic chemistry 437.07

「実験化学」のうち有機化合物に対象を限定し研究する分野である。

糖鎖工学  glycotechnology   (437.3)

 糖質や甘味料全般を研究対象とした化学分野の総称である。

天然物化学 natural products chemistry  439

 天然ガス、天然樹脂、天然黒鉛など天然資源にかかわる有機化合物の研究を行う。

たんぱく質工学 protein engineering 439.4

 単純たんぱく質や複合たんぱく質等を対象にその化学的性質を研究する化学の一分科である。

「錬金術師の工房」 金造りの材料は火、水、空気、土である。工房主には絵の注文者トスカーナ大公フランチェスコ1世自身の姿(右下)を挿入。1573年、ストラダーノ画、フィレンツェはパラッツオ・ヴェッキオ蔵。

 

44 天文学. 宇宙科学

天文学 astronomy            440

 古くは〈天体学〉〈星学〉とも。宇宙と天体に関する多様な学域の総称。天体やそれらの集合体(銀河、星団、星雲)について運動、形態、生成、進化など、ならびに宇宙空間の構造等も研究する。自然科学の中では最も古くに発達を見た学問で、現代でも未知な分野がきわめて多く究め尽くせない魅力がある。

宇宙科学 space science       440

〈宇宙学〉とも。天文学とほぼ同じ意味と解釈してよいが、現代の天文学をさす場合にぴったりの言葉である。

天体物理学 astrophysics  440.12

  恒星の内部構造や星団など天体群の物理的性質を研究する天文学の一分野。古典的な「位置天文学」と重なり合う部分が大きい。

宇宙物理学 astrophysics     440.12

  古くは〈天体物理学〉とも。物理学の一分野で、星や銀河などの天体、宇宙空間で観測される物質、磁場、放射線などの解明を目的とする。哲学的な宇宙論までこれに含める場合がある。

宇宙力学 celestial mechanics (440.12) 

宇宙流体力学〉とも。天体の重力圏内において安定に保持されている気体層を対象に、流体力学の諸法則を適用して仕組を解明する天文学。「宇宙物理学」の一分野である。 

入子状のプラトン的宇宙像 ドイツの天文学者ケプラーは、この装置を使って惑星間の距離を説明しようと試みている。1596年ケプラー著『宇宙の神秘』より。

高エネルギー天文学 high energy astronomy (440.12)

 Ⅹ線やγ線のような高エネルギーを持つ電磁波ならびに高エネルギー粒子を利用して、宇宙観測に役立てる天文学の一分野。Ⅹ線天文学、γ線天文学、宇宙線学、ニュートリノ天文学などがこの分野に含まれる。

宇宙化学 Cosmo chemistry  440.1

地球内外の空間物質の化学組成や同位体比較の測定を通して、宇宙での元素の分布、組成、元素合成期などを推定する天文学の一分野である。

天体化学 astrochemistry     440.13

 宇宙科学の手法を地球外天体の観測に応用し、その天体の科学的組成などを調べる天文学の一分野である。

電波天文学 radio astronomy  440.13

 天体等を電波観測する天文学の一分野。天体や暗黒星雲などから放射される電波を測定、分析する。

X線天文学 X-ray astronomy (440.14)

 X線を放射する天体を観測、研究する「天体計測学」の一分科。人工衛星などに搭載したX線検出器を用いる方法が主力である。

γ線天文学 gamma-ray astronomy  (440.14)

 地球外天体からのγ線、ことにγ線バースト現象について研究する「天体計測学」の一分科である。

レーダー天文学 radar astronomy 440.14

電波天文学〉とも。 地球および地球外天体の大気圏について、レーダーのパルス技術を用いて組成や状態を研究する「天体計測学」の一分科。流星の追跡、月や惑星のレーダーパルス反射なども対象にする。

記述天文学 descriptive astronomy 440.19

 天文学の図表や術語をわかりやすく記述し整理する方法を考える学問。天文学全般についての深い知識と造詣が要求される。

アッピアヌスの宇宙図 中心円は人が生存する大地で、ここから同心円の段階をへて、海()→空気→火炎層へと続き、やがて月の天球にたどり着く。惑星の外側が天界(宇宙)1539年、ペトルス=アッピアヌスが発表。

巨石天文学 megalithic astronomy (440.2)

古代の柱状巨石群(アリニュマンやストーンヘンジ)に見られる天文観測の遺構を調査、研究する学問。巨石文明の謎を明かすとともに、太陽信仰や天空神信仰といった原始宗教の実態をも探る。

中国天文学 Chinese astronomy (440.22) 

 中国で独自に発達した天文学に対する呼称。太陰暦、太陽暦、占星術、天体暦など当地天文学史が研究対象となる。

インド天文学 India astronomy (440.25) 

 インドで独自に発達した天文学。暦法についてはすでにベーダ文明期に現れ、新月や満月での時刻決定を古文書に伝えている。後に西方から入った天文学、占星術も天文表記するなど特有の文化をもった。

天文年代学 astronomical chronology (440.4) 

 隕石落下や皆既日食など、史上の事象が起きた年代や時間的関係を特定する学問で、本来は年代学の一分野。天文学、物理学、暦学などの縁辺学問が駆使される。

宇宙生物学 space biology   440.4

 地球以外の天体に生物が生存するという仮説のもとに、その可能性や実態について科学的な研究を行う天文学の一分科である。

銀河系から見た星団群 この宇宙には恒星だけで2000億×1000億個を数え知的生命体の住む惑星の数も少なくない、とされている。 

理論天文学 theoretical astronomy  441       

 天文現象を理論的かつ数学的に記述する天文学の一分野。「実地天文学」に対応する概念の言葉である。

数理天文学 mathematical astronomy  441        

 宇宙の諸現象を証明、説明するのに数学や物理学の理論を適用する天文学の一分野である。

天体力学 celestial mechanics 441.1       

 主として太陽系の惑星などの天体を中心に、力学的な運動状態を研究する天文学の一分科である。

実地天文学 practical astronomy 442        

 天文観測器械ならびに天体観測について、あらゆる実際的手法を採用する天文学の一分野。「理論天文学」に対応する概念の言葉である。

子午線天文学 meridian astronomy (442.4) 

 南中時すなわち、天球上の子午線を天体が東から西へと通過するさいの時刻を正確に調べたりする天文観測技術を指す。

天体測光学 astronomical photometry 442.6       

〈天体分光学〉〈天体高度測定学〉とほぼ同じ。天体からの輻射光や電波をスペクトル分光し、それにより天体の物理状態を分析、その天体の物理状態等を研究する天文学の一分野である。

天体分光学 spectroscopy      442.6

 天体を対象に、そこから放出される光のスペクトルを分析、分子や原子の状態を研究する学問である。

光学天文学 optical astronomy (442.6)

〈光学天体学〉とも。電波源やX線などと同位置に存在し同一の起源をもつ、いわゆる光学対応天体について研究する天文学の一分野である。

紫外線天文学 ultraviolet astronomy (442.6)

 天体等の紫外線領域を観測し、その線源の性質を考究する天文学の一分野である。

赤外線天文学 infrared astronomy (442.6)

 天体等の赤外線を主な観測波長域とする天文学の一分野である。

球面天文学 spherical astronomy 442.8      

 天球上にある天体が存在すると仮定して、その天体の位置や運動を研究する天文学の一分野である。ここでいう「天球」とは、宇宙空間の特定点を中心とする仮定上の球面をいう。

測天学 astronavigation       442.9 

〈天文航法学〉〈天測学〉とも。天体の高度測定によって船舶や航空機の位置を把握する、今では古典化した計測法技術。羅針盤、経線儀、六分儀などを用いた。

中井履軒(1732-1817)製作の木製天測図 儒者である履軒の測天による宇宙観が示されている。

位置天文学 positional astronomy 442.9   

 天体運行に伴う幾何学的関係をもとに、位置、大きさ、実運動、見かけ運動等をとらえて観測し、理論的に考究する学問。古典天文学に属する。

測定天文学 astronomical observation  (442.9)

 天文用機器などを用いて天体観測を行う「位置天文学」の一分科である。

恒星物理学 stellar physics   442.9 

 恒星のスペクトル、構造、進化あるいは種々の現象を、物理学的アプローチで解明する学問。「天体物理学」の中核的な学域である。

恒星天文学 stellar astronomy  443    

〈恒星統計学〉とも。太陽以外の恒星について、その物理的、運動力学的な性質を集成研究する天文学の一分野である。

統計天文学 statistical astronomy 443.1     

 さまざまな天文現象を統計的手法によって集計および分析し、その傾向を推論する天文学の一分野である。

銀河天文学 galactic astronomy (443.6)

 主として銀河すなわち星団を対象に、星雲の諸相(星雲団構造、中心部構造、星団内物質、銀河電波系の種類やサイズなど)を研究する天文学の一分野である。

銀河物理学 galactic physics (443.6)

 ある銀河系についての物理特性、たとえば銀河のサイズ、形成過程、形状、暗黒物質の可能性などについて調べる天文学の一分野である。

宇宙考古学 space archaeology (443.9)

  一般には「宇宙進化論」の別名でなじんでいる。宇宙全体または特定星団や天体の起源、構造、進化を考古学の手法を応用して検証する学問である。

太陽物理学 solar physics      444     

 太陽表面活動やフレア現象など、太陽に関する諸物理現象を研究する学問。「地球物理学」と重複する面もある。

太陽学 heliology           444.1     

〈太陽研究学〉とも。一恒星としての太陽を創成文化をも含めあらゆる面で考察し研究する学問。「太陽物理学」と並んで太陽に関しては専門的である。

太陽面学 heliography       444.4     

  太陽表面活動に伴い発生するコロナ、フレア、黒点、宇宙線放出などの現象を発見したり研究したりする学問である。

陽震学 study of solarquake  (444.4)

 太陽内部に発生する固有振動を探査のうえ解析しモデル化し、その実態を推定解釈する天文学の一分科である。

宇宙地質学 astrogeology     445     

惑星地質学〉とも。地球で観測した写真地質状態などを資料に用い、太陽系の月面、火星面、木星面などからそれらの進化や性質を調べる天文学の一分野である。

天体気象学 astrometeorology 445     

 天体望遠鏡や惑星探査機(人工衛星)などを使って目標天体の気象を調べる天文学の一文科である。

比較惑星学 comparative planetology (445)

 個々の惑星同士を比較検討し、互いの共通点や相違点を抽出、その原因などを検証して惑星の性質を明らかにする学問。主として太陽系内の惑星が対象になる。

火星学 areology            445.3     

 火星の天体としての性状に関し科学的な研究を行う天文学の一分科である。

火星地理学 aerograph      445.3     

〈火星表面学〉とも。火星表面のクレーターや極冠の発現など、「火星図」を作成するための観測や研究を行う天文学の一分科である。

古天文学 archaeoastronomy   447     

 考古学書や史書などの古記録に記された天文現象について、現代の「数理天文学」手法で考証や考究を試みる学問。皆既日食、惑星食、彗星現象、隕石落下などが研究対象になる。

数理地理学 mathematical geography 448.9    

  一惑星としての地球の形状やそれに至る過程、あるいは地図や海図の表記を扱う地理学の一分科である。

測地学 geodesy              448.9    

〈大測量学〉〈測地測量学〉とも。地球表面の形状、構造、大きさなどを天文学的にマクロな視野から確定するための学問である。

理論地理学 logical geography (448.9)

「計量地理学」とほぼ同義も、法則の定立を重視する学派の研究対象である。

地図学 cartography           448.9    

 地図の作成を始め地図用計測や測量などを

含め、衛星写真を中心にその方法論を研究する学問。近年、「地理学」と共通点が多く目立つぶんやである。

ゲラルドウス・メルカトル(1512-94)の古地図 彼はネーデルラントの地理学者であり、JAPONIA(日本)のタイトルが見える。

物理測地学 physical geodesy  (448.9)

「重力ポテンシャル法」という計測技術で地球のサイズを測地する技法を指す。現代では定時点での地球の変形まで精確に計測できる。

幾何測地学 geometrical geodesy (448.9)

 光学的手段と三角測量法とを用い、地球や地形の大きさを幾何学的に測定する古典的な測地法である。

衛星測地学 satellite geodesy (448.9)

 人工衛星軌道から地球の形状や地形を求める測地技術。三角法やドップラー効果法、レーザー測定法などいくつかの方法がある。

因子生態学 factor ecology (448.9)

 生物生態系の地域分布等に統計上の因子分析法を適用して解を求める「計量地理学」の一分野である。

応用天文学 applied astronomy   449    

 古くは〈航海天文学〉とも。天体観測によって得られるデータをもとに地球上の経緯度や方位の決定などを目的とする学問。往時、大洋において船舶の位置決めに必須の科学として発達した。

暦学 study of calendars        449    

 天体の運行や星座の位置、あるいは自然の視差などを分析し統合してカレンダー化する暦術の研究である。

 

45 地球科学. 地学. 地質学

地学 physical geography        450     

〈固体地球科学〉とも。地球の固体部分を対称に、研究に関連する諸科学を指す総称である。地形学、海洋学、古生物学、地質学、鉱物学、地球物理学、気象学など学域はきわめて広い。

地球科学 earth science         450     

 地球の地質学的分野を科学的に研究する学問。「地学」と重なり合う部分が大きい。

自然地理学 physical geography  450     

 自然環境や景観を対象に気候学、地形学、陸水学、生物地理学などを包括した学域体系の総称である。

()(もん)学 physiography           450     

 地球を中心に他の天体との関係、地球上の諸現象、あるいは気圏や水圏の態様などを研究する学問。「天文学」に対応する近代用語である。

『地文学初歩』日刻(ニッコク)氏撰、片山平三郎訳、宕陽堂1877年刊

地質学 geology                 450     

 地球とその歴史、岩石に表れる地層年代、古生代の地勢など自然科学分野同士を関連づけて研究する学問。「相序学」「地史学」と重なり合う部分が大きい。

気象学 meteorology             450     

 大気の複雑な動きや変化をとらえて研究する学問。大気熱力学、気象力学、大気放射学、気象工学など多岐に分科する。

気候地理学 climatologically geometry 450

 生物圏と気候分布との関係を主に研究する「自然地理学」の一分野である。

古地質学 pale geology      450.1     

〈古代学〉とも。地質時代を対象にした地層研究をさすが、狭義には岩石の不整合面の解析を行う専門分野でもある。

序学 stratigraphy        450.1     

〈層位学〉とも。地層に関する研究で、地球の地質学的年代を解明する。岩相層序学、化石層序学、放射年代層序学、磁気層序学などの下位分野から成る。

経済地質学 economic geology450.1      

 有用物質や工学技術の活用のために地質学の知識を応用する学問である。     

地球物理学 geophysics       450.12     

 地球の全体あるいは部分について物理的性質を究明し、あわせて関連する物理的諸現象をも研究する。海洋学、気象学、地震学、地球電磁気学などで構成される学域である。

地球の衛星写真 京都大学理学部物理学教室ホームページより

地球力学 geodynamics      450.12     

 地表構造に関し褶曲、山脈、海溝などの形成にかかわる現象を扱う学問。天文学、地震学、測地学、地球熱学、地球電磁気学、岩石学などに隣接する。

地球熱学 geothermic      450.12     

 地球内部の熱現象の性質や発熱過程の変化などを研究する地球物理学の一分野。マントル対流など高温および高圧下での諸物性測定が中心となる。

地球流体力学 geophysical fluid dynamics 450.12

 海洋や大気など地球の流体環境の力学的性質を解明する学問。たとえば、地球自転の影響を受けた場合の流体運動の変化など。

地球電磁気学 geoelectromagnetism450.12

 地球の電気、磁気、電磁気の各現象を研究する「地球物理学」の一分野。対象は電離層や惑星空間といった宇宙にも伸びている。

古地磁気学 paleomagnetics450.12

〈考古地磁気学〉とも。過去(多くは有史以来)に地球磁場に生じた地磁気現象について、規模や状態などを考察する学問である。

地球化学 geochemistry       450.13      

 地球の元素や化合物などの分布、発生、変化、移動などを研究する化学の一分野である。

大気物理学 atmospheric physics 451                       

 大気の現象や流動など物理現象を研究する学問。「気象学」に深く関係する。

気象力学 dynamic meteorology451.1

 大気の運動について流体力学理論などをもとに研究する学問。「気象学」の体系に組み込まれている。

気象熱力学 weather thermodynamics 451.1

 大気中のエネルギー変換、水物質の相関変化、大気の安定度などを研究する「気象力学」の一分科である。

理論気象学 theoretical meteorology 451.1

 大気中の気象諸現象を理論的な立場で究明する「気象学」の一分野。基本的には物理学の法則を適用し、気象力学はじめ気象熱力学、大気放射学などとも隣接する。「観測気象学」に対応した概念の言葉である。 

巨気象学 micrometeorology  451.1     

〈巨視的気象学〉とも。大陸や大洋などにおいて、気象現象をマクロ的かつ長期的に観察する学問。「局地気象学」に対応する概念の言葉である。

コロイド気象学 colloid meteorology         (451.2)

〈雲物理学〉とも。雲粒はじめ雨滴や雪の結氷など微粒集合に伴う気象を研究する「気象学」の一分野である。

電波気象学 radio meteorology 451.2     

 電波やレーダー等の利用技術をはじめ、大気の電波エネルギーの伝播などを対象に研究する「気象学」の一分野である。

海洋気象学 marine meteorology (451.24)

 海面および海洋上の飛行、航行に関し、海洋上の気象を研究する気象学の一分野である。

高層気象学 agrology       (451.25)

 高層での気象状態を把握するための学問。地上約60kmまで気球や気象衛星により観測。

超高層物理学 aeronomy     (451.25)

〈超高層大気物理学〉とも。地上50kmを超える希薄大気空間の性質や、そこに生じる諸現象を研究する「地球科学」の一分野。1950年来の比較的新しい学問である。

雲学 nephrology           (451.61)

 雲の成因、分類、分布、組成、高度などについて研究する「気象学」の一分科である。

気象光学 meteorological optics 451.75

 大気中の虹、暈、薄明など光学現象について研究する「気象学」の一分科である。

気象音響学 meteorological acoustics 451.76

  大気中の密度や風速に影響を受ける音響の状態を調べる「気象学」の一分野である。

気象電気学 meteorological electricit 451.77

〈空中電気学〉とも。大気下層部で生じる放電現象、嵐のさいの帯電現象、雷鳴と放電現象などを研究する「気象学」の一分野である。

空中電気学 atmospheric electricity 451.77

 空中におけるさまざまな電気現象を研究する「気象学」の一分科。雷雨時の稲妻など放電現象が中心になる。

稲妻 PHOTO HITOサイトTSさん撮影

気候学 climatology           451.8      

 大気の平均的な物理状態、ならびにその時間的変化による気象の変動を研究する「気象学」の一分野である。

気候地形学 climatic geomorphology (451.8)

 一定条件下で地形に応じて変動する気候変化を研究する「気象学」の一分野である。

総観気候学 synoptic climatology (451.8)

 一地域での気候を毎日の天候の集積としてとらえ、その時間的、空間的変動を長期にわたり記録し研究する学問である。なお「総観」とは、特定点における総括的な条件下での観測をさす用語である。

応用気候学 applied climatology (451.8)

 農林、水産、工業などの立地条件にかかわる気候の関連性について研究する「気候学」の一分野である。

動的気候学 dynamic climatology (451.8)

 日々の気団の移動、天候の推移など時々刻々と変動する天候を総観的に把握し研究する「気候学」の一分野である。

統計気候学 statistic climatology (451.8)

 日々の気候の観測値等を集計し月間の合計値や平均値を求めるなど、気候要素の変動特性を統計学的にとらえて研究する「気候学」の一分野である。

微気象学① micrometeorology 451.85       

〈気象学〉にほぼ同じ。各地特定点における気象観測結果を地図上に記入し、天気図上に気象の分布状況を表して大気状態を把握するための学問である。

微気象学② micrometeorology 451.85       

地表付近で、限られた範囲の地域での気象を扱う「気象学」の一分科。「巨気象学」と対応する概念の言葉である。

歴史気候学 historical climatology (451.9)

〈古気候学〉とも。人間環境としての気候について、過去の人類史をさかのぼることで、その時系列変動を調べる学問である。

海洋学 oceanography           452       

 海洋についてのあらゆる事柄を研究する学問。海洋物理学、海洋化学、海洋天文学、海洋生物学、海洋気象学などの分科に分かれている。

海洋科学 marine science     452       

〈海洋学〉の最新の用語で、科学的な研究調査を主体としたものである。

東海大学海洋科学博物館の正面

人文海洋科学 human science of ocean (452) 

 海洋と人間との相互関係をマクロな視野で研究する「海洋学」の一分野である。

海洋考古学 underwater archeology (452.1)

 海底堆積物や沈没船、その遺物などを通して当時の歴史等を検証する「海洋学」の一分科である。

海洋物理学 physical oceanography 452.12

 海洋の物理現象、海水の運動や変動などを対象に、気象面や海面との関係を研究する「海洋学」の一分科である。

海洋地球物理学 oceanic earth physics (452.12)

 海洋の生成や物理的運動を地球物理学的観点から解明する学問。「海洋物理学」とは隣接関係にある。

海洋化学 marine chemistry   452.13

 海藻類の光合成、海底堆積物の経年変化など海洋の化学的現象を研究する「海洋学」の一分野である。

 synoptic oceanography452.12                  

 海洋水のマクロな循環情況を把握することにより、海洋諸現象を解明する「海洋物理学」の一分科である。

海洋地質学 marine geology   452.15

〈地質海洋学〉とも。海底物質の組成、岩石と堆積物との相互作用、海底でのマントル運動の影響など、主として道領域の多い大洋底を研究する学問である。

海洋地学 ocean physical geography (452.15)

 海洋堆積物や海底近くの地層などを物理変動を含めて研究する「海洋学」の一分科。海底地質を主体に研究する「海洋地質学」とは関係が深い。

潮汐学 tidology           452.6       

 大洋における潮汐現象に関し、満干運動を中心に研究する「海洋学」の一分科である。「地球物理学」とのかかわりが深い。

古陸水学 pale limnology    452.6       

 河川底や湖沼底堆積物などから古生代の環境状況やその変動過程を現状と比較しつつ考古する学問である。「現代陸水学」に対応する概念の言葉である。

海底地形学 submarine geomorphology452.8                  

 海底表面あるいは海水中で、起伏の特徴を示す地表形態を研究する学問。「海洋地質学」とは隣接関係にある。

陸水学 limnology             452.9

 陸上の水の状態や変化を研究する学問。「水文学」が物理的アプローチであるのに対し、〈陸水学〉では化学的かつ生物学的にアプローチする。

この分野でとくに淡水漁業や水道事業、工業用水分野での応用が進んでいる。「水文学」と重なり合う部分が大きい。

水文学 hydrology           452.9       

 地球地形上の水、たとえば河川、湖沼、地下水などの状態や変化を水脈循環としてとらえ研究する学問。水資源の確保、開発、保全などを物理的に考究する。

基礎水文学 basic hydrology 452.9                 

 水資源の基礎的事象すなわち、水文循環を含めた水資源の開発、水の利用、水循環の保護などを研究する学問。「応用水文学」のベースとなる領域である。

応用水文学 applied hydrology                  

 人と水とのかかわりを各分野で有用に役立てるための学問。「基礎水文学」の理論を応用する分野で、工業水文学、森林水文学、農業水文学、都市水文学などに分かれる。

湖沼学 limnology          452.93       

 湖沼の物理的、化学的、生物学的特性や現象を対象に研究する「陸水学」の一分野。

川学 potamology           452.94 

〈河川科学〉とも。河川の自然性保全と利用に関する諸問題を研究する学問。「水文学」の一分科として発達してきた。

雪氷学 glaciology           452.96

〈氷雪学〉とも。水の固体状態すなわち雪と氷の諸現象を科学的に研究する学問。「複合科学」の一分野として、地球温暖化などの影響で目下注目されている。

氷河学 glaciology           452.96 

〈雪氷学〉にほぼ同じ。氷河や永久凍土の動態などを研究する「地球科学」の一分科。温暖化に伴う氷河の融解などで研究の行方が注目されている。

地震学 seismology             453

 地震についての総合科学で、地球物理学の一分野。地球内部における歪波の伝播が中心課題となっていて、なかでも地震予知の研究が脚光を浴びている。

張衡の候風地動儀 中国人民郵政の800圚切手に描かれた感震器の図案。地震が起きると上方の八方向竜口から下で待ちかまえている八匹の蛙の口に玉が落ちる仕掛け。

地震考古学 seismic  archeology (453                 

 過去における地震災害史について科学的かつ実証的な研究を行う学問。統計などを通した大地震と災害規模との関連性なども対象になる。

数理地震学 mathematical seismology 453.11

 地震発生の規模、成因、現象等を計数的かつ統計的に処理し評価を下す「地震学」の一分科である。

物理地震学 physical seismology 453.12

 地震発生のメカニズムを物理学的に考察し理論付けてその本質を解明する「地震学」の一分科である。

統計地震学 statistical seismology 453.15

  地震発生や被災規模等に関する諸データを統計学的に処理して推論を下し、防災に役立てる学問である。

火山学 volcano logy          453.8  

 火山活動に関するすべてを扱う「地質学」の一分野。「地震学」とは隣接関係にある。

火山物理学 volcanic physics (453.8)

 地球内部の地震波伝播を解析し、火山活動を中心に地球の内部構造を解明する「地球物理学」の一分野である。

温泉学 balneology            453.9 

 地中の高温地下水である温泉に関する総合的な研究分野。温泉水には25℃以上の温水、鉱水、水蒸気等がある。

 左党なら見逃せない、その名も盃温泉郷(北海道)

地形学 topography             454 

 地表の形態やその成因や変化などを研究する「地理学」の一分野。侵食に伴う二次的な地形特性も研究対象に含まれる。

氷河周辺学 glacier hydrology 454.3

〈氷河水文学〉とも。氷河末端が融解し流下して河川を形づくる現象を研究する「局地科学」である。

山岳学 mountains           454 .5       

 山の集合体を対象にした「総合科学」の一つ。山岳気候、山岳結氷なども含めて研究する。

洞窟学 speleology         454.66       

洞穴学〉とも。洞窟についての科学的研究を目的とする学問。洞窟形態学、洞窟陸水学、洞窟生物学、洞窟考古学などの諸分野がある。

地質構造学 geognosy        454.8       

構造地質〉とも。地球内部の構造、組成、諸現象について科学的に研究する「地球科学」の一分野である。

構造地質学 tectonic geology   455               

 地殻内部に発生する現象の物理学的プロセスや力学的変動を研究し、それらの法則性と原動力などを究める「地質学」の一分科である。

動力地質学 dynamics geology   455               

 地球、地殻に作用するさまざまな物理変化やその影響により生じる地質変化を研究する「地質学」の一分科である。

地質図学 geometography     455       

  地質図すなわち、地殻構成物質の分布状況を地図上に表示した図面について、最適の方法や技術を研究する学問である。

地殻化学 geochemistry      455.8       

 地殻(深さ30kmまでをいう)に生じるさまざまな科学的現象を研究する「地球科学」の一分野である。

地層学 stratigraphy          456       

 地層そのものの形成過程にかかわる諸要因や条件等を解明し、堆積岩石学や堆積学の手法を適用して地層全体を研究する学問。「層位学」と重複する面がきわめて多い。

層位学 stratigraphy          (456)     

〈層序学〉とも。地塊の層序を明らかにする学問で、地球のマクロ的な時間経過に応じて研究する。

地層相互の関係を知るための岩石層序学、化石層序学、放射年代層序学などの分科で構成される。      

系統地質学 systematic geology456         

 地質の進化や時系列的系統について研究する「地質学」の一分科である。  

地史学 historical geology     456       

 地球上の岩石の生成以後の歴史、すなわち造山運動、生物の変遷、気候の変化などを対象に研究する学問である。

生層位学 biostratigraphy    456       

〈生層序学〉とも。古生物化石によって地層の層序や時代を相対的に研究し特定していく「地質学」の一分野である。      

第四紀学 Anthropogenic period456.3        

 英呼称から〈人類紀〉とも。地質時代の最終期、新生代の第三期に続く時代区分を「第四期」といい、その時代で扱う自然関係諸事象を対象に研究する「地質学」の一分科である。

古地理学 pale geography     456.89

 地層および化石を利用し、地質時代における地理を研究する「地質学」の一分野。この場合の地理には水陸分布、陸上地形、気候、海洋、生物分布などが含まれる。

化石学 fossiology              457

 化石を対象に分類、系統、生成、過程、特性など総合的に研究する学問。古地理学、古生物学、層位学等と隣接関係にある。

古生物学 paleontology          457

  化石等により古生物の系統、分類、分布、進化、生態、絶滅期などを明らかにする学問である。「生層位学」と重なり合う部分がある。

古生物の展示が圧巻「パリ自然史博物館」 ヨーロッパの博物館めぐりホーム 宇仁義和ウェブページより     

生物学的古生物学 pale biology457.1 

〈純古生物学〉とも。古生物進化のたどりである化石から生物学的な諸側面の意義を考究する「古生物学」の一分科である。

現在古生物学 modern paleontology (457.1)

〈考現古生物学〉とも。現生生物の生態などの観察や実験を通し、古生物の進化との関係などを考察する「古生物学」の一分野である。

微古生物学 micropaleontology (457.1)

 微生物の化石(微化石)を対象にその生成や化石化過程などを研究する「古生物学」の一分科である。

同位体古生物学 isotopic ally paleontology (457.1)

 化石の安定化観察を通して放射性同位体との関係を考察する「古生物学」の一分科。

古生痕学 ichnofossiology  (457.1)

〈足痕学〉とも。地質時代に生物であった痕跡を今に残す生痕化石を扱う「生痕学」の一分科。「化石病理学」「糞化石学」などと隣接。

層位古生物学 stratigraphical paleontology 457.3

〈層序古生物学〉〈化石層序学〉とも。地質学的に地層上下の層積に応じ、発見された化石により古生物の種類や年代等を特定する学問。「古生物考古学」と重なり合う面が大きい。

古植物学 pale botany       457.7      

〈古生植物学〉とも。 地質時代に生育していた植物や植物群について、植物化石を通して研究する「古生物学」の一分科。植物学および地質学と隣接関係にある。

古動物学 paeleozoology        457.8       

  化石化した古動物について、その分類、系統、態、機能特性などを研究する「古生物学」の一分科である。

生痕(せいこん) ichnology           (457.8)

 古生物の生痕化石から、その生息時の時代や生活と行動を実証的に解明する「古生物学」の一分野である。

糞石学 paleocoprology      457.8       

化石糞学〉〈糞化石学〉とも。古動物の排泄物である化石を対象に古生物の復元や考証などを研究する学問。地質生物学、地球考古学とは隣接関係にある。なお「糞石」とは、大型動物の腸内に形成する結石をいう。

化石魚類学 pale ichthyology457.87       

「古動物学」のうち魚類に関する一分科である。

化石の切手シリーズ 魚の化石をデザインしたスイスの切手、1961年発売

岩石学 litho logy            458       

 岩石の分類、性状、成因や相互関係などを研究する「地質学」の一分科である。      

実験岩石 experimental petrology458.1         

 実験的手法を中心とする研究法による「岩石学」の一分科である。

岩石力学 rock mechanics  458.1          

〈岩の力学〉とも。人為的に加圧等を加えたときに生じる岩石の反応などを調べその程度を数値化する学問。力学と地質学との相関により成り立つ。

岩石磁気学 rock magnetic  458.1          

 磁気を帯びたり磁性を発現したりする岩石を扱う「岩石学」の一分野である。

野外岩石学 field petrology 458.1          

〈観察岩石学〉とも。野外での実地観察を研究の主要手段とする「岩石学」の一分野である。

構造岩石学 structural petrology458.12           

 変成岩などを対象に岩石内部の微細な構造を観察する「岩石学」の一分野である。

岩石化学 rock chemistry     458.13

 火成岩等の化学的な性質を中心に、その組成や反応特性などを化学的データを定量化して調べる学問である。〈鉱物化学〉ともいう。

論岩石学 theoretical petrology458.14           

 岩石について成因や組成などを理論的に考察する岩石学の一分野。「野外岩石学」に対応する概念の言葉である。

記載岩石学 petrography    458.2

〈記述的岩石学〉とも。岩石の化学組成や組織構造などを記述し整理することに研究の主眼を置く「岩石学」の一分野である。          

成因岩石学 petrology      458.6          

 堆積岩石において、同じような堆積過程を経て形成される岩相等を比較し、その成因を解明する学問である。

堆積学 sediment logy      458.7          

 堆積物を中心に、その起源、移動、沈積、石化、風化などのプロセスを研究する学問。

鉱物学 mineralogy              459 

 鉱物の分類、形態、性状、成因、産出状況など鉱物を対象に研究する総合科学。結晶学、岩石学、地球物理学、古生物学、環境化学など縁辺の学域が広い。

鉱物物理学 mineral physics  459.12 

 鉱物に加圧や温度変化など人為的的手段を加えたときの物理的変化(変態)を研究する学問である。

鉱物発生学 mineral embryology 459.14             

〈鉱物結晶学〉とも。鉱物の結晶がある条件下で変化、成長、変質する性質を応用し、その鉱物の成因を研究する学問である。

宝石学 gemology            (459.7)

 宝石類の評価および鑑定、鉱物学的性質、産地、等級付け、加工法などを研究する学問である。

隕石学 meteoritic         (459.8)

 隕石すなわち、地球外から飛来する固体物質に関し研究する科学。天文学ことに「惑星学」あるいは「地球科学」と縁辺関係にある。

隕石の切手 ソビエト連邦195758年発売

結晶学 crystallography    (459.9)       

 各種結晶を対象に、その物理的性質、化学的性質、形態、生成ならびに原子構造等を研究する学問である。

数理結晶学 mathematical crystallography  459.91           

 結晶についての数理学的手段による分析と系統化によって、その構造、格子、形態、因子等を明らかにする学問である。

結晶形態学 crystal structure 459.92

〈結晶構造学〉とも。結晶の形態に関する面角法則、結晶面の指数化、結晶中の化学結合の状態などを究める学問である。

結晶物理学 crystal physics 459.93

 結晶の物理的性質を研究する学問。「X線結晶学」の発達に伴い発達した分野で、「結晶形態学」とは隣接関係にある。

結晶力学 crystal dynamics  459.93

〈結晶物理学〉にほぼ同じも、結晶同士の比較検証が主力の手法である。

結晶光学 crystal optics    459.95

 結晶上個体内に生じる光の伝播と、その関連現象を光学的に扱う「結晶学」の一分科。

結晶化学 crystal chemistry 459.95 

 結晶の内部構造と化学的性質との関係を研究する「結晶学」の一分科である。

 

46 生物科学. 一般生物学

生物学 biology                460

〈生物科学〉にほぼ同じ。生物に関するさまざまな分野の事象を総括して研究する学問で、総称である。古くに「博物学」として出発し、生命現象に科学的考察が加えられるようになってからは、〈生物学〉の呼称とともに独立分岐をたどっている。生物種ごとに動物学、植物学、微生物学などの分野がある。

生物科学 biology               460

  本来呼称は〈生物学〉である。呼称は生物学に関するあらゆる学域を科学的かつ実証的に研究する位置づけを強める場合に用いる。

セバ『博物宝典』 節足動物のクモやら爬虫類、鳥類が怪しげな果樹に群がり、互にどれを捕食しようかと狙っている。図譜画家のA.セバ(16651736)は博物学者でもあり、南米を舞台にした想像画だという。

生命 life science     460           

 生命体と生命とのかかわり、あるいは生命現象そのものを対象に研究する学問で、普通「ライフ・サイエンス」と呼ばれている。生物学はもとより生化学、医学、心理学、生態学、社会科学など周辺ならびに隣接の学域がきわめて広い。

生物工学 biology       460

 生物の機能について各種の工学的アプローチを図る学問。人間工学、生体工学、医用工学などといった分野が脚光を浴びている。狭義の場合は「バイオテクノロジー」をさす。

博物学 natural history         460

 物理学、化学、動植物学、天文学、鉱物学、地質学など自然科学の学域を総称した古い用語で、現代ではあまり使われることがない。いわばマニアックなニュアンスの諸学体系を集成した呼称と考えてよい。

なお、古代ギリシアのアリストテレスを〈博物学〉の始祖とするのが通説である。

(はん)() pansophy             (460)       

 1617世紀、北方ヨーロッパの転換期に出現した精神運動の名称。一種の福音主義活動で、ドイツのチュビンゲンの知識人階層に広まった。いわば「神智学」に対応する概念に根ざしている。今日では博物学に準じる「百科全書的知識の学」として認識されている。

数理生物学 mathematical biology (460)               

 数理応用にかかわる生物学分野の総称で、狭義には「応用数学」の一分野。たとえば統計遺伝学と確率、集団遺伝学と微分方程式、生態学と制御理論などが該当する。

生命工学 biotechnology     (460.4)       

〈生物工学〉とも。人間を含め生物が本来の機能を失ったり、効率が劣化した体器官のために、人工的な大体器官を開発し製造するための学問。義肢や心臓ペースメーカーなどは、その代表的な開発製品である。

化学分類学 chemotaxonomy   (460.7)       

 生物学の一分科であるが、独立した学問ではなく、特定の動植物について二次代謝生成物と生物学的分類法とを結びつける研究である。二次代謝生成物の分布研究や系統発生分類法への応用を目的とする。

生物電気学 electro biology (460.72)       

〈生物電気化学〉とも。生物に対して電気的刺激を与えることで生物学的発育と修復とを促す方面の研究である。

実験生物学 experimental biology 460.75

 生体に関する実験の結果をもとに通有の法則を導き出す生物学の一分野。「記載生物学」に対応する概念である。

理論生物学 theoretical biology 461 

〈論理生物学〉とも。いくつもの実験データをもとに生物学の理論体系化を進める学問。ことに生物物理学、集団遺伝学、生化学などの分野とは深いかかわりをもつ。

生物哲学 biophilosophy     (461.1)       

 生物学の秩序正しい思想を論じる学問で、生命システムの複雑な仕組と進化を解明するのにも役立つ。哲学や思想の科学であるとともに、生物モデルのあり方の解析でもある。

生物測定学 biometry         (461.9)       

〈生物統計学〉とも。「数理統計学」を駆使し生命現象へのアプローチを図る学問。「優生学」などに見る、自然界の個体ごとの変異などが研究対象になる。

系統学 systematic          (461.9)       

 生物の系統発生を研究し、その結果を分類整理する生物学の一分科。「系統分類学」とは隣接関係にある。

系統分類学 systematic    (461.9)       

 現存の生物について系統的な分類を行い、同時に分類法についての理論的考究を行う学問である。「生物系統学」に組み込んで扱う人もいる。

ホイタッカーによる「五界説」絵解き 1978年、生物の多様性を整理統合する試み 啓林館テスト問題作成サイト「お助け先生」より

生物静学 biostatics        (461.9)       

 生物体がもつ諸機能に照応し、その構造の成因などを研究する学問。「生物動学」に対応する概念の言葉である。

数理生 mathematical biology 461.9

 生物の行動や挙動を中心に、さまざまな態様を数理モデルに基づき解析する学問。生物の進化、発生、生体、行動、免疫などの諸相に研究が進められている。

生物統計学 biostatistics     461.9 

 遺伝や変異など生物学上の諸現象について、数理統計手法を用い分析し研究を進める学問である。

生物数学 biomathematics      461.9 

 生物がもたらす諸現象や生態を数学的手法により解明する学問。「生物測定学」「生物統計学」と重なり合う部分が大きい。

生物情報学 bioinformatics  (461.9)       

生命情報科学〉とも。生命活動に変化をもたらす細胞外や細胞間の情報(シグナル)を受容する細胞組成について研究する学問である。

生物地理学 biological geography (462)         

 生息生物の地理上の分布について地誌的、系統的、生態学的に把握研究する学問。「動物地理学」と「植物地理学」に二大別される。

生物分布学 chorology        (462)       

 単に〈分布学〉とも。生物の地理的あるいは空間的な分布状態を研究する学問。生物地理学の基礎分野である。

分類地理学 tax geography    (462)       

 生物の地理上分布状況を通して、生物と地誌的な関係を明らかにする学問。「生物分布学」と重なり合う部分が大きい。

群集地理学 synecological geography (462)         

 諸生物相が群集することで形づくる生態学的構造を解明する「生物地理学」の一分野。

民族生物学 ethno biology     (462)       

 一民族の文明が周辺の動植物に及ぼすさまざまな影響や相互関係を研究する学問。「民族動物学」と「民族植物学」から成る。

環境生物地理学 environmental biogeography (462) 

  生物と環境とのかかわりを生態学的に分類し体系化する「生物地理学」の一分野である。

生態地理学 ecogeography     (462)       

 主に生物の生態的な分布状況を地理学的に把握する研究。「気候地理学」「環境地理学」「群集地理学」などとも相関する。

個体群生物学 population biology (462.1)         

 特定の地理的領域あるいは時間を占有する生物群について研究する学問。「個体群生態学(population ecology)と双璧をなす地域生物集団の研究分野である。

細胞学 cytology                463 

〈細胞生物学〉とも。生物組織の根源である細胞の構造や生理現象について研究する学問である。

細胞生理学 cytophysiology      463 

 細胞の構造および機能について、その発生、分裂、免疫、発がんなど生物現象を解明する生物学の一分野である。

細胞工学 cellular engineering (463) 

 培養した細胞に種々の人工的操作を加え、細胞構造を解明したり、新種細胞を創り出す技術をいう。「バイオテクノロジー」の一環として注目されている。

染色体工学 chromosome engineering (463.4)         

 染色体すなわち動植物細胞の有糸分裂で生じる棒状の構造体を対象に、その構造や仕組などを研究する学問である。

核学 karyology             (463.4)

 生物の核構造の解明や、その分裂のメカニズムなどを研究する「細胞学」の一分科。

形態学 morphology            463.7

 生物の形状、構造、生態などから系統化分類までを扱う生物学の一分野。解剖学および記載発生学なども含まれるが、「生理学」とは対比の概念分野として扱われる。

基本形態学 promorphologie〔独〕 (463.7)        

  生物学において生物体の軸、極、相称性に応じた形態学的分類法の研究を指す。「系統学」樹立者であるドイツの博物学者エルンスト・ヘッケル(18341919)が提唱し命名した。

エルンスト・ヘッケル

比較形態学 comparative morphology (463.7)        

 異種生物間の相互比較により、生物としての構造の一般性や差異、あるいは進化過程を考究する学問である。

機能形態学 functional morphology (463.7)         

 生態に備わる特定の機能、たとえば飛びながら花蜜を吸うことのできるハチドリなどを力学的に究明する形態学の一分野である。

生理形態学 physiological morphology (463.7)  

 生物学のうち生理的機能とのかかわりを対象に研究する分野。解剖学、組織学、細胞学などの分野も組み込まれて成り立つ。

組織学 histology             463.7

 生物組織の発生、機能、構造、分化などを総括的に研究する「形態学」の一分科。

生理学 physiology            463.7

 生態に生じる各種の作用、生態に備わる機能の活性化などについて、要因論的に解明していく生物学の一分野。類型的に進歩してきた「形態学」とは対置概念にある。   

実験形態学 experimental morphology (463.7)        

〈発生機構学〉とも。実験的手段を用いて動物の形態発生にかかわる機構を解明する学問で、「形態学」の一分野である。

顕微解剖学 microscopic anatomy (463.7)        

〈顕微鏡的解剖学〉とも。生体器官を対象に微小な組織まで観察する学問。「組織学」とは縁辺関係にある。

 

構造生物学 structural biology (463.7)        

 細胞や組織の構造から生物の特性や生態などを解明する生物学の一分野である。

発生学 embryology           463.8

 生物の発生形態や現象について専門的に究明する生物学の一分野。研究手法や対象などに応じ実験発生学、比較発生学などに分かれる。

実験発生学 experimental embryology (463.8)         

 実験的手段を用いて動物の発生現象により生じる変化の内容を研究する学問である。

生化学的発生学 chemical embryology (463.8)         

〈化学的発生学〉とも。発生学のうち、生理的機能の発生変化などを対象とする研究分野を指す。

発生生物学 developmental biology (463.8)         

 生物発生の諸現象を生物学の他分野と共通レベルで比較し、成果を総合的に定性化する生物学の一分野である。

生態工学 bionics             463.9

 いわゆる「バイオニクス」で、1960年代以降の新しい学域である。人工の機械以上に優れた機能を発揮する生体の機能を工学的に実用化する複合技術領域。バイオセンサーやサイバネティックスなどの面に活用されている。

生体学 somatology          (463.9)

 人類中心に生体を解剖することなく、体表面から視察、触察し生体内外の形態はじめ構造、異常、特性などを明らかにする学問。人類学の一分科である。

生理科 physiological science (463.9)        

〈生理学〉の別称で、生命現象をより広義に把握し、生化学、形態学、薬理学などを含めた学域を構成したときの呼称である。

一般生理学 general physiology (463.9)        

〈基礎生理学〉とも。「生理科学」を狭義にとらえ、自然科学の一分野として生命現象一般を扱う場合に用いる用語である。

器官生理学 organic physiology (463.9)         

 人や動物の各器官の働きを生態や器官そのもので、ときには生態システムの一環として考察する学問である。

細菌生理学 bacillus physiology (463.9)         

 細菌など微生物の生理的機能を扱う「微生物学」の一分野である。

生化学 biochemistry           464

〈生物化学〉とも。生命体、生体中の生理現象などを科学的視野でとらえ、化学物質の反応や同定を究める学問である。

古生化学 pale biochemistry  (464.1)

〈古生物化学〉とも。古生物を対象に生化学的に未知部分を解明していく学問である。

陸上放射生態学 land radioecology (464.1)    

 陸上の放射性物質が人間や生物の生態環境に与える影響を研究する「放射生態学」の一分科である。

海洋放射生態学 ocean radioecology (464.1) 

  海洋の放射性物質が海洋生物や底質に与える影響を研究する「放射生態学」の一分科。

分子生物学 molecular biology 464.1

 生命現象、とくに核酸やタンパク質の分子の構造、生成ね変化などを分子レベルで研究する生物学の一分野。分子遺伝学、生化学、生物物理学などとは縁辺関係にある。

生体超分子複合体のモデル 大阪大学蛋白研究所超高分子構造解析研究室

放射線生物学 radiation biology 464.1         

 電離放射線が生物に与える影響、作用、効果などを明らかにする生物学の一分野である。

生物物理 biophysics        464.9

 生命現象や生理機能を中心に、それらを物理的に考察し研究する生物学の一分野である。

(ひかり)生物学 photobiology       464.9

 光と生物との相互作用、光と生体物質との発現機構などについて、それらの過程を把握するための生物学の一分野である。

微生物学 microbiology         465

 微生物を扱う研究学域の総称。対象に真核藻類、原生動物、真菌、原核生物、細菌、ウイルスなどがある。

原生生物学 protistology      (465)       

 すべての単細胞生物を一括した界を対象に扱う生物学の一分野。バクテリア藻類と菌類などがこれに相当する。

微生物遺伝学 microbial genetics (465.1)

 菌類、微細藻類、細菌、ウイルスなどの微生物を対象に、遺伝とのかかわりを研究する「遺伝学」の一分野である。 

空中生物学 aerobiology     (465.1)

 空気中に浮遊し生息する菌類胞子、花粉核、微生物、プランクトン等の生態や拡散状態を調べる学問である。

微生物生理 microbial physiology 465.3          

 微生物の生理現象を中心に、生物体に与える影響などを研究する「微生物学」の一分野。

ウイルス学 virology        (465.8)

 生物学ではウイルス、すなわち濾過性病原体生物としての機能等を研究する学問である。 別に医学においても「ウイルス学」がある。

「第6回国際ウイルス学会議」記念切手 日本郵便198491日発売

酪農細菌学 dairy bacteriology (465.8)       

 乳酸菌やプロピオン酸菌など、酪農に関与する有用細菌を研究する「微生物学」の一分野である。

遺伝学 genetics                467 

 遺伝の本態、あるいは遺伝子と形質との関係や変異など、遺伝現象を対象に研究する学問。下位に人類遺伝学、微生物遺伝学、集団遺伝学などの分野がある。

放射線遺伝学 radiation genetics (467.1)

 放射線の遺伝物質への作用、放射線感受を増進する遺伝因子などを研究する学問である。

発生遺伝学 developmental genetics (467.1)

 生物の遺伝子が発生を調節したり制御したりする作用を解明する生物学の一分科である。

統計遺伝学 statistical genetics    467.1    

 諸現象の解析に役立つ数理統計の基礎理論を適用し、その成果を遺伝現象の解明に応用する学問。「生物統計学」と重なり合う部分が大きい。   

理論遺伝学 theoretical genetics 467.1        

 実験データの結果を遺伝学に適用し、その理論体系を組み上げていく学問。「実験遺伝学」に対応する概念の言葉である。  

実験遺伝学 experimental genetics 467.2         

 研究手段に実験手法を中心に用いる遺伝学の一分野。「理論遺伝学」に対応する。

免疫生物学 immunobiology   (467.2)

 免疫現象を対象に生物学的研究を行う学問。医学における「血清学」から分岐した。

形質遺伝学 phenogenetics   (467.2)

 遺伝子と形質との対応関係を究明する学問。多くは個別の形質を定めている遺伝子、遺伝子群を対象に解明する。

人類遺伝学 human genetics   (467.2)

 人の生命現象や遺伝および変異を対象に、遺伝子や染色体などとの関連性を調べる学問である。

染色体高次構造によるCircros Diagram アメリカ人類遺伝学会、201010

集団遺伝学 population genetics (467.2) 

 生物集団の遺伝的構成の時系列変化を研究する学問。集団におけるDNAの塩基配列やタンパク質の一次構造の相違などが研究対象になる。

生化遺伝学 biochemical genetics (467.2) 

 生態の体温や食餌などの外因的変化が生化学的に見て科学反応過程でどう影響するかを解明する学問である。

分子遺伝学 molecular genetics 467.21        

 遺伝現象をもたらす基本的機構を分子レベルで研究する学問。遺伝子の実態がDNAであることの証明化などは、この分野での卑近な成果例である。

細胞遺伝学 cytogenesis     467.3       

 染色体の構造、分裂機構、核型など細胞学的な遺伝の仕組を研究する学問である。

突然変異遺伝学 mutation genetics (467.4)  

 遺伝子の突然変異現象を人為によって引き起こす目的の研究。現代では化学物質はじめ電離放射線あるいは染色体操作などを用いての誘発が中心である。

生物進化学 evolutionary biology (467.5)

進化生物学〉とも。生物の進化過程を系統的に研究する学問である。

生気象学 bioclimatology        468        

〈生気候学〉とも。大気の物理的、科学的環境条件が生体に及ぼす影響を研究する生物学の一分野である。

生態学 bio-ecology            468        

〈生物生態学〉とも。生物圏と環境との相互作用、すなわち生物の生活科学全般について系統的に研究を進める生物学の一分野。研究対象により「植物生態学」と「動物生態学」に二分される。

蛇と蛙と蛞蝓、相互食の図 絵師未詳、江戸時代 

生物経済学 bio-economics     (468)

〈生産生態学〉とも。生物生産すなわち水産、畜産などの生産物を扱う「生態学」の一分野である。

放射線生態学 radioecology   (468)

  放射線物質および放射線が生体に与える影響を研究する「生態学」の一分科。放射性降下物、放射性廃棄物、放射性同位元素の利用などが対象になる。

人類生態学 anthropological ecology (468)  

〈人間生態学〉とも。研究対象を人類に限定した「生態学」を指す。

人文生態学 human ecology     (468) 

〈文化生態学〉とも。人間の社会的、文化的活動に主眼を置き、そのなかでの人間行動を観察ならびに把握する学問である。

地域生態学 genecology        (468) 

 地球上の特定地域のみで特質を発揮する現象を解明する「人類生態学」である。諸文化的事象を背景に自然や人文の両科学による「複合生態学」といえる。

都市生態学 urban ecology     (468) 

 都市化された地域の住民や自然環境あるいは生物環境など非生産物自然系を一括し、その代謝活動など生態を研究する新しい学問である。時代に沿った史的考察も行う。

再刻 江戸名所之絵 鍬形恵斎画、刊年未詳 国立歴史民俗博物館蔵

景観生態学 Landschaftsokologie〔独〕 (468)

〈地域生態学〉のドイツおよび東ヨーロッパにおける呼称である。

人間生気象学 human biometrology (468)      

  人間生活に重点をおき、人体と気象との関連性を研究する学問。国際学会で定められた「生気象学」の一分科である。

個生態学 autecology’s     (468.1)

〈個体生態学〉〈各個生態学〉〈種生態学〉とも。固体生物とその環境との間の現象関係を扱う「生態学」の一分科である。

環境生物学 environmental biology (468.2)

 個体レベルを超える包括普遍性をベースに、生物と環境との関係を研究する生物学の一分野である。

行動生態学 behavioral ecology (468.3)

 生態学上の条件の適用(いわゆる生存価)を重視し、動物の行動等を分析する学問である。

社会生物学 sociobiology   (468.3)

 動物全般または各種動物について、科学的な自然淘汰理論を適用しつつその集団行動を解明する学問。1960年代以降に発達した「動物生態学」の新分野である。

生物社会学 biosociology   (468.4 )

 生物学的かつ社会学的な環境領域における生物集団間の相互影響を研究する学問である。

群集生態学 gynecology      (468.4)

 植物群落や動物集団など群としての生物を研究対象とする生物学の一分野である。「個体群生態学」に対応する概念の言葉である。

行動生態学 population ecology (468.4)

 特定の生物種について、通有の生活法則を数量的にとらえてその実態を研究する「生態学」の一分野である。

花暦学 phenology             468.5

〈生物季節学〉あるいは「フェノロジー」とも。気候や気象の変動を時系列的に捕らえ、自然界における他の現象と結び付けて互いのかかわりを研究する。たとえばソメイヨシノなどの開花を告げる「桜カレンダー」など、歳時研究分野も含まれる。

江戸遊覧花暦  岡山鳥著、長谷川雪旦画、天保1837年刊

海洋生物学 marine biology    468.8        

 海に生活する生物ならびに、その関与諸事象について研究する生物学または「海洋学」の一分科。魚類、海藻類、海獣、海鳥などのほか、プランクトンや微生物等も対象になる。

人類学 anthropology            469         

 人類について、その発生と進歩、形質、社会、文化など広域にわたり、さまざまな視点から総合的かつ実証的に実態を研究する学問。研究対象やアプローチ目標に応じて形質人類学、文化人類学、社会人類学などに分かれる。

自然人類学 physical anthropology 469        

 人によっては〈形質人類学〉と同じ扱いをすることもある。人間の生物学的な側面を明らかにする目的の「人類学」の一分野。「文化人類学」に対応する概念の言葉である。

人間行動学 human behaviorism (469)

「動物行動学」を起点に、研究対象を動物から人間へと転じ人間行動を考究する生物学の一分野。「霊長類社会学」との関連性が深い。

法人類学 anthropology of law (469)

 人類学的手法を用いての法の研究を指す。

「法文化」(legal culture)としての法に関する意識、態度、評価などが個人の実生活面での対象になる。

認識人類学 cognitive anthropology (469.1)

 一民族がもつ分類学上の特徴に焦点を当て、その行動や事象に対し解釈および評価を下し本質を明らかにする学問。「文化人類学」の新潮流で、1950年代にアメリカで発祥した。 

生態人類学 ecological anthropology (469.1)

 文明や文化発達の本質を自然環境との適応もしくは関連性に求めて究明する「人類学」の一分野である。

経済人類学 economic anthropology (469.1)

 人間活動を文化や社会における経済活動あるいは経済的機能に重点をおいて研究する「人類学」の一分野である。

応用人類学 applied anthropology (469.1)

 人類学全般で獲得した理論的成果を、さらに実際の社会問題等に応用し役立てる「人類学」の一分野である。

都市人類学 urban anthropology (469.1)

 都市社会に住む人たちを対象に、その住民特性すなわち社会相互関係、文化、環境適応性などの面で明らかにする「人類学」の一分野である。

補装具工学 engineering of artificial limbs (469.18)

 電動車椅子や動力義肢など補装具を研究する「人間工学」の一分野である。

先史人類学 prehistoric anthropology (469.2)

 人類学のうち、先史時代に範囲を絞り、考古学的手法を取り入れながら研究する「人類学」の一分野である。

古人類学 paleoanthropology (469.2)

 化石人類について研究する「人類学」の一分野である。

化石人類アウストラロピテクス・セディバ 南アフリカ、マラバ洞窟で発見 200万年前の人類の祖先と目され、体高1.2m、二足歩行可能と見られている。

形態人類学 morphological anthropology 469.4        

 人類を生物形態として解剖学的に研究する「形態学」の一分科である。

形質人類学 physical anthropology 469.4        

〈自然人類学〉とも。人類の動物として面を生物学的にとらえてその形質に迫る狭義の「人類学」。生態、進化、変異などが研究対象になる。

体質人類学 constitutional anthropology 469.4        

 人の遺伝的素因と環境要因との相互作用で形成される、個々人の総合的な形質を扱う「人類学」の一分野である。

構造人類学 structural anthropology (469.4)

 骨格など人の構造面に焦点を当てて本態を究明する「人類学」の一分野。「形態人類学」と重なり合う部分が少なくない。

頭蓋(とうがい) craniology           469.45         

 人の遺骨の頭蓋部、すなわち頭の複数の骨を一括して生体復元の研究対象にする学問。20世紀に入ってから考古学分野を中心に急速に発展している。

頭蓋(とうがい)測定学 craniometry      469.45         

〈頭蓋計測学〉とも。遺骨の頭蓋を測定した結果の諸数値で生体時の頭部を正確に復元する技術をいう。

人体測定学 thropometry      469.45         

〈人体計測学〉とも。人体の測定点をもとに、生体計測あるいは骨格計測により人体の形態的異変を調べる学問である。

人種学 ethnology             469.6          

 世界の人類(諸民族) を身体的かつ遺伝学的に形質特徴を把握し、その共通性などから単位集団に分類する学問である。

人種分類学 classification of ethnology 469.6                     

 人種を血液型など生理学的遺伝標識をもとに、統計手法により人種の集団間差異を区分する学問である。「人種学」と重複する面が少なくない。

人種心理学 ethnic psychology (469.6)

 人種ごとの風土や生活環境により形成される、通有性の高い心理学的特性を考究する学問である。卑近な例では、植民地政策や異民族制圧も、民族の優劣を基準にした人種心理の結果である。

人種生物学 ethno biology   (469.6)

 人種の体系、体質や諸形質を手がかりに、その民族特有の生物学的な特性を考究する学問である。

人種起源学 ethnogeny       (469.6)

 ヒトとしての人種の起源や発生を考古学的に考証する学問である。

 

7 植物

植物学 botany                 470

〈植学〉とも。植物を研究対象とする生物学の一系統。分類学、生態学、発生学、生理学、遺伝学、バイオテクノロジーなど、広汎な学域を形成している。

植物科学 plant science        470

「植物学」を縁辺学域まで包括して用いる用語である。

実験植物学 experimental botany 470.75

 さまざまな実験手法を駆使して植物の生態を研究する「植物学」の一分野である。

植物形態学 plant morphology  471.1

 植物の全体と各部の外観、あるいは内部構造を明らかにしたうえで、植物相互に見られる規則性や法則性を研究する「植物学」の一分野である。

野生型シロイヌナズナの植物形態ダイナミックス 奈良先端化学技術大学院大学NAIST案内サイトより

植物組織学 plant histology   471.1

植物解剖学〉とも。多細胞植物を構成する細胞単位ごとに、その形状はじめ種類や配列状態を調べ、植物の内部構造、組織を研究する「植物学」の一分野である。

植物細胞学 plant cytology  (471.1)

 植物の単細胞系または複細胞系ごとに、その細胞の仕組みを研究する生物学の一分野である。

果実学 carpology           (471.1)

〈果実分類学〉とも。果実およびその種子や子房の形態等を観察し系統ごとに分類する学問である。

植物発生学 plant embryology  471.2

 植物体を構成する細胞についてその機構上の特質を見極め、発生系統を特定して独自の生命体に位置づける理論分野。ドイツの植物学者マルティアス・シュライデン(18041881)が著『科学的植物学概要』において発表した。

植物生理学 plant physiology  471.3 

 植物の発芽や開花、あるいは枯死といった生理的現象の過程を研究する「植物学」の一分野である。

時間生物学 chronobiology   (471.3)

 周期的に変化する生物現象を研究する学問で、その実態は時間の関数すなわち「生物時計」として表現される。

 いわゆる「クロノバイオロジー」といわれ、「臨床医学」や農畜産業などに応用されている。

植物化学 plant chemistry    471.4 

 植物やその生成物あるいは植物体内に生じる化学反応などの現象、過程について研究する学問である。

植物生化学 plant biochemistry  471.4

 植物の生命現象を生化学的手法をもって解明する学問である。

植物生態学 plant ecology     471.7

 植物と生育環境との関係、あるいはそれに影響される生態について研究する生物学の一分野である。

水生生物学 hydrobiology    (471.7)

  形態的、生理的に水中あるいは湿地環境で生育する動植物を研究する学問。「水生植物学」と「水生動物学」に二大別される。

地質植物学  phytopaleontology (471.71)

 シダ類など地質学的環境下で生育する種を扱う「植物学」の一分野である。

個生態学 autecology’s      471.71 

〈種生態学〉とも。固体あるいは種と環境との関連性について研究する「生態学」の一分野「群生態学」とは対立概念の語。なお「動物学」についても〈個生態学〉の用語がある。

群生態学 synecology         471.71

群集生態学〉とも。植物群を対象に、環境と集団共生とのかかわりを研究する「植物学」の一分科。「個生態学」とは対立概念の語である。なお動物についても〈群生態学〉の用語がある。

植物社会学 phytosociology (471.71)

 植物群集を生物社会圏の視点でとらえ、その生育に影響するあらゆる事象を研究する学問。生物学の広い学域と関連をもつ。

植物分類学 systematic botany 471.8

 植物にかかわる分類学で、植物学の基幹をなす。植物学あるいは分類学において最も古くに成立した学問で、「植物学」各分野との相互関係も深い。

植物分類(イメージ図)  米国へ桜寄贈100周年記念切手シート 20126月日本郵便発売

植物学 applied botany    471.9 

〈応用植物社会学〉とも。ある植物から特徴を引き出し、その知識や原理を他の植物の生育などに応用する目的の学問。

都市緑化や造園事業などで、有用植物や帰化植物などの淘汰にかかわる研究が脚光を浴びている。

植物地理学  geographical botany (472.1)

〈植物区系学〉とも。植物の生育分布などの現象を研究する「植物学」の一分野。植物区系の区分、分布状況と環境との関係などを地誌的かつ生態的に分析して植物相の研究に役立てる。

植物記載学  descriptive botany (472.8)

 新種植物の学名を発表する際、「植物分類学」で定められた記述法に従って記載する必要があり、その系統的な方法論等を研究する学問を〈植物記載学〉という。

藻類学 phycology             (474)

 水中に生育する原生植物を扱う「植物学」の一分野である。

菌学 mycology                474.7

 菌類に関し研究する「植物学」の一分野である。

地衣類学 lichen logy         474.9 

〈地表植物学〉とも。地表で共生生活をする植物(菌類・藻類など)に関し研究する「植物学むの一分野である。

蘚苔学 bryology              475.1 

〈蘚苔植物学〉〈コケ学〉あるいは〈コケ植物学〉とも。隠花植物の一つである蘚苔植物全般について件究する「植物学」の一分野である。

シダ学 pteridology         (476.1)

〈羊歯類学〉とも。トクサやウラジロなどに代表される羊歯類植物を研究する「植物学」の一分野である。

(はな)生物学 floral biology    (476.1)

 昆虫等の媒介により花粉が移り受粉が行われるなど、被子植物の花と昆虫とのかかわりを研究する「植物学」の一分野である。フィールドワークが中心になる。

 

 動物

動物学 zoology                 480

 単に〈動学〉とも。動物を扱う生物学の一系統で、研究分野の対象により動物分類学、動物形態学、動物生態学、動物生理学などに分かれる。さらにその動物の発生、形態、生体、生理、遺伝、進化といった専門分野がある。

実験動物学 experimental zoology 

480.75                

 医学、薬学、生物学などに役立てるための実験動物について研究、検定する学問である。 たとえばマウス、ラット、モルモット、ハムスター、イヌ、サル、野鳥などが実験に用いられる。

『実験動物の管理と使用に関する指針』第8 日本実験動物学会(翻訳)

動物形態学 animal morphology 481.1                  

 動物の外観等を比較し、それらの差異や特徴などを調べ記述する学問である。

動物解剖学 zootomy           481.1

 病理学的目的により動物の生体解剖を行い実験成果を評価する「動物学」の一分科。「動物生理学」と隣接関係にある。

比較解剖学 comparative anatomy 481.1  

 さまざまな動物の諸器官の形態や生理的機能などを比較し、その分化、異変、進化等について研究する「形態学」の一分科である。

動物組織学 animal histrogy   481.1

 後世代動物の体内組織を遺伝学的に研究する「動物学」の一分科。「動物細胞学」と隣接関係にある。

動物細胞学 animal cytology   481.1

 後生動物の細胞を研究対象とする「動物学むの一分科。「動物組織学」と隣接関係にある。

動物力学 zoo dynamics       (481.1)      

〈動物生理学〉の旧称で、英名も異なる。

動物化学 animal chemistry    481.1

 生活環境化における動物生態の生物学的変化や影響を受ける化学作用などを究明する 「動物学」の一分科である。

動物生態学 zoo-ecology       481.1

 動物と生活環境との間に横たわる諸現象を対象にその解明を研究する「動物学」の一分野である。              

動物構造学 zoo physics     (481.1)      

 たとえば象の耳はなぜ大きいか? 鼻はなぜ長いか? というような動物体の構造上の特徴成因を解明する「動物学」の一分科。

動物測定学 zootomy        (481.1)      

 各種動物の平均的サイズ、幼体もしくは成体の大きさ、固体サイズ間の差異などを数理統計学的に計測し定量的規範を研究する学問。

体型学 somatotypology       481.19

 動物生態の外形的特徴から分類学上の結論を引き出す研究を行う学問。「動物形態学」と重なり合う部分が大きい。

動物発生学 animal embryology 481.2  

 動物の固体発生時に生じるプロトタイプについて研究する「形態学」の一分科である。

比較発生学 comparative embryology  481.2

 異種動物間における個体発生を比較研究し、相互間の異同を系統的に考察する「発生学」の一分野である。

動物生理学 animal physiology 481.3  

 動物生体の作用や機能について研究する「動物学」の一分野。「動物解剖学」と隣接関係にある。

比較生理学 comparative physiology 481.3

 各種動物の生理現象を比較検討したうえで、その共通した法則や進化過程などを研究する「生理学」の一分野である。

行動生物学 ethnology       (481.7)      

 動物の行動に適応する諸条件を分析し研究する学問。目的は各種行動の生存価を評価することにある。動物に限らず植物の繁殖計画などにも応用される。

動物社会学  animal sociology (481.71)

 動物の個体群を個体同士の相互関係に視点をおいて観察する場合、その対象となる群を「動物社会」という。これを生態学的にとらえて研究する学問を〈動物社会学〉という。

動物行動学 ethnology        481.78

〈行動生体学〉〈比較行動学〉〈習性学〉あるいは〈行動学〉ともいう。人を含めすべての動物の個体あるいは集団での行動を発生学的に適応形態としてとらえ、その行動の意味や役割などを研究する生物学の一分野である。  

動物心理学 animal psychology 481.78         

 人間以外の高等動物(霊長類が中心)の行動について、その本能、記憶、認識、学習能力などを研究する「心理学」の一分野である。

動物分類学 zootoxin        (481.8)      

 生物分類学にのっとった動物の分類法を研究する「動物学」の一分野である。 

動物奇形学 animal teratology 481.8  

 動物に生じる奇形について、その形態、原因、生理学的影響などを考察する「動物学」の一分科である。

ゲスナー『動物誌』うち「四足獣」扉 スイスの動物学者・書誌学者のコンラッド=ゲスナー(151665)が著した『動物誌』は博物学の名書との評価も得た。

応用動物学 applied zoology   481.9

 動物の異種同士、あるいは他の生物や生態系との間のさまざまな現象や課題を解決するための「動物学」の一分野である。      

動物地理学 zoogeography        482

 地球上の動物の地理的分布状態を調べる学問。一定の空間および時間内において動物がどのように分布しているか、両視点から記述が行われる。

貝類学 Concho logy             484

 貝類を対象に、その種類や生態などを研究する生物学の一分野である。

貝原益軒写生の貝類 『大和本草諸品図』宝永6(1709)年刊より。同書は全16巻に及ぶ日本博物学の古典大書である。

甲殻類学 crustaceology     (485.3)      

 エビ、カニ、シャコなど節足動物を対象に、その種類や生態などを研究する生物学の一分野である。

昆虫学 entomology              486

 昆虫を対象に、その種類や生態などを研究する生物学の一分野である。

昆虫生理学  insect physiology (486.1)

 昆虫の組織や器官などの機能や性質を研究する「昆虫学」の一分科である。

昆虫解剖学  entomotomy      (486.1)

 昆虫の構造や生態を調べる目的で生体を解剖し、その実体を明らかにする「昆虫学」の一分科である。

害虫学  pesto logy           (486.1)

 人間や動物に有害な昆虫について研究する「昆虫学」の一分野である。

鱗翅類学  lepidopterology   (486.1)

 節足動物門昆虫類の一目で、チョウ・ガの類を対象に研究する「昆虫学」の一分科である。

クモ学  archeology        (485.73)

 節足動物門蛛形類のクモ、サソリ、ダニなどの類を研究する生物学の一分科である。

化学生態  chemical ecology (487.51)

 情報を伝える役割をなす信号化学物質、たとえばフェロモンなどが媒介する生物間の相互作用等を研究する「生態学」の一分科である。

両生類学  amphibiology      (487.8)

 爬虫類と魚類との中間に位置づけられる動物群、すなわち両生類を対象に研究する「動物学」の一分科である。

爬虫類学  herpetology       (487.9)

 カメ、トカゲ、ヘビ、ワニなどいわゆる爬虫類および両生類を対象に研究する「動物学」の一分科である。

ヘビ学  ophiology          (487.94)

 ヘビを対象に、その分類や生態を研究する「爬虫類学むの一分科である。

 

パラグラフ蛇 「こいつらは法外な繁殖力で、ヘビのごとく狡猾にして有毒、しなやかで滑らか。この種のヘビはアメリカのガラガラ蛇よりずっと危険だから、撲滅すべきだ」官僚主義に対するカリカチュア。『オイレンシュピーゲル』より。1848年。フックス編『ヨーロッパ諸民族のカリカチュア』所収画526

鳥類学  ornithology        (488.1)

〈鳥学〉とも。いわゆる鳥の類を対象に、その分類や生態を研究する「動物学」の一分野である。

貝原益軒が写生したミミズク(オオコノハズク) 貝原益軒著『大和本草諸品図』宝永6(1709)年刊より。

鳥卵学  oology             (488.1)

 鳥類の卵を専門的に研究する「動物学」の一分野で、「鳥類学」とは隣接関係にある。

霊長類学  primatology      (487.94)

 ヒトとサルに代表される霊長類()を対象に、その生体や生物学上の特徴などを研究する生物学の一分野である。