49 医学.  薬学

 

人体解剖切開の公開 人体内部を知ること、すなわち医学の第一歩である。犬が何頭か見え、遺体の最終処理を引き受けたことを暗示する解剖美術。1543年、Andreas VesaliusDe humani corporis fabricaBasleの口絵。

 

医学 medical science           490

  古くは「医術」ともいった。

 人間の病気やけがを治す学問の総称。傷病の診断や治療を目的に、症状や疾病原因を究明し治療や予防に結びつける。専門諸科があり、近年以降は先進科学を駆使して進歩がいちじるしい。この学域の「学」名がおびただしく多いことからもわかるように、構成体系はきわめて複雑かつ広範囲にわたり、「細菌学」「遺伝学」あるいは「宇宙医学」といった分野にも研究対象が広がっている。

医学哲学 medical philosophy  490.1

 医学に対し哲学面からアプローチする考究をいう。たとえば生命倫理、生殖医療、臓器移植、脳死判定、安楽死倫理、人体実験、ターミナルケアなど、医学分野に発生している諸問題に形而上学的観点から見た解決を図る。

重症管理医学 critical care medicine (490.1)

 たとえば植物人間状態にある患者や末期がん患者など重症者を対象に、医療倫理や生命ケア等に照らし合わせて最善の方法を考究する学問である。

医療情報学 medical informatics (490.1)

  医療上の知識や患者罹病に関する資料など、情報の流れを効率化して医療成果の向上に結びつける医学の一分野。最近話題の「インフォームド・コンセント」もこれの一つである。

 

計量医学 medico metrics    (490.1)

 医療実践における意思決定の倫理を客観的に分析し、計量学的に統合する目的の医学の一分野。専門医の診療データ等がコンピュータ上にプログラム化され役立っている。

医学地理学 medical geography (490.1)

〈地理医学〉〈疾病地理学〉とも。農村など地域社会において、環境や立地条件の相違により集団的特質として現れる疾病や死亡現象について研究する学問である。

クルーゼンシュルテン『世界周航図録』より I.クルーゼンシュルテン(17701846)はロシアの提督で科学者。第1回世界周航調査隊長として、1862年に紀行ならびに図録を刊行。図はそのうちの1点。

全体医学 holistic medicine  (490.1)

〈ホリスティック医学〉〈心身医学〉とも。

 内科学、外科学をはじめ精神医学、あるいは臨床医学全体にわたり、心と身体とを一体不可分のものとする観点で考究する医学思想をいう。

コスモポリタン医学 cosmopolitan medicine  (490.1)

 西洋医学のうち、古代から伝統的に引き継がれてきた国際汎用性の高い医学分野をいう。

東洋医学 oriental medicine   490.1

 東洋で発達した医学の総称。中でも中国の漢方を中心とする伝統医学がこれの代表的存在である。

医学的心理学 medical psychology (490.145)

 臨床医学分野で、罹患者の立場に立った心身状態を理解するための心理学。行動科学、精神分析学、条件反射学などの縁辺分野も必要になる。

宮廷医学 court medicine     (490.2)

 古代の都市国家や王国などで支配者階級の医療要求に応じ発達した医学。メソポタミア王国などでは敬神教とも結びついて、病名を神名に置き換えるなど神秘主義のもとに発達した。

僧院医学 monastery medicine (490.2)   

 中世ヨーロッパで僧院において発達した医学。キリスト教の聖職者等は修道院内に医療施設を持ち、そこで民衆をも含め自他ともども医療行為に当った。

李朱(りしゆ)医学          (490.2)   

  中国明代に発達した医食同源思想に根ざす医学の総称。日本では室町時代に、渡明して修行した曲直瀬(まなせ)道三(15071594)や永田徳本(16世紀頃の人)ら本草学者を輩出した。

(れい)医学           (490.2)   

  かつての中国(明・清時代)に鈴を鳴らしながら巡回治療を行った医療行為を指す。いわゆる大道医者の通称でもあった。

仏教医学          (490.2)   

 仏典中に見える医事に関する所見の記述に対する便宜上の呼称である。

医学           (490.2)   

〈蘭医学〉南蛮医学〉とも。1617世紀にオランダ等から渡来のイエズス会宣教師らによって実施された「救民外科医学」をさす。江戸幕府による禁教に伴う没落後も、長崎あたりで総じて〈オランダ外科学〉として伝承された。

アラビア医学 Arabic medicine  490.228

  中世イスラム世界で実践された医学。コーラン関係の思想を背景に、ムハマンド(預言者)医術が軸になって発展した。

 細く短い脚の門番ルマ エジプトの医術を描いた墓碑で石灰岩のレリーフ。第18王朝(1500年頃)のもの、コペンハーゲンのニイ=カールスベルグ博物館蔵。(490.3)

インド医学 court medicine  (490.25)

 インダス文明時代からインドで発達してきた医学を指す。かつて呪術の一環であった医学は、独立体系として長い歴程をたどり、ヒンディ古典書などを通してしだいに体系化され今日に伝えられている。

漢方医学  traditional Chinese medicine  490.9

 単に「漢方」とも。中国から伝来した医学のわが国での呼称。薬物療法、触診、鍼灸など各種手法が組み合わせられなっているのが特徴である。「東洋医学」と重複する面が少なくない。

中国医学 Chinese medicine    490.9 

 中国で古くから発達してきた医学。漢代にはすでに体系化され、臨床医学、治療医学ともにめざましい改良と進歩が見られる。

金元医学             490.9

 中国の金・元両王朝時代(11151367)に発達した医学。旧来、『素問』に代表される「理論医学」と、『傷害論』に代表される「臨床医学」とを融和させた実績を残す。

皇漢医学             490.9

 中国から移入しわが国で独自の進歩を遂げた漢方医学をさす。古方学派、後世学派などに分派した。 

基礎医学 basic medical science 491 

 医学の専門各科のなかで、患者の診療に直接かかわらない分野の総称。これには解剖学、生理学、生化学、病理学、免疫学、法医学、衛生学など多方面の分野が当てはまる。

解剖学 anatomy               491.1 

 ヒトを含め生物の生態の構造や機構等を細部にわたって調べる学問で、医学および生物学の基幹分野をなす。

人体解剖学 human anatomy     491.1 

「解剖学」のうち研究対象を人体に限った分野をいう。

骨格図集『ファブリカ』挿画 近世解剖学を発達させる端緒となったアンドレア=ヴェサリウスの医学書(1543年刊)の挿絵で、ヤン=カルカルが描く。

系統解剖学 systemic anatomy  491.1 

〈記載解剖学〉〈正常解剖学〉とも。人体を骨学、筋学、内臓学、循環器学、神経学などに分け、その構造を系統的に整理し記載する「解剖学」の一分科である。

肉眼解剖学 gross anatomy    (491.1) 

 解剖手段を医師の肉眼によって行う解剖学の一分野。あるいは解体した臓器の肉眼視を通した展開法を指すこともある。「系統解剖学」と重なり合う部分が大きい。

組織学 histology            491.11  

 生物の組織について、その構成、発生、分化、機能などにわたり研究する「形態学」の一分野である。

細胞学 cytology             491.11  

〈細胞生物学〉とも。生物を組成する細胞の構造や生理などを研究する生物学もしくは医学の一分野である。

細胞病理学 cytopathology   (491.1) 

 細胞の異変に起因して病気が発生するという古典的な主張(P.Virchow,1855)を踏襲する「病理学」の一分派の研究実績をいう。

心臓学 cardiology        (491.123) 

〈心臓病学〉とも。心臓の機能障害に関する研究を専門とする医学の一分野である。

内臓学 splanchnology       491.14 

 人体の内臓を扱う医学の一分野。内臓とは、現代の解剖学で循環器、消化器、呼吸器、泌尿生殖器、内分泌器をいう。

歯牙学 deontology        (491.143) 

〈歯科医学〉とも。歯科に関する医術の総称。この〈歯牙学〉は明治語で、「人体医学」の場合は今では使わない。

咽頭科学 pharyngology    (491.144) 

 いわゆるのど、すなわち口腔と食道との間の器官を対象とした医学的研究をいう。

胃腸病学 gastroenterology (491.145)       

 胃や腸に関する病気を扱う医学の一分科である。

胃学 gastro logy          (491.145)      

〈胃病学〉とも。胃に関する病気すなわち胃下垂、胃潰瘍、胃拡張、胃酸過多症などの病態を研究する医学の一分科である。

泌尿器学 urology      (491.153)

泌尿器の障害や疾病をを専門的に扱う分野である。

灼熱の鉄具を用いた水瘤の治療 1160年オコルドバの外科医アブルカシムを描いた図(本図は位置関係の都合で左90度転回で掲出)。これを1466年頃、オスマン=トルコで「征服者マホメッドのための写本」として羊皮紙に彩色し複製。「水瘤」とは一般的に睾丸肥大症といわれている障害である。

子宮学 hysterology      (491.155)      

 子宮を対象とした「生理学」ならびに医学の一分科である。

骨学 osteology            491.16   

 脊椎動物の骨ならびに骨格の形状、発生、機能などを研究する「解剖学」の一分野。

局所解剖学 topography       491.17    

 人体の各器官および器官同士の相互関係について研究する「解剖学」の一分野である。

免疫病理学 immunopathology (491.6)      

免疫学〉とも。免疫の仕組と応用を研究する医学の一分野。ジェンナーの種痘研究で一躍有名になった。

組織神経学 histoneurology  (491.6)      

 生物の組織神経について顕微鏡レベルで研究する「組織学」の一分野である。

筋学 mycology             491.169    

 人体の筋肉障害を専門に扱う「解剖学」の一分科である。

神経学 neurology        491.17    

〈神経病学〉〈神経内科学〉とも。正常時ならびに疾患時の神経系を扱う医学の一分野である。

神経組織学 neurophysiology (491.17)      

 神経系の組織を研究する医学の一分科である。「組織神経学」と重複する面が少なくない。

神経解剖学 neuroanatomy   (491.17)      

 神経系の解剖に関する研究を行う「神経学」の一分科である。

奇形学 teratology           491.17    

 先天的かつ永続的な奇形ならびに先天性異状を専門に扱う医学の一分野である。

実見の奇形 1819世紀初頭に活躍のフランスの医師、博物学者らが観察した奇形をN.ルニョーらが図録したうちの1点。1808年、モロー著『人間と動物の奇形原論』より。

体型学 smatotypology        491.19    

 人類学応用のもとに体型を調べ、形態学的形質ならびに生理的機能あるいは精神行動それぞれの相互関係を究める学問である。

人体発生学 human embryology  491.2     

〈胎生学〉とも。ヒトが個体発生するさいの形態形成を研究する学問で、「発生学」の一分科である。

人体生理学 human physiology 491.3  

 人体対象では単に〈生理学〉とも。人体諸器官の正常な機能に関する研究を行う「生理学」の一分野である。

臨床生理学 medical physiology (491.3)

 患者の生理状態について実際的な観察と治療を行う「生理学」の一分野である。

医用生体工学 biomedical engineering (491.3)

 人体構造ならびに人体の運動系における力学的法則を医学的に応用する学問である。

進化生態学 behavioral ecology (491.3)

〈行動生態学〉とも。集団や種の間における動物行動の相違を進化論的に究明する「生態学」の一分野である。

生態系生態学 ecosystematic ecology (491.3)

 生物生態系の構造や機能を研究する「生態学」の一分野である。

体表解剖学 surface anatomy (491.3)

 生体体表部の形や大きさを数量的に計測する「生体学」の一分野である。

生体情報科学 physical information science (491.3)

 人間の脳機能について生理学的に解明する学問。近年、神経回路をめぐる遺伝情報の仕組が脚光を浴びている。

尿検体から得られた生体情報の例 東北大学大学院情報科学研究科

細胞生理学 cytophysiology   491.31    

 人体細胞の機能について、個々の細胞を試料に差異評価などを研究する「生理学」の一分野である。

組織生理学 histophysiologies 491.31

 人体の組織と細胞の顕微構造と機能とを関連づけて解明する「生理学」の一分野である。

電気生理学 electrophysiology 491.317        

 広く電気的現象に関係する人体生理をさし、なかでも健康な人体への電気的反応が及ぼす生理的現象を観察する。

体液病理学 humoral pathology (491.32)

 体液が作用する生理現象や疾患について研究する「病理学」の一分野。ちなみに現代にいうリウマチは、紀元前よりラテン語ロイマチスから伝わったものである。

血液学 hematology          491.321    

〈血液化学〉とも。人体の形態と関連する血液形成組織を扱う医学の一分野である。

血液力学 hem dynamics    (491.321)      

〈血行力学〉とも。人体中の血液循環がもたらす血行状態や体内での影響(血圧、血流など) を調べる医学の一分野である。

動脈学 arteriology       (491.324)      

 動脈に関するあらゆる知識の活用法を研究する学問である。

               (491.326)      

「中国伝統医学」の一分野で、脈拍の性情により病状の判定と治療を目的とする。

呼吸学 pneumatology     (491.331)      

〈呼気学〉とも。人が呼吸するときのガス、あるいはその治療上の対症法などを化学的に調べる医学の一分野で、ほとんど死語化している。

呼吸力学 respirometry     491.333      

〈呼吸測定学〉とも。人が呼吸するときの力学的現象、とくに呼吸運動を測定、分析、記録する医学の一分野である。

器官学 organ logy        (491.336)      

〈臓器学〉とも。人体の諸器官構造ならびに諸器官相互の作用等を研究する学問の総称で、「形態学」の一分科である。

栄養学 nutrition           491.34      

 栄養についての諸問題を扱う学問。栄養素を中心に、食品の種類ごとに組成、調理法、病食などの課題を究明する。

泌尿器学 urology         (491.348)      

 腎臓や膀胱などの泌尿器および生殖器などの機能保持法や治療法に関する「臨床医学」の一分野である。 

性学 sexology               491.35     

〈性科学〉とも。人間の性に関するさまざまな事象を医学的かつ心理学的に考究する学問。「性学史」のような分野もこれに入る。

結婚医学 conjugal medicine  491.354      

 主に新婚夫婦を対象に、性生活の正しいあり方や受胎、避妊などの指導法等を研究する生理学の一分野である。

周産期医学 perinatology  (491.354)      

〈周産期学〉とも。妊娠28週目から出産後7日目までの間、母子に対して行う医学的、予防的ケアの実務を研究する医学である。

老年学 gerontology       (491.358)      

〈老人医学〉とも。高齢者を対象とした医学や保健の総称。高齢期に生じやすい病態について基礎的研究ならびに診断、治療にかかわる。「老人心理学」の一部が組み込まれることもある。

死生学 thanatology       (491.358)      

 人間の死と遺体に影響する諸作用や現象についての法医学的研究である。

筋化学 mycology            491.363      

〈筋学〉とも。人体の筋と肉とに関連した化学的研究で、解剖学の一分科である。

関節学 arthrology        (491.366)      

 人体の関節を扱う学問の総称で、「解剖学」の一分科である。

運動生理学 exercise physiology 491.367

  運動中の身体諸機能の変化などを生理学的に考究する学問である。

運動治療学 therapeutic exercise (491.367)

  運動中に生じる内科的障害や骨折など身体異変に対して治療法を研究する学問である。

 実験音声学 experimental phonetics (491.368)

 人間の発声器官に関し、言語の構成要素である音声を対象に実験的手法を研究する学問である。

音響音声学 acoustic phonetics (491.368)

〈声紋学〉とも。発声したときの音響と聴取したときの評価等を研究する学問である。

音声生理学 speech physiology (491.368)             

 音声の機能や特徴などを生理学的にとらえて研究する「音声医学」の一分科である。

神経生理学 neurophysiology  491.37      

 人体の神経系統全般について研究する「生理学」の一分科である。

神経化学 neurochemistry     491.37      

 神経系に生じる化学作用等を研究する「神経学」の一分野である。

感覚生理学 physiology of senses (491.37)

 皮膚などの感覚器(受容器)の刺激や興奮などを研究する「生理学」の一分科である。

統計神経病理学 statistic neuropathology (491.37)

 神経細胞モデルを用い、それらの多くがランダムに結合した神経回路を結成する現象を定量的にとらえる「神経生理学」の一分野。

心理学的生理学 psychological physiology 491.371

 人間の心理作用が生理面に及ぼす影響、たとえば興奮のあまり手が震える、といった現象を研究する生理学の一分野である。

脳科学 brain science      (491.371)      

 人間の脳について構造、機能、生理、病変など多角的に考究する科学である。

大脳病理学 Gehirnpathologie〔独〕 (491.371)

  人間の精神活動と脳の構造および機能との関係を研究する学問で、なかでも失語や失行など脳障害を重視する。ドイツで発達しつつ世界に広がった。

大脳生理学 brain physiology (491.371)

 人間の精神活動や生理作用に伴い変化する大脳の仕組を解明する「生理学」の一分科である。

大脳生理学を使った整体 岡崎市「整体ラプソディー」院長日記ブログより   

生理光学 physiological optics 491.374        

 生理的乱視などの例に見るように、生理作用が眼機能に与える影響を研究する眼科学の一分野である。

聴力学 audio logy         (491.375)      

 耳による知覚の鋭さの程度などを研究する学問である。    

医化学 medical chemistry   491.374     

 科学的アプローチにより生体と生活現象とのかかわりを考究する「基礎医学」の一分野。診断、治療、栄養などの面で成果を挙げている「生化学」と重複する面が少なくない。

ミュリウス『医化学原論』表紙 ヨーハン=ミュリウス著、1618年刊。

生化学 biochemistry          491.4     

 生命維持過程における諸化学的現象を対象に、生物体(医学では人体)の構造や化学反応についての知見を集積する学問である。

生理化学 physiological chemistry 491.4               

 生体が産生する物質を消化、循環、呼吸、分泌、生殖、感覚など諸機能との関連性をもって考究する学問である。

組織化学 histochemistry     491.4     

 人体組織等に生じる化学反応を顕微鏡レベルで研究する「生理学」または「生化学」の一分野である。

細胞化学 cytochemistry      491.4     

 細胞内の化合物と生細胞の活動とを相互関係に位置づけながら、化学的に研究する学問である。

生物物理化学 biophysical chemistry 491.41               

 生物学上の諸現象および諸問題に物理学ならびに化学の方法論や理論を応用し本質を解明する科学(ここでは医学)の一分野である。

代謝化学 metabolic chemistry 491.47         

 生物の構成成分に生じる化学的、物理的変化「代謝」を対象に研究する生化学の一分野。

臨床生化学 clinical biochemistry 491.49               

〈臨床化学〉とも。 生物の個体に発生する適応上の諸問題を臨床医学的知見によって解決を図る「生化学」の一分科である。

異常生化学 abnormal biochemistry 491.49               

 突然変異をとげたヘモグロビンといったような、生化学上の異常現象を研究する学問。

薬理学 pharmacology         491.5     

〈薬物学〉とも。体内における薬物の吸収、分布、組織中の局在、異化、排泄の経過などを把握する学問である。

薬量学 posology            (491.5)      

〈薬用量学〉とも。患者の状態や症状に応じ最適な薬用量を定量化し体系化する「薬理学」の一分野である。

比較薬理学 comparative pharmacology         (491.5)

 薬物の作用や体内動態等を動物種間で比較し、その差異について研究する「薬理学」の一分野である。

時間薬理学 chronopharmacology (491.5)             

 1日の時系列において服用する薬物の作用や回数や用量について研究する学問である。

医薬品化学 medicinal chemistry (491.5)             

 病気治療用の医薬品と薬物を総合的に扱う「薬理学」の一分野である。

臨床薬理学 clinical pharmacology (491.5)            

 実際の患者や治験者に医薬品を投与し、その経過から効力などを考究する「薬理学」の一分野である。

薬物動態学 pharmacokinetics (491.5)            

〈薬動学〉とも。薬物の吸収、分布、代謝過程などの生体内動態を定量的に検定し、投与計画などに反映させる「薬理学」の一分野。

精神薬理学 psychopharmacology (491.5)            

 向精神薬すなわち、人間の精神状態に影響を与える薬品の作用等を研究する「薬理学」の一分野。「行動薬理学」と隣接関係にある。

行動薬理学 behavioral pharmacology (491.5)             

 服用することで人間行動に影響を与える薬品(向精神薬)の薬理作用について研究する「薬理学」の一分野である。

分子薬理学 molecular pharmacology (491.5)             

 薬物の作用機序を分子レベルで解明する「薬理学」の一分野である。

薬理遺伝学 pharmacokinetics (491.5)            

 薬物が及ぼす遺伝上の副作用や悪影響などを研究する「薬理学」の一分野である。

薬力学 pharmacodynamics    (491.5)      

 健康な生体に対する薬物の作用機序を研究する「薬理学」の一分野である。

毒物学 toxicology           491.59      

〈毒物化学〉〈毒性学〉〈中毒学〉とも。毒物の化学組成と、その毒作用や解毒法などを研究する化学の一分野である。

病理学 pathology             491.6      

〈病理化学〉とも。病体(ヒトとは限らない)の組織および器官の形態や機能の変化を調べて病気の本質を明かにする学問。肉眼もしくは顕微鏡による病理解剖を意味し、さらに広義には臨床生物学や化学病理学、病態生理学、実験病理学、比較病理学などをも総括した総称として用いることもある。

疫病の昼夜光景 右()と左()とのぼかし対比で疫病の怖さを素描したラファエロの版画。1515年頃ロンドンでスケッチ、大英博物館蔵。

病理形態学 pathology     (491.6)

〈形態病理学〉とも。狭義の「病理学」を指す呼称。すなわち、病変に伴う生理的機能の歪みを考察し、疾病の本態を把握する学問である。

病態生理学 pathophysiology   491.6      

 病理的過程がつくりだす生理活動あるいは障害を受けた機能の修復をめざす生理研究を扱う学問である。

組織病理学 histopathology    491.6      

 患者の罹病組織を組織学的に検査解明して体系化する学問である。

人体病理学 human pathology   491.6      

「病理学」のうち人体を扱う分野である。

病理解剖学 pathological anatomy  491.6

 人体器官の病変を解剖により究明する「病理学」の一分野である。生体に限らず遺体を対象にする場合もある。

臨床病理学 clinical pathology 491.6

 診断用検査法を中心に、疾病の臨床検査を実践する「病理学」の一分野である。

実験病理学 experimental pathology (491.6)            

 実験動物を用い、人工的に病変を創ってその成因、経過、処置変化などを調べる「病理学」の一分野である。

比較病理学 comparative pathology (491.6)

 動物種属間の特定生理、たとえば反応の差異などを比較によって調べる「病理学」の一分野である。

病院病理学 hospital pathology (491.6)

 病院で行われる臨床的な病理研究を行う分野である。

分子病理学 molecular pathology (491.6)

 病因を分子構造や遺伝子構造レベルで解明する「病理学」の一分野である。

計量的病理学 measuring pathology (491.6)

 病理形態の数量化により疾患の本体を把握する「病理学」の一分野である。

原虫学 protozoology          491.6       

〈原生動物学〉とも。人や動物に疾患をもたらす原生動物について研究する「動物学」の一分科である。

寄生性原虫トリバノソーマ ドイツ人医師で細菌学者ロベルト・コッホ画、ロベルト・コッホ博物館蔵(ベルリン)

蠕虫(ぜんちゆう)学 helminthology       491.6       

  寄生性蠕虫を対象に研究する「寄生虫学」の一分科である。

病因学 etiology             491.61      

 次の二義がある。①病気の原因と経過を研究する学問。②病気の原因や状態のを生体疾病形成に様式化して予防に役立てる医学。

症候学 symptomatology       491.61      

 ある疾病を生化学的に特徴づける症状を解明し、治療に役立てる医学の一分野である。

疾病分類学 nosology       (491.61)      

 あらゆる疾病を体系的に分類整理すると同時に、疾病の特徴などを把握のうえ定義づけて記述する学問である。

再生医学 tissue engineering (491.68)           

〈再生医工学〉とも。組織や臓器が再構築される過程や成因を調べる「生理学」の一分野である。

体質学 constitution         491.69       

 人体の形態や機能に関し、ある時点における状態や性質を解剖学的あるいは生理学的に研究する学問である。

細菌学 bacteriology          491.7      

 細菌の種類や性質を研究する、ここでは医学の一分野。近代にルイ・パスツール(18221895)やロベルト・コッホ(18431910)、野口英世(18761928)らにより基が築かれた。

病理微生物学 pathological microbiology 491.7

〈病理細菌学〉とも。微生物や細菌の毒素が人や動物の体内に侵入し与える作用を研究する「微生物学」の一分野である。

病原細菌学 pathologenic bacteriology (491.7)

〈医細菌学〉とも。人間の疾病を引き起こす細菌を対象に研究する学問。細菌が産生する菌内毒素も対象になる。

工業細菌学 industrial bacteriology (491.71)

 たとえば有機酸の発酵工業や抗生物質製造工場などに見る、工業用の有用細菌を研究する「細菌学」の一分野である。

細菌化学 bacteriological chemistry 491.71              

 細菌の化学的反応などを調べる「細菌学」の一分科である。

免疫学 immunology            491.8        

 免疫現象のメカニズムや医学への応用を研究する学問。イギリスの外科医エドワード・ジェンナー(17491823)の種痘開発がこの分野の先駆となった。

エドワード・ジェンナー

アレルギー学 allergology   (491.8)      

 アレルギー発症にともなう生体反応の様子と免疫現象、あるいはその発症発見に関する研究の総称である。

血清学 serology             491.83         

 血清の特性、ことに抗原抗体反応と疾病との影響について研究する「基礎医学」の一分野である。

寄生虫学 parasitology        491.9        

 あらゆる動物体内寄生虫とその宿主との関係を対象に研究する学問。ここでいう「寄生虫」には原虫、蠕虫、外部寄生虫、病原媒介動物をさす。

「寄生虫博物館」は世界唯一(東京目黒)

線虫学 nematology         (491.94)      

 動植物に寄生する線虫類を扱う「寄生虫学」の一分科である。

臨床医学 clinical medicine     492         

 医師らが病人を実地に診察や治療する医学の一部門で、「基礎医学」に対応する概念の言葉である。

患者のベッドサイドでの講義 ベルリンの病院で医学生らに患者の病状や治療法等を教授する医師。1800? ダニエル=ジョドヴィエキー画の銅版画。

治療医学 therapeutics          492        

〈治療学〉とも。病気の治療を科学的に研究し治療新技術を開発する医学の一分野である。

診断学 diagnostics          492.1        

 病気をもたらす特徴や徴候あるいは症状を診て病因を特定する医学の一分野である。

内科診断学 internal diagnostics 492.1

  診断学のうち対象を内科分野に限ったものをいう。

計量診断学 numerical diagnostics (492.1)            

 疾患の発生頻度や症状の分布、進行状況などを計量的かつ統計的に把握する学問である。

免疫化学 immunochemistry  (492.18)      

 抗原注射などにより動物体内での化学反応を観察する「免疫化学」の一分野。

救急医学 acute medicine   (492.29)      

 緊急な医療処置を必要とする場合など、意思決定が重要になる医学的状況について研究する医学の一分野である。

薬物治療学 pharmacotherapeutics (492.3)               

〈薬物療法学〉とも。疾病治療に薬物の使用を最優先する場合の疾病等を研究する医学の一分科である。

放射線医学 radio therapeutics 492.4                   

〈放射線学〉とも。X線または電離放射線の医学への利用を研究する学問。「放射線診断学」「放射線治療学」「核医学」の三分野から成る。

核医学 nuclear medicine      492.4        

「放射線医学」の一つで、放射性核種または放射性同位元素を利用する診断および治療法を指す。

レントゲン医学 X-ray medicine 492.4         

〈レントゲン学〉とも。X線を専門に扱う「放射線学」の一分野である。

X線医学 radiology          492.42        

 放射線エネルギーおよび放射性物質を医学に応用するための研究。これらの成果を疾患の診断と治療に役立てるための医学の一分野である。

放射線診断学 radio diagnostics 492.43                   

〈X線診断学〉とも。「放射線医学」の一つで、放射線検査によって病因を決定づける診断を行う。

ホリスティック医学 holistic medicine (492.5)

〈全体観的医学〉とも。全体的な観点での治療をめざす医学。とくに「科学的医学」の主流から逸脱した呪い療法を始め自然療法や矯正法をさす。

物療医学  physiotherapy     (492.5)

〈物理療法医学〉とも。温熱、寒冷、光線、水、マッサージ、電気などを用い、体操訓練により疾患の治療を行う術と学問をさす。

音熱生理学 thermal physiology (492.53)                   

 音波と熱波を利用して加療する「物療医学」の一分科である。

浴療学  balneology         (492.54)

 いわゆる「温泉療法」である。温泉などを利用した治療浴に関する学問である。

医用電子工学 medical electronics 492.8                 

〈医用工学(ME)〉とも。医学領域で用いられる電子工学技術。いわゆるME(medical engineering)機器の開発をも兼ね、最近急速に進歩を示している分野である。

看護学 nursing               492.9        

 病人を看護するための理論全般ならびに臨床面への応用について研究する医学の一分野。

看護哲学 nursing philosophy 492.901                  

「看護道徳国際律」という国際間で定めた規範に基づき看護士を対象にした倫理思想。

フローレンス・ナイチンゲール イギリスの看護師で「看護師の母」といわれている。

看護心理学 nursing psychology 492.9014                

 看護する側の観点で患者との双方にまたがる心理学的考察について研究する「応用心理学」の一分科である。

 

看護統計 nursing statistics 492.9019                 

 看護学に必要な数理統計の技法を研究し、「臨床医学」に役立てる学問である。

内科学 internal medicine      493        

〈内科医学〉とも。内臓各器官、すなわち呼吸器、消化器、循環器、泌尿器、内分泌および神経などの疾病を対象に研究し、それらを手術(外科)することなく治療する医学の一系をいう。

精神身体医学 psychosomatics 493.09            

〈心身医学〉〈客観的精神生物学〉とも。体細胞の活性化を刺激すると見られる仮想物質(エルガシア)の存在と、その科学的解明を研究する学問である。

糖尿病学  diabetology     (493.123)

 糖尿病すなわち頻渇多飲を伴う多尿症状で特徴づけられる疾患を研究する医学の一分野。

疾病地理学 medical geography (493.16)                    

 疾病の分布偏差や風土病の発症など、罹病と地域特性とを研究する「地理学」の一分科。

老人医学 geriatric medicine 493.185          

〈老年医学〉ともいい、通じて「老人医療」ともいっている。老人に対する医療全般についての学問。高齢化社会下で制度面での充実が重要な課題になっている。

老年精神医学 geriatric psychiatry (493.185)                    

 高齢者を対象とした精神医学。とくに老人の社会不適応によってもたらされる精神医学的課題が中心となる。

消化器病学 gastroenterology  493.4        

 消化器系すなわち食物の栄養摂取器官である胃腸などに発症する疾病を研究する医学である。

骨外科学  bone surgery      (493.6)

「整形外科学」のうち、骨折に伴う修復など骨格を中心に扱う一分科である。

精神医学 psychiatry          493.7        

 以前は〈精神病学〉とも。異常な精神状態にある患者の診断、治療、予防を目的とする「臨床医学」の一分科である。

「イコノロギア」つまり憂鬱症 口を布で覆い人としゃべることを断り、片手の金袋に見向きもしない読書狂は、憂鬱症の典型を象徴した図像。1603年チェザーレ=リーバ画、パリ国立図書館蔵。

神経科学 neuroscience        493.7        

 神経系にかかわる構造、発達、機能、化学、病理など、さまざまな分野での研究を行う学域である。

神経病学 neuropathology      493.7        

〈神経病理学〉とも。神経系の機能障害や一部の精神病などを扱う医学の一分野である。

遺伝精神医学 hereditary psychiatry (493.7)                  

 精神障害の原因と深く関係する遺伝子を対象に本態を解明する「精神医学」の一分野。ドイツの遺伝精神す学者リューディンが開拓した。

社会精神医学 social psychiatry (493.7)                  

 個人の精神障害を治癒し社会生活に復帰させるため、予防と治療法の有効手段を研究。 

神経病理学  neuropathology  (493.7)

 神経症患者と精神病患者とを対象に、以上精神機能の病理学的解明を目的とする「病理学」の一分野である。

精神科学  mental science     (493.7)

 人間の精神活動に基づく諸現象を考究する広範囲の学域をいう。哲学、歴史学、言語学、心理学、政治学、法律学、社会学、美学などを統括した用語である。

航空宇宙精神医学 aerospace psychiatry           (493.7)       

  精神医学のうち「航空宇宙医学」にかかわる分野の総称。宇宙開発時代の波にのり進歩がいちじるしい。

地域精神医学 community psychiatry (493.7)                   

 精神病発症の地域特性や風土的要因を考究する学問である。

反精神医学 anti-psychiatry (493.7)                   

 伝統的かつ古典的精神医学の疾病論を否定する立場をとる「精神医学」の一潮流。アメリカのサスやイギリスのクーパーらが唱えた。 

精神生物学 psychobiology   (493.7)                

 個人と生活環境とを結びつけて、プシキズム(個人の性格・精神活動の総和力)を研究対象とする生物学の一分科。

比較精神医学 Tran cultural psychiatry (493.7)                 

 人間の精神機能が正常な状態にある人と精神病患者の異常状態とを比較し病態を考察する学問である。

精神病理学 psychopathology  493.71

 精神病患者の精神状態を分類記述し、そのメカニズムを明らかにして病因を定める「精神医学」の基礎分野である。

病態生理学 path physiology  493.71        

 病理学的徴候がもたらす精神活動の経過やその異常な原因を突き止める「精神医学」の一分野である。

多次元精神医学  pluralistic psychiatry (493.71)

 医学的心理学用語で、すなわち人の精神異常は身体因、心理因、環境因、性格因などいくつもの方面から分析が必要であるとする学理。ドイツの精神病理学者クレッチュマー(17861845)が唱えた。

病理解剖学 pathological anatomy 493.71            

 解剖学的所見により諸器官の異変や障害について研究する「精神医学」の一分野である。

精神生理学  psychophysiology (493.71)

 精神異常現象と脳機能による生理現象との相互関係を研究する学問である。

病跡学  Patholographie〔独〕 (493.71)

  独語のまま用いて「パトグラフィー」とも。人類史上傑出した人物の精神病理学的な特性面を対象に、ときには比較をまじえ、彼らの創作活動など足跡を明らかにする学問。19世紀末、ドイツの精神病理学者メービウスが基礎づくりをした。

神経精神病学neuropsychiatr(493.74)

 精神機能および神経機能が同時に障害を生じる場合を研究する学問である。

力動精神医学 dynamic psychiatry (493.79)

 精神活動現象の成立と仕組、あるいはその意味を動的に把握し理解する精神医学上の立場を指す。フロイトの精神分析に依拠するところ大である。

伝染病学 contagiology        493.8        

 赤痢、日本脳炎、悪性インフルエンザなど、伝染病とその病原体や感染ルートなどについて研究する学問である。この語は現在「感染症」に取って代わられている。

天然痘にかかった少女 むき出しの肌に目立つ痘疹が痛々しく広がる中国の少女。18世紀に中国で描かれた細密画、パリのフランス国立図書館蔵。

小児科学 pediatric medicine  493.9        

 小児を疾患などから医学的に擁護するための総合的な学域。小児の診断と治療を中心に、予防措置や社会的保護などの分野をも含む。

小児病学  pediatrics        (493.9)

 小児内科学と小児外科学から成る小児対象の医学である。

治療小児  pediatric therapeutics (493.9)

 小児科医学のうち、小児を臨床的に治療する分野の医学である。

児童精神病学 pediatric psychiatry 493.937            

〈小児精神医学〉とも。小児や児童の精神障害を対象に研究する学問である。

新生児学  neonatology      (493.95)

 新生児を中心に産後のケアを含めた用語のための学問である。「新生児」とは生後4週間未満の小児をいう。

出生前小児科学  prenatal pediatrics (493.95)

 胎児と母体の保健にかかわる医学全般の総称である。

外科学 surgery                494         

 あらゆる病的変化を理学中心に観察し、あわせて理学的に処置する分野の医学の一系統。観血的手術とか外部操作といった技術的行為から成る治療学の一部門である。対象となる部位や臓器によって胸部外科、神経外科、脳外科などに、また技法の採用法に従って形成外科はじめイクロサージャリーなどに分かれる。

外科解剖学 surgical anatomy 494.11         

 解剖を目的に外科的執刀の技術的方法を研究する「解剖学」の一分科である。

外科病理学 surgical pathology 494.16             

 主として外科的治療法を適用する病変を対象にした「病理学」の一分野である。

外科細菌学 surgical bacteriology 494.18            

 外科的処置に伴う細菌の発生、増殖に関する観察と対処法を研究する学問である。

外科診断学 surgical diagnostics 494.21            

 臓器移植手術などの外科的処置前に、患者の生理状態が適応できるかどうかなど予備診断を下す「外科学」の一分野である。

麻酔学  anesthesiology     (494.24)

  患者に麻酔処置および蘇生術を施し、それらに必要な麻酔剤を扱う医学の一分野である。       

創傷学  traumatology       (494.33)

〈外傷学〉〈災害外科学〉とも。外傷や障害に対する処置・治療などを扱う「外科学」の一分野である。

脳神経外科学  neurochrugie〔独〕 (494.627)      

〈脳外科学〉とも。頭蓋や脳の挫傷、外傷性当内出血、脳腫瘍など脳の神経系疾患を対象とする「外科学」の一分野である。

肛門外科学  proctology    (494.658)

〈肛門病学〉〈直腸肛門病学〉とも。直腸および肛門の疾患を外科的に処置し治療する医学の一分科である。

浣腸屋も兼ねた薬剤師 親切な薬剤師、十八世紀フランスの風刺版画  夜の屋外施設で、便秘による頭痛に悩む婦人に浣腸をする薬屋。手前には備え付けのおまるが置いてあり、これが浣腸屋の看板代わりになっている。

神経外科学  neurosurgery  (494.672)

 神経系統の疾患を扱う「外科学」の総称。

整形外科学  plastic surgery (494.7)  

 人間の身体的奇形を防止、矯正する手法を用いる「外科学」の一分科。骨格系、関節、その付属器官の機能回復処置が中心となる。

リハビリテーション工学  rehabilitation engineering (494.78)

 肢体不自由な患者のリハビリテーションのために各種補装具などの開発、研究を行う「医療工学」の一分野である。

チャペック兄の『人造人間』 ヨゼフ=チャペックは1924年刊の著作で、戦傷兵士が半ば人造人間化しても生きていけることを描く。弟カレルと共にチェコスロヴァキアの劇作家という移植の人物である。

美容整形外科学 cosmetic surgery 494.79             

 美容のために顔面等を整形する技術を指す。トラブル発生が多く、また医療行為とはいえないとする意見も少なくない。

皮膚科学 dermatology         494.8        

〈皮膚病学〉とも。皮膚疾患を対象に治療を行う医学の一分野である。 

泌尿器科学 urology           494.9        

 尿路系の疾患を内科的に、ときには外科的に処置する医学の一分野である。

性病学  venereology        (494.99)

 性病を扱う医学の一分野である。

産婦人科学 obstetrics and gynecology 495

 婦人科学と産科学とを組み合わせた医学の一分野である。

婦人科学 gynecology           495        

 女性生殖器の疾患を扱う医学の一分野である。

産科学 obstetrics            495.5        

 女性の性機能および分娩についての技術を扱う医学の一分野である。

胎児学  embryology          (495.6)  

〈胎児学〉とも。周産期における胎児および母体の医学的な諸問題を研究する学問である。

子宮内の胎児 レオナルド==ヴィンチ(14531519)がスケッチした子宮内胎児の様子。解剖に立ち会ったときの記録のようだ。

助産学 obstetrics            495.9        

 昔は「産婆術」といった。妊娠、分娩、産褥の臨床管理を扱う「外科学」の一分野。

眼科学 ophthalmology          496        

 目の解剖、生理、病理なららびに治療や管理などを扱う専門医学である。

耳鼻科学 otorhinology        496.5        

 耳と鼻およびこれらの疾患を扱う医学の一分野である。

耳鼻咽喉科学 otolaryngology  496.5

  耳、鼻、咽頭、喉頭、気管および食道の疾患の予防、治療、研究を行う専門医学の一分野である。

耳科学 otology         496.6

〈耳学〉とも。耳の疾患および耳の解剖、生理、病理を総括して扱う専門医学である。

言語障害学  study of speech-language disorders   (496.9)

 言語障害のある人に対し、正しい言語行動に矯正することを目的とする学問である。            

鼻科学 rhino logy         496.7

 鼻の疾患および鼻の解剖、生理、病理を総括して扱う専門医学である。          

歯科学 dentistry            497

〈歯学〉〈歯科医学〉とも。歯や口腔、その関連組織にかかわる治療技術の一分野。疾患の診断や治療のほかに欠陥、欠損した組織の修復が含まれる。

基礎歯学  basic dentistry     (497)  

「歯科学」の分野を二分する「臨床歯学」に並ぶ一系。歯科の基礎的分野をはじめ口腔解剖学、口腔生理学、口腔病理学、歯科薬理学などを包括する。

臨床歯学  clinical dentistry  (497)  

 歯科の分野の一で、「基礎歯学」に並ぶ一系。口腔外科、歯科補綴学、歯科保存学、歯科矯正学などが含まれる。

予防歯科学  preventive dentistry (497.2)

 虫歯の予防など歯と口腔の衛生や予防に関する「予防医学」の一分科である。 

歯周療法学  periodontics    (497.2)  

歯周治療学〉〈歯周病学〉とも。歯周組織およびその疾患を治療するための「歯科学」の一分科である。

口腔病学  stomatology       (497.2)  

 口腔およびその疾患を扱う医学の一分野。

歯科外科学 dentosurgiology 497.3          

  歯科疾患に対し外科的処置を施すための「歯科学」の一分科である。

抜歯の痛景 麻酔薬が現れる前の抜歯の痛さに耐える様子は、この患者の表情からうかがい知れる。フランス、1825年頃の絵。

歯科保存学 conservative dentistry 497.4             

 虫歯などによる歯の欠けた部分の充填、歯隋や歯肉などの病気の治療と予防を扱う「歯科学」の一分野である。

歯科補綴(ほてつ) prosthodontics   497.5          

 歯科における補綴の設計や使用法など、補綴全般にかかわる研究を行う「歯科学」の一分野である。 

歯科矯正学 orthodontia      497.6          

〈矯正歯科学〉とも。不良咬合が進まないように悪条件を除去し、正しい咬合へ導くための技法を研究する「歯科学」の一分科である。

応用医学 applied medicine   497.8          

 医学の知識や技法を他の学域に応用し役立てることを目的とした学問。たとえばバイオハザード、ホスピスケア、健康サービスなどの展開がある。

歯科理工学 prosthodontia    497.8          

〈歯科技工学〉とも。また〈歯科補綴学〉にほぼ同じ。歯科レーザー光や義歯インプランと補綴材料などの材質、形状、機能などについて理工学的な処置の研究を行う学問である。

予防医学 preventive medicine   498          

 個人や集団を対称に、健康維持と疾病予防の手段を実践し研究する医学の一分野。「治療医学」に隣接する学問である。

衛生学  hygienic             (498)  

 個人と社会公衆の健康保持と増進、ならびに疾病予防を目的とする学問。「予防医学」と重複する面が少なくない。

公衆衛生学  public health     (498)  

 公私の保健機関や団体等で営まれる組織的な衛生活動を研究する学問。伝染病予防、生活習慣病対策、母子保健、精神衛生相談、食品衛生、公害対策など多岐にわたる。

保健物理学  health physics    (498)  

〈放射線防護学〉とも。有害な放射線被爆から人体を防護するための安全管理を研究する学問である。

社会医学 social medicine      498

 健康と病気に関し、社会的要因との相関関係から住民の健康向上を策定する学問である。

医用経済学 health economics (498.1)

 保健および医療が抱える経済的諸問題にアプローチする「応用経済学」の一分野。1970年代にアメリカが先鞭をつけ、今日では先進国間で国際的な研究課題になっている。

地理病理学 medical geography (498.1)

〈医学地理学〉〈健康地理学〉とも。人間集団に現れる疾病や死亡現象を地域との関連性により研究する医学の一分野。地域特有の流行病や慢性疾患などを対象にする。

衛生化学 hygienic chemistry 498.15              

 公衆衛生技術や衛生施設等の科学的管理を目的とする学問である。

優生学 eugenics             498.2

 人類の遺伝素質を保護、改善しながら悪質な遺伝子を排除し、優良遺伝子のみを保存することを目的とする学問。19世紀末にイギリスの遺伝学者サー・フランシス・ゴールトン(18221911)が提唱した。

ゴールトン

民族衛生学 national hygienic 498.2             

 民族(種族)の衛生状態や衛生思想などを扱う学問である。

劣生学 dysgenics           (498.2)

 劣性遺伝子すなわち、対立遺伝子が相乗染色体上にないと形質を発現できないものに関する研究を目的とした学問である。

精神衛生学  mental hygiene (498.39)

 精神上の健全性を保持し、さらに増進するための科学的方策を研究する学問である。

精神外科学 psychosurgery  (498.39)

 精神的各種疾患の治療のために施される脳外科を扱う医学の一分野である。

環境医学  environmental medicine (498.4)

〈環境衛生学〉とも。人間と病気とのかかわりを環境という視点で結び付け解明していく学問である。

衛生気象学 hygienic meteorology 498.41             

〈気象医学〉とも。気候や環境といった地理学的かつ気象学的な要因が健康や疾病に及ぼす影響を研究する医学の一分野である。

熱帯医学 tropical medicine  498.42

〈熱帯衛生学〉とも。熱帯性下痢やマラリヤなど熱帯特有の疾病を扱う医学の一分野。 

寒帯医学 polar medicine    (498.42)

〈寒帯衛生学〉とも。凍傷のような寒帯特有の疾病を扱う医学の一分野である。

高山病学 hypobaropathology  498.43

 高山に登ったとき、気圧の急変や酸素欠乏のために心悸亢進や顔面紅潮などの症状が出る。これを「高山病」もしくは「山岳病」といい、これの予防や治療を研究するのが〈高山病学〉である。

宇宙医学 space medicine     498.44

 宇宙空間で人間が健康、生命を維持し生活を営めるよう、必要な医学的対策を考究する学問である。

航空医学 aviation medicine  498.44

 航空機搭乗者の飛行中の保健・衛生などを維持するため生理学、医学を応用した学問の一分科である。

航空宇宙医学  aerospace medicine (498.44)

 航空機や宇宙ロケットの搭乗者に生じる心身の健康への影響を解明し、その対策等を考究する医学の一分野である。

潜水医学 bends medicine     498.45

 ダイバーが潜水中に起こす潜水病(減圧症)等を扱う医学の一分科である。

化学衛生学 chemical hygienic 498.5              

「化学療法」とも。体内に寄生する病原微生物に対し化学物質を投与し滅死させるための治療法をいう。

食品科学 food science       (498.5)

  食品全般にわたる学域の総称である。その研究対象分野は衛生、加工、貯蔵、流通、食品添加物ほか、きわめて多様である。

ラピュータの食卓 ここ「数学の国」では食卓に出る食べ物すべてが図形を持って料理されている。有名なスウィフト『ガリバー旅行記』の挿絵。

食品学 sitology            498.51

〈食餌学〉〈食事療法学〉とも。食餌療法を専門に扱う研究で「食品科学」の一分野である。

栄養学 nutrition            498.55

 人間を中心に栄養全般に関し研究する学問。栄養素の種類、代謝、所要量、過不足による生理的障害などのほか、食品の種類や組成、調理法などにも及ぶ。

栄養化学 nutritional chemistry 498.55         

 栄養学のうち食品に関連する化学の研究を扱う分野である。

栄養生理学 nutritional physiology 498.56         

  人体生理と栄養との関係を研究する「栄養学」の一分科である。

治療栄養学 diet therapy     498.58

「食事療法」と通称されている。病人や虚弱者に適した食事を与え、それにより治療効果を図るための学問。最近では健康維持や美容といった目的にも取り入れられている。

特殊栄養学 special nutrition 498.59         

 特定の疾患に対して、糖尿病食のような特別調理の食事により治療効果を高めるための研究である。

疫学 epidemiology           498.6

 地域や職域等の団体に対し、疾病や事故をはじめ健康状態などについて、その発生原因などを統計的に解明する学問である。

実験疫学  experimental epidemiology (498.6)

 実験動物での医療成果を免疫分野に生かすための学問である。

医学生態学  epidemiology    (498.6)

〈疫学〉にほぼ同じ。人類を対象に、流行病の予防を目的とした「生態学」の一分野。

衛生動物学 hygienic zoology 498.69         

 たとえば狂牛病や鳥インフルエンザの防疫など、家畜や家禽を中心とした疫学を研究する動物学の一分科である。

衛生昆虫学 hygienic entomology 498.69         

〈衛生害虫学〉とも。人や家畜がカ、ハエ、ダニなどの害虫から被害を受けたときの防疫法を研究する学問である。

小児保健学  child health     (498.7)

 小児の健康全般を扱う「小児科学」。発達小児科学、予防小児科学、小児栄養学、育児学などから成る。

労働医学 occupational medicine 498.8         

〈職業病医学〉〈産業医学〉または〈労働衛生学〉とも。労働者の保健衛生を確保するため、環境や作業条件等へも眼を向けて研究する「衛生管理学」の一分野である。

優良施設認定証 ()健康医学予防協会の評価基準を達成した施設に認定証が交付される。

労働生理学 labor physiology 498.84         

 ワーカーホリックや社内うつといった労働条件や労働環境をとりまく一連の生理学的問題点を発見し、その改善策を講じるための「生理学」の一分科である。

災害医学 traumatology       498.89

 職場において受けた外傷や障害について専門に扱う「産業医学」の一分野である。

地震医学 seismic medicine   498.89

  地震により受傷したり精神障害を受けた場合の治療法等を研究する学問である。

法医学 legal medicine        498.9

〈犯罪医学〉〈裁判医学〉とも。医学の規範を基盤とし、法律上重要な事実関係の研究、解釈および鑑定を行う「応用医学」の一分野である。

法医解剖学 forensic autopsy 498.91

 法医学において解剖初見により不明被害者等の性、齢、血縁関係などを鑑定する学問である。

書相学 graphology           498.92

〈筆跡学〉とも。個人が書いた書体の特徴を分析することで、その人物を特定したり、精神的特徴や性格などを判定する学問。犯罪捜査の分野などで活用される。

法医毒物学 medico legal toxicology 498.98         

 検死体から毒物を検出する科学的方法を研究する学問。ルイ18世時代のスペイン人侍医オルフィラが基礎手法を確立した。

裁判化学 forensic chemistry 498.98

〈裁判医学〉とも。〈法医学〉の明治語で、今では用いない。

法医精神医 forensic psychiatry 498.99         

〈司法精神病学〉〈刑事精神病学〉とも。「法医学」における被告および被疑者の精神鑑定を中心とした研究をいう。

精神診断学 psycho diagnostics (498.99)      

〈精神鑑定学〉とも。裁判の審理中に被告、被疑者の責任能力や行為能力の程度などを判定するための手法を研究する学問である。

司法精神医学 forensic psychiatry (498.99)     

 被疑者の精神鑑定を主に、刑法や民法など法律にかかわる「精神医学」の一分野である。

薬学 pharmacy                 499

〈薬剤学〉とも。医薬品の調整、混合、調剤等を研究する学問である。

アラビア薬学 Arabic pharmacy  (499)                

 12世紀ごろ、錬金術から出た最高レベルのアラビアにおける薬学で、「薬精」を売り物に、ヨーロッパへと逆流する現象さえ起きた。

処方学 dosimeter             499.2

 傷病に応じた医薬品の調剤法などを研究する「薬学」の一分科である。

薬効学 chemical pharmacology (499.1)      

〈薬理作用学〉〈薬効評価学〉あるいは〈薬品作用学〉とも。生体に対し薬物が及ぼす作用(効き目)について研究する学問である。

薬化学 pharmaceutical chemistry 499.3         

〈薬品化学〉〈科学的薬理学〉とも。〈薬効学〉にほぼ同じも、狭義化してより化学作用面を強調した言葉である。

薬品合成化学 pharmaceutical synthetic chemistry  499.34      

〈薬品製造化学〉とも。医薬品とその原料の工業的生産に必要とされる化学応用の研究を行う学問である。

無機薬化学 inorganic pharmaceutical chemistry   499.35        

 無機薬品すなわち炭素を含まない薬品を化学的に製造するための学問である。

有機薬化学 organic pharmaceutical chemistry  499.37

 炭素化合物である薬品を扱う「合成化学」の一分科。「無機化学」に対応する用語である。

製薬学 pharmacy              499.5

 主に人の傷病や病変予防に役立つ医薬品を製造するための技術等の総称である。

薬工学 pharmaceutical engineering 499.5        

〈薬品製造工学〉とも。化学的操作と物理的操作とを組み合わせた化学プロセスで、目的とする薬物を製造するための技術をいう。

薬剤学 pharmaceutics         499.5

〈製剤学〉とも。投与する薬剤のための学問。疾病の予防と治療に効果的な投与法と投与剤形が研究対象である。

東山堂の「疝気の妙薬」 疝気(下腹部の痛み)の妙薬として人気のあった東山堂の妙薬の引札。幕末の浮世絵師、歌川国政画。

調剤学 dispensing pharmacy   499.6

〈病院薬剤学〉とも。処方箋を受け付けてから患者に薬剤を処方調剤し渡すまでの過程の技術的研究。服用忠告等アフターケアも含む。

薬剤経済学 pharmacoeconomics (499.6)     

 薬剤に関する経済的成果を期待し考究する学問である。

物理薬剤学 physical pharmacy (499.6)      

 製剤の製造過程で起こる問題解決の方策を物理化学的技術によって解決するための学問である。

生物薬剤学 biological pharmacy (499.6)      

 薬の吸収、代謝、分布、排出の過程で、薬効の体内挙動と投与方法の関係を生理学的に明らかにする学問である。

生薬学 pharmacognosy       (499.8)

 漢方の生薬を有効な薬剤資源として処方するための学問である。最近の「東洋医学」の世界的な発展にともない注目されている分野である。

本草学 phytology        499.9

  中国から渡来の伝統医薬についての学問。百般の薬効が究明され集成されている。明代1596年に成った李時珍著『本草綱目』はその代表的な宗である

房事養生鑑 房事は程ほどにしないと害になる、という健康観に基づいた摂生訓の教材。それにしても恐れ入った解剖図ではある。明和頃の摺り物、歌川国貞画。くすり博物館蔵