.  技術(工学、工業、家政学)

 

シュトラースブルクの天文時計 地球と太陽系諸天体の運動を機械仕掛けで連動させた精巧な時計。フランス北東部の旧市街シュトラースブルクにて1573年製作

 

 

50.  技術. 工学

 

工学 engineering                  500

  工業界の生産力を向上させる目的で、各分野の基礎科学を工業生産面に応用し、新技術あるいは新製品を開発するための学域の総称。土木工学、建築学、機械工学、電子工学、航空工学、人間工学、生活科学など広範な分野にわたる。

信頼性工学 reliability engineering  500     

 高度の機能を果たしうることへの信頼性を拠りどころとした工学技術の総称である。たとえば、アポロ宇宙船の部品信頼度は絶対信頼度1.0に比し0.999999という高さを誇る。

応用科学 applied science       501

 現実的手実用的な目的にかなう工業化をめざすために、基礎科学で得られた知識を応用する分野での研究体系を総称している。「基礎科学」に対応する概念の言葉である。

工業基礎学 primary industries  501

あらゆる工学や工業の基礎技術について系統立てた研究を行う学域。「応用科学」の基盤をなす分野である。

進化工学 evolutionary engineering (501)      

 工学、工業の進歩の過程やメカニズムを化学的理論によって実証する学問。旧来技術の淘汰などマクロ的視野での考察が求められる。

工業振動学 industrial vibrography 501.1    

〈振動工学〉とも。物理学的な振動測定を扱う技術分野。デジタル技術やシミュレーションを採用し周期振動、不規則振動、正弦振動、調和振動などを計測し実態を明らかにする。

応用数学 applied mathematics 501.19     

 物理学、化学、工学、生物学、社会学などへの数学原理の応用を研究する数学の一分野。

工業統計学 industrial statistics 501.19     

 工業分野における数理統計を研究する「統計学」の一分科である。工業センサス(経済産業省の「工業統計調査」)などに調査結果がまとめられていて、参考にする価値がある。

工業物理学 industrial physics 501.2    

 実用向きに対象の範囲を絞るなどして、工業用に応用する物理学の研究を行う「応用物理学」の総称である。

応用物理学 applied physics  (501.2)   

 各分野に応用される物理学の総称。それ自体、常に最先端の学術的、技術的成果を取り込んで集大成の傾向にある、あらゆる技術の基礎学問である。

計測工学 instrumentation engineering 501.22

 計測を目的とした技術や手段を考究し、それに伴う用具である測定器や装置などを実用化するための「工学」の一分野である。

メートル法普及のために 18世紀末のフランスでメートル法を広く知らしめるために用意された版画。上段左からリットル/グラム/メートル、下段左からアール/フラン(通貨単位)/ステール(体積)を仕草絵で表す。

科学計量学 scientometrics  (501.22)   

 中性子レベルから宇宙100億光年の先に至るまで、実用的なあらゆる計測技術を扱う科学である。

加速器科学 accelerator science (501.22)     

 加速器すなわち、陽子やα粒子などの荷電粒子を電場、磁場内で加速し、高度の運動を得る装置を研究する学問である。

流体力学 hydromechanics      501.23

 流れの運動と流体、その境界での相互干渉などを研究する学問の総称である。たとえば、航空機の翼理論や船舶の推進理論への展開がある。

応用流体力学 applied hydromechanics 501.23

 流体力学のうち、工業技術関係に応用される分野の研究である。たとえば、航空機の翼理論や船舶の推進理論への展開がある。

音響工学 acoustics           501.24

〈音響学〉とも。音や弾性波動に関する測定、制御、処理等を目的とする工学の一分野である。

応用音響工学 applied acoustics 501.24         

 音響工学のうち、工業技術関係に応用される分野の学問である。

オーディオ工学 audiophilogy 501.24         

 音質の優れた音響機器をもたらすような音響を中心に扱う「音響工学」の一分野である。

振動工学 vibrational engineering 501.24          

 機械や音響がもたらす振動ならびに音波を研究する工学である。

超音波工学 ultrasonics       501.24

〈超音波学〉とも。超音波を利用してダイヤモンド、ガラス、超硬合金など、材料加工等の分野を研究する工学の一分野である。

超音波は力持ち! 「強力超音波工学」拓殖大学渡辺研究室HPより

熱力学 thermodynamics        501.26

 温度変化を受けやすい物質の現象、あるいはある形態から異なる形態へと変換するときに生じるエネルギー変化など、熱伝導を研究する物理学の一分野である。

工業熱力学 industrial thermodynamics  501.26

〈工業熱学〉とも。熱力学のうち工業・化学工業双方に応用される分野を対象に研究する物理学の一分科である。

工業力学 industrial dynamics  501.3

〈工業物理学〉にほぼ同じ内容の学問とみなしてよい。

図式力学 graphical dynamics  501.31

 平衡状態にある剛体に働く力関係を記述理論により評価する物理学の一分科である。

応用力学 applied dynamics     501.3

 工業分野などで、材料の破壊に対する強度と構造変化等を研究する「材料力学」の一分科である。

固体力学 solid-state mechanics  (501.32)    

 物体の内力と変形を理論的に解析する学問で、「材料力学」の一分科。力学的性質により研究対象が弾性学、塑性学、粘弾性学、クリープ力学などに分かれる。

破壊力学 fracture mechanics (501.32)    

 亀裂など創傷を含む材料の強度特性を引き出し、機械や構造物の設計、保守などに役立てる「材料力学」の一分科である。

応用弾性学 applied elastic tics 501.33         

「弾性」とは、固形物質に力が加わるとき、その形状や寸法が変化し、力を除去すると元に戻るような物理的性質をいう。これを工業技術に応用したものが〈応用弾性学〉である。

構造力学 structural mechanics 501.34    

〈構造解析学〉とも。建築物、橋梁、高速道路、船舶、機械などの構造物に加わる外力、荷重が構造物に与える作用あるいは変形等を研究する「応用力学」の一分野である。

レインボーブリッジ 構造力学に基づいた建築美学の粋であり、東京の品川とお台場とを結ぶ。

材料科学 material science    501. 4  

〈材料工学〉とも。工業技術面に応用される材料物質の特性、作用、用途などを研究する工学の一分野である。

材料化学 material chemistry (501.)     

 工業材料の化学的性質を研究する工学の一分野である。

組織工学 system engineering(501.55)     

 工業材料の外観、性質、組成などを分析しその応用技術を研究する「材料工学」の一分野である。

分析学 analysis             (501.57)   

 物質の組成をはじめ物質中の単体、化合物、原子などの状態を物理的もしくは化学的に解明する学問である。「材料化学」「分析地形学」などと縁辺関係にある。

図学 graphics                  501. 8  

 三次元の物体を数学的投影法により二次元平面へと作図する技術。狭義に図に表す二次元変換手法そのものをさす言葉でもある。

ミケランジェロ『建築のための習作』 1524年頃にミケランジェロ=ブォナローティが「メディチ家礼拝堂のための壁柱台座側面図」としてデッサンした構図。フィレンツェのカーサ=ブォナローティ蔵。

図解力学 graphical static (501.8)

〈製図工学〉とも。工業上の製図をよりわかりやすく力動的に作図する方法を研究・実践するための学問。図解による情報提供の有力手段としてコンピュータグラフィックが利用されている。

人間工学 ergonomics          501.84  

 機械装置、道具、家具あるいは環境などを人間の生理学的、解剖学的、心理学的ニーズにマッチさせ、より使いやすく仕上げることを研究する学問である。20世紀後半から急速に発展している。

生産工学 production engineering 509.6     

 工業生産力をより高め付加価値を増すために、材料の形状や状態の相互関係を革新する技術的方法を研究する学問である。

経営工学 management engineering 509.6    

〈管理工学〉とも。インダストリアル=エンジニアリングの手法を経営管理学に結び付け合体した新しい「経営学」の一分野である。数学、自然科学、社会科学等の知識を取り入れて展開するケースが目立つ。

システム工学 system engineering 509.6    

 システムに関する多くの要素を相互に関連づけ設計する学問。これらを吟味し体系化することで最大の生産効率を上げることが可能になる。

動作学 kinesics             (509.64)   

 解剖学的で機械的な法則を用い、人間の行動や動作を掘り下げて研究する学問。その結果は「人間工学」などに応用されるなど成果を挙げている。

色彩工学 color engineering (509.68)  

〈色彩管理学〉とも。色彩が人間に与える心理的、生理的、物理的作用を活用し、生産性の向上などに役立つ最適な色彩を研究する学問である。

安全工学 safety engineering (509. 8)  

 災害予防に関するあらゆる技術を研究する工学の一分野である。

 

5.  建設工学. 土木工学

建設工学 construction engineering 510     

 土木工学の専門的分野で、道路、ダム、鉄道、公共建築物など建設事業の計画および施工、管理等を研究する工学の一分野である。

土木工学 civil engineering     510  

 工学の一分野で、産業、輸送、水利用、建築物の設計施工などを対象とし、さらに土木技術上の問題点を考究する学問である。

伝熱工学 transfer engineering 510.26     

 放射、対流、伝導などの作用に伴い、一つの物体から他の物体へと熱が移動する現象を科学的に解明する工学の一分野である

土木力学 civil dynamics       511.1

〈土質力学〉とも。建設工事地の地質および地盤の耐性、鉄筋コンクリート強度などを考究する工学の一分野である。

地質工学 geotechnology        511.2  

 鉱物資源の探査や建設工事用の土地開発などに工学と科学の技術や技法を応用する学問である。

土木地質学 engineering geology  511.2    

〈土質工学〉とも。地殻に関する物理学的知識を生かし、その科学的手法や工学的原理を応用する「土木工学」の一分野である。

土質力学 soil mechanics       511.3  

 土質や粒状物質に対する基礎の安定化、建造物の設計などに対し、固体力学、流体力学、弾性力学等を応用するための研究を行う学問である。

土性力学 soil dynamics         511.3

 地球の表面地層にある各種の力学的性質を土壌などの種類に応じて利用し、適否を評価する学問である。

コンクリート工学 concrete engineering   511.7

 建築材料としてのコンクリートの性質や利用価値などを専門的に研究する「材料工学」の一分野である。

 

道路工学 road engineering      514

 道路を建設したり、そのルートの選定・設計、維持管理等を研究する「土木工学」の一分野である。

東京の東雲ジャンクションをのぞむ 20092月に開通、高速湾岸線から都心へ直接乗り入れられる幹線道路 東京都庁広報「フォトイン東京」ウエブサイトより

舗装工学 pavement engineering 514.4     

 舗装道路の土木工事にかかわる技術を研究する「道路工学」の一分科である。

トンネル工学 tunneling engineering 514.9     

〈隧道工学〉とも。トンネルや暗渠の建設工事にかかわる技術を研究する学問。鉄道、上下水道、地下通路、坑道などの建設に関連する。

橋梁工学 bridge engineering    515 

 橋梁や高速道路の建設工事にかかわる技術を研究する学問。橋梁安全工学、橋梁美学といった分野も含まれる。

橋梁美学 bridge aesthetics     515 

〈橋梁景観学〉とも。橋梁自体の美的構築をはじめ、周辺環境との調和を把握して美しい橋造りをめざすための学問である。〈橋梁工学〉に美的要素を加えた学問体系と見てよい。

橋梁力学 bridge dynamics      515.1 

 橋梁の構成、構造、鋼材の特性などを含め、バランスのとれた工学的設計を研究する学問である。

鉄道工学 railway engineering   516 

「輸送工学」の一分野で、鉄道設備の計画、設計、開発、建設、保守、採算性などの研究を行う総合科学でもある。

「新橋鉄道寮」の錦絵 日本最初の鉄道発着駅、新橋ステーションは明治5(1782)年に開業、当時の駅舎と構内は「鉄道寮」と称されていた。「東京開華名所図会之内しんばし鉄道寮」、神戸市立博物館蔵。

鉄道地質学 railway geology 516.11     

 鉄道建設に適した地盤の選定をはじめその強化工事や「環境工学」との調和など、地質学的考究を中心にした学問である。

軌道力学 orbit dynamics       516.2   

 鉄道車両用の軌道建設に伴う応力、抵抗力、遠心力などの作用を力学的に研究する「鉄道工学」の一分科である。

河川工学 river engineering     517 

 洪水など災害に備え、河川に堤防を構築したり改築するための研究を行う「土木工学」の一分野である。

水理学 hydraulics              517.1 

 機械工学などでは〈水力学〉という。水など流体の力学的性質を調べる学問で、物理学の基礎分野の一つである。

水工学 hydrodynamics          517.1 

〈河海工学〉とも。水の力学的性質やその応用などに関する研究を行う学問。「水理学」と重なり合う部分が大きい。

治水工学 hydraulic engineering 517.5     

 河川の水流、水路の整備、改良、築堤、保全などを工学的な見地で研究する「土木工学」の一分野である。

水利工学 hydromechanics       517.6

 河川の治水および水防ならびに疎水、用水の利用などをめぐり工学的立場からの実務的考察を行う学問である。

港湾工学 harbor engineering 517.8

 乗船客の昇降や貨物の積み下ろしのために、船舶の繋留施設を計画、設計する「土木工学」の一分野である。ときには「景観工学」なども含まれる。

海岸工学 coastal engineering 517.8    

 海岸一帯の防災のために、臨海現象を観察したり岸壁を補修したりする「土木工学」の一分野である。

都市工学 urban engineering      518

 都市計画の一環として都市部の効率的な形態や機能を扱う学問で、「土木工学」の一分野である。

「未来派都市」 1914A.サンテリア画 未来都市の高層化と機能化を予言した絵

衛生工学 sanitary engineering  518

 公衆衛生の保全や促進を図る目的で、公共施設の計画、設計を研究する「土木工学」の一分野である。

水道工学 water engineering    518.1

 上水道の建設施工にかかわる技術を研究する「土木工学」の一分野である。

下水工学 sewerage engineering 518.2

 下水道を対象に、その建設施工にかかわる技術を研究する「土木工学」の一分野である。

環境工学 environmental engineering 519

〈環境科学〉とも。住環境の汚染、汚濁等を改善させ、さらに災害、公害の発生を排除し環境整備を進める総合科学である。

防災科学 science of disaster prevention 519.9

〈防災工学〉とも。防風、洪水、地震、火災など災害を防ぐための科学的研究を行う学問である。

大火にも燃え残る白漆喰(しつくい)の土蔵 火事のたびに土蔵が火に強いことが照明され、耐火構造の建物の代表となる。延慶2(1309)年、奉納絵巻「春日権現霊験記絵」より。

 

52.  建築学

建築学 architectural science 520

 建物等を設計、建築する技術あるいは学問の総称。さまざまな分野にかかわる「複合科学」である。

建築工学 architectural engineering 520

 建築材料や建築物の構造をはじめ建築環境などの技術面を扱う工学の一分野である。

建築環境工学 architecturally environmental engineering  (520)

 建築物の寒暖や日当り、防音など住環境の物理的条件を通して、発生しうる諸問題の解決に当るための学問である。

建築美学 architectural aesthetics 520.1

 ビルや橋、高速道路などの美的設計中心とした学問。工学だけでなく美観など芸術性が加味される。

構造工学 structural engineering 524

 建物、橋梁ねダムなどで構造中心に設計をになう「土木工学」の一分野である。

建築力学 building dynamics   524.1

 建築物の物理的性質、外力強度や耐震強度などを扱う「建築工学」の一分科である。

ギザのピラミッド エジプト最初の石造建築物、第3王朝ジュセル王(27世紀頃)を葬る階段状ピラミッド。ジュセル王の宰相で「賢人」の誉れ高かったイムヘテブ監督の建築力学を駆使した傑作である。

構造力学 structural mechanics 524.1

〈建築構造力学〉とも。建物の構造部に加わる力学的影響を調べ最適な設計手段を求める建築工学の一分科である。

耐震構造学 earthquake-resistant construction (524.1)

  建築物に複雑な作用を及ぼす地震の力学についての研究。日本の建築構造学の先駆、佐野利器(としかた)(18801956)が方法論を確立し、また震度スケールを導入した。

格子力学 lattice dynamics (524.89)

 結晶格子、回折格子の熱振動に関する研究を行う物理学の一分野。「建築工学」と深く関連する。

地震工学 seismic engineering 524.91

〈耐震工学〉とも。地震発生に伴う防災(二次災害をも含む)全般に対応するための総合科学である。狭義には「建築工学」での耐震性にかかわる研究をさす。

爆破地震 explosive seismology (524.91)

〈人工地震学〉とも。地下や水中で火薬を爆発させ人工的に地震を発生させて、その地震波の伝播をもとに地下構造等を調べる「地震工学」の一分野である。

耐風工学 wind engineering (524.92)

 台風や暴風発生に伴う建築物の耐風力学を中心に研究する、建築学あるいは「防災科学」の一分野である。

防火工学 fire break engineering 524.94

 火災による建物被害を最小限に抑えるための構造設計など、工学的研究である。

建築音響 architectural acoustics 524.96 

 建築ならびに建設作業に伴う発生音について、聴取者にとって最も好ましい音質を届けるための音響構造を研究、設計する学問である。

設備工学 plant engineering     528

 製造工場などで建築物や施設等の効果的設計、配置、保全性などを総合的に研究する学問である。

通風工学 ventilation engineering 528.2

 空気を換気させるためのパイプ、チューブ、エアーダクトなどの効率的設計をになう技術である。

暖房工学 heating engineering 528.2

 空気調和工学のうち暖房熱効率を高めるためのトータルシステムを研究する技術である。

 

5.  機械工学.  原子力工学

機械工学 mechanical engineering 530

〈機械学〉とも。機械に関する事象を総合的に研究する工学の一分野である。材料力学、機械力学、流体力学、熱力学、気候学、機械設計学などにより構成する。また「電気工学」や「電子工学」と隣接関係にある。

材料力学 material mechanics 531.1

〈材料科学〉とも。科学分野ことに技術分野に利用される物質の特性、作用、用途などを研究する「機械工学」の一分野である。

振動学 vibrography           531.18

 機械工学系で生じる各種の振動現象を振動計などを使って研究する「機械工学」の一分科である。

機械振動学 mechanical vibration (531.18)

 広義には、機械や建造物に自然発生する好ましくない運動全般を対象に、その改善技術等を研究する。狭義には、回転機械に生じる振動や釣り合いのブレなどの「力学」を研究する学問である。

機械力学 mechanical dynamics 531.3

 機械が出す物理的な力を対象に専門的に研究する「機械工学」の一分野である。

万力の製造風景と部品図・完成図 万力は古くから工作作業に必須のツールであった。ブルースト『百科全書』より。

機械運動学 mechanical kinematics 531.3

 物理的な運動の仕組や作用を研究する「機械工学」の基礎的学問である。

機構学 machinery               531.3

 選良の工業材料を用い幾何学要件に合致した条件下で、機械の仕組みあるいは相対運動を研究する「機械工学」の一分科である。

大砲身を削る中繰り盤 ルネサンス時代の大砲の砲身を切削するための工作機械。1540年、ヴァノッキオ=ビリングッチョ『火工術』の挿絵。

熱工学 thermo tics               533

〈熱学〉とも。物理的に発生する熱の伝達や効率を対象に研究する「機械工学」の一分野である。

熱力学 thermodynamics         533.1

 分子の不規則な運動によって生じる物理現象を解析する「機械工学」の一分野である。

工業熱力学 industrial thermodynamics 533.1

 熱力学のうち工業生産分野に応用される範囲での研究を指す。

伝熱工学 heat transfer engineering 533.1

 温度差のある複数材料間で生じる熱の移動現象を研究する「機械工学」の一分野である。

蒸気工学 vapor engineering  533.3

 水素、空気、水、アンモニアなどから発生する蒸気を専門的に研究する「機械工学」の一分野である。

低温工学 cryogenic engineering 533.8

 極低温領域(160℃~-50)における技術的操作全般を扱う工学の一分野。これには極低温領域での諸現象の科学的研究も含まれる。

冷凍工学 refrigeration engineering 533.8

 冷凍装置を用いて、物体を人工的に環境温度以下に冷却、凍結させる技術を研究する「機械工学」の一分野である。

水力工学 hydraulic engineering 534

 水力システムやダムなどにおいて、流体エネルギーの発生に伴う伝達、制御、利用などの技術を研究する工学の一分野である。

流体工学  hydraulic engineering 534

〈流体運動学〉とも。気体や流体あるいは粉体など、流動しうる物質の運動作用等を物理的に研究する工学の一分野である。

ベルティの力学切断実験 ベルティはガリレオの有能な弟子の一人。1641年頃のこと、彼は師の論である水注が自重で断ち切られるとする「真空生成」説を実証しようと揚水限界の実験を行う。結果は期待を裏切り、「水の自重で筒上部に真空が生じる」という師弟の主張は証明し得なかった。科学はこういう試行錯誤を経て進歩する。

磁気流体力学 magneto hydrodynamics (534)

 流体物質の電磁波の発生に伴い、流体運動が受ける力学的影響を研究する学問。一般に水銀はじめ溶融金属またはプラズマから生じる起電力がもたらす磁場現象の解明を研究対象とする。

流体力学  hydromechanics      534.1

 静止流体ならびに運動流体の変形、圧縮、膨張などについて研究する工学の一分野である。

空気力学  aerodynamics        534.1

〈空気動力学〉とも。空気や他の気体が運動する場合および物体が気体中を移動する場合、あるいは気体が物体に対し移動する場合などにおいて、それぞれの物体に相互作用する力学的影響を研究する学問である。

水力学  hydraulics            534.1

「流体力学」のうち、液体に関する現象などを扱う工学の一分野である。

静水力学  hydrostatics      (534.1)

 静止する流体または移動中の流体に働く力や、流体自体がもたらすエネルギーを研究する「水力学」の一分野である。

空気工学  aeromechanics       534.9

 流体としての空気の物理化学的な性質や現象を研究する工学の一分野である。

真空工学 vacuum engineering 534.93        

 空気を含めいかなる物質も存在しない空間すなわち「真空」の性質や諸現象を研究する工学の一分野である。

精密工学 precision engineering  535      

 工作物等の細部に到るまで精確に仕上げる科学技術をいう。「計測工学」と重なりあう部分が大きい。

精密科学  exact science       (535)

「精密工学」の範囲や概念をより拡大した精密計測科学の学域をさす。

時計学  horology            (535.2)

 古典的メカの時計から最新の電子時計までを対象に、機械工学的な研究、あるいは時間計測およびそれら装置を開発するための学問である。

アラビアの水時計 アル=ジャザーリーの水時計正面図で、13世紀の写本。インスタンブール、トプカプ宮殿図書館蔵。

計算機科学 computer science (535. 5)

 一般に〈コンピュータ科学〉といっている。情報の伝達多様化プロセスをはじめ構造様式や手続き、処理方法、そのためのシステムづくりなどを研究する「総合科学」である。

交通工学 traffic engineering 536       

 道路や街路施設の配置や容量などを決定するための工学の一分野。車両交通の効率、歩行者の安全といった面での研究も含まれる。

運輸工学  transportation       536

 輸送手段としての鉄道、自動車、航空機、船舶などを通じて、たとえば信号待ちと渋滞との関係など、運輸技術の効率的な方法などを研究する工学の一分野である。

車両工学 vehicle engineering   536     

 自動車や鉄道車両の工学技術を扱う学問である。

機関車工学 locomotive engineering 536.1       

 蒸気機関車や電気機関車など鉄道での機関車を扱う工学の一分野である。SL等のダイナミックな勇姿に隠れたファンの多い人気工学に数えられている。

自動車工学 automotive engineering 537        

 陸上輸送車両である自動車を扱う工学の一分野である。航空宇宙工学と並んで20世紀に最も発達した工学といわれている。

ベンツの広告 当時ドイツの名車、ベンツ製自動車の広告、第1次大戦中のもの。

航空学 aeronautics             538

  空中飛行に関する事象を対象に、航空機開発に研究する工学の一分野。1例として、鳥の飛行論など特殊な分野も含まれる。

航空工学 aeronautical engineering 538        

 航空機とその動力装置の構造、設計、飛行中の特殊な問題などを扱う工学の一分野である。

航空宇宙工学 aerospace engineering 538         

 航空機、宇宙船、人工衛星などの機体やその動力部の設計、製造を研究する工学の一分野である。

飛行学 aeronautics             (538)

〈飛行科学〉とも。人間の飛行に関する歴史、知識、技術などを集成した学問である。

航空力学 aeromechanics        538.1

 航空機の航空にかかわる諸現象や問題点を工学的に解決するための学問である。

航空物理学 aero physics       538.1

飛行物体にかかわる物理全般を扱う学問である。「航空力学」に組み入れる場合もある。

実験航空力学 experimental aeromechanics 538.1       

空洞実験やシミュレーター装置を使っての摸擬航空を通じて実際的な研究成果を究明する学問である。

航空気象学 aeronautical Meteorology (538.82)

 航空機の運行に重要な気象現象などをマニュアル的に観測し規範的成果をあげる学問である。

ロケット工学 rocketry        538.68

〈ロケット学〉とも。ロケットの研究、開発、実験など、ならびにロケット利用の技術を含めた科学の総称である。

航空心理学 aviation psychology 538.8         

 安全航空の目的のもと、「応用心理学」のセオリーを航空機搭乗者に応用し、航空病や航空恐怖症の排除に役立てる学問である。航空機の発達とともに誕生した現代的な新しい学問である。

航空電子工学 avionics       (538.85)

 航空機に搭載する電子機器系の工学技術を扱う学問である。

宇宙工学 space engineering   538.9      

 空間飛行や宇宙飛行に関する総合的な科学技術を研究、開発する学域。最新の先端技術が結集し成り立つ。

JSMEマーク 日本機械学会宇宙工学部門のシンボルとなっている。

宇宙航空学 space aeronautics (538.9)

〈宇宙航行学〉とも。宇宙船を操作しスムーズな宇宙航法が行えるように広汎な技術、技法を研究する学問である。

原子力工学 nuclear engineering 539

 核分裂と核融合の利用を扱う工学の一分野。原子炉、プラズマ施設、核爆弾の研究がこれの代表である。

原子核工学 nucleonic           539      

 核反応に伴い放出される高エネルギーの物理的、化学的作用を研究する工学の一分野である。

原子科学 atomic science       (539)

〈原子力利用科学〉とも。原子力を平和産業向けに役立てるための総合科学。原子力産業をはじめ原子力船等の研究、それらの関連法規、国際平和利用協定などにもかかわる。

放射線 radiation chemistry 539.18

 物質に高エネルギーの放射線を照射することで起きる化学反応を研究する化学の一分野である。

放射線工学 radiology          539.6      

 放射性元素の崩壊に伴って放出される粒子線、輻射線を研究する工学の一分野。医学分野への応用が目立つ。

 

5.  電気工学.  電子工学

電気工学 electrical engineering 540

 モーターや発電機のような導体を流れる電流を扱う工学の一分野。実用面への応用技術を研究するための基幹学問である。

カエルの体内発電の実験 カエルの足に金属をつなぐことで神経と筋肉に歪みが生じ電気が発生する、とガルヴァーニ(イタリアの解剖学者)は主張し、図のような実験装置を作った。1791年、ガルヴァーニ著『筋肉運動における電気力について』より。

電気数学 electro mathematics  541.2      

「電気工学」に必要とされる実用的な数理系学問の総称である。

高圧工学 high- voltage engineering 541.33

 数千ボルトから数万ボルトの範囲の高電圧を扱う「電気工学」の一分野である。

電力工学 electric power engineering 543

 発電、送電、変電、配電ならびにこれらの管理といった電気系統の一連の技術を扱う「電気工学」の一分野である。

発電工学 generating engineering 543

 都市部や地方、あるいは一般用または産業用に、大規模な電力供給にかかわる技術を扱う「電気工学」の一分野である。

送電工学 power transmission engineering 54.2

 電気エネルギーの実用面での送電を研究する「電気工学」の一分野である。近年、発電系と送電系との事業分離で広く話題を集めている。

配電工学 electric distribution engineering 544.4

 送電設備から高圧で受電した電力を配電機器や装置を通じて低電圧に落とし、再配電する技術を扱う「電気工学」の一分野である。

照明工学 illumination engineering 545

 電気的照明器具、装置を通して照明環境を整えるための一連の技術を扱う工学の一分野で

 照明美学 Concise設計工作室ブログより

電熱工学 electric heating engineering 545.8

 電流に人為的に抵抗を加え、電気エネルギーを熱エネルギーに変える技術を扱う工学の一分野である。

通信工学 telecommunication engineering 54

 電信、電話、ラジオ、テレビなど、情報伝達系の手段や技術を研究する学問である。電子工学、電気工学、制御工学および情報工学などとは縁辺関係にある。

弱電工学 light electric engineering 54

 電子回路や制御回路など、比較的弱い電気を必要とする「電気工学」の一分野である。

電気音響学 electroacoustics  54.3

 電気エネルギー、音響エネルギーなど空気中の相互影響を中心に、電気回路技術を用いてその作用を解明する学問である。

音響電子工学 acoustoelectronics  (547.3)    

 物質を通過するときに音響が及ぼす電気的特性の変化などを調べる学問である。

有線工学 wire engineering   54.4

 ラジオやテレビなどの放送を有線回路によって電送する工学の一分野である。

電話工学 telephone engineering 547.46 

 電話回線による通信技術を扱う工学。送受話器、互換回線、信号装置、交換設備などの設備装置を利用する。

電波工学 wave engineering   54.5

 無線通信に用いられる電磁波について研究する学問である。

無線工学 radio engineering   54.5

 電波の発生、送信ね受信ならびにそれら関連機器の設計ね製造等を研究する工学の一分野である。

高周波工学 high-frequency engineering 54.5

 高周波すなわち、無線周波数スペクトルにおいて330MHzの範囲の電波を扱う工学の一分野である。

電波数学 mathematics of radio wave 547519

〈無線数学〉とも。「電波工学」において専門的に用いる数理系学問の研究をいう。

テレビジョン工学 TV engineering  54.8

〈テレビ工学〉とも。映像音声伝達用の機器であるテレビを扱う「電波工学」の一分科である。

画像工学 image engineering  54.8

 テレビやスクリーン投影機などの映像機器を扱う「電波工学」の一分野である。

情報工学 information engineering 548

 人から人へと知識等を伝達するための手段、すなわち情報を扱う新しい学問分野。コンピュータと連動する情報システムの運用が中心で、情報の蓄積、検索、回収、応用などを目的とする。

制御工学 control engineering 548.3   

 情報の伝達をコントロールあるいはフィードバックするハードウェア面での調整技術をいう。

知識工学 knowledge engineering (548.3)   

 ドイツ人科学者ファイゲンバウムが樹立した言葉で、「人工知能ロボット」などのコンサルテーションならびに応用にかかわる技術全般を指す。工学システムのなかでも多分に人間工学的で論考的なメカニズムを考究する体系といえる。

ロボット工学 robotics       548.3

 いわゆる「ロボティックス」を指す。自動制御機器の設計、応用ならびにセンサーシステムの制御などを扱う研究である。現在、利用分野が急速に広まっている。

電気光学 electro-optics    (548.3)

 たとえば電気的カー効果やシュタルク効果といった、電場が光学現象に及ぼす影響を研究する学問である。

電子工学 electronics         549

 電子の運動に伴う現象および、その応用技術などを研究する工学の一分野。現代のあらゆる産業技術の基盤をなしている。

微小電子工学 micro-electronics (549.1)    

〈微細電子工学〉とも。多重機能チップのように、素子を用いて極微にコンパクト化した電子回路とその構造について研究する工学の一分野である。

固体電子工学 solid electronics 549.8     

 クリスタルダイオードやフェライト素子といった固体素子を扱う「電子工学」の一分野である。

電波分光学 radio spectroscopy 549.95

 マイクロ波吸収、電子スピン共鳴吸収、核四極共鳴吸収といった電波の吸収現象を扱う「分光学」の一分野である。

X線学 radiology          (549.96)

 極短波長であるX線の性質などから実用化へ向けての応用に至る、一連の専門的研究をいう。

X線工学 X-ray engineering  549.96

 X線の性質を光波の性質になぞらえて分析する「X線物理学」の一分科である。

X線結晶学 X-ray crystallography 549.96

 X線の回折技術による結晶構造の研究を行う「X線物理学」の一分科である。

電子光学 electron optics    549.97

〈電磁光学〉とも。光が発する電子や電磁波を理論的に調べ、光の諸現象を考究する「光学」の一分野である。

光電子光学 optoelectrics  (549.97)

 光の性質等を光学的に評価したり分析したりして、さらに実用面に応用するための研究を行う「光学」の一分科である。

 

55.  海洋工学.  船舶工学.  兵器

海洋自然科学 natural science of ocean  (550)

 海洋の自然現象や海水の物理的、化学的性質などを幅広く解明する「自然科学」の一分野である。

海洋工学 ocean engineering    550

 〈海洋学〉とも。海洋に生じる諸現象を研究する「総合科学」。海洋物理学、海洋生物学、海洋化学、海洋生物学、海洋微生物学、海洋地質学などの分野から成る。

海事工学 marine engineering  550

  公海上の国際ルールなど海上の事柄について研究する学問である。

船舶工学 marine engineering  550        

 船舶航行のための動力装置や補助機械装置など技術面を扱う工学の一分野である。

造船学 naval architecture    550        

 船舶や飛行船など浮力構造体の物理的特性を把握しながら、その設計や建造を行う「総合科学」である。

エジプトの外洋船 前1500年頃に建造された外洋航海用の帆・手漕ぎ併用船の図。

理論造船学 theoretical naval architecture 551

 造船のための基礎的な理論を研究する「造船学」の一分科である。

造機学 engine construction    554

 艦船の機関を設計、製造、修理するための技術。旧日本海軍の用語で、今ではめったに使われない。

航海学 navigation            557

 昔は「航海術」といっていた。船舶の航行に関する知識や技術を総括した学問である。

『老水夫行』の挿画 イギリスの詩人・批評家であるコールリッジ(17721834)の小説にギュスターヴ=ドレが勇壮なこの絵を添えた。

航海天文学 nautical astronomy 557.34           

 航海に測天儀などを利用した「天文学」で、レーダーが存在しなかった頃の学問である。

海図学 chart logy        (557.78)

 航海の目的で作図される地図を扱う「地理学」の一分野である。

海底地質学 submarine geology (558.3)      

〈地質海洋学〉とも。海底の岩層の形状、風化や浸食、沈殿現象など地質学上の海底地勢について研究する学問である。

軍事工学 military engineering 559

 軍隊、軍備、戦略など軍事全般を研究する学問である。

兵器工学 ordnance engineering 559

〈兵器科学〉とも。戦闘用、殺傷用、破壊用の機材や道具等を国家規模のプロジェクトとして研究する学問である。

造兵学 science of manufacturing arms and ammunition 559

 兵器製造のための研究。〈兵器工学〉に同じとみなすこともできる。

発射学 ballistics         (559.1)

 弾丸、砲弾からミサイル、ロケット、宇宙船など外力または自力で発射される物体について、主として物理的な面を研究する学問である。

「三匁玉鉄砲絵形覚」 近江の国は国友藤兵衛家に伝わる三匁玉細筒火縄銃の断面図。江戸幕府の鉄砲御用職にあった藤兵衛が書いた「国友一貫斎文書」より。

弾道学 ballistics          559.11        

 弾丸、砲弾からミサイル、ロケット、宇宙船など飛翔体ついて、飛行運動や弾道等を研究する学問。「発射学」と重複する面が少なくない。

築城学 science of castle-building (559.9)       

 対戦相手の攻撃を防ぐため城、城壁、砲台等を築くための技術をいう。

 

56.  金属工学.  鉱山工学

鉱山学 mining                560         

〈鉱山工学〉とも。鉱山全般に関する総合科学で、たとえば石炭、鉱石、有用鉱物の発見、それらの開発、採掘、選鉱ね分別ね精製などに関する研究など学域が広い。

金属学 metallurgy         560

 金属を扱う学問で物理学、化学、物性学、化学熱力学、冶金学、材料力学などの縁辺学問と相互に関連して成り立つ。

金属工学 metallurgical engineering 560                    

「金属学」の理論や実験成果を工学に体系化した学問である。

採鉱工学 mine engineering   (561)

〈採鉱学〉とも。鉱脈を発見し開発するための技術を研究する学問。「鉱山学」と重複する面が少なくない。

鉱山地質学 mining geology  (561.1)

〈鉱床地質学〉〈鉱床学〉とも。採鉱計画や鉱床の構造、採鉱状況などについて「地質学」的な立場で研究する学問である。

応用地質学 applied geology   561.1         

 鉱山資源の生産、管理に関する技術に対し、地質学上の研究成果を反映させ採掘見通しを立てるための学問である。

応用鉱物学 applied mineralogy 561.1                   

 鉱物の実際的な生産と活用技術に対し鉱物学の基礎知識を応用する学問である。

写真地質学 photo geology   (561.1)

 航空写真を中心に地形等を地質学的に解明する学問である。  

冶金学 metallurgy         563

  昔は「冶金術」と称した。金属や合金の製造および、その実用化や活用を研究する工学の一分野。金属精錬における化学反応や金属材料の物理的、化学的、機械的性質などを調べる研究も含まれる。

採鉱冶金学 mining and metallurgy (563)       

「冶金学」のうち選鉱過程に範囲を限定して研究する冶金学の一分科である。

学冶金学 chemical metallurgy 563.1                   

 鉱石から金属を抽出し精錬するための技術を研究する「冶金学」の一分科である。

冶金化学 metallurgic chemistry (563.5)      

 金属や合金の精錬時などで生じる化学反応や化学的変化を調べる学問である。〈化学冶金学〉とほぼ同じ。

金属物理学 metal physics    563.6

 金属を対象に、その物性や構造を物理的に究明する学問である。

銅版画集『もう一つの世界』より シュルレアリズム色濃い版画で、鉄球(地球のアレゴリー)にかかる橋が未来的な異彩を放つ。グランヴィル(180347)はフランスの政治風刺画家で版画家。

金属組織学 metallographic  563.6

〈金相学〉とも。金属と合金の組織やその変化をさまざまな実験手法を用いて解明する学問である。

物理冶金学 physical metallurgy 563.6                   

 物理的な理論および実験を通して冶金法を研究する「冶金学」の一分科である。

合金学 alloying            563.8

 合金すなわち、固溶体や金属間化合物として2種以上の元素を含む金属生成物を研究する学問である。

製造冶金学 productive metallurgy 566                   

 金属の精錬、加工を含む製造過程を通して、金属を商品化するための研究を行う学問である。

溶接工学 welding engineering 566.6

 2以上の金属同士を溶融し接合するための工学技術の一分野である。

石炭地質学 coal geology    567.1

〈石炭岩石学〉とも。石炭紀に生成した石炭を成因、形状、生成過程などを地質学的に研究する「経済地質学」の一分野である。

石油地質学 petroleum geology  568.1

 炭化水素資源としての石油の生成起源、産出状況、集積状況などを精査する「経済地質学」の一分野である。

油層工学 petrophysics        568.1

〈油層物理学〉とも。貯留油層について埋蔵量の評価、適切な排油機構の選定、油採収の経済性などを考究する工学の一分野である。

 

57.  化学工業

工業化学 industrial chemistry 570                   

 実験レベルでの基礎研究から工業化試験を経て工場生産に至る、一連の科学的課題を研究する学域。新物質や新用途の研究開発も含まれる。

無機工業化学 inorganic industrial chemistry 570

「無機化学」ならびに無機化合物の工業化へ向けての生産効率等を研究する学問。「有機工業化学」と対応する概念の言葉である。

応用化学 applied chemistry    570         

 産業や生活に役立たせるための化学製品づくりと、その科学技術を研究する学問体系をいう。狭義には工業化学をさし、「純正化学」に対応する概念の言葉である。

化学工学 chemical engineering (571)       

 化学工業プラントの設計、運転、保守などを扱う工学の一分野。物理的な問題点や形状変化などの課題も含まれる。

反応工学 chemical reaction engineering 571

〈反応操作学〉とも。経済的で合理的な化学プロセスを確立するために、化学反応装置の設計にかかわる化学工業の一分野である。

工業物理化学 industrial chemicophysics 571.01

 工業向け「物理化学」の研究分野で、工業製品の化学的性質や物理特性等を研究する学問。この分野は「コンビナートリアル=テクノロジー」といった最新技術に象徴されている。

プロセス工学 process engineering (571.1)         

〈プロセスシステム工学〉とも。化学プロセスすなわち、化学製品の製造工程等で計画、設計、制御の各段階を効率よくシステム化するための工学。これにより反応、吸収、蒸留といったプロセスの設計理論が一体化され生産性が高まる。

粉体工学 powder engineering 571.2

物品の製造工程中に生じる粉体や粉流体の性質や発生プロセスを研究する工学の一分野である。

界面電気化学 interfacial electrochemistry  (572.22)

 流体および固体の表面、あるいは二相を分離する境界に生じる化学変化や電気的現象を研究する学問。界面活性剤の製造などに応用される。

珪酸塩化学 silicate chemistry (573.1)       

 珪酸塩すなわち、二酸化ケイ素と金属酸化物からなる化合物を扱う学問である。塗料やセメントなどの製造に応用される。

燃焼工学 combustion engineering 575.1

 燃焼炉の設計等において燃焼の熱効率や伝達速度などを研究する工学の一分野である。

石炭化学 coal chemistry     575.31

 石炭やコークスおよびその副次産物を利用し、合成染料、医薬品、防腐剤、溶剤など化学製品の開発を研究する学問である。

ガス化学 gas chemistry     575.34

 石化燃料を燃やし可燃性ガスを発生させ発電エネルギーとして利用し、化学製品を作るなど多方面に応用されている化学の一分野。

石油化学 petrochemistry     575.51

 石油と天然ガスを原料に化学製品の合成、分離、製造等を行う化学の一分野である。

石油製品/石油化学 東燃ゼネラル石油HP「当社の基礎石油化学品」より

油脂化学 oil and fat chemistry 576 .11

 油脂類を製造する化学工業の、主として製品の製造過程や新製品開発にかかわる学問である。食用油脂、石鹸原料、塗料、特殊燃料など産出製品は多様である。

塗料化学 paint chemistry    576.81

 塗料や溶剤などを扱い、化学的分析などを通して新製品開発に結びつける学問である。

染料化学 dye chemistry       577. 1

 着色用の有色物質つまり染料を研究する学問である。

遺伝子工学 genetic engineering 579 .93

 生物の遺伝子を人工的に合成または変更して発現させたうえ、本来の遺伝子を組み替え操作する等の研究をする最新科学の一分野。

生体工学 bionics            579. 9

〈生命工学〉とも。通称「バイオニクス」といわれている。生物にそなわる優れた機能やメカニズムを工学的に応用するための学問。たとえばロボット手術、クローンキメラなど自然界の生物からヒントを得て出来たものが少なくない。

 

58.  製造工業

製紙工学 papermaking technology (585)      

 紙類の製造に必要とする工業技術の総称である。規模の格差の大きいのが目立つ。

紙すき 紙は和洋を問わず古来、知識の媒介役をつとめている。貞享2(1685)年、菱川師宣画『和国諸職絵尽』より。

繊維工学 textile engineering  586    

 衣類など繊維製品の製造に必要な工業技術の総称である。

繊維化学 fiber chemistry     586.1    

「高分子化学」をもとにした繊維製品の加工技術の総称である。

繊維光学 fiber optics     (586.1)    

 高分子繊維やナノファイバーなどの解明を研究対象とする「光学」の応用技術である。

染色化学 dying and weaving chemistry 587.1

 繊維製品などを染色溶剤などにより着色するさいに必要な科学技術である。

食品工学 food engineering      588

 加工品や添加物などをも含めた食品製造を目的とする工業技術の総称である。

工業微生物学 industrial microbiology         588.51

 たとえば食品工業における酵母菌やビフィズ菌など、工業化に有用な微生物について研究する「微生物学」の一分科である。

食品微生物 food microbiology 588.51

 食品由来かびなど食品や医薬原料用に繁殖させる真菌類を研究する微生物学の一分科である。

酵母学 zymology             588.51

 食品や医薬品に利用できる酵母菌などの発酵現象を研究し実用化するための学問である。

醸造学 zymurgy              588.51

 味噌、日本酒など醸造製品に必要な発酵化学を中心とした「農学」の一分野の研究である。「酵母学」とは必要不可欠な隣接関係にある。

伊丹酒造 米洗いの図 『日本山海名産図会』より。寒仕込みの米洗いは日本酒醸造の最初の作業段階である。

 

59.  家政学.  生活科学

生活科 domestic science     590

〈家事科学〉とも。生活改善を図るために、身近な生活に関連する諸事象を科学的に把握し分析する学問。「家政学」に深くかかわる分野である。西欧ことにイギリスでめざましい発達を見せている。

生活学 science of living      590

 人と物との結びつきを通して、より価値のある生活をめざすための学問である。現在、「日本生活学会」を中心にさらなる発展を見せている。

家政学 domestic science      590

 〈家政学〉とは、日本家政学会の定義によると、「家庭生活を中心とした人間生活における人と環境との相互作用について、人的、物的両面から、自然、社会、人文の諸科学を基盤として研究し、生活の向上とともに人類の福祉に貢献する実践的総合科学である」とある。

家庭経済 household economy   591   

〈家族経済学〉とも。過程における経済を対象とした学問で、「家政学」の一分野である。

家庭科学 house-making         592   

〈家庭理工学〉とも。家庭生活全般にわたる運営をいい、英語の「ハウスメーキング」がその全容を言い表している。狭義には「生活科学」とみなしてよい。

被服 clothing               593   

〈被服管理学〉とも。衣類の選択、着用、手入れ、保存、整理、再利用、廃棄などの知識や技術をさす。

調理学 cooking                596   

 食品について味覚と栄養が満足いくように調理する知識、技術をいう。

栄養学 nutrition             596.1   

 人体中の栄養状態を研究対象とする学問。栄養生理学、栄養化学、栄養病理学などに分かれている。

家庭医学 family medicine     598.3   

 一家の健康管理に必要な「基礎医学」の知識、技術の総称である。

伝統医学 traditional medicine  (598.3)     

 古くから巷間や家庭に伝わる「民間療法」をさす。〈家庭医学〉に同じ。

育児学 pedology               599   

〈保育学〉とも。家庭において乳幼児を育てるための知識、技術をいう。