おぎぶん e-book 13


 

大江戸おどろおどろ譚

 

『藤岡屋日記』より江戸事件帖

 

 荻生待也編・現代語訳

 

e-book『大江戸おどろおどろ譚(ばなし)』〔書き下ろし〕

 江戸の諸記録集『藤岡屋日記』より下世話物の珍談・異聞ならびに巷間街説160条を抄出、現代語に意訳し一般向け読物としてe-bookに仕立てました。いまだ他書に現代語訳本は見当たりません。

 

信じられない!けれども、もっと読みたくなる…

涙が出るほど笑いすぎるバカバカしくも面妖な話を160話も選びました。

落語よりも面白い癒しの江戸世界を。『藤岡屋日記』より江戸事件帖160話の現代語訳。

 

落語よりも面白い癒しの江戸世界

「藤岡屋日記」現代語訳抄

 

大江戸おどろおどろ譚 プラウザ上の仕様

 

題名●大江戸おどろおどろばなし

副題●落語よりも面白い癒しの世界

概要●雑記録集『藤岡屋日記』より抄出の江戸事件帖

編著(現代語訳)者●荻生待也

製作者●おぎぶん工房

作品番号●おぎぶん12

製作年月(予定)20175月 更新

カテゴリー●歴史書>江戸時代>江戸の奇談集

収載記事数●160 

構成●口絵→前書き→前もってお読みください→目次→本文 原典挿絵30点を挿入

本文の基本設定●A4判横書き、MSゴ明朝体10.5(見出し12) 20字×36行×2段/1ページ

電子仕様●原稿はWINDOWS 7によるデジタル化

ボリューム●延べ144ページ、10.9MB

 


オチケン級のネタがザックザク宝典

 

『藤岡屋日記』写本  東京都公文書館蔵 マイクロフィルムより転写

 

藤岡屋日記 第壱(表紙)

 

 藤岡屋日記(目次の一部)

 同 文化二年六月(記事の内容)

 本書「第一話 盗賊、鬼坊主清吉捕らわる」

 

 江戸の噂話の発信源「髪結床」につながる裏長屋入口(『藤岡屋日記』とは直接関係がありません) 式亭三馬作『浮世床』初編の挿絵、歌川国直画、文化十年板

 


ギスギス現代人に癒しの特効薬

 はじめに

 

『藤岡屋日記』は題名こそ日記でも、内容はとほうもない日記である。常識的に私的な生活記録をつづった日録だなどと思うと、戸惑うことになる。

幕政における令達や人事異動等の諸記録をはじめ各藩地方政治、大事件や大災害の記録、人物評伝、果ては異風俗やら俗信やらが載せてある。見世物など興行の様子、有名店舗の評判、遊里での珍話、怪談奇談、芝居や浮世絵の逸話、犯罪記録、好色漢が喜びそうな下半身を狙った笑話、そして嘘八百を百も承知の与太話。なかにはジョン万次郎の漂流記(第七七話)まで紹介してある。

まさに江戸時代の記録文書や事件簿・巷談街説の百科事典のようなもので、江戸後期史の大小事件で触れてないものを探し出すのに苦労するほどである。

これらすべてを、編者である須藤由蔵という一人の古本屋がまとめあげた。この人物については追って説明するが、彼また並の古本屋ではない。市井の一個人にしては考えられないような広くて厚い人脈と、網の目のように張り巡らせた情報源を持っていたのである。圧巻といえるこの書のボリュームに接し、編纂作業が常識を超えたエネルギーで成し遂げられたであろう点を評価したい。

しかも、知られているだけで一五〇巻を超える大作。ほかに欠落本が一〇〇巻ほどあるとされている。とにかく『藤岡屋日記』は江戸時代における、噂話文化の宝庫といってよいだろう。

本コンテンツはその『藤岡屋日記』の一部現代語抄訳である。

構成は膨大な内容のうち、政治向きのことはさておいて、主として横丁の旦那方好みの巷談街説を材料に選定し編集してある。これらの話は、化政期から幕末にかけての異常な時代の照魔鏡であるにちがいない。現代人の目から見て一笑に付したくなるものがほとんどだが、それはそれで「癒しの効果」があるだろうと思う。

本コンテンツ成立にさいし、活字底本として『近世庶民生活資料 藤岡屋日記』各册、三一書房刊を利用させていただいた。厚くお礼申し上げます。

 

前もってお読みください

『藤岡屋日記』とは

日記というよりは諸記録の集成本である。

三一書房刊本の各巻配本時しおり月報では、「藤岡屋日記うわさ帖」の通称をつけている。

「はじめに」で述べたように、『藤岡屋日記』の核となっている情報は、公文書の写しをはじめ瓦板や引札からの転載、それに生の声の聞書きである。執筆分野は驚くほど多岐にわたっている。

『藤岡屋日記』はまた、「無名の大作」といわれている。延べ二五〇巻といわれる大作にもかかわらず、知名度が低い。これまで写本・活字本が陽の目を見なかったためである。

量的に見ると大半が公文書または私文書の書写であり、藤岡屋自身が書き下ろした稿は意外に少ない。しかも聞書き・伝聞記録が多くを占めるので、自らの起草はほんのわずか、と見てよい。

三一書房刊本は第壱~第百五十二まで、一五〇巻・一五二冊に「江戸(安政)大地震」の別巻一巻が付く。うち第二十・第三十二・第九十は所収のない残欠本である。つまり現存するのは一四九巻・一五〇冊ということになる。日記の大半は大正一二年の関東大震災で焼失し、現存するのは写本だという説もあるが、確証はない。また一説によると、藤岡屋が手がけた総数は二五〇巻とも、一八〇冊ともいわれているが、これも定かでない。

『藤岡屋日記』の編成

編成は次のようになっている。

    編年抄出記録(前記) 

慶長年間(1596~1615)より享和年間(1801~1804)に至る執筆着手前の分は、史書等から抄出し原則として編年でまとめ。

見聞記録(本記)

文化元年(1804)より慶応四年(1868)に至る見聞等を筆録してある。この六五年間が記述の本命である。ただし、一部は主題別に「海防」「上書」「珍説集」などの巻名でまとめてある。

なお、年次執筆記録量は年を追うごとに逓増している。

編者の藤岡屋由蔵について

本名を須藤由蔵という。上野国藤岡の出身だが、幼児・青少年時の伝は未詳である。

壮年になってから江戸に出て、御本丸御広敷の請負人足・埼玉屋の従者となる。

天保年中、御成道西側の足袋屋・中川屋に軒下を提供してもらい、路上莚敷の古本屋を開業。この時期より広範な知識と教養を積んでいったと思われる。

弘化二年、五十三歳になって御成道表通りで平屋建て杮葺(こけらぶき)の店舗を持ち、古本屋を店開きした。やがて物知りとして近辺の評判になり、文久元年には江戸の見立番付入りするほどの人気者に。ときには客のほうからわざわざやってきて情報を提供してくれるようになった。

明治三年、七十八歳のとき孤老の悲哀を感じて江戸を離れ、故郷の藤岡に帰った。その後間もなく当地で没したと伝えられている。

ときに江戸市中地図を現代地図と重ね合わせて検証すると、藤岡屋が古本屋を営んだ神田の御成道筋は今の外堀通りで、店は東京メトロ・小川町駅近辺、神田旅籠町にあったと推測できる。ここは後に古本屋街として賑わう神田神保町とは目と鼻の先で、藤岡屋が神田古本屋の嚆矢であり、人によっては「古本道の神様」と敬っているという。

藤岡屋由蔵を巡る逸話

藤岡屋由蔵にはいくつか通称・異名が付けられている。

まず「本由」は、屋の蔵の約め。

「御記録本屋」は、今日にいうジャーナリストの先輩としてふさわしい敬称だ。

「御成道の達磨」という渾名もある。古本売買のかたわら日がな一日店先を動かず、筆記に専念していたことから付けられた。(『種ふくべ』十八篇)

意地の悪い渾名に「穿鑿屋由蔵」がある。事件の情報獲得に貪欲なまでの姿勢を示したり、彼自作のお世辞にも上手とはいいがたい落首や狂句をやたらに披露した点をからかわれたのであろう。

また、江戸川柳に

 本由は人の噂で飯を食ひ

があり、川柳子をしてやっかみ半分に羨ましがらせている。彼はその噂一つを客に九六文で売ったとの亦噂がたったこともある。まさしく市中情報を売り買いして口銭を稼いでいたのは事実のようだ。

諸藩の留守居役ともじっこんの仲になり、情報交換で持ちつ持たれつの関係を保つのに長けていた。それにも増して、一介の古本屋が、なぜ幕府内の機密文書に類する重要情報を入手できたのか、考えて見ると不思議である。

自筆本変転の経緯

●明治に入って間もなく、故郷へ帰る決意を固めた由蔵は、恩顧ある足袋商の中川屋に自筆本をそっくり贈呈した。

●その後時期は不明だか、この自筆本を加納亮吉(伝未詳も東大教授か)が有料で譲り受けた。

●加納の没後、全巻が東京大学図書館に献本されたが、大正十二年の関東大震災で消失してしまった。

●別に、東京市史をまとめる目的のもと、東京市史編纂所が被災前に共同作業で謄写したものが残り、現在、東京都公文書館の蔵書になっている。つまり、何人かの手を経た写本が現存している。

●この東京市写本のうち一〇冊を底本に、江戸史研究家の三田村鳶魚が書写した冊本(第百十三~第百二十二)が現在、明治大学図書館の所蔵になっている。

●中川屋所有の原本のうち文化元年よりの五冊と別巻二冊は、古書収集家の笹川(種郎)臨風がじかに譲り受けたと伝えられているが、行方は目下のところ不明である。

●現代唯一の伝本となっている公文書館本は、大半が文化元年に始まり慶応四年に至るもので占められている。

併載の落首・狂句・俗謡歌詞について

巷談街説の場合、藤岡屋は一文の締めくくりに落首・狂句を挿入したり、関連する流行唄の歌詞を紹介することが多い。これは投句されたものと自作のものとの二通りが考えられる。

落首・狂句に限っていえば、世相を反映させる意図とはいえず、むしろ作品の大半は自作を発表する場に利用したような気がしてならない。なかでも落首については、作品のほとんどどが同じパターンに属する駄洒落過剰詠法に染まっていて、狂歌をかじった者なら、どれも同一人の作と容易に見抜いてしまう。

これらの併載もよいが、それは作品が秀逸揃いを前提にしての話である。しかし残念なことに、藤岡屋のものと思える作品は、どれもが語呂合わせ技法のみ先走り、いわゆる腰折れ歌になっている。読者を感心させる本格的な諧謔になっていないのだ。

しかしながら投稿を除いて、藤岡屋作品の場合はたいていが思いつくまま即詠されたもので、いわば刺身のツマのようなもの。一笑しながら読み流してしまえば、それでいいのかもしれない。

日記にはいくつか自筆とも借用とも見極めのつかない挿画が併載してある。しかし残念ながら、稚拙な絵ばかりであるため、これまた刺身のツマのつもりで見ていただこう。

『藤岡屋日記』の欠点と長所

公文書などから転写したもののうち他人の投稿などを除く、藤岡屋自身が書き下ろした文章について述べてみたい。

公正に見て、藤岡屋は文章が粗雑であるという点で、研究者間の意見が一致している。欠点を分析し列挙すると、次のような点が問題なのだ。

●漢文調候文が大半を占めていて、読者に生硬な印象を与え、しかも構文が下手で読みづらい。執筆した段階でこなれた日本語になっていないのである。

●記事文の鉄則である、「いつ、誰が、何を、どうやって、どうした」という論理的な文章作法がきちんと守られていない。思いつくまま形容句や副詞句が見当違いな場所に置かれていたりして、読者は大いに戸惑いを受ける。

●肝心な部分での言葉が足りない。そのため読者は論理的な思考のもとに、表現内容を頭の中で再構築しなおさなければならない。

●主語や主部を端折りすぎ、主格がだれなのか推定に苦労する場合が多々ある。要するに、自分だけわかっていればよい、という自己中心的文体になっている。

●その反面、畳語や畳句が目立ち、必要のない言葉を使いすぎるといった無駄が多い。

●漢文に伴う助辞の「而」の濫用も目障り。「そして……、そして……」という下手な作文のようだ。

●以上のうち最大の短所は、推敲をろくに行っていないこと。誤字脱字が多く、文法上の誤りも随所に見られる。

さらに欠点を総括するなら、曖昧で謎めいた表現が多すぎる。情報伝達の枠を逸脱して、解釈に苦しむ独りよがりな表現に苦労させられるのだ。もっとも、大半が伝聞という記事の性質を考えると、この点は斟酌して考えなくてはならないが。

情報源の拠りどころが曖昧なのも気になる。「申候由」「伝聞也」「此風聞也」などの文末でいとも簡単に済ませてしまい、具体的な情報源は不明の条文がほとんどである。このため、内容はたとえ与太話であっても、聞書きそのものとしての信頼性をいちじるしく損ねている。

 

さて、はからずも『藤岡屋日記』をけなす結果になってしまった。

そんなに気に入らないのなら、なにも取上げて著作にするまでもなかろう、と読者のお叱りを受けるかもしれない。ところが、数多の欠点を補って余りある長所があるのだ。そのため抄出現代語訳という手間をかけ一冊分の草稿にしたのである。

さて、長所を列挙してみよう。

○江戸時代後期の巷説街談をまとめた文書として、はなはだ内容が面白く変化に富んでいる。同時代類書に石塚豊芥子編全十八巻の『街談文々集要』など有名な書冊もあるが、話の物量、秘蔵話の新鮮さという点では、『藤岡屋日記』のほうに軍配が上がる。

○取材が丹念で、情報に偏りがない。取るに足りない主題であっても、できるだけ沢山の情報を集めてまとめあげた姿勢には好感がもてる。全体として、一事件の背景を探る材料探しには有力な史料となろう (唯一つ、大事件としての「桜田門外の変」だけは、どういうわけが記事が欠落している)

○当時、極秘情報に類する重要文書等が目を見張るほど数多く筆写・所収されていて、原文の史料価値は高い。もっとも本書の場合は、世俗巷間寄りの材料が中心なため、史料価値はうんぬんできないが。

○巷説街談については、当然のことながら、横丁の熊ッ八といった市井庶民の視点で材料をとらえている。俗称・卑語をたっぷり使い、構えたところがなく親しみがもてるという点は、なにかと取り澄ました現代のマスコミにはうかがえないくだけた心情の良さである。

○藤岡屋は、本格的に腰を据えて詠んだら、落首・狂句作りの腕前はかなり高いレベルにあるようだ。たとえば第一五三話にある「十六が三十二になり片付ず/五十に成てまだこもり也」などは、自身の作品だとすると世俗の落首水準では秀逸クラスで、彼の才能の片鱗を示していると思う。

本コンテンツ編成のしおり

●本コンテンツでは『藤岡屋日記』一五二巻と別巻一巻のなかから、庶民寄りの巷説街談を取材の主対象とし、

    比較的短い読み切りで、

    話題性のある奇異な内容をもち、

    江戸後期社会の時代相を反映したもの

を原則に選定した。

●収載は三一書房刊本の巻数順(編年月日順)とした(別巻「江戸大地震」は編年月日順中に繰り入れ)

●内容の重複または蛇足と思える句章、冗長な文章は適宜割愛し、そのつど()で断りを入れた。これは原文の( )と区別するための措置である。

補注は文字通り、該当する条に関して必要に応じ補足説明を加えたもので、全体像を理解する助けになるよう配慮した。

●なかには現代語訳とせずに、原文のまま転載したほうが適切と思える条全体または部分があり、その場合には各冒頭で〔 〕中に断りと理由を入れた。

●付帯する挿絵がある場合は、その図と説明文を併載した。

典拠とした出典(底本)

『藤岡屋日記』に関して現在唯一のよりどころとなる底本は、東京都公文書館所蔵本、いわゆる「公文書館本」である。しかし公文書館本は閲覧に厳格すぎる制限があり、入館者が使い勝手よく閲覧することのできない閉架本なのである。(追記、2011年二月現在、マイクロフィルムでの閲覧のみ許可されてい)

ここでは入館申込書に住所氏名を明記の上、希望する書籍の閲覧を申し込む。『藤岡屋日記』のような大作は一時に全巻揃いの閲覧は不可能。必要部分をコピーしたくとも自分での複写は許されていない。申込書に記入の上しおりを挟んだ現物を提出し、それを係員が複写する。複写代金は一枚二〇円。口絵に見るように、粗末な仕上がりにも甘んじなければならない。貴重史料だからやむをえない措置、といわれれば返す言葉もないが(以上の段落部分は2007年当時の記述)

そこで、出典は底本で、という原則を破って、次の活字本に頼ることにした。

①『近世庶民生活史料 藤岡屋日記』第一巻~第十五巻、鈴木棠三・小池章太郎編、三一書房(昭和六二年~平成七年)

②『新燕石十種』に所収の「天言筆記」(事件・落首等の抄出再編本)

 この二書だけが現存する活字本であり、本書はこのうち①を底本とした。①の場合でもそっくり活字化したわけでなく、表記法を中心に若干の改変を余儀なくされており、それが巻頭の「例言」に一括して示されている。したがって、原文の追跡などで必要な場合は、右①の「例言」は必読であろう。

現代語訳文について

巷談街説にかぎっていうと、藤岡屋が書き下ろしたものと見られる文章がほとんどを占める。大作であるにもかかわらず、文章が下手なあまり、丹念に読もうなどという人も少なかったであろうし、古典としての評価も低いままである。注意深く読み進めていくと、いつしか読み疲れしてくる。画竜点睛を欠くといおうか、金銀宝玉も磨かれないまま埋もれ忘れ去られたようなもので、残念なことだ。

まして一部なりとも現代語に訳そうなどという作業は、物好きでもない限り思いつかないだろう。労多くして得るところが少ない、と思えるからだ。

本コンテンツはその障壁をあえて冒した現代語抄訳本である。

本音を正直に言わせてもらうと、心底、気疲れがした。

なにしろ直訳したのでは、まるで日本語にならない。がんのように巣食った膿だらけの部位を取り除き、新しい細胞活性化の施術をし、ときには健康な臓器を移植するなど、ともあれ大手術を施した。その結果、どうやら読みこなせる現代日本語に調えることができた。

したがって現代語訳とはいうものの、原文とは付かず離れずの意訳である。そうでもしないと、読みやすく、こなれた日本語訳など及びもしないであろう。一言お断りしておきたい。

 

この作品の原本は縦組み構成です。これを電書化のため横組みに変換したため、一部にフォント等の文字化けやレイアウト崩れが生じています。ご了承ください。

 

 

目 録

目次の数字は本書ブラウザー上のものなので無視してください。

 

(セクション1)

第一話  盗賊、鬼坊主清吉捕らわる 17

第二話  入牢の飯盛り女は歌詠みの元お姫様 17

第三話  八歳の小娘が男児を出産 18

第四話  黒蝶の崇り、恐るべし 18

第五話  ホラも飲ませる千住の大酒飲会 19

第六話  侍、情婦を射殺し無体な言い訳 20

第七話  蜀山人、天井裏の鼠を狂歌に詠む 21

第八話  珍しや、双頭の蛇を捕獲 21

第九話  百姓、馬に男根を食いちぎられる 22

 第一〇話  目出度やめでた、長寿の面々 23

 第一一話  盗賊「鼠小僧」御用で獄門に 23

 第一二話  日本一の埋蔵金、取らぬ狸の皮算用 24

 第一三話  超長魔羅の持ち主、見世物に 26

 第一四話  (ぼし)()()き狐を釣り捕る 27

 第一五話  飲ン兵衛犬が三日酔い 28

 第一六話  業病に効くと人の生き胆を奪う 28

 第一七話  盗人、知らぬが仏のまま御陀仏に30

 第一八話  大きさは犬、面は猫、四つ足猿に似た怪物 30

 第一九話  花見の妊婦、酒樽を産み落とす 31

 第二〇話  古井戸主の大蛙を殺した崇り 32

 第二一話  八つの尾をもつ吸血の妖狐 33

 第二二話  両眼は取り外し自在、重し吊りも 33

第二三話  一昼夜に一八回戦、超絶リンの九二歳医師 33

 第二四話  歯の力、百人力が見世物に34

 第二五話  天保改革の立役者への面当て35

 第二六話  化け物より怖い、お上の検閲35

 第二七話  相撲取り中の巨漢「生月鯨太左衛門」36

 第二八話  蛙眷属の命を救い火難を免れる37

 第二九話  眼に銀光二筋を光らせる白亀37

 第三〇話  両国辻君の品定め番付が人気に38

 第三一話  あの世の鬼ども、奥方をこの世に追い帰す39

 第三二話  松の花咲き、商いも繁盛40

 第三三話  火難の護り神、神農像41

 第三四話  鬼子を殺したと、夫婦で届け出41

 第三五話  珍しいこと、亭主が亡妻に(みさお)立て42

 第三六話  閻魔、目玉くり抜きの盗賊にお目玉43

 第三七話  三人娘が心中の真相、霧の中44

 第三八話  厄年で寅年生まれ、異形の寅次郎47

 第三九話  小僧盗人が巻き起こした珍騒動47

 第四〇話  大損した両替屋め、ざまあみろ49

 第四一話  提灯の火に弱かった紙屑屋の強盗50

 第四二話  「人面蜘蛛の図」の史実がらみの由来50

 第四三話  一見御利益、後光さす人魚の図52

 第四四話  親孝行で罪科は帳消しに52

 第四五話  平穏の世か、蛙合戦まで「御届け」に53

 第四六話  「切られ三次」が喧嘩でまた切られた事件54

 第四七話  大蛇の子、見世物に、似せ物に55

 第四八話  悪評高い破戒坊主、とうとう獄門に56

 第四九話  尻子(しりこ)(たま)抜いた男色漢(カツパ)を突き出す58

 第五〇話  異国船来航の捩り絵、発禁に58

(セクション2)

第五一話  両国で大評判、熊童子の見世物60

 第五二話  獣欲の果て、雌犬と心中60

 第五三話  落ちた雷、宝剣を見て「桑原、桑原」61

 第五四話  堪忍を握りかねたか天狗鮓62

 第五五話  バッチイ金銭拾得の顛末記63

 第五六話  人体感覚が乗り移った人形64

 第五七話  「四谷階段」を昇ればなお怖い64

 第五八話  「遊女大安売り」の破廉恥引札65

 第五九話  悲喜劇に終わった、垂れ流しのマン談66

 第六〇話  御稲荷様と指切りげんまん66

 第六一話  天下りしてきた珍しい毛亀67

 第六二話  素寒貧侍、うなぎを食い逃げ67

 第六三話  老僧と盗賊、狂歌をやりとり68

 第六四話  腹上往生(ごくらくゆき)、世間のかしましいこと69

 第六五話  ニャンとも、あやかりたい招福猫70

 第六六話  そば好きの狸、小僧に化けて騙し買い70

 第六七話  湯銭払えば馬もお客という屁理屈71

 第六八話  狂犬数頭に百姓六〇〇人が山狩り71

 第六九話  母犬に金玉袋を食いちぎられ犬死72

 第七〇話  鼠の子を育てた博愛主義の母猫72

 第七一話  火事にぞっこんの愉快犯「ボヤ金」73

 第七二話  身も心も赤恥かいた生酔い侍73

 第七三話  人をつっかけひっかけ猪突猛進73

 第七四話  孝行娘の願い、賊を恐縮させる74

 第七五話  ペリー艦隊、浦賀入港で国内騒然75

 第七六話  庶民文芸まで黒船に踊らされる76

 第七七話  ジョン万次郎の漂流体験口述記録76

 第七八話  大江戸花の相撲取りの寂しい千秋楽84

 第七九話  「三度分込み」という廓遊びの新商法85

 第八〇話  「御医者ごっこ」から「破花ごっこ」へ86

 第八一話  野暮な雷神、ヘソ取らずに達磨を置く86

 第八二話  子供じみた乞食坊主どもの暴走87

 第八三話  女の生首を質入れ、スハ一大事?87

 第八四話  「安政の大地震」の概況89

 第八五話  安政の大地震による吉原遊廓の被災90

 第八六話  震災の後遺症で、人心まだ大揺れ91

 第八七話  酩酊茶番で鼻と顎の食い切り喧嘩92

 第八八話  桜の植樹にまつわる逸話92

 第八九話  人猫対話の舞台で、堀田の殿様を揶揄93

 第九〇話  新門親分も持て余した水戸の喧嘩相手94

 第九一話  人騒がせな水戸衆、江戸の嫌われ者に95

 第九二話  安政大地震の追跡情報95

 第九三話  根もない巨きなウソ、ここに極まれり96

 第九四話  娑婆ッ気が多すぎ、法悦心中ならず97

 第九五話  くどくは書けない血生臭い話98

 第九六話  男の嫉妬の深さ、思い知ったか98

 第九七話  空手形で強盗を追い返した機転99

 第九八話  地震、一軒だけを狙い揺らし99

 第九九話  金玉も縮み上がるキナ臭い事件100

 第一〇〇話  鬼の目に涙、狐の目に目薬100 

(セクション3)

第一〇一話  なんとも間の悪さが重なった火事102

 第一〇二話  集団の贋金作りは足のつくのが速い102

 第一〇三話  大岡裁きが欲しい難事件103

 第一〇四話  金竜山浅草寺で怪鳥が大暴れ103

 第一〇五話  義母(おにばばあ)殺しでも親殺しは(はりつけ)104

 第一〇六話  外国人には礼節をもって接してください105

 第一〇七話  河原で落命、しょせん河原乞食の運命か105

 第一〇八話  物騒な世、外人とて寄らば斬るぞ106

 第一〇九話  女太夫ら五人を誘い何もなかった?107

 第一一〇話  御当地のみ通用の仙台銭を奪った強盗107

 第一一一話  古井戸から金銀砂が山と出た108

 第一一二話  殺伐とした世の、目も当てられぬ奇禍109

 第一一三話  物騒な世に人心を惑わす落書(らくしよ)110

 第一一四話  閑話休題(ちよつとみちくさ)──新しい年号は「万延(よろずのびた)」に110

 第一一五話  上がる、上がる、万物飛び上がる111

 第一一六話  惜別! 銘酒店「内田総本店」店仕舞111

 第一一七話  富士御本尊送迎の華美はまかりならぬ112

 第一一八話  役者稼業は生きて花道、死んで極楽112

 第一一九話  不良外人は斬って捨てるぞ113

 第一二〇話  「市中物騒之事」が日常茶飯事に113

 第一二一話  一人の凶賊狩りに愚民が三〇〇人がかり114

 第一二二話  「外国人召捕方規則」制定さる114

 第一二三話  七五婆ァが「適齢期」に若返り115

 第一二四話  佐幕から勤王へ、灰色渡世の末路115

 第一二五話  江戸の公衆便所新設・管理の願い出115

 第一二六話  押し入った先が剣術道場、失敗に泣き出す116

 第一二七話  「(にわか)」の余興か、仮装行列の始まりか117

 第一二八話  名前まで盗んで「今鼠小僧」を名乗る118

 第一二九話  桜散る前に、命を散らす118

 第一三〇話  「コレラ獣」が焼かれて食われる119

 第一三一話  芋侍三人、職人一人の力に及ばず120

 第一三二話  無法の殺し、外人相手に伸びる120

 第一三三話  身勝手で人騒がせな檄文の見本に121

 第一三四話  エレキテル魔法治療で一儲け121

 第一三五話  悪評高い水戸侍だったのが運の尽き122

 第一三六話  長州勢、陣太鼓で賑やかに進軍123

 第一三七話  世間を震撼させた「筑波山事件」の断片124

 第一三八話  意趣返しに金玉袋を引き裂く124

 第一三九話  「天狗党」に雇われた小者の一夕話125

 第一四〇話  道路工事中に九二両を掘り出す126

 第一四一話  貨幣材料がなくなり経済混乱に126

 第一四二話  どこか似ている、蛇と鳶との争い127

 第一四三話  新門親分、ご苦労様でござんす128

 第一四四話  狂歌をぶつけて強盗被害なし129

 第一四五話  墓守提灯から青竹が芽を吹く怪奇129

 第一四六話  小銭ねだりの常習犯、じつは発句詠み130

 第一四七話  詭弁と誤魔化しで一騒動の米入札130

 第一四八話  イモリの化け物、じつは淀君の化身だと!131

 第一四九話  芋に勝る人糞の価値132

 第一五〇話  民草の声よ届け、御救い米に133

(セクション4)

第一五一話  末世異の世をあおる上方での異変・事件135

 第一五二話  窮民のウップンは密告(チクリ)で晴らす135

 第一五三話  世情不安を反映し諸物価が高騰135

 第一五四話  天狗が行き倒れになったと評判136

 第一五五話  御茶屋に骸骨入り壺の忘れ物137

 第一五六話  江戸南郊をさまよう歩兵団137

 第一五七話  時局をにらみすえた藤岡屋? の所感138

 第一五八話  民草は踊り狂う「よいじやないか」140

 第一五九話  「芋侍」と呼ばれるのもあとわずかですよ141

 第一六〇話  大久保利通、新生日本への建白書142